文／中国大法弟子

　【明慧日本2025年6月20日】（前文に続く）

　ある同修は、男女間の直接的な関係は情欲の問題であり、犯罪だと認識していますが、異性に好感があったり、異性に接近したいことも色欲心の一種で、危ないことだとは認識できていません。色欲の念が動じたら、ひどいことになります。

　色欲心の現れ方は実に様々です。例えば、美女とハンサムな男性を見たら、無意識的にもっと見たくなったりすることや、映画やテレビの有名人に対する愛慕や、同性の美貌を高く評価する、自分の容貌に特別な注意を払う、自分の外見を気にすることや、いつも鏡を見るなどは、みな色欲心の一種です。

　色欲心は隠されているので、気づきにくいのです。必ずしも男女の関係に現れるものではありません。例えば、女性が衣装を買うことに夢中になって、着替え始めたら、中々終わらないことも、色欲心の現れです。ある人は修煉を始めたのに、特定のスターや、俳優が好きだったりします。特に女性の同修は、テレビ上のある男性の形象が好きで、動作や笑顔に夢中になったり、頭の中で、どうのこうのと想像したりすることなどは、修煉者としては忌むべきことなのです。

　この混沌とした世界には、あまりにも多くの人間的要素が絡み合っています。人々が善と考えるものは、神の目からは悪く見られます。この乱世のさまざまな誘惑に直面して、色欲心は確かに修煉者の一つの大きい関門となります。

　もし、あなたが色欲心を糞と見なして、色欲の念に動じなければ、師父が見守ってくださり、護法神も見守ってくれるので、色魔は近づけません。同時に絶えず正念を発し、体内と体外の色魔及びよくない物質を解体しているので、これらのものを大量に滅ぼします。もし非常に精進しているなら、思想業や、色魔と外来の霊体などはこの肉体を操るチャンスがなくなりますので、あなたは必ず超越することができます。

　真の大法弟子は、大法修煉の神聖と荘厳さを真に悟ることができれば、情欲に溺れることはありません。一人の大法弟子が自分自身の担っている宇宙範囲、次元ごとに下へ下りる際の承諾、世の人と対応している厖大な体系内の無数の衆生が救い済度されることを考えたら、これはどれほど大きな責任でしょう。

　この混沌とした乱世にあって、極めて高い根源を持つ大法弟子にとっては、三界の欲望と執着を抱いたまま、生命の本源に帰ることは不可能です。男女の欲望を放下しなければ圓満成就することはできません。生命は法の中で清められ、絶えず人間のものを洗い流して初めて、神のものを得ることができるのです。

　人間と神の違いは、生命のすべてを誰が支配しているかにあります。人間の思考が支配している時はただの人間にすぎませんが、正念と佛性が支配しているとき、彼らは神への道を歩んでいます。

　『「左伝」（「春秋左氏伝」）』の中に「晋の国の国王が病気になりました。秦に助けを求め、秦の名医・医和さんに診てもらいたいので、医和さんが晋にきて、晋王を診たが「晋王の病気は治りません。彼は女色を好みすぎるからです。この病気は、蠱（こ：虫を使って人を害する呪いや毒薬）に中毒したかのように、鬼でもないし、飲食の原因でもありません。女色の蠱惑（こわく：人の心を乱しまどわすこと）により、志を失わせました。晋王が『天寿を全うすることができません、これは天寿が守れるものではありませんと言いました』との記載があります。

　昔、貴渓というところに一人の学者がいた。彼は何度も科挙の試験を受けたが、いつも落第していた。そこで張真人に頼み、香を焚き、文を奉じて天の名簿を調べてもらった。すると神様からの答えはこうだった「この学者は本来、命に功名（地位と名誉）が定められていたが、「叔母に無礼をした」ということで、その功名が取り除かれたのだ」。張真人は文を奉じ終わると、学者に神の言葉を伝えた。すると学者は驚いて言った「私は叔母を害したり、何か無礼なことをした覚えはありません！」そこで彼は神に訴える疏（訴えの文）を書き、自分の潔白を主張した。再び神からの答えがあった「たしかに、あなたは行動で叔母を冒涜してはいない。しかし、あなたの心にはそのような不敬の念があったのだ」。学者はこの言葉を聞いて非常に恥じた。実際、若い頃、美しい叔母を見て、邪な想像を心の中で抱いたことがあったのだ。これが原因だったのである。

　意淫（頭の中での淫らな妄想）というこの汚れた心理活動は、多くの人に見られるものだ。しかし、たとえ行動に移さず、ただ淫らな念を起こしただけでも、それは罪ではない、あるいは軽い罪だと思ってはいけない。実際にはそうではないのだ。「人の心に一念が生じれば、天地すべてが知る」と言われている。明の時代、とある人物が一度死んでから生き返り、死後の世界の見聞を語った。そこではある冥官がこう語っていた「人が一度でも邪な淫念を抱けば、それだけで重大な過ちと見なされる。それを記録せずに報告しなかったり、隠したりした神明ですら、大きな罪を問われる」。だからこそ、人が福報（幸運）を得たいなら、淫らな妄想を早く捨てなければならない。色欲の心が芽生えた瞬間、それはすでに大きな罪であり、災いを自ら招くものなのだ。

　清の時代、ある高という姓の学者がいた。勉学は振るわなかったが、絵画の才能には優れていた。清明節の時期、多くの人が凧を飛ばしており、凧には花鳥風月や人物などの絵が描かれていた。高は自作の凧に、わいせつな絵を描いて飛ばした。すると突然、空から火が降ってきた。高は天から降る火に驚き、慌てて逃げ出したが、まるで火に目があるかのように彼を追いかけ、焼き尽くしてしまった。彼は顔を焼かれ、容貌を損なった。分別ある人々は皆、彼が下劣な絵を描いたことで天罰を受けたのだと理解した。これにより、あらゆるわいせつな情報を制作・拡散する行為は、すべて罪であると分かる。

　あるとき、同僚がこう言ったことがある。「男女の不正な関係は、現世で報いが来るのが本当に早い」。私はその言葉に驚いた。若い大学院生の一般人が、そんなことを言うとは思ってもいなかった。とても貴重な考え方だと感じた。天はよく、好色や淫欲に溺れる人間に災いをもたらす。その報いは非常に早い。もし行動を自制せず、不品行に陥れば、災難がいつでも降りかかる。若い時期において、色欲を克服できれば、精神は充実し、真の人柄や学問もその中から生まれる。たとえ大成しなくても、平穏な一生を送り、非業の死を迎えることもないだろう。修煉するか否かに関係なく、すべての人はこのようなことを心に留めておくべきだ。それこそが自分を大切にする道なのだ。

　学者として、意淫を止めなかったために、功名を失った。ならば修煉者が色欲の心を取り除かない場合も、同様に災い、厄運、果ては天罰を招くだろう。なぜなら、いまだかつてないこの歴史の時期に、宇宙には無数の目が法を修める者たちを見つめているからだ。正も、非正も、皆が見ている。だから修煉者は、色欲に対する一切の執着を取り除かねばならない。色欲の念すら起こしてはならず、不正な性関係などは、なおさら絶対にあってはならない。修煉者は、正しい道を歩み、身を清め、自らの史前の誓願に恥じぬようにしなければならない。

　私たちはまず、色欲を慎んで福を得た一般人のいくつかの話を見てみましょう。

　浙江省余杭の医者・陳氏は、貧しくて瀕死の男性を無償で治療しました。ある日、雨宿りのためにその家を通りかかると、病人の母親が彼を泊めてくれました。そして密かに、息子の命を救ってくれた恩返しとして、嫁を医者のもとに向かわせました。夜半、若い女性が医者の寝床にやってきて言いました。「あなたが夫を救ってくれたこと、本当に感謝しています。これは姑（しゅうとめ）の意向で来ました」。それに対して医者は自らを抑えて答えました。「いけません」。若い女性が何度求めても、医者は繰り返し拒みました。「いけません！　いけません！」その夜、医者は眠らず、夜明けまで座って過ごしました。ついに抑えきれなくなりそうなとき、大声で叫びました。「『いけません』という文字こそ、最も難しいのだ！」夜が明けた後、若い女性は静かにその家を去っていきました。

　後日、この医者の息子が科挙の試験を受けました。試験官は彼の答案を読んで落第させようとしましたが、どこからか声が聞こえてきました。「いけません！」試験官は再び明かりをつけて答案を読み直しましたが、やはり落第にしようとしたところ、再び声がしました。「いけません！　いけません！」三度目に読んでもやはり落とそうとした瞬間「『いけません』という文字が最も難しいのだ！」という声が繰り返されました。試験官は非常に不思議に思い、結局その息子を合格させました。合格発表の後、試験官はその息子を呼び出し、理由を尋ねましたが、息子にも分かりませんでした。家に帰って父に話すと、医者はため息をついて言いました。「これは私が若い頃にした善行だ。まさか天がこんな方法で報いてくれるとは！」

　『三国志演義』にもこのような話があります。糜竺（びじく）は、劉備の妻・糜氏の兄で、非常に裕福な商人でした。ある日、外出中に車に乗っていたところ、美しい婦人に出会い「一緒に乗せてください」と頼まれました。糜竺はすぐに車を降り、婦人に席を譲り、自分は歩きました。婦人は彼にも車に戻るよう勧めたため、糜竺は車に戻りましたが、正しく座り、決して横目で見ることもしませんでした。しばらくして婦人は車を降りてこう言いました。「私は南方の火徳星君であり、玉皇大帝の命により、今夜あなたの家に火を放つつもりでした。でも、あなたの誠実な態度を見て、特別に教えてあげます。急いで家に戻って財産を外に移しなさい。今夜また来ます」。そう言って姿を消しました。糜竺は驚いて急いで帰宅し、家財と人々を外に移動させました。夜になると、台所から本当に火が出て、家屋はすべて焼けましたが、人と財産は無事でした。

　この話からわかるのは、神は人を罰する際にも、必ず救済の機会を与えているということです。一般人ですら、色欲に動じず、正しく清らかであれば、神をも感動させるのです。ましてや大法弟子である私たちは、なおさら早く色欲を断ち切り、個人修煉においてさらに一歩を踏み出すべきです。

　過ちを犯した常人でも、すぐに悔い改めれば、もともと命中にあった福を取り戻すことができます。明の正徳年間、ある読書人・趙永貞（ちょうえいてい）は、異人にこう告げられました。「あなたは23歳の年に功名（官職）を得る運命だ」。23歳になり郷試に参加した趙永貞は、見事な文章を書きました。主考官はすでに彼の文を何日も前から選ぶことに決めていました。しかし次の試験会場では連続して失敗し、結局不合格に。失意の中、趙永貞は文昌帝君に夢での答えを祈りました。夢に現れた帝君はこう言いました。「あなたは本来、今年合格する運命だった。しかし最近、家の婢女（ひじょ：召使いの女性）をからかい、隣家の娘を誘惑しようとした。たとえそれが未遂で終わったとしても、あなたの心が乱れ、淫らな妄想が絶えず、次第に心が濁っていった。ゆえに命中の功名が取り消されたのだ」

　夢から目覚めた趙永貞は、涙を流して深く反省し、淫欲を戒める善書を刻印し、世の人々に警告しました。次の郷試で彼は見事に解元（地方一位）に合格し、地方官として出世しました。まさに「意淫やまずば功名消え、悔い改めればまだ間に合う」とはこのことです。

　一般人でさえ、色欲は功名を奪うものです。修煉者にとって、色心は修行の妨げであり、さらには災厄を招く原因にもなります。修煉者は色欲の心を断ち切らねばなりません。誰もこの執着を手放さずにいてはならず、妥協などあってはならないのです。

　師父は、弟子にこう警告されています。「多くの人はふしだらで、自身の修煉を厳しく見ておらず、これは皆あなたに厄介なこと、困難、ひいては苦痛をもたらし、さらには命さえ失ってしまうことがあります」（『各地での説法十二』「世界法輪大法デーの説法」）

　これまでの年月の中でも、色欲の心を断てなかった同修が過ちを犯し、命を落とした例があります。

　同修・Aさんは、未婚の男性修煉者でした。彼は病業という形で亡くなりましたが、彼のパソコンから大量の裸婦画像が見つかりました。事情を知る同修の話によると、彼はインターネット上で女性と過激な会話を交わし、さらに美しい女性が彼を訪ねてきて肉体関係を持ったこともあったそうです。

　女性修煉者・Bさんは、修煉前に不倫関係がありました。修煉後に病業が現れ、同修たちが彼女のために発正念を行ったところ、天目が開いている同修が、彼女の空間場に男性の影があるのを見ました。同修・Bさんは認めました。心の中でその男性の声や表情を繰り返し思い浮かべていたのです。その人の優しさを思い返し、心の底でその縁を断ち切りたくないという執着を持っていたのです。最終的に彼女は病業によってこの世を去ることになりました。

　ある年配同修は病業が重くなったとき、同修たちが彼女のために発正念を行いました。その際、天目の開いている同修が彼女の空間場に神が現れ、その神が帳簿を持って言いました。「彼女は娘婿に色心を抱いている」。それを指摘された年配同修は最初は認めませんでしたが「若い異性を好ましく思う気持ちも色心だ」と言われて、ようやくしぶしぶ認めました。娘婿がかっこよくて、目に心地よく、好ましく思っていたとのことでしたが、それが色心であるという認識がなかったのです。

　ある同修は、女性同修に恋心を抱き、会って告白しました。「自分は修煉者だが、色欲心があり、行動に移す勇気はない。ただ彼女を抱きしめたい、それだけだ」と言いました。結果的に数回抱きしめたことで男女関係の過ちを犯してしまいました。常人の言葉に「情が深まれば欲がついてくる」というものがありますが、これは本当に的を射ています。この同修は最終的に迫害を受け、監獄に入れられました。

　ある同修が文章にこう書いています。「私は色戒を破ってしまったことで、自分の世界にいる衆生が悪鬼（あっき：たたりをする恐ろしい妖怪）に追いかけられ、飲み込まれ、建物は崩れ落ち、もう一つの空間の自分の身体も腐敗して崩れてしまった。私たち大法弟子の使命は衆生を救うことなのに、どうして色欲のために自分の世界の無限の衆生を災難にさらすことができるだろうか？　旧勢力に隙を突かれて、迫害されるのではないか？」

　ある男性同修は、妻に満足しておらず「妻を替えたい」という邪念を抱くことがありました。美しい女性同修を見ると心が動き、身体は不貞を働いていないとはいえ、心ではすでに不倫状態でした。常人のことわざに「貧しきときの友を忘れるな、粗末な食を共にした妻を見下すな」というものがあります。常に妻を替えたいなどと考えている人は、神の目にはすでに「良い人」ではなく、罪を犯している者なのです。しかもその人は修煉者でありながら「自分の好みの女性はこういうタイプだ」と嬉々として語ることさえありました。最終的に彼もまた迫害され、監獄に入れられました。

　古人の言葉に「万悪、淫を首とす」とあります。中国古代社会では、男女関係に関して非常に厳しい規範があり、たとえ不適切な念を一つでも抱けば、それは重大な過ちとされました。『感應篇』では「他人の美しさを見て、心に私欲を起こすこと」も大過とされました。西洋社会も同様にこの点は厳格であり、イエスはこう言いました。「女性を見て淫念を抱いた者は、その心においてすでに姦淫（かんいん：男女間の、倫理にそむいた肉体関係）の罪を犯しているのだ」

　ある人が純潔であるかどうかは、外見では判断できません。本当に大事なのは、心の奥底に汚れた思いがあるかどうかです。ある同修は文章でこう語っています。「ある同修が、自分の情に関する妄想や色情の念は、別の空間では乾いた糞のようなものであると描写していました。それはまさに事実で、私も似たような夢を見たことがあります。自分がシャベルを使って糞をひたすら掘っていて、掘り終えてもまた次の山が現れる…本当に吐き気がするほどでした。私は自問しました。もう何度繰り返してきたのか、なぜ今でも捨てきれないのか？　なぜこれを抱え続けるのか？　その「美しさ」は、実のところ泡のように儚（はかな）く、虚幻（きよげん）に過ぎず、神の目から見れば極めて汚（けが）らわしいものでしかない。それらの妄想や幻想は、ただ自分に大量の思想業を作り出し、執着心を強め、修煉に悪影響を与えるだけです。それ以外に何の益があるのか？　それなのに、なぜ追い求めるのか？」

　ある交流文章に「色欲と思想業を取り除く」というタイトルのものがあります。文中では次のように書かれています。「先日、あるテレビドラマを見て、私は主役の男優の美しさに心を奪われ、自分にも強い色欲の心があることにやっと気付きました。これは法理からみても取り除くべき執着心だと分かっていました。しかし、その男性の姿が発正念の時も座禅の時も、いつもしきりに脳裏に浮かんできて、取り除くことができませんでした。　甚だしきにいたっては、車を運転して高速道路を走っていた時、私は彼と親しむ場面を妄想してしまいました。そしていつの間にか、眠っていたかのように意識が朦朧として、車を制御できなくなり、ガードレールにぶつかってしまいました。なんと危険なことでしょう！　幸いにも師父が守ってくださり、私は無傷で済みました」

　この文で暴かれているのは「意淫（頭の中の淫らな妄想）」の問題であり、それが「色欲」に関わる「思想業」を生むということです。このような思考業は同修たちを妨害し、彼らの脳内に不純な考えを映し出し、幻想に耽（ふけ）らせます。また、学法や煉功にも支障をきたし、心が落ち着かなくなったり、眠気に襲われたり、煉功中に寝てしまったりします。これは非常に大きな危害です。

　修煉者は日常生活の中で、常に自分に対して厳しく求めなければなりません。真に自分を壊すものは他人ではなく、自分の執着心と心の奥の情欲を甘やかすことです。思考の中で常に正念を保ち、法の上にいれば、不浄なものは「見ない・聞かない・考えない」ようになります。これらの欲望が溢れ出す前に抑え込み、すぐに取り除くべきです。常に正念状態を保てば、これらの物質は消滅させることができます。

　以下は、同修たちがよくできた例です

　ある女性同修は、よくある男性同修からメッセージを受け取っていましたが、その内容には隠された男女の情愛を感じさせるような言葉が含まれていました。彼女はこれが純粋ではないと感じ、ついにその男性の微信（WeChat）を削除しました。ある日、その男性は直接彼女にこう言いました。「私はあなたと過去（前世）にこんな因縁があって、こういう関係だった…」彼女は毅然としてこう答えました。「それが本当だとしても、それは旧勢力のアレンジです。私はそれを一切認めません。私は正法修煉の中で、師父のアレンジ（按排）だけを受け入れます」。この女性同修は、はっきりとした態度と毅然とした言葉で、相手の不適切な思いを拒絶しました。私はこの同修の行動はとても素晴らしいと思います。

　別の女性同修は、普段は身なりに無頓着でしたが、ある日、用事で男性同修を訪ねることになり、服を選んで鏡の前で姿を確認しました。その時ふと、自分の行動がいつもと違うことに気づきました。彼女は鏡の中の自分に問いかけました。「どうしてそんなことをしているの？」そして、普段通りの質素な服に着替えて出かけました。別の日、彼女は再びその男性と法理の交流をしたくなりました。家の玄関に立ったとき、自分に問いかけました。「どうして彼と話をしたいの？　この考えの背後には何が働いているの？　女性同修ではダメなの？」無意識のうちに彼に会いたいという気持ちがありましたが、彼女は行かないと決意しました。けれども心が落ち着かず、非常にそわそわしました。彼女はすぐに警戒し、強く自分の思いを抑えました。「私は修煉者。神佛が空から見ている。絶対にこの思いに流されてはいけない」。その「そわそわ」はやがて消えていきました。

　彼女は、自分とその男性との前世の縁があることを知っており、会話も弾んでいました。しかし彼女は自分に言い聞かせました。「もう彼と接触するのはやめよう」。ところがある日、座禅をしていたとき、耳元で声が聞こえました。「あなたと彼には、億年を超える情縁がある」。するとすぐに、分厚い帳簿が開かれるイメージが現れました。彼女は直感で、それが自分とその男性の縁を書いた帳簿だと感じましたが、その瞬間、こういう正念を発しました。「私は見たくない、知りたくない。誰もこの縁で私の心を動かそうとしないで」。するとすべてがすぐに消えました。翌日、また座禅をしていたとき、彼女の目の前に何かの物質が浮かび、それがだんだん近づいてきました。よく見るとそれは回転する宇宙体系で、その中にその男性の影像が現れました。その物質は彼女の身体を突然通過し、彼女は防ぐ暇もありませんでした。

　2日後、女性同修は突然、強く男性同修に会いたいという気持ちに襲われました。彼女はその思いを抑えようとしましたが、とても苦しくて、心が大きくかき乱されました。彼女は自分に言い聞かせました。「今日は絶対にこの家を出てはいけない。自分をしっかり保たなければならない。天の神仏たちに笑われてはいけない」。頭が痛くなった時、体内にある「苦しみの感覚」が彼女に訴えました。「ただ一目見るだけでいい、話さなければ大丈夫でしょう？」。彼女は「ダメ」と答えました。するとその感覚はさらに訴えました。「私はただ一目見たいだけ。遠くから見るだけでいい。なぜそんなに私を苦しめるの？」その感覚はついに姿を現し、とても苦しそうな女性の姿で、しかも女性同修本人と全く同じ姿をしていました。女性同修は心の中で強く言いました。「今日はすべて私の意志に従い、主元神に従う。体の感覚には従わない。過去世や輪廻の中で作られた業力の影響も受けない。とにかく行かない」

　頭上に重い物がのしかかってくるような感覚があったとき、女性同修は師父の写真の前に跪き、こう言いました。「師父、旧勢力はわざと私とこの男性同修の長きにわたる情の縁を作り、これらの敗れた物を温存し、今になって私に押し付け、私を滅ぼそうとしています。私はこれらをいりません。私は旧勢力の手配の中で修煉しているのではありません。私は師父の按排だけを求めます。どうか弟子に代わって決断してください」。そう言って師父に叩頭（こうとう：額を地面につける礼）しました。その瞬間、頭のてっぺんから足のつま先まで温かい流れが全身を貫き、心身ともに軽くなり、すべての汚れと重さが洗い流されたように感じました。彼女は、それが師父の灌頂であり、不浄なものを取り除いてくださったとのだ分かりました。

　修煉者にとって、法に対する認識は段階的に高まり、修煉の境界と次元も徐々に高まっていきます。法を正す時期の大法弟子は、師父が与える無上の栄光を得る者であり、それゆえに大法弟子に対する要求も非常に高いのです。大法によってすべての汚れを洗い清めてこそ、高次元の生命の境地に到達し、彼らに認められるのです。

　ここで一つ提言があります——「同修間の『情』に警戒すべきである」

　大法弟子たちは歴史の中で深い縁を持っており、会えば親しみを感じます。しかし交わりの中で「情」の背後にある「色欲」や「欲望」に警戒しなければなりません。

　ある地域の女性同修は、特定の男性同修と一緒に学法し交流することを好み「私はこの人の話を聞くのが好きなの」と言っていました。多くの同修がその女性同修がこの「同修の情」を楽しんでいることに気付きましたが、実はそれには「色」と「欲」が伴っており、さらに「嫉妬心」も隠れていたのです。ある同修は記事の中でこう語っています。「修煉を始めたばかりの頃、ある異性の同修に良い印象を持ち、接することが好きになりました。表面的には落ち着いていて、不適切な行動はなかったのですが、内心では常に彼に近づきたいと思っていました。学法・交流・法を実証する活動の際にも一緒にいたいと思い、並んで座りたいと望んでいました。服装も、彼の前ではきちんとして、内面をアピールしたいと考えていました。こういった一つひとつの背後には、強い「色欲の心」が働いていたのです。これらの行動は、たとえ実質的な過ちがなかったとしても、古人の道徳にすら及ばず、大法の基準には到底及びません」

　「色魔が隠れる方法をはっきり見破ろう」という文章の中で、ある同修はこう語っています。「最近、私とある男性同修は一緒にあるプロジェクトをして、いつの間にか、その同修の真面目な態度に敬服し、よく彼に電話をかけてあれこれと聞いたり相談したりしました。自力で解決できることでも、彼に電話をかけて相談していました。表面上は、彼とプロジェクトについて相談などをしているようにみえますが、本質は、その形で私は情に対する自分の執着を深めていただけでした。それから、毎日でも彼に会いたくて、会ったら彼を思う気持ちで満たされました」。「しばらくして、彼は邪悪に連行されて、迫害を受けました。　釈放された後、再度私と同じプロジェクトをする機会がありました。私は彼に対する情を放下しておらず、それは多少「純粋な」情で、色欲心ではないと思って、重視していませんでした。結局、情の背後にある色欲心がどんどん膨張して、彼と一緒にいる時の調和がとれた雰囲気が好きで、彼に頼る時の安心感が好きになりました」。「発見した後、私はただちに掌を立てて発正念をし、とても良い結果を収めました。再びその男性同修に電話をかけたら、彼の話し方に情が完全に無くなって、2人の間の空間場はとても清浄になりました。私の頭が脹れる症状も突然消えてなくなりました」。「以前、夫の色欲心がいつまでたっても除去できない、と私は多く愚痴をこぼし、夫の色欲心は私自身とは何の関係もないと思っていました。結局、問題の根本原因は自分のところにある」と気が付きました。

　同修に対する情への執着、それは結局のところ、世間的な「放下（執着の放棄）ができていないということです。法の基準で測れば「同修の情」は本当に「美しい」ものなのでしょうか？　大法弟子としての私たちの目標は何でしょうか？　それらの執着を捨てることではないでしょうか？

　神々は私たちを見守っています。大法弟子同士の縁は、どのようなものであっても「法縁」として神聖なものと捉えるべきです。常人のような情に陥るような交わり方をしてはなりません。

　ある男性同修が、女性同修の純粋さや美しさに夢中になったり、女性同修が、好きな男性同修に思いを寄せ、相手が距離を置くと落胆する……これはすでに色欲の念を超え「神魂顛倒」と呼べる状態です。本物の修煉者が持つべき心のあり方ではありません。将来の修煉に大きな災いをもたらすことになります。

　長年修煉してきた人でも、異性の同修に特別な注意を向けたり、好感・賞賛を抱いたりすると、その一念の中に色欲の要素が含まれている場合があります。「心が通じ合う」とか「気が合う」というような情の濃さが、色欲と作用し合い、誘惑を生み出すのです。情魔と色魔が協力すると、主意識を惑わす強力な作用を生み出します。

　「実際に肉体関係を持っていないのだから問題ない」と思う人がいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。夫婦でない限り、どんな「念」であれ、持ってはならないのです。決して自分を甘やかしてはいけません。「自分は大丈夫」と過信してはならないのです。同修同士でも、言動に十分気をつけなければなりません。

　人体は小宇宙です。私たちの生命は完全に自己完結できるもので、外に求める必要はないのです。私たちの心は、喜び、慈悲、神聖を修めることができ、純粋な法の粒子へと成長し、それに対応する宇宙の生命たちと永遠に対応することができます。

　師父は、法の中でこう説かれました。「大法弟子よ、色欲は修煉者にとって最も乗り越えがたい関であると私は随分前にすでに言いました。常人のこの情にひどく動かされています。これほどのことでさえ、自ら抜け出すことができません。当初、旧勢力はこのような人が中国大陸の監獄に行ってはじめて改めることができるように按排しましたが、そうではありませんか？　あれほどの厳しい環境下で改めるしかないでしょう。あまりにも楽だからそうなったのではありませんか？　口実をもってこの心を取り除いていない人はみな自らを欺き、他人を欺いています。私はあなたのために特別な按排をしていません」（『各地での説法五』「二〇〇四年米国西部法会での説法」）

　修煉が最後の段階に入るにつれ、法が私たちに求める基準もますます高くなっています。思考の中の一つ一つの念をつかまえ、法に合わないあらゆる思いを排除し、自分の空間場を常に清らかに保つことが必要です。妄想したり物語を勝手に描いたりしてはなりません。自分がこの世に来た目的を明確に認識しなければなりません。それは決して、人間社会での「幸福な生活」を追い求めるためではありません。

　ある同修は文章の中で次のように書いています。

「同修同士が交流する時、話の中心は法を証明することや理性的な認識の共有に限るべきです。その内容は常に内に向かって探すことに焦点を置くべきです。核心は三つのこと（学法、煉功、発正念）です。私的な話題や情にまつわる問題は極力避けるべきです。私的な話をし過ぎると「情」が生じやすくなります。私たちの縁は「法縁」であり、「情縁」ではありません。プロジェクト上の必要を除いて、同修同士はむやみに会うべきではありません。私は個人的に「縁」とはただの借金関係にすぎないと思います。縁が生じたのは返済のため、縁が終われば解脱です。潮の満ち引きのように、なぜ執着する必要があるのでしょうか？　情を捨ててこそ、私たちの環境と心を清め、共に正しく最後の道を歩むことができるのです」

　ある同修は文章の中で次のように書いています。「同修同士が交流する時、話の中心は法を実証することや理性的な認識の共有に限るべきです。その内容は常に内に向かって探すことに焦点を置くべきです。核心は三つのことです。私的な話題や情にまつわる問題は極力避けるべきです。私的な話をし過ぎると「情」が生じやすくなります。私たちの縁は「法縁」であり「情縁」ではありません。プロジェクト上の必要を除いて、同修同士はむやみに会うべきではありません。私は個人的に「縁」とはただの借金関係にすぎないと思います。縁が生じたのは返済のため、縁が終われば解脱です。潮の満ち引きのように、なぜ執着する必要があるのでしょうか？　情を捨ててこそ、私たちの環境と心を清め、共に正しく最後の道を歩むことができるのです」

　最後に、師父の法の言葉を引用し、共に励みましょう。「ミクロにおいても、マクロにおいても、全ての生命は地上の全てを注視しています。大法弟子の一挙一動、ほんの一念も彼らには分かっています。大法弟子が行なった全てはみな、高次元の衆生の目にありありと浮かんでいます。ですから、皆さんは必ず良く行い、彼らに感服させなければなりません」（『各地での説法二』「二〇〇二年ボストン法会での説法」）

　完