文／中国内モンゴルの大法弟子

　【明慧日本2025年7月10日】私たちは皆、正法の進展がすでに最終段階の最後に差しかかっていることを知っています。ところが、最近のネット上の交流文章を読むと、一部の同修は個人修煉と正法修煉における法理をはっきりと理解しておらず、その境界が不明確であるようです。

　私はこう悟りました。『轉法輪』は、師父が私たちの修煉を指導する主要な著作であり、「7.20」以前、私たちはその中から主に個人修煉の内涵を悟っていました（大法には限りない内涵があり、当然ながら正法修煉の理も含まれていますが、当時はそれを悟ることができませんでした）。1999年の「7.20」以降、私たちは本当の意味で大法弟子としての修煉、つまり正法修煉に入ったのです。師父は、『導航』に収められた四篇の説法と、『米国フロリダ法会での説法』、『北米での巡回説法』、『理性』、『忍の限界』などの経文を通して、大法弟子を一歩一歩、正法修煉へと導いてくださいました。

　20年以上にも及ぶ邪悪な迫害の中での修煉と魔難の中で、個人修煉と正法修煉の違いはどこにあるのかをしっかりと見極めなければならないと、私は当初から自分にこう言い聞かせてきました。

　一、個人修煉と正法修煉を明確に区別することについて、私は主に以下の三つの側面から認識し始めました。

　1、まず最初に、私は真相を伝えることこそが、『忍の限界』という法理の体現であり、正法修煉の現れであると理解し始めました。なぜなら、個人修煉には真相を伝えることは必要なく、ただ受け身で耐え、内に向かって探すことだけだからです。しかし正法の進展に伴い、私は徐々に理解しました。師父が大法弟子に正法修煉の中でまず自分自身をしっかり修める以外に行うべきこと、それが三つのこと、すなわち、法を学ぶこと、正念を発すること、真相を伝えることであるということです。大法弟子が何かを行う際の出発点には善しかなく、悪はありません。

　2、大法弟子は交通事故に遭った時でも、真相を伝えて人を救うことを忘れてはなりません。大法弟子が交通事故に遭遇した際、もはや『轉法輪』の中に書かれているようにただ「大丈夫です、行ってください」と言うだけではいけません。人を強請ったり、憎んだり、責めたりしてはいけません。これは個人修煉の段階の話であり、当時はまだ正法修煉に入っていなかったからです。今は違います。今は大きな慈悲の心を持って、相手を救う必要があります。例えばこう言うのです。「心配しないでください、私は法輪大法を学んでいます。あなたをゆすりません。どうか『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』と覚えておいてください」さらに、三退を勧める必要もあります。前世の借りを返すだけでなく、人を救うことを忘れてはなりません。

　3、金銭や物質の面では、必ずしっかりとした認識と節度を持つべきです。師父は「7.20」以前、「北京の古い学習者へ」（『精進要旨』）という経文の中で弟子たちに「財物を蓄えることなく」と戒められました。しかし「7.20」以後、大法弟子には声を上げる場がなくなり、自分たちでメディアやプロジェクトを立ち上げて、自ら発言し、邪悪を暴き、衆生を救い済度するしかありませんでした。そのため、資金がなければ何もできません。そこで師父は、大法弟子の行うプロジェクトの資金管理について繰り返し厳しく求められました。大法弟子のお金を使うときは、自分のお金を使う以上に慎重であるべきです。そうやってこそ、師父・同修・そして衆生の信頼に応えることができます。また邪悪は乗じる隙がなくなります。

　なぜなら、師父は「異なる次元に異なる法あり」（『轉法輪』）とおっしゃっています。つまり、一部のやり方は正法修煉に特有のものであり、たとえば『忍の限界』などは、歴史上かつてなかったものであり、正法修煉の中での正しい悟りです。上で述べた三つの側面は、あくまで私個人が正法修煉の法理を悟り始めた一歩にすぎません。

　二、以下は、私がネット上の交流文章を読んでいて、正法修煉の面でやや不足があると感じた内容です。皆さんと一緒に交流して切磋し、共に向上することを目的としています。

　1、あるネット上の交流文章にて、投稿者である大法弟子は教師であり、教育において特別な貢献をし、省レベルの特級教師に選ばれました。しかし彼女は名利を薄く見るために、その名誉を他人に譲ってしまいました。校長はそれに反対したものの、彼女は強引にそれを辞退しました。さらに、配分された住宅も受け取りませんでした。私個人の考えでは、これはすでに「自然に任せる」という法理に反していると思います。というのも、彼女が名誉や住宅を得たのは、教育事業に貢献し、学校に栄誉をもたらした結果であり、それは彼女が受け取るべき当然のものです。これは師父の『シドニー法会での説法』にもあるように、「求めずとも自ずから得ると言うのです。」という原則に当てはまります。

　彼女は、おそらく師父が『轉法輪』の中で挙げた家を譲る例を思い出したのかもしれません。しかし、師父は中国国内での説法録音の中でもおっしゃっていますが、あの例の人物は奇門功法の門主であり、あくまで個人修煉の次元の話です。私たちはその人を基準にしてはいけません。私たちにとってはまず自分自身をしっかり修めると同時に、大法を守り、大法を実証することが何よりも重要です。

　特級教師という称号を得ることは、その学校、さらには地域、そして省全体の教育界にまで大きな影響を与えることができます。人々はきっとこう言うでしょう。「この特級教師は法輪功を修煉している人だ。法輪功を修煉していない人よりもずっと優れている。本当にすごい！」しかし彼女は、自分自身が「これほどの名利をも放下できる」ことを証明するために、大法を実証する絶好の機会を放棄してしまったのです。彼女は学校に栄誉をもたらし、各方面の指導者たちは当然のように彼女を守ってくれたはずです。ところが、新しく赴任してきた校長は、邪悪な圧力の下、彼女を左遷し、湯沸かし係にしてしまいました。この難は、彼女が正しく把握できず、自ら招いてしまったものだと思います。

　さらに言えば、彼女が手放した名誉や住宅を、他の人が受け取った場合、それは本来その人が得るべきでないものです。そうなると、その人は「得るべきでない利益を得た」ことで徳を失い、業を造ることになりませんか？　それは結果的に人を害することになってしまいます。一見すると、名利を放下してよく修煉しているように見えるかもしれませんが、実際には大法を実証する絶好の機会を放棄し、人に害を与え、しかも強い「私」を抱えているのです。結果として、自ら不必要な迫害を招き、授業から外され、お湯を沸かす仕事に回されてしまいました。これは教育システムの中でも法を実証することができなかったばかりか、親族や友人たちの間でも理解され難く、やはり大法を実証することはできなかったのです。

　さらに、もし特級教師の称号を得たことによって給与が増えたならば、その一部を人を救う資料作成の資金として提供することもできたでしょう。それにより、資金不足に苦しむ地域を多少なりとも支援できたかもしれません。自分が名利を放下できると実証するために、大法の資源まで手放してしまうこと、それについては、罪の意識を持つべきではないでしょうか？

　2、ある交流文章には、こんな内容が書かれていました。投稿者は嫁いで以来、隣人の若いお嫁さんと良好な関係を築き、その方も真相を理解していました。その後、何十年もの付き合いを経て、その家が引っ越ししても交流は続き、投稿者はよく買い物をして一緒に食事をしたりしていました。ところが最近2回ほど買い物を持って訪ねた際、そのお嫁さんが不満を示し、「買ってきた肉が気に入らない」と言いました。するとこの同修は内に向かって反省し、「節約したいという心、利益心があった」ことを見つけました。そして2回目にまた品物が気に入られなかった時にも、彼女は引き続き「利益心が完全に取り除かれていないのではないか」と自己反省をしました。これは個人修煉の観点から見れば確かに正しいのですが、残念ながら完全に個人修煉の状態にとどまっています。

　大法弟子の家庭にあるお金もまた、大法の資源であり、師父はそれを非常に大切にされています。私たちが手にしているお金は、時には常人の状態に合わせて社会的な付き合いをするために使わざるを得ないこともあります。しかし、なぜ積極的に頻繁に常人の人間関係の付き合いを続ける必要があるのでしょうか？　それは大法の資源を浪費するだけでなく、貴重な時間の無駄遣いでもあります。さらに、その相手はすでに真相を理解しているのです。

　世の中にはまだ多くの人々が救われていません。なぜこの時間を使って、もっと多くの人を救わないのでしょうか？　大法の資源は、師父が法を実証するために使うようにとお定めになったものです。それをなぜこんなに浪費してしまうのでしょうか？　また、常人のように見栄を張ったり、比べ合ったりする心を呼び起こすのでしょうか？　なぜ正法修煉の観点から自分を見つめ直さないのでしょうか？　私たちは大法弟子です。自分の手元にあるお金を無闇に使ってはいけません。それは一思一念を修めることではないでしょうか？

　ネット上で次のような交流文章を見ました。ある同修は毎日人を救うために出かける際、家で蒸したパンと自宅の水道水をペットボトルに入れて出かけました。冬の寒さで水が凍ったら、手で温めて氷が解けたら少しずつ飲み、その節約したお金を人を救うことに使っていました。師父は『洪吟』「着実に修める」の中で「比して学び、比して修す」とおっしゃっています。実際にできて初めて修煉と言えるでしょう。もちろん、もし条件が恵まれているのであれば、無理にそうする必要はありません。そうでなければ、それもまた有為の一つと言えるでしょう。

　3、多くの文章で、悪くなったため、宇宙から堕ちてきた、修めて元に戻る必要がある、と言われています。確かにその通りです。師父は『轉法輪』の中で三度にわたり、人間は「私」を持っていたから、高次元からこの次元に堕ちてきたと述べられています。正法修煉に入ってから、師父は『北米での巡回説法』の中で、大法弟子は三つの部分で構成されているとお話しされました。さらに後の説法では、私たちは誓約と使命を持つ存在であり、歴史の中で法を正す時期の大法弟子として定められていること、そして師父が私たちの生まれ変わりをずっと見守ってくださっていることを明かされました。

　もし個人修煉の観点に立てば、ただ修めて元に戻ればそれでよいとなり、誓約や使命、師父を助けて法を正すことなどは重要ではなくなります。これが多くの人が外に出ない、或いは精進しない理由の一つでもあります。

　しかし正法修煉の観点から見ると、法を正す時期の大法弟子は個人の円満成就だけを求めるのではありません。ただ個人の円満成就だけを考え、法を実証し、衆生を救い済度することを考えないのは、大きな「私」の心です。

　長期間旧勢力に制御されて家に閉じ込み、病業の虚像が絶えない人は、むしろこの点についてよく考え、私の心を突破するべきです。

　実際、私たちが返本帰真し、修めて元に戻るとしても、それはもはや昔の天国世界ではありません。私たちがこの世で修煉する過程で更新され、新しい宇宙の基準に合ったものとなるのです。大法弟子がよく修めれば、世界全体が昇華します。もし大法弟子が最後の基準まで修められなければ、その人の世界もまたレベルが下がりますが、それでも新宇宙の中にいます。新宇宙の世界は旧宇宙の世界よりも何倍も美しく、もはや滅びることはありません。

　師父は次のように説かれました。「わたしが皆さんに人間の認識を改めるように教えたのは、人間が大法を認識しているという状態を固守するようにと言っているのではなく、理智なく常軌を逸してしまうということでもなく、皆さんにはっきりと大法を認識してもらうためです。」（『精進要旨』「取中」）

　では、「人間が大法を認識しているという状態を固守する」とは何でしょうか？　私の次元で悟ったところでは、人間が大法を認識しているという状態とは、私たちが大法に入門して間もない頃の認識の状態を指します。もし今なおその状態を固守しているならば、それは非常に低いレベルです。その状態を固守していては、私たちの正法修煉を導くことはできません。だからこそ、個人修煉の枠を超えて初めて、正法修煉の道をしっかりと歩むことができるのです。もちろん、個人修煉と正法修煉に貫通している法理は多くあり、大法は圓容なのです。

　（続く）