文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年6月20日】法を正す修煉を始めてから、恐れの心に阻まれることなく、ずっと真相を伝えてきましたが、それでも恐れの心は常につきまとってきました。やっていることの大きさを中共文化で培われた観念で判断し、それに応じて自分の恐れの心の大きさを量っていたのです。その結果、修煉者としてのすべての言動や思考は「法」で測るべきだということを忘れてしまっていました。私のこの心は、いつも憂いと不安のような物質に包まれているようでした。2015年に二つの出来事が起きてから、私はようやく本当に修煉することができ、ずっと宙に浮いがようやく落ち着き、修煉者として本来あるべき落ち着きが得られたのです

　この2年間の修煉の過程を振り返り、恐れの心を抱えていたころと比べて、自分の内を探し、恐れの心を取り除く過程をまとめて書き出し、同修と交流したいと思います。

　まず、私の心の持ち方を変えるきっかけとなった二つの出来事を話します。

　ある夜遅く、自宅のマンションの廊下に警察官が潜んでいるのを発見しました。尋ねてみると、「付近で薬物使用者がいるため監視している」と言われました。私は非常に不安になりました。私の住んでいる小区は官公庁職員の家族住宅で、皆古くからの住人です。どの家にも薬物使用者らしき人はいません。私は一人暮らしでした。その晩、家で寝ることができず、荷物を持って叔母の家に泊まり、数日間家に帰れませんでした。その人が本当に警察官かどうかも分からず、もし違ったら泥棒かもしれないと怖くなり、もし警察官なら自分を狙っているのではないかと、さらに恐ろしくなりました。どう転んでも怖くてたまらなかったのです。数日後、他人の家にいつまでもいられないと思い、不安を抱えながら家に戻りました。「自分には師父がいるのだから怖がる必要はない」、「旧勢力のすべての按排（アレンジ）を否定する」と心の中で思いましたが、法理上からはっきりと向上できたわけではなく、不安な心は時間の経過でようやく和らいだのです。

　数カ月後、同じことがまた起こりました。再び夜中に廊下に「警察だ」と名乗る人物が潜んでいたのです。今度は私は家を離れませんでした。心の中では正念と否定的な思考が激しく戦い、一時は身体のすべての細胞が震えるほどの恐怖を感じました。「この念（思考）は法に則っていない」と分かっていたので、恐怖をもたらす念を排除し続けました。しかし頭の中では、「警察官がすぐ外にいる、一体何の目的なのか、私はどうすればいいか？」と何度も自分に問いかけました。「私は何を怖がっているのか？」、「法輪功を修煉することは違法なのか？　違う！」、「他に違法なことをしているか？　していない！」、「では何を怖がっているのか？」と自分に何度も何度も問いかけました。そして、これまでの修煉の過程を思い返してみたのです。これまで自分の恐れの心に対して、真剣に「自分は一体何を恐れているのか？」と問うたことはなかったと気づきました。いつも恐れの心が出てくると、すぐに発正念して排除し、それ以上深く考えることを避けてきました。「もし考えがずれて問題を招いたらどうしよう」とまた恐れ、すべては「恐れ」だったのです。

　私は、これまで多くの法を実証することをしてきました。中には見た目には「壮大だ」と思えるようなこともありましたが、どれも恐れで頭が真っ白になっていました。そして終わった後でようやく恐怖を感じ、自分がずっと「やること」を中心にして、行動する心は強くても、法に対する正念はそれほど強くなかったのです。情けない話ですが、その時はあまりに怖くて学法も正念もできず、ただ心の中で何度も何度も「師父！」と叫び、「大法弟子は恐れない！」と繰り返していました。こうして繰り返すうちに、心が少しずつ落ち着いていきました。私は、これは師父が私に正念を与えてくださったのだと分かりました。そして、心にいくつかの念が浮かびました。「法輪大法を修煉するのは私の選択だ。法を実証するのも私の選択だ。人を救うことは私の責任であり、すべて私の選択だ。だからこそ、どんな困難や状況に直面しても恐れてはならない」、「私は大法弟子なのに、安心して眠るべき夜に恐れで魂が抜けたようになることは大法弟子としてあるべき姿ではなく、「私は堂々たる大法弟子の風格を持って、すべてに正々堂々と向き合い、意志の力を絶えず強化し、不動如山の正念を修めるべきだと思ったとき、心が穏やかになりました。「あの警察官が本当に何者だったとしても、旧勢を私は一切認めない」と思い、しばらく正念を発してから安心して眠りました。それ以降、廊下で警察官を見かけることは二度となくなりました。

　この二つの出来事が、私が根本から恐れの心を手放す転機となりました。ここで、あの強烈な恐れの心が生じた原因について話しますが、これは決して旧勢力の按排を認めるものではなく、自分がなぜ旧勢力に隙を突かれたのか、その原因を見つけるためのものです。私は個人的に、大法弟子にどれほど漏れがあろうと、旧勢力は試す資格も、按排する資格もないと考えています。法の中ではすでに旧勢力が取り除かれるという結末が定められているからです。

　ここでまず師父にお詫びします。あの期間中、私は常人の男性と交際し、色欲の問題で修煉者の基準に反することをしてしまいました。自分の行為を正当化するような言い訳は一切したくありません。その期間のことを思うと、本当に悔やんでも悔やみきれません。その時期、私はかつてないほど恐れの心に囚われ、毎日恐怖の中にいました。修煉者が色欲の面で戒律を破ってしまうと、その感覚はまるで底なしの奈落に落ちたかのようです。その期間、私は夢の中で何度も冷たい大海に落ちて苦しみながら船に戻れない場面を見ました。過ちを犯したことで心に生まれた罪悪感、師父への罪の意識、衆生に対する申し訳なさ――それらがすべて、旧勢力に対する恐れの根源となっていました。一時期、私はまるで希望を失ったかのような状態でした。しかし、私はそれを甘んじて受け入れることはできませんでした。男性との関係は、まるで誰かに仕組まれたように感じました。色欲に関する問題で修煉者の基準に反することをしたのは、私の本意ではありません。私は抵抗したのに、心が弱くて抗えなかったのです。精神的に限界を感じたとき、「私は師父の法を正すことを助けるために来たのに、こんなことで終わりたくない！」と心の中で師父に助けを求めました。すると、状況が大きく変わりその男性はだんだん私に冷たくなり、ついには別れに至りました。

　修煉の道を振り返ってみると、自分の修煉における最大の問題は、色欲心がどうしても取り除けなかったことだと気づきました。本当に恥ずかしいことです。私は修煉の道をずっと歩んできましたが、常に色欲の心に悩まされ、それに続いて恐れの心も常につきまとっていました。心が落ち着かず、淡々とした心境にも至れませんでした。深刻なのは、自分が色欲の中に沈んでいたときに、それすら気づかなかったことです。「私は常人よりずっと良い」と思っていたのです。これは、法を基準にせず、現代の変異した観念で自分を律した結果でした。2016年のある時期、私は再び情に迷い、行動は抑えたものの、心は情に絡め取られ、自分ではどうにもできませんでした。そのとき私は怒りを覚え、「私って本当にそんなに色欲の心が重いのか？　本当にそんなに穢れているのか？　私の品格はそんなに低いのか？」と自問しました。私の答えは「違う！」でした。その答えをはっきり聞いたとき、「これらは全部旧勢力が強制的に植え付けたものだ！」と目が覚めました。すぐに私は立ち上がり、手を立てて正念を発して邪悪を清除し始めました。すると、心の中は一気に何もなくなったのです。その時初めて気づきました。旧勢力によって誇張された色欲心は、実はこんなにも簡単に打ち破れるものだったのです。それなのに私は何年も、奴隷のように従い、考え、抗えず、ただ従っていたのです。なぜなら、色欲の心の背後にある旧勢力の要素を見抜けていなかったからです。

　私は悟りました。大法の修煉は微観から表面までの過程です。だから肉体を持つ限り、ある程度の色欲は存在します。それは人間の身体に備わった本能なのです。しかし、修煉者は修煉の中で執着を発見し、それを取り除くことができます。けれども旧勢力は、狭く歪んだ思考で、旧宇宙の修煉の方法を使って大法弟子に要求し、執着を誇張し、師父が認めていない多くの魔難を強制してきました。もし大法弟子がそれを見抜けず、個人修煉の枠内だけで自分を探していたら、旧勢力の作った罠に陥ってしまい、それらを取り除くのは非常に困難です。だからこそ、色欲心の背後にある旧勢力の要素を認識し、正法の観点から旧勢力を消除することで、はじめて根本からその邪悪な按排を否定できるのです。明慧ネットに掲載されている交流文の中には、「色欲面でうまくできなかったために迫害を受けた」と書かれている例があります。確かにそのような例は少なくありませんが、それでもなお旧勢力の邪悪さが際立ちます。彼らは修煉者に邪悪な按排を強制し、他の空間にあるあらゆる邪悪な要素を使って修煉者の「未完成な部分」を試し、うまくいかなければ迫害し、逮捕し、魔難を作り出す――なんと邪悪な存在でしょう！　ですから、今の私の認識は「法輪大法の修煉者は、どんなに修煉が足りなくても、どれだけ漏れがあったとしても、師父以外に誰一人として私たちを試す資格はない」のです。旧勢力はただ取り除かれるべき存在なのです。

　そして大法弟子として、自らを尊び、自らを律し、特に色欲の面において厳しく自分を律する必要があります。その後の実修の中で私は、「主意識が強ければ、常に法を思い出し、法で自分を律することができる」と気づき、旧勢力の按排もより明確に見えるようになりました。色欲面における旧勢力の邪悪な按排を見破ってからは、自分の修煉の道を改めて見直し、旧勢力に関係するすべてを正念で清除しました。そして心の中で師父に「私はもう負の作用を起こしたくありません。私は正の作用を果たします。私は本当に大法を実証したいのです」と言いました。それ以降、私は「本当の修煉がようやく始まった」と感じました。特に心性の面で大きな前向きな変化が起き、それが外在的にも反映され、周囲の環境がますます良くなり、恐れの心もどんどん薄れていき、「三つのこと」を行ううえでもどんどん明晰になっていきました。そして私は気づきました――心性の向上と、師父が法の中で与えてくださる啓示というのは、想像を超えるほど素晴らしいものだと。修煉してから約20年、ようやく「法とは何か」をほんの少し理解することができたのです！　師父に心から感謝申し上げます！

　以上が現時点での私の悟りです。もし法に沿っていない所があれば、同修の皆さんのご指摘や交流をお願いいたします。