　【明慧日本2025年6月29日】今年6月9日、重慶市の法輪功学習者・余樹惠さんの息子が重慶市女子刑務所を訪れ、日夜、案じていた母親にようやく会えた。1年以上ぶりの再会だったが、かつては明るく、働き者で、活力に満ちていた母親の姿はそこにはなく、目の前の母親はひどく痩せ衰え、精神状態も著しく悪化していた。息子は、母がここまで虐待された姿を見て、胸を痛めた。ほぼ同時に、父親は集中治療室から療養院に移送され、瀕死の状態だった。

　その2日後の6月11日、余樹惠さんの夫は病院で亡くなった。息子は大金を費やしたが、彼の命を救うことはできなかった。母がそばにいない中、父親の死に直面し、息子は悲しみと無力感に打ちひしがれた。親戚や友人の助けを借りて、ようやく葬儀を終えた。

　1965年生まれで今年60歳になる余さんは、重慶市九龍坡区石板鎮天池村に住んでいる。法輪功を修煉する前は、重度の腎臓病、リウマチ、椎間板ヘルニアなどに苦しみ、気性も荒くなっていた。1998年に法輪大法を学び始めてから、わずか2、3カ月で、すべての病気が消え去り、近所の人々から称賛される良い人になった。余さんは、法輪大法が素晴らしいものであることを人々に知らせるため、中国共産党（以下、中共）の虚言を明らかにするため、善良な人々が法輪功を中傷する嘘に惑わされないようにと願い、何度も中共から迫害を受け、洗脳班に監禁され、3年間の不当な労働教養処分を受け、さらに懲役3年を宣告された。

　2024年1月23日午後8時頃、余さんの自宅から不当に石板鎮派出所に連行され、その後、大渡口区留置場に拘禁され続けた。同年12月27日、余さんは重慶市九龍坡区裁判所から懲役3年6カ月を宣告された。余さんは重慶市中間裁判所に控訴し、弁護士にも依頼したが、最終的に裁判所は書面で原判決を維持した。これは余さんにとって3度目の不当判決の宣告だった。

　余さんの夫は長年病気を患っており、70歳にもなっていた。余さんが家にいる時は、家の6、7畝（うね）の畑は余さんが主に耕作し、夫は軽い仕事をする程度だった。余さんは農作業をするだけでなく、家に帰ると、食事を作り夫の世話をしなければならなかった。2024年1月23日に余さんが不当に連行されて以来、夫は病気を抱えながら6、7畝の畑を管理せざるを得なくなり、80歳を超える彼の姉までもが病気を抱えながら弟の山椒摘みを手伝いに来なければならなかった。なぜなら、中国では農村に住み、さらに山間部に住んでいる場合、耕作しなければ生活の食糧がないからである。

　余さんの息子は個人経営の会社で働いており、祝日や休暇はなく、用事がある時は休暇を取るしかない。嫁は仕事をし、子供の世話もしなければならない。嫁は母親が子供の世話をするのを助けてもらうために、実家に住んでおり、舅の世話をすることができず、農作業を手伝うことも不可能だった。そのため、余さんの夫は病気を抱えながら1年以上も働き続けた。過酷な肉体労働、病気を抱えながらの過重労働、生活上の栄養不足、それに加えて獄中の妻への心配から、ついに今年5月に倒れてしまった。今では余さんの家は空っぽになっている。

　余さんは今年3月中旬に重慶市女子刑務所に連行された。5月には、夫の病状はすでに深刻になっており、彼は自分の命が長くないことを悟り、妻に一目会いたいと強く願ったが、刑務所はそれを許可せず、結局、最期に妻に会うことができずに無念の死を遂げた。

　余さんは、連行される前は健康であり、家の6、7畝の畑の主な労働力だった。余さんの家の農地は山間部にあり、しばしば50キロもの山椒を担いで坂を上り下りしていた。今年3月に重慶市女子刑務所に連行された後、まもなく刑務所から、余さんの首にリンパ節の腫れがあると電話があった。6月に息子が面会した時、余さんはやつれた顔をしていた。余さんは刑務所でどのような迫害を受けているのか、知る由もない。

　重慶女子刑務所は、信仰を放棄しない学習者を「転向」させるために、あらゆる手段を講じ、人間性を無視した強制的な洗脳を行っているという。学習者は精神的に大きな圧力を受け、長期間にわたって高圧と苦痛の中に置かれ、心身ともに極めて大きな傷を受けている。

　余さんは法輪大法を修煉して以来「真・善・忍」の原則に従って良い人になるように努め、さらに5つの功法を煉功したところ、わずか2、3カ月で、すべての病気が治癒した。余さんの気性も良くなり、家の重い負担を担えるようになった。余さんは精神的にも肉体的にも生まれ変わった。一家は心を一つにして、家の土壁の家を広々とした建物に改築した。これは修煉前には考えられなかったことである。余さんは喜んで人を助け、農繁期にはどの家も農作業に忙しい中、隣人が助けを必要としている場合、余さんは自分の家のことを後回しにして、喜んで人を助けた。冬の山は気温が非常に低く、隣の家がエンドウ豆の芽を摘むのに人手が必要な場合、余さんは自分の手元の作業を中断し、寒さをものともせず、見返りを求めずに隣人の手伝いに行った。このような良い人が、中共の公検法関係者の共謀により、不当な投獄を受け、家庭にこのような悲惨な出来事がもたらされたのだ。