文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年6月27日】三界を構成する要素の中に「情」があり、「情」から「色」と「欲」が派生しました。しかし、旧宇宙は「成・住・壊・滅」の過程の「滅」に至り、それによって現在の「陰陽反転」（『轉法輪』）が生じ、「情」も変異しました。それにより「色」と「欲」もまた、変異しています。旧勢力は、旧宇宙が「滅」に向かうときの智慧をもって師父の法を正すことを見ており、色欲を現代的な観念へと変異させ、人々が日常生活の中で業を造るように仕向けることで、最終的にこれらの人々を滅ぼそうとしているのです。

　一、文芸における変異した色欲の観念

　魔は人類を破壊し創世主の按排を崩すため、現代の文芸作品を通じて、変異した色欲の観念を盛んに喧伝しています。その媒体の例としては、映画、テレビドラマ、モダンダンス、ポップミュージック、商品デザインなどが挙げられます。映画やドラマでは、早熟すぎる恋愛、人工中絶手術、婚前性交などを扱い、男女間の節度のなさをファッションとして美化し、恋愛関係において性行為をしないことを「古くさい」「積極性がない」と見なしています。さらには、同性愛を公然と推奨し、男性同士・女性同士の変異した行為を大衆に広めています。モダンダンスのダンサーは色欲の物質を絶えず放ち、媚びた目つきや腰つきで人々の欲望を刺激しています。歌詞には露骨な色欲的内容が含まれ、これらはすべてポルノの教唆に当たります。これは魔の策略であり、旧勢力の手段でもあります。長い年月をかけ、感情と音声を通じて色欲を増幅させ、変異させた観念として人体に注入しているのです。

　二、人間社会における「情」の変異

　色欲はすべて「情」から生まれます。「情」が変異すれば、当然色欲も変異します。現代社会ではいわゆる「マザコン男」（訳注：男性が母親に対して過度に依存したり、執着したりする状態を指す。一般的に、母親との関係が密接で、自立心が欠如している男性）が多く見られますが、これは「情」の変異によって生まれた現象です。ある母親は息子への愛情が溺愛を超え、まるで恋人のように愛を注いでいます。あるいは父親が娘への愛を「情人（恋人）」のように歪めてしまうこともあります。こうした変異は人々には気づきにくいのですが、深く探れば、それらはすべて「情」の変異が原因です。このような変異した「情」は他人を害するだけでなく、自身をも傷つけ、子どもたちの将来の結婚生活を不幸にする要因となります。

　三、腐敗した党文化が色欲をさらに堕落させる

　党文化※は天の道に背き、夫婦間の性生活を大々的に宣伝し、性生活の満足度を幸福の基準としました。その結果、中国人の体力は低下し、寿命も短くなり、離婚率も上昇しています。中には高齢になってから離婚したり、不倫（婚外関係）をする人さえいます。中国では40歳代の男性が早くも身体の衰えを見せ、女性も年齢が若いにも拘わらず肌がくすんで老けて見えるなどの問題が広がっています。これらはすべて変異した色欲によって毒されている結果なのです。

　※訳註：共産党は暴力革命によって権力を得たため、選出された政府であるという正統性がなく、西洋の民主主義文化とは一線を引いている。また、ソ連崩壊により共産主義の理念の正統性は失われ、さらに、中国共産党は中国の文化を数十年にわたって破壊した。中国共産党が存続するためには、自分の文化を作り出す必要がある。多くの中国人はこれを「党文化」と呼んでいる。（出典：党文化と芸術）

　四、大法は人の心を正し、伝統は人間性を再構築する

　師父は明確に示されています。「現代の観念と行為は、人性を腐蝕している」（『洪吟五』「未来は自分で掴み取る」）。修煉者はより多く法を学び、「真・善・忍」に従って自らの心性を修め、法に合わない観念や思想を自発的に排除し、否定しなければなりません。
主意識をしっかりと保ち、自分の肉体を主宰し、真に自己を修煉していく必要があります。自分の認識が不足していれば、修煉の中で色欲の関を越えるのが非常に困難になり、また絶えず妨害を受けることになります。最も重要なのは、旧勢力が現代の観念に会うよう色欲を変異させたことに気づいていないことです。

　もし現在の変異した色欲を「普通の現象」として受け入れてしまえば、それはこのような観念を認めたことになります。そうなると、色欲という物質があなたの空間場に存在し続けることになり、さらにそれをどんどん放置しておけば、この物質はますます強くなり、色欲の心を取り除くことが非常に難しくなってしまいます。伝統文化の中では、人の生活における基準として「礼」が明確に定められていました。年長者は子孫に対して慈愛をもって接するべきであり、党文化のようにすべてに干渉し、支配しようとする傲慢さや横暴さとは「礼」に反します。夫婦の間では互いに尊重し理解し合い、「相敬如賓（お互いを敬い賓客に対するように礼儀正しく接する）」の境地に至るべきであり、無制限な欲望で感情を維持するものではありません。

　男性同士、女性同士の付き合いにおいても節度を持つべきであり、同性間でも過度な身体的接触があってはなりません。人には肉体があり、迷いの空間に存在しているため、過度な身体的接触は色欲の変異を招く原因になります。

　中国の古人は人との交流において「抱拳（ほうけん）※1」の礼を行いました。これは適切な距離を保ちながら礼節を失わないためのものであり、人を堂々とした姿にさせます。このように、男性は謙虚で礼儀正しく、女性は上品で教養があるものとなります。神韻（Shen Yun）※2の公演を観るたびに、男女の出演者たちが決して過度な身体接触をせず、互いに手すら触れない様子を見ると、これこそが真の伝統であり、人としての本当の基準であると感じます。

　※１　訳注：抱拳は日本の「お辞儀」に相当する礼儀作法。右手を拳にして左手で包み込むように胸の前で合わせる。相手への敬意を表し文武両道や平和を意味するとされている。

　※2　訳注：「神韻」は、2006年にニューヨークで設立された世界最高峰の中国古典舞踊と音楽の芸術団。

　一思一念を積極的に修めていけば、旧勢力がいかに世人や修煉者を破壊しようとしても、私たちが大法で自分を正すことでこれらの妨害を突破し、「流れに逆らって進んでいます」（『各地での説法十五』「二〇一八年ワシントンDCでの説法」）ということができるのです。

　以上は個人的な浅い見解です。至らぬ点があれば、同修の慈悲なるご指摘をお願いいたします。