文／遼寧省の大法弟子

　【明慧日本2025年6月20日】私は以前、法を暗記することはとても難しいことだと感じていました。なぜなら、多くの時間がかかるうえに、根気も必要で、続けるには努力がいるからです。かつて、法を暗記しようと思ったことがありましたが、その時、ちょうど第五講を学んでいたので第五講から始めました。かなり長い時間をかけて、後半の数講をようやく暗記し終えました。当時の私は精進しておらず、心を静めて法を暗記することができなかったため、多くの法理が目の前に現れることもなく、何か出来事が起きても、師父の法に照らして自分の内に向けて探すこともできていませんでした。

　一、師父のご啓示で　再び法を暗記する

　周りの同修たちはすでに何年も前から法を暗唱しており、私にも何度も暗唱するよう勧めてくれました。ネット上でも、同修たちが法を暗唱することの利点について交流しているのを見ました。しかし私はずっと、法を暗記することも着実に修煉の一部であることに気づきませんでした。

　今年、ある年配の同修の交流文章に心を打たれました。その同修は毎日、五式の功法を一通りすべて行っており、時間があればさらに多く煉功しているそうです。その結果、体にも大きな変化が現れました。その時、私は「自分は新しい学習者なのに、身体が若々しく変化していないのは、きっと煉功が足りないからだろう」と思いました。師父は「『修・煉』の二文字の中で、人々がその煉しか重視せず、修をおろそかにしていることにあります」（『轉法輪』）と説かれています。

　五式の功法を一通りすべて行うことは、私にとってはまだ少し難しいかもしれません。ですので、まずは法を暗記し、心を修めることから始めて、この大法に同化していこうと思いました。

　二、法を暗記した後　身の良くない物質を取り除く

　焦る心を取り除く

　法を暗記するには、心を静めて一文一文を丁寧に暗記する必要があります。一文を暗記し終えたら、前に戻らず次の文へと進みます。これは、同修が交流で紹介してくれた暗記の方法です。

　『轉法輪』の第一講の第一段を暗記したときは、以前に何度も暗記したこともあり、すぐに覚えました。しかし、ある段落や文は何度も読まないと覚えられないことがありました。そんなときは、その文を繰り返し読み返し、「なぜこの文が覚えられないのか、どこを十分に理解できていないのか」を考えるようにしています。

　毎朝、法を暗記する前に、私は必ず師父に香を供え、ご加持をお願いしています。こうして、最初は1時間でわずか3ページしか暗記できなかったのが、後には5〜6ページ暗記できるようになりました。もし決められた時間内に暗記の目標を達成できなかった時には、「今日はどうして暗記が少なかったのだろう？」と自分に問いかけます。すると、法を暗記する際に求める心、焦る心、形式だけを重んじる心といったよくない人心があったことに気づきました。これらの心が、私を妨害して静かに法を暗記することができなくなったのです。私は、師父と法に対する敬意を持ち、大法に同化しようという真摯な心で臨むべきです。

　師父は「修は己にありて、功は師にあり」（『轉法輪』）と説かれています。「法というものは、自分が得ようと思っても、そう簡単に得られるものではなく、すべては師父がしてくださることなので、自分はただ法を暗記したいという願いを持ち、着実に続けていけばよいのであって、何かを得ようとばかり考えるべきではない」と自分は悟りました。法を暗記する過程は、まさに心を修める過程でもあります。ですから、スピードや量を追い求めるべきではありません。なぜなら、法を通読するのとは違って、短時間で多く読むことができますが、本を閉じたときに一文も覚えていない可能性があるのです。本当に心を静めて法を暗記することができれば、次第にもっと暗記したいという気持ちが強くなり、本を手に取ると手放したくなくなるという状態が現れるのです。

　怠ける心を取り除く

　ある日、朝の3時過ぎに目が覚めました。布団の中でゴロゴロしていて眠れなかったのですが、それでも起きて法を暗唱したり煉功したりはしませんでした。「どうせまだ外は暗いし、もう少し横になっていよう」と思ったのです。それでもその日は一日中とても元気で、次の日も同じような感じでした。そのとき、これは師父が、私の中にある怠ける物質を取り除いてくださったのだと悟りました。以前の私だったら、ぐっすり朝まで眠ってしまっていたのです。

　三日目から、自分のスケジュールを見直し、精進しようと決意しました。最初は目覚ましを30分早くセットし、朝5時20分に起きて、まず30分煉功し、その後ほぼ1時間法を暗記するようにしました。これで朝7時までにこれらを終えることができました。その後、「もっと早く起きたら、五式の功法も頑張れるかもしれない」と思いました。そこでさらに調整して、目覚ましを4時50分にセットしました。今になって振り返ると、あのときは師父が私の「精進したい」という心を見てくださり、怠け心という物質を取り除いてくださっていたのだと深く感じました。

　利益への執着心を取り除く

　普段、私は朝食を作ったあと、時間がなくて朝ごはんを食べずにそのまま出勤することがよくあります。時間に余裕がある日は、途中で肉まんなどを買いますが、時間がない時は果物を少し食べて、昼食まで我慢します。

　職場の部屋には一つテーブルがあり、時々みんながお菓子や軽食を持ち寄って、空いた時間に一緒に食べています。私もたまに、旬の果物を買って行ったり、家で食べきれないものを持って行ったりします。他人のものばかり食べるわけにはいかないと思ったからです。ところが、ある時期から、みんなが持ち寄るお菓子が増えて、食べきれないほどあります。すると、私の中に依頼心が芽生えてきたのです。「ちょうどいい、もう朝ごはんを買わなくても済むじゃないか。どうせたくさんあるし、少し食べたって問題ない。食べないのはもったいないし、自分もたまには買っているし」と思いました。

　こうして、仕事の合間や時間があるときに、ついお菓子を食べるようになりました。そのときは、それが良くない心、つまり「ちょっとした得をしたい」という心だとは気づいておらず、それを排除しようとも思いませんでした。以前にも似たようなことがありました。たとえば、暑い日に同僚がアイスクリームを差し入れてくれたことなどです。そのときも私は特に気にせず、別に大したことないと思っていました。

　師父は私が悟らないことを見ておられたので、その後また同僚がアイスクリームを持ってきてくれました。そのとき、「これは利益への執着心ではないか？　人のものを食べるということは、どれだけの徳を失うのだろう？　表面上では、人のものを得て得をしたように見えるけれど、実際には自分の大切な徳を使って交換しているのだ。なんて愚かなことをしているのだろう！」とハッと悟りました。

　それ以来、もう人のものを食べることはやめました。食べたいものは自分で買うようにしています。人が何かをくれても、受け取らないようにしました。以前は、同僚が使わなくなった良い服などをもらうのが好きで、つい取っておくことがありました。でも実際には着ないことも多く、結局捨てることになりました。法を暗記する過程で、師父が私の利益への執着する心、小さな得ばかりを求める心、労せずに得ようとする心を取り除いてくださったのだと感じています。

　もちろん、法を暗記している間もいつも精進できていたわけではありません。怠け心が出てきて、暗記の速度が落ちることもありました。ある交流の中で、私より遅く暗記を始めた同修が、毎日続けたことで第5講まで早く進んでいると知り、「これは自分より早く進んでいるのではないか、自分は落後してしまった」と思い、心を落ち着かせて暗記を続けました。2カ月あまりの頃、師父のご加持のもとで、毎日10ページ以上も暗記できました。疲れて覚えられなくなったときは少し休み、また続けて精進しました。

　三、大法に照らし　内に向けて探すことを学ぶ

　法を暗記することで、生活の中でトラブルや問題に直面したとき、師父の法に照らして、物事が起きた際には自分の内に向けて探し、私利私欲の心を修めることができるようになりました。

　ある日曜日、実家で少し用事があり、夕方になってから帰宅しました。昼間は暑く、夕方は少し涼しくなるからです。家に着くと、夫が私に「お前は他人のことを考えていない。遅く帰ってきても何も言わず、料理もできないじゃないか」とひどく怒りました。「これは良いことだ。夫は私の心性を高めるために助けてくれているのだ。自分は怒ってはいけない、むしろ感謝しなければならない。自分が間違った、彼の立場に立って考えていなかった。彼は私の帰りを待ってお腹を空かせ、仕事で疲れているのに」と思いました。私は落ち着いて、彼と言い争うことはせず、「私が悪かった。遅くなってしまった。これからはもっと早く帰るようにする。もし遅くなるときは、前もって連絡するね」と言いました。

　ある日、同僚から、今年私に割り当てられた仕事が他の人より随分多いことを偶然に聞きました。私は心の中で、「上司に相談して、できないと言い、もっと楽な仕事に変えてもらえないか聞いてみようかな」と考えました。上司のオフィスの入口の階段で、数分間迷って結局帰りました。

　しばらくして、その同僚が不機嫌な口調で私に聞きました。彼女は、私が上司のオフィスの近くでしばらく居たのを見て、私が上司と話したと思ったのです。彼女は、「まだ仕事の割り当てが発表されていないのに、もう上司に相談しに行く人がいるなんて、上司はかなり機嫌が悪くなったよ」と言いました。私は彼女に、「それは私ではありません」と説明しました。

　私は、同僚に迷惑をかけなくて本当に良かったと思いました。本来、同僚は善意で話してくれたのに、もし私がその件で上司に相談しに行っていたら、同僚に迷惑をかけてしまい、悪いことをしてしまうことになります。そうなれば、私の業が増えてしまうではありませんか。私はどれだけの徳を失うことになるのでしょうか。それに、上司も大変です。みんながきつい仕事を避けたがっていたら、仕事の割り振りはどうなるのでしょうか。修煉者として、私は普通の人のように「自分は楽をしたい」と思ってはいけません。もし自分が本来得るべきでないものを得れば、それは誰かに借りができることになります。私は修煉しているからこそ、普通の人と同じ行動をとらなかったのです。

　このような出来事はすべて偶然ではなく、師父が私のために用意してくださったものです。これを通じて、怠け心や苦労を避けたい心を取り除き、私を向上させようとしてくださっているのです。家に帰ってから私は家族に「今日の心性の関はうまく乗り越えられた。師父に感謝しなければいけない」と話しました。師父はいつも弟子のそばにおられ、見守ってくださっています。

　今年は出退勤の時間が変更になり、出勤時間が以前より早くなり、退勤時間も遅くなりました。毎日、いつもより10分以上早く家を出なければなりません。また、遅刻が規定回数を超えると給料が減らされます。私は「減らされてもいいです、遅刻や欠勤を禁止されているわけじゃないので、給料が減るのは仕方ないですね」と言いますが、周りの人には「この人はどうしてこんなことを考えているんだろう？」と思われているかもしれませんが、彼らの考えとは違うのです。

　師父はこのように説かれています。「これらの従業員は法輪大法を学んでから、早く出勤し遅く退勤するようになり、コツコツと働き、上司から与えられた仕事は何でも文句無しに受け入れ、利益をめぐって争うこともなくなりました」（『轉法輪』）。法を暗記しているうちに、「コツコツと働き」という言葉がしっかりと私の心に刻まれました。最近、この言葉に対して新たな悟りがありました。以前の私は間違っていました。いつも自分が損をしないように考えていたのです。職場には規則があり、誰もが守るべきものです。それに、職場は早く来て遅く帰ることを求めているわけではなく、決められた時間に出勤・退勤することを求めているだけです。それは何も悪いことではありません。もしみんなが遅刻や早退ばかりしていたら、職場の収益が良くなるはずがありません。「コツコツと働き」ということは、一日や二日はできても、常に続けるのは本当に大変なことだと感じています。

　以前は気づかなかったのですが、家にいる時間が自分の時間だと思い込み、朝は家でゆっくりして、あれこれやってしまい、いつもぎりぎりの時間に出勤していました。たまに遅く起きて数分遅刻しても、給料が引かれたことはなく、それを得したように感じていました。でも、それが修煉者としての基準に合っているかどうかは考えたことがありませんでした。これはまさに私利私欲の心ではないですか？　なんて悪い心でしょうか！　私は周りの人のように流されて文句を言うのではなく、大法の教えで自分に要求し、私利私欲の心を修めなければならないと思います。

　以前も内に向けて探すことが大切だと知っていましたが、学法に精進できず、どうやって内に向けて探せばよいのか、何を探せばよいのか分かりませんでした。しかし法を暗記するようになってから、トラブルに直面したときに、師父が法理を弟子に示してくださることがわかり、師父の法に照らし合わせて、自分を修めることができるようになりました。師父、本当にお疲れさまです！　弟子はこれらすべてが師父の慈悲深いご加護によるものであり、師父が常に弟子のそばで見守ってくださっていることを知っています。

　嫉妬心、闘争心、怨恨心、利益に対する執着心、情や色欲の心などの面で、私はまだ十分に修めることができていません。これからはこれらの面を意識して修め、慈悲の心を養い、私利私欲を取り除き、無私無我の境地を目指し、この大法と同化して、師父の期待に応えていきたいと思います。