文／海外の大法弟子

　【明慧日本2025年6月27日】私は1999年以前に法を得た大法弟子です。法輪大法の修煉を続けているという理由だけで、中国共産党（以下、中共）の警察により、これまでに7回も不当に逮捕・拘束されました。2017年、私は娘を連れて中国から脱出しました。

　修煉を始める前の私は体が弱く、さまざまな病気に悩まされていました。中医学も西洋医学も効果がなく、治療に行き詰まっていました。しかし、法輪功を修煉し始めてまもなく、体調が回復し、健康を取り戻しました。私は「真・善・忍」という宇宙の大法を得て、全身全霊が喜びに満たされていきました。当時の中国では、黄色い法輪バッチを胸に付けた法輪功学習者（以下、学習者）をあちこちで見かけることができ、至る所に人々が自発的に煉功を行う場所がありました。

　「偽・悪・闘」を信条とする中共邪党にとって「真・善・忍」は受け入れがたいものでした。特に、江沢民を中心とする邪悪な勢力は、大法を修煉する人々の数が中共の党員数を上回っていることに恐れを抱き、1999年7.20に、法輪功への公開的な迫害を開始しました。中共は大法と師父に対して、誹謗中傷を行い、大法弟子たちに対しては「名誉を汚し、経済を断ち、肉体を絶つ」といった政策を強行しました。私の家族もこの大きな災難の中で深く傷つきました。私が煉功しているという理由だけで、両親はたびたび中共の職員に嫌がらせを受け、罰金を課され、さらには公務員職を奪うと脅されました。両親はそのような圧力に耐え切れず、相次いで重病により倒れ、60代という若さで他界しました。私は、迫害を止めさせるために、同修たちと共に大法の真相を伝える活動を続けてきました。

　私が繰り返し拘束されるなか、娘は幼い頃から普通の子どものような生活を送ることができませんでした。娘が1歳を過ぎたばかりの頃、私は洗脳チームに不当に拘束されていました。夫は早朝から深夜まで働き詰めで、私が捕まったことを重病の父に伝えることもできず、両親へのさらなる打撃を恐れて沈黙していました。夫は娘を近所の幼稚園や、出稼ぎに来ていた農村出身の隣人に預けていました。私が帰宅したとき、幼稚園の先生に「この間、どこに行っていたのですか？」と聞かれました。先生は「娘さんの服は毎日臭くて、着替えをお願いしても、次の日にはまた同じく汚れたままの服で来る」と言われ、胸が締めつけられました。

　洗脳チームに拘束されていた間、週末になると夫が娘を連れて面会に来てくれましたが、ほんの短い時間しか許されませんでした。娘が帰るたびに泣きじゃくり、その声が街中に響き渡るほどで、私は胸が張り裂けそうな思いでした。私が拘束されるたびに、娘の幼い心は計り知れない傷を負っていたのです。

　中国で過ごしたあの年月の風雨の中、私は何度も逮捕・拘束されただけでなく、ときには身を隠すために家を離れ、娘を近所に預けるしかないこともありました。娘が少し大きくなると、家に1人きりで自分のことは自分でしなければなりませんでした。母を恋しく思い、不安が強くなり、怖がりな性格になっていきました。私が7回目に逮捕されたのは、ちょうど娘が中学校の夏休みに入った初日でした。7、8人の警察が凶悪な顔つきで我が家のドアを破って押し入り、私に手錠をかけて「ネットで指名手配中の犯人だ」と言いながら、すぐに連行しようとしました。そして家宅捜索を始め、不法に家の中を荒らしました。そのとき家にいたのは私と娘だけで、娘は恐怖のあまり大声で泣き出しました。警察は娘に「お前も法輪功を煉っているのか？」と問い詰めました。娘は答える勇気がなかったものの、抵抗する気持ちを抑えきれず、泣きながらこう言いました。「お母さんはいい人だ」と。私は娘をなだめ「怖がらなくてもいいよ。お母さんは法輪大法を修煉して、ただ正しく生きているだけなんだから、何も間違っていないよ」と声をかけました。

　あの時が、これまでで最も危険な迫害の場面でした。私は遠方の地に不当に連行され、警察はこの逮捕を「重大事件」と位置づけ、私は刑事拘留され、起訴を待つ立場に置かれました。しかし、私は強い正念を持って師父にご加護を求め、この迫害を否定しました。同修たちが、私が拘束されたことを海外のネットに投稿してくれました。すると警察は「世界中の法輪功学習者から電話が殺到している」と言って怯えていました。そして1カ月後、私は無事に拘束先から出ることができました。

　家に戻ったとき、娘は私に抱きついて言いました。「お母さんが連れて行かれた日、私は師父の法像の前で、どうかお母さんが早く帰って来られるようにとお祈りしたよ」。娘はその間に2度夢を見たそうで、夢の中で師父が「あなたのお母さんはすぐに帰ってくるよ」と教えてくださったそうです。

　あの時、私は「保釈」扱いとなり、警察は「いつでも再拘束可能」と告げてきました。私の両親はすでに相次いで他界しており、私は頻繁に娘の面倒を見られない状況でした。中国の環境や社会風潮は悪化しており、娘は中学に入ってから反抗的になり、学業成績も急激に下がっていきました。私は「このままでは娘がダメになってしまう」と思い、中国を離れる決心をしました。

　そして私は娘を連れて中国を脱出しました。その後、娘は幸運にも飛天学校で舞踊を学ぶ機会を得ました。アメリカに来たとき、娘は14歳になっており、舞踊を始めるには遅い年齢でしたし、基本的な訓練も受けたことがありませんでした。しかし、飛天学校の優れた学習環境と修煉の雰囲気のおかげで、娘は急速に成長していきました。学校に入って間もなく、娘は修煉者としての状態に入り、一生懸命学びながら、自分の過去の誤った考え方を正し、心性を向上させていきました。娘は後に私にこう言いました。「お母さん、あのまま大陸に残っていたら、私はもうダメになっていたと思う」と。

　娘はますますしっかりしてきて、休暇で私のもとに戻ってくると、率先して家事を手伝ってくれます。そして、よく「お母さん、ありがとう」と言ってくれます。娘はとても自制心が強く、学業も修煉も手を抜かず、どちらもしっかり取り組んでいます。専門科目の成績も急速に伸び、飛天の優秀な同級生たちと同様、ますます成長してきました。心性の修煉においても、娘は内に向けて自分を探すことができ、欠点を見つけ、悪い性格を克服しようとしています。修煉していない家族の年長者たちは「大学を卒業したら別の道に進んだほうがいい」と勧めてきましたが、娘は「お母さん、学校が私をここまで育ててくれたのよ。だから私はちゃんと舞踊に取り組みたい。大学を卒業したら、舞踊系の大学院に進学して、神韻公演に参加して大法が迫害されている真相を伝えたい」と言いました。娘は夢の中でも修煉の試練があったそうです。それは「常人の世界でスターになるか、神韻の俳優になるか」という選択でした。娘は迷わず「神韻の俳優になる」と答えました。彼女は「こんなに素晴らしい学校で学べることがとても幸せ」とも話してくれました。

　娘は舞踊の練習中に怪我をしたこともありましたが、毎回修煉の観点からその困難を受け止め、乗り越えてきました。修煉しているおかげで、回復力も常人とは異なるほどに早く、順調でした。私も親として、彼女と一緒に内に向かって自分を探し、法に則っていない部分を見つめ直し、正していこうと努力しています。娘と共に、修煉の正念をさらに強めていきました。

　私は、道徳が崩壊しつつあるこの末世にあって、娘が正しい道を歩み、飛天という素晴らしい学校で中国の本当の伝統文化を学び、神韻と共に大法の真相を伝え、中共による大法弟子への残酷な迫害の実態を明らかにし、師が法を正すお手伝いができたことを、心から安堵し、光栄に深い思います。娘は最も正しい選択をしたのです。

　時折、今も心に引っかかっている同修のことを思い出します。彼女の夫（法輪功学習者）は、2001年に私たちと共に海外メディアに大法の真相を伝え、中共の迫害を暴露した後、すぐに警察に逮捕され、拷問の末に命を奪われました。彼が亡くなったのはわずか38歳のときでした。彼の妻は、まだ10歳そこそこの子どもを抱え、あの過酷な環境の中で生き抜いていました。今、彼女たちは無事でいるだろうか…。私はただ心の中で彼らの平安を祈るばかりです。

　あれから何年も経ちました。私が海外に出て間もない頃、たまたま新唐人テレビで一つの報道を耳にしました。それは、2001年にアメリカ人記者フィリップ・パン氏が、中共によって精神病院に拘束された法輪功修煉者たちを取材していたというニュースでした。私はとても驚きました。あれはまさに私たちが命がけで法を実証していた時期の出来事だったのです。あの記者には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。彼が私たちを取材したとき、彼は『ワシントン・ポスト』の記者でした。私以外の同修たちは皆、実名で取材に応じていましたが、彼は私たちの安全を守るため、名前や住所を海外に公表することはしませんでした。私の記憶では、彼は明るく、正直で、善良な青年でした。

　いつかまたあの記者に会えたらと思っています。そして、今の私と娘の状況を伝え、善良な人には必ず良い未来が待っていると、心から伝えたいのです。