　【日本明慧2025年6月26日】明慧ネットは設立26周年を迎えた。この歴史的意義を改めて検証したい。中国共産党が法輪功を敵視し、個人の中傷から組織的な大規模迫害へ転換したのは1999年6月であり、多くの人が記憶する「7.20」（7月20日）ではない。法輪功学習者による迫害反対も、6月の明慧ネット設立日より個人的な活動から全体的なレベルへと発展した。

　この点は1999年以降に修煉を始めた多くの法輪功学習者でさえ見落としている可能性がある。中国で80年代以降に生まれた人々は、これについて理解していないかもしれない。

　多くの史料が示すように、中共はマルクス・レーニン主義の末裔として、暴力、憎悪、闘争、反神、反社会、反人類思想を基礎とし、創建当初から内部闘争を継続し、1949年政権奪取後は次々と中国人集団の消滅を目標とした政治運動を発動してきた。これらによって失われた資本家、地主、知識分子、学生などは、いずれも中国の社会的中核であり希望だった人々である。

　中国人と炎黄（中華民族の祖先といわれる二人の帝王、炎帝と黄帝）との血脈的つながりを断ち切り、中国人の生存理念と生存方式を完全に変更するため、思想の中に中国伝統文化と思考能力を備えた中国人は、消されなければならなかった。方法は思想、財産、人生理念の放棄を迫り、従わなければ「肉体的に消滅」させることだった。

　少数の悪人から全党出撃へ

　中共が特に好む「消滅」という言葉は、憎悪、悪毒さ、暴力に満ちている。26年前の6月、中共は政党として全国で法輪功迫害を決定し、中央「610」弁公室を設立した。この大規模迫害の起点を示す610が打ち出した迫害政策も「肉体的消滅」を含んでいた。「名誉を汚し、経済を破綻させ、肉体を消滅させる」。これら三つの言葉はいずれも凶悪、悪毒、血生臭さに満ちている。

　中共史上のあらゆる運動には個別の悪人が存在し、一己の私利のために策を練った。個人的ないじめが中共の利益と一致すると、党がそれを引き継いだ。その都度、専門組織設立、メディアによる憎悪宣伝、群衆同士で闘わせる、この三つの手段が登場した。

　26年前の法輪功迫害運動も同様だ。6月設立の「610」弁公室が専門組織、武漢テレビ局が憎悪宣伝メディア、群衆闘争は中共の得意技だった。情報閉鎖、偏った情報源、党への忠誠アピール願望、独立思考習慣の欠如、人の言葉を鵜呑みにしやすい一般民衆が、常に中国人口の絶対多数を占めていたからである。

　武漢テレビ局から始まったメディア戦

　「武漢」の名は、2019年12月から2020年3月の新型コロナ疫病で世界的に知られるようになった。武漢ウイルス研究所、武漢海鮮市場、武漢ロックダウン。過去6年間、中国を重撃し全世界に波及した新型コロナという大疫病で、武漢は代替不可能な負の役割を演じた。同様に、今日まで少なくとも数百万人の中国人を殺害した法輪功迫害運動でも、武漢は同じ役割を果たしている。違いは、事件の主体が武漢ウイルス研究所ではなく武漢テレビ局だったことである。

　明慧資料によると、1999年6月、武漢テレビ局局長と記者宋某は公安局委託を受け、法輪功反対と創始者李洪志先生への悪毒な誹謗中傷番組を制作し、中央テレビ局に送って中国中央電視台（CCTV）「科技之光」番組で放送予定だった。

　録画をCCTVに渡した後、「科技之光」制作陣は6月22日から25日にかけて長春で、反法輪功の素材を専門的に収集し極力こじつけて組み立てる活動を行った。素材提供の主要人物は宋秉辰、趙潔民らで、彼らは法輪功を学んだことはあったが真の学習者ではなく、気功診療所を開設して法輪功利用による治病・金儲けを図ったため、李洪志師父の厳しい批判と取り消し命令を受け、恨みを抱いて法輪功に対抗してきた。CCTVとの合作で無から有を作り出すデマ中傷により私怨を晴らした。武漢テレビ記者・宋は切り取り、すり替えの映像編集と敵視の強いナレーションにより、事実無根のプロパガンダを作り出した。

　闘争手法の国際展開

　法輪功に対するメディア戦が中国で推進される条件が整った。現在、中共がアメリカで発動するメディア戦も、中国で26年間練り上げたアンチ法輪功メディア戦の延長に過ぎない。特異な点は、米国のメディアとソーシャルメディアプラットフォームを利用し、「言論の自由」「民主自由」という名義で中共に「闘争勝利」の環境を提供していることである。この環境の標的は、中共が「打ち負かそう」（精神的または肉体的絶滅）と企図するすべての集団と個人である。

　厳密に言えば、この「米国（人）を利用して米国（人）と闘う」手法は独特ではなく、中国大陸の「群衆を利用して群衆と闘わせる」の延長である。中共がかつて国民党民主思想を利用し、「国共合作」名義で国民党の抗日の隙に乗じて内部浸透、分裂、事変を起こし最終的に政権奪取したのも同じ手法で、これらはすべて中共闘争の成功体験である。

　共業と果報、マルクスの悪魔的遺伝子

　武漢を単独で取り上げるが、すべての武漢人を指すのではない。中共の公式データによると、2025年武漢は依然1300万人口の大都市で、邪悪な心で事を起こす者は少数だが、中共メディアの宣伝を信じ、中共と共に黙って大金を稼ぎ、迫害に加担することで波に乗って個人的出世と金儲けを図る者は統計困難である。後に武漢で最初に大面積に疫病が爆発したのは、仏家で言う「共業」成熟後の逃れ難い果報だろうか。

　中共の仇恨（憎しみや恨み）と反人類の本性は、始祖である悪魔狂信者カール・マルクスからの継承である。無神論と言っている中共党員は「マルクスに会いに行く」を口癖とするが、マルクスは無神論者ではなく悪魔崇拝者だった。マルクスは1818年ドイツのユダヤ人家庭に生まれ、6歳で家族のキリスト教改宗によりキリスト教徒となり神を信仰し、高校卒業まで正常だった。しかし大学入学後、秘密裏にジョアンナ・サウスコット主宰のサタン教会に加入し悪魔教の一員となり、性格が一変し心が憎悪に満ちた。

　マルクスは詩『演奏者』で「地獄の気が昇り私の頭脳を満たし、私が狂うまで心が完全に変化した。この剣が見えるか。闇の王が私に売ったのだ」と書き、『絶望者の呪い（Invocation of One in Despair）』では「私に残されたのは憎悪だけ」「天に私の王座を建て、寒冷と恐怖を頂点とし、迷信の戦慄を基座とし、最も暗黒な極度の痛苦を主人とする」と書いた。詩は恐怖の王となり全世界を毁滅するという深い渇望を露わにしている。

　三つの重要な検証点

　この文章を通じて理解すべき点は三つある。第一に、中共の法輪功迫害開始時期は1999年6月である。第二に、武漢テレビ局がこの迫害準備のメディア戦段階で極めて重要な作用を果たした。第三に、中共法輪功迫害の指導戦略「名誉を汚し、経済を破綻させ、肉体を消滅させる」は、中共が中国人民で50年間磨き上げた後、ついに法輪功絶滅に用いた手法である。