文／海外の大法弟子

　【明慧日本2025年6月5日】8年前、大学1年生の夏休み前、私は修煉を始めました。その時、ちょうど期末試験が終わったばかりで、高校の時の国語の先生がメールで『轉法輪』の本を送ってくれました。以前から宗教や精神修行に興味があったので、この本を読み始めました。

　『轉法輪』を初めて読んだ時、重い思想業力を突破するのは私にとって一つの挑戦でした。高校時代、私が最も好きだった科目は国語で、特に文学でした。しかし、学んだ作品の多くは退廃的な価値観を伝えていました。中には前向きな内容もありましたが、大半は殺戮、背徳的な感情などのような暗いテーマでした。これらの内容が頭の中に深く残り、『轉法輪』を読むと頭痛や吐き気を感じ、さらに疑問を抱く時もありました。最終的に2カ月かかってやっと一通り読み終えました。読み終えるとすぐに煉功に励んで、その夏に本格的に修煉を始めました。

　社会主義国で育った私は強い闘争心、顕示心、嫉妬心、歓喜心を持っていました。それでも、法輪大法は真の修煉で、素晴らしい功法であると思って、真・善・忍の素晴らしさをより多くの人と共有したいと心から願っていました。その時はまだ修煉を始めたばかりでしたが、私の大学では唯一の大法弟子なので、校内に法輪大法サークルを設立するという決心を固めました。

　サークル設立のハードルは高く、最低25名のメンバーが必要で、学生会に詳しい計画書を提出する必要もありました。私は内向的な性格で、公の場で話す経験がほとんどありませんでしたが、その時は自信と勇気に満ち溢れて、サークル設立の申請はきっと許可されると強く信じました。

　一人の地元の同修が自発的に手伝いに来てくれました。ある日曜日の朝、私たちはキャンパス内を駆け回り、大学生にサークルを紹介し、支持を求めました。奇跡的にも、必要な人数に達しました。学生会でサークルを紹介する日に、私のスピーチは少し不慣れだったものの、心からの声でした。学生会長は真剣に耳を傾け、大きな好意と支持を示してくれました。最終的に、サークルの設立は無事に許可されました。

　サークル運営の中では、真・善・忍の原則からではなく、個人の固執から行動している時もありました。そんな時は良い結果を結びません。例えば、大法弟子が撮った映画の上映会を開催した際、視聴者がほとんど来ておらず、一部の中国人留学生は私たちを敵対相手と見なしました。ある日、大学でドキュメンタリー映画『Hard to Believe』（知られざる事実）を上映した時、その日はたった2人の視聴者しか来ず、そのうちの1人は医学部の教授でした。寂しい現場でしたが、後にその教授は私たちを医学部に招き、彼の生徒たちに映画を上映するよう依頼しました。その活動に50人以上の医学生が参加しました。これにより、私にたくさんの不足があるにもかかわらず、師父が常に助けてくださり、失敗しかけても素晴らしい結果に変えてくれるという、師父の深い慈悲とご加護を深く感じました。

　もう一度やり直すチャンス

　3年後、私は大学院の勉強を始めました。それまでに3年間社会人として働いており、心性も性格も成熟しているので、今度はサークルをより良く運営し、過去の失敗を避けられると自信を持っていました。しかし、法輪大法サークルを再設立したいという考えを大学内の同修Aに伝えたところ、Aはすぐには支持をせず、一度立ち止まって心を落ち着けて考えるようにと提案しました。「サークルを立ち上げたいのは、本当に真相を伝えるためか、それとも名声を求める動機からか、また、自由主義が支配する都市で法輪大法サークルを運営する際の困難、外国人学生として不適切な対応をすると、大法に悪影響を与える可能性がある」と言いました。

　彼女の指摘で、私は自分自身を見つめ直しました、歓喜心と顕示心を持っていないか、他人より目立ちたいと思っていないかと。深く考えた結果、自分にはまだ改善すべき点があるものの、それが大法を広めない理由にはならないと分かりました。実際、サークルを運営することで、これらの執着を取り除き、心性を高め、成熟することにつながると思います。

　また、東西文化の一つ大きな違いに気づきました。中国共産党文化では、「リーダー」になることは権力と地位を意味しますが、西洋社会では、サークルの責任者はスターや権威ではなく、単にサークルを立ち上げ、コミュニティに奉仕したいと思う人々です。責任者は自分のためではなく、他人のためにいます。

　以上の理解を踏まえて私は再びスタートし、学生たちと積極的にコミュニケーションを取り、支持を集めました。参加者が増えるにつれ、Aも心の壁を取り除き、支持を表明するだけでなく、また積極的に自分の友人にサークルを紹介しました。最終的に、サークルのメンバーは最初の14人から、この文章を書いている時点で61人にまで増え、最低要件の10人を大きく超えました。

　新しいやり方

　サークル設立の申請がようやく許可された時、私の心は大きく変わりました。数日間、学校から家への帰り道で、世界が新しい衣を纏ったかのように感じたことがあります。全ては外見上変わらないものの、その中身の一部が新しい次元に入ったようでした。その感覚が数日も続きました。

　今回、サークルの運営方法を変えることにしました。過去を振り返ってみると、不満や闘争心を取り除いていないせいで、サークル活動の中で、私は中国共産党による迫害を強調しすぎたことがあります。確かにそれは重要な部分ですが、重い話題に入る前に、法輪大法の素晴らしさと人々に与えた恩恵を先に紹介したほうがもっと良いではないかと思いました。それは、中国共産党の行為とは鮮明な対比となり、見る人の共感を引き出せると思います。

　そこで、活動計画を見直しました。学年の始めに、ソフトな心温まる活動をいくつか行い、その中で大法を紹介しました。例えば、毎週の座禅体験クラス、無料でタピオカミルクティーを提供、法輪大法9日間セミナー、映画「帰真」の上映会などです。

　負担か、それとも恩恵か

　学業、地元の大法プロジェクト、サークルの活動に追われて、心身ともに疲れ果てることもありました。普通の学生だったら、もっと気楽に大学生活を楽しめたかもしれないと思うこともありました。しかし、振り返ると、私の感じ方はまったく変わりました。この団体は負担ではなく、天からの贈り物です。真相を伝える際に出会う学生一人一人は、私たちと縁がある大切な存在です。私たちの行動は、大きな海の中の小さな一滴のように見えるかもしれませんが、その一滴一滴が、衆生の目覚めと正しい位置への帰還を象徴しています。これは、慈悲でかつ偉大な師父が望むことそのものなのです。