文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年6月27日】私の母は、もともと熱心なキリスト教徒でした。兄の妻や姪、末の弟も母に導かれて教会に通っていました。母は纏足（てんそく：女性の足を小さく縛る古い慣習）で、足が小さく不自由だったにもかかわらず、3、4キロも離れた場所まで、たった1人で礼拝に通っていたのです。ある日、私が実家に帰ったときもちょうど礼拝の時間になり、母は「ちょっと行ってくるから、あんたはここで待っていて」と言って、1人で出かけていきました。弟は「見てよ、うちの母ちゃん」と苦笑しましたが、私は「母が元気ならそれでいいよ。私は気にしないから」と言いました。

　私は法輪功を学ぶ前、持病がいくつもあり、毎年点滴を何度も打つような状態でした。そんなとき、友人の勧めで健康回復のために法輪大法の修煉を始めました。毎朝、公園の広場でみなさんと一緒に煉功をし、夜は大きなホールに集まって一緒に学法していました。日々の煉功と学法を続けているうちに、体がどんどん軽くなり、あれほど苦しんでいた病もすっかり消えてしまったのです。この功法は本当に神奇なものでした。

　その年の冬、母が私の家に冬越しにやって来ました。母は私の体調をずっと心配しており、家に着いて腰を下ろすなり「おまえの体が心配で、おまえの弟にも言ったのよ『私は長女に福音を伝えてくる』ってね」と言って、ポケットからメモを取り出そうとしました。私はすぐに言いました。「お母さん、もう大丈夫だよ。いまの私は、とても元気でしよ？　私は法輪功を学んで、病気がすっかり治った。この功法は本当にすごいよ。お母さんも一緒に法輪功を煉功しよう！」と。すると母は「私は何年もイエス様を信じてきたのよ、できるかしら？　家を出るときにも、主にこう言ったの。『もし私が行くことが主の御心なら、道中を無事に過ごさせてください』って。そしてその晩、不思議な夢を見たの。大きな仏様が現れたのよ」と言いました。

　私はすぐに、黄色い法衣を身にまとった師父の法像の前に母を連れて行き「お母さん、この佛様だった？」と尋ねました。すると母は「ああ、そう、この佛様よ！」と即座に答えました。私はうれしくなって「お母さん、それは大法の師父よ。夢に出てくるなんて、これはお母さんとの縁が来た証拠だよ」と言うと、母は微笑みました。「さあ、一緒に法輪功を煉功しよう！　余計なことは考えずにね。イエス様も神様だから、人間のように細かく気にしたりはしないよ」と私は続けました。当時の私は修煉を始めたばかりだったので、あまり詳しい説明はできませんでした。

　翌日、母は私と一緒に『轉法輪』を学び始めました。私が読み上げ、母は耳を傾けて真剣に聞いていました。すると突然「これはイエス様よりも高い存在だわ！」と口にし、さらに「今のキリスト教は昔と全然違ってしまった。鶏を殺す人もいれば、木を切る人や枝を折って羊に与えるような人もいる」と言いました。私は「それならもう、迷わず私と一緒に法輪功を学びましょう」と母に勧めました。

　その日を境に、母は揺るぎない決意で大法を学び始めました。当時、母はすでに86歳でした。文字は読めませんでしたが、私が読むのを聴いて学びました。家事や食事の支度をしながら、私は母に師父の『済南市での説法』を聞かせていました。夜には時々『洪吟』を一緒に暗唱し、母もいくつかの詩を覚えられるようになっていました。

　ある日、母が入浴を終えて浴室から出た直後「ガタン！」という音とともに床に転倒しました。座り込んで「アイタタ、アイタタ」と痛がっていたので、私はすぐに「大丈夫、大丈夫だよ」と声をかけました。すると母もすぐに「大丈夫、大丈夫」と言い直し、私が抱き起こして「具合はどう？」と聞くと、「大丈夫よ」と何度も言いながら、自分で部屋に戻って服を着替えました。すると、本当に何事もなかったのです。

　毎朝、私と夫はリビングで煉功をしており、母は隣の小部屋でイヤホンをつけて一緒に煉功していました。ある日、煉功中に「ドスン」という音がして、慌てて部屋に駆けつけると、母が床に座っていました。「大丈夫だから」と言い、自分でベッドに手をかけてゆっくり立ち上がり「心配しないで、あなたはあなたの煉功を続けなさい」と言って、再び煉功を始めました。私は心の中で「母は本当に立派だな」と思いながら、師父の慈悲深いご加護に感謝しました。師父、本当にありがとうございます。

　ある日、母が突然鼻水を流し始めました。ちょうどその時、息子の嫁が訪ねてきていたため、母は私に「孫のお嫁さんにこのことを話した方がいいかしら？」と尋ねました。私はすぐに「お母さん、私たちは修煉者でしょ？　話す必要はないよ」と言いました。母はすぐに「そうだった！　私たちは煉功者だわ」と気づき、そのまま薬も注射もせず、翌日にはすっかり良くなりました。母は大法の超常さを深く実感し「法輪功は本当に素晴らしい。絶対にしっかり学んで、しっかり煉功しないとね」と私たちに言いました。

　母はかつて実家にいた頃から「目がぼやける」と感じていて、病院で診察を受けた際、白内障と診断され、手術が必要だと言われました。しかし高齢のため手術を受ける気にはなれず、そのまま様子を見ることにしていました。ところがある日「悪いものが目から流れ出た気がする」と言い出し、私たちはとても不思議に思いました。

　数年間、学法と煉功を続けたことで、母の身体はすっかり元気になりました。耳も遠くなく、目もかすまず、自分で洗濯をし、家事の手伝いもよくしてくれました。食器を洗ったり、野菜の下ごしらえをしたり、何でも手伝ってくれました。食事に関しても好き嫌いはなく、食べ物を無駄にすることは一切ありませんでした。ときには自分で階段を下りて、公園をひとまわりしてくることもあり、4階までの昇り降りもまったく苦にしていませんでした。近所の人たちも「本当に元気なおばあちゃんですね」と口々に褒めてくれました。私は心の中で「これこそ大法を修煉したおかげでいただいた福報だ」と感じ、師父と大法に心から感謝しました。

　そんなふうにして、母は何年も我が家で暮らしていましたが、ある日、故郷の親族から電話があり、「母の顔を見たい」との希望が寄せられました。それで、母の誕生日を機に一緒に帰省することに決めました。ところが帰省の途中、母は駅で転倒し、足をひどく腫らしてしまいました。歩くこともままならず、車椅子での生活となってしまいました。その年の旧正月はそのまま農村の実家で過ごすことになりました。翌年、母の誕生日を迎えるにあたり、私たちは、息子の車で母を迎えに実家へ向かいました。すると、母の目が私たちを見てキラリと輝いたのです。家では煉功もできず、説法を聴く環境も整っていなかったため、母の体調はずっと優れず、精神的にも沈んでいました。今思い返すと「あのとき、どんなに反対されても母を帰省させるべきではなかった」と後悔しています。それでも母を迎えに来てからは、私たちが丁寧に世話をしたおかげで、少しずつ体調は回復し、以前のような様子に戻ってきました。しかし、それから1カ月あまり経った頃、母は静かに息を引き取りました。母を車に乗せて、再び故郷へ戻り、皆で別れを告げました。参列者たちが白布の下から母の顔を見たとき「まるで化粧をしたように顔色が赤みがかっていて、安らかで美しい表情だった」と言って、誰もが驚いていました。私はそのとき確信しました――母はきっと素晴らしい世界へ旅立ったのだと。

　これらは、母がイエス様を信仰していた時代から大法を修煉するようになった過程での、いくつかの出来事です。ここで改めて合掌し、慈悲なる師父に感謝を捧げます。大法に感謝いたします。師を信じ、法を信じ、真に修め、着実に自らを修煉し、常に内に向かって心性を高めていく。そうしてこそ、円満成就し、師父と共に家へ返ることができるのです。