　【明慧日本2025年6月11日】（明慧記者・英梓）カナダの複数の国会議員は最近、法輪功への迫害の停止を求め、米国の「法輪功保護法案」への支持を表明した。

　米国下院は5月5日、「法輪功保護法案」を全会一致で可決した。法輪功（ファールンゴン）は法輪大法（ファールンダーファー）とも呼ばれている。同法案は、中国共産党（以下、中共）が国家行為として行っている法輪功学習者などの良心の囚人に対する生体臓器収奪の犯罪を停止させ、生体臓器収奪に参加・協力する中国国内の者に対して、経済制裁やビザ制裁などの制裁を科すことを米国に求めている。カナダの国会議員らは、全世界の国々がこの法案を採用し、中共の共犯者とならないよう努めるべきだと述べた。

　国会法輪功友の会共同代表「世界は法輪功保護法案を採択すべき」

　5月28日、国会法輪功友の会共同代表のガーネット・ジーニアス下院議員はインタビューで、法輪功保護法案への支持を表明し、世界のすべての国で採択されるべきとの考えを示した。同議員は、「すべての民主国家が、臓器の強制摘出に加担するいかなる可能性も排除するような立法を行うべきだと思います」と強調した。

5月28日、法輪大法が世に広まって33周年を祝う式典で演説を行うガーネット・ジーニアス下院議員

　2022年12月14日、カナダ国会は「違法な人体臓器摘出および売買に対処する法案S-223」を全会一致の324票で可決した。この法案は、カナダが臓器収奪を取り締まるための重要な法的根拠と広く見なされている。

　この法案の最初の提案者であり、積極的な推進者の一人であるガーネット・ジーニアス議員は次のように述べた。「カナダが臓器収奪の共犯者にならないことは非常に重要です。私たちは、誰一人としてカナダからそのような行為に関与することがないようにし、迫害を受けている人々が守られることを望んでいます」

　同氏は国会議事堂前で行われた、法輪大法が伝え出されて33周年を祝う集会で次のように述べた。「前回の議会ではようやく、カナダが臓器狩りおよび売買の共犯者とならないようにする立法を可決することができました。私たちは成功裏に、海外への渡航移植において強制摘出された臓器の使用を刑事犯罪とする法案を通過させました」

　「しかし、この取り組みはまだ終わっていません。他の地域でも同様の立法を推進するため、世界中のパートナーと連携する必要があります。また、（カナダ）各省や地域政府と協力して、この法律が全面的に実施され、カナダがいかなる形でも臓器収奪や売買に関与しないようにしなければなりません」

　同氏は改めて法輪功への迫害の停止を求め、「私たちのすべての指導者は、法輪功への迫害をやめるよう求めなければなりません。『世界人権宣言』第18条が定める宗教および信仰の自由は、中国を含め、世界中で保障されるべきです」と強調した。

　議員「カナダも反人道罪を犯した中共幹部に制裁を科すべき」

　カナダ保守党の民主改革担当影の内閣大臣であるマイケル・クーパー議員はインタビューで「法輪功保護法案」を高く評価し、カナダは臓器収奪を阻止するためにもっと多くの行動を取るべきだと述べた。「この法案は、人権を著しく侵害し、法輪功学習者を迫害している中共の官員に対して制裁を課すことを目的としています。これは、私が長年政府に対して求めてきたことでもあり、少なくとも反人道的な罪を犯し関係者に対しては制裁を科すべきです」

法輪大法が世に広まって33周年を祝う式典で演説を行うマイケル・クーパー国会議員

　同議員は同日、法輪大法が一般公開33周年を祝う集会で次のように述べた。「真・善・忍という法輪大法の信仰とは正反対に、中共は邪悪な政権です。法輪大法の学習者に対して中共が犯した罪は、この政権の邪悪な本質を如実に示しています。その罪には、大規模な連行、拷問、労働教養、そして大規模な臓器収奪が含まれます。中共による臓器収奪の罪については、十分な証拠があります。国際法廷による調査報告では、このような行為が今なお大規模に行われており、法輪大法の学習者がその主な標的となっていることが詳細に示されています」

　「国会議員として、私はこれまでと同様に国会で声を上げ、法輪大法への支持を表明し続けます。私たちは政府に対し、もっと踏み込んだ行動を取るよう呼びかける必要があります。中共に対抗し、人権を深刻に侵害した中共の官員に制裁を科すべきです。そして責任を追及し、正義を守るための制度を確立する必要があります」

　中共の反人道罪に対して処罰する法律を提唱したもう一人の国会議員、保守党の影の国防大臣であるジェームズ・ベザン氏は、インタビューの中で「私たちは知っています。北京の共産政権はいまだに臓器収奪を行っており、これは違法で恐るべき行為です。私たちはこのすべてを終わらせなければなりません」と述べた。

法輪大法が広まって33周年を祝う式典で演説を行うジェームズ・ベザン議員

　ジェームズ・ベザン議員はカナダにおいて「マグニツキー法案」を提出し、深刻な人権侵害から利益を得た個人に責任を問えるよう取り組みを進めてきた。

　同議員は集会で次のように述べた。「私は、下院でセルゲイ・マグニツキー法を提出し、当時の同僚であったレイノルド・アンダーチャック上院議員と協力して、中共支配下を含む世界中の国々で権力を乱用し、重大な人権侵害を犯した者が責任を問われるようにしたことを誇りに思います。法輪功の迫害から利益を得ている官僚、医師、腐敗した商人たちがいますが、彼らがその富や家族をカナダに持ち込み、ここを避難所とする資格はありません」

　「セルゲイ・マグニツキー法の成立により、政府は人権を迫害した者に責任を追及することが可能になりました。彼らはカナダの市場と自由を利用し、家族や財産、さらには自分自身をもこの地に隠そうとしています。こうした極めて重大な罪行は、断じて許されるべきではありません。中共による法輪功学習者への残酷な迫害は、まさに暴虐です。北京の中共政権はその責任を負わなければなりません。迫害や拷問、そして違法な臓器収奪によって利益を得ている者は、必ず法の裁きを受けるべきです」と同議員は強調した。

　元下院政府リーダー「違法な臓器収奪を阻止するため、各国は行動を起こすべき」

　「S-223反臓器摘出法案」の積極的な推進者には与党・自由党の議員も含まれており、元下院政府リーダー秘書で自由党ベテラン議員ケビン・ラモルクス氏もその一人である。ラモルクス下院議員はインタビューで法輪功保護法への支持を表明し、「世界各国政府が違法な臓器収奪を阻止するために具体的な行動をとることは喜ばしいことです。最善の方法について、私は前向きに検討します」と述べた。

自由党ベテラン議員ケビン・ラモルクス氏

　ラモルクス議員は、事実を広め、国民の意識を高めることが迫害の終結につながると考えている。「人権侵害に関わるあらゆる事件は、私に不安を感じさせます。もし、このような状況を軽減したり、公表したりする実行可能な手段があれば、私は全面的に支持します」と述べた。

　ラモルクス議員は長年にわたり、選挙区内の法輪功学習者を代表して、臓器狩りの停止を求める請願書を議会に提出してきた。「この極めて重要な人権問題について、（カナダの）指導者たちと引き続き協力していきたいと考えています」と同議員は述べた。