文／中国山東省の大法弟子口述　同修による編集

　【明慧日本2025年7月10日】師父に心から感謝いたします。私は一文字も読めませんでしたが、今では50冊以上の大法書籍をすべて通読できるようになりました。私たちの学法グループには教師をしている人もいますが、学校に通ったことがないのは私だけです。それでも、師父が新たに発表された経文は、いつも私が皆に読んで聞かせています。

　一、邪悪な政党の支配下での苦難な人生

　私が生まれる前に、父は中国共産党（以下、中共）によって「反革命分子」とされ、労働改革のために大西北（中国西北部）に送られました。私が生まれた頃は、ちょうど中共が「大躍進」政策を推し進めていた時期で、食べるものも飲むものもなく、とても苦しい時代でした。姉が教えてくれたのですが、当時私は栄養失調でお腹がパンパンに腫れ、皮膚がテカテカと光っていたそうです。何かを食べると、その食べ物が体の中のどこを通っているのか、お腹の外からでもわかるほどだったと言います。炕（かん：床下からの暖房装置）の上に寝ている私は、まるで透明な大きな魚の浮き袋のようだったそうです。そのため、私は5歳になるまで歩くことができませんでした。ある年、父が家に少しお金を送ってきて、姉に「家族全員の写真を撮って送ってくれ」と頼んできました。父が家を出たとき、私はまだ生まれていなかったので、私の顔を見たことがなく、私が本当に存在しているのか、生きているのかを確かめたかったのだと思います。でもその頃、家はとても貧しく、私は毎日、布一枚だけをかぶって寝ていて、服もなく、食べるものもなく、一日中炕の上に寝ているだけでした。姉は私を写真館に連れて行けず、兄や姉たちだけで写真を撮って父に送りました。だから父は、私が生まれてすぐに亡くなったと思っていたかもしれません。

　子どもの頃、私は何度も飢えで死にかけました。意識を失い、呼吸も止まりかけることが度々ありましたが、それでも結局死ぬことはありませんでした。あるとき、本当に息が止まり、足もまっすぐに伸びてしまい、祖母は「もうダメだ」と思い、姉に外で洪水対策の作業をさせられていた母を呼びに行かせました。(うちは地主であり、反革命分子とされていたため、中共に重点的に迫害されていて、母も虐待されていました。激しい雨の中でも、女性一人で洪水対策に出されていたのです)。当時の母は、私が毎日まともに食べられず、飢えて死にそうになっている姿を見て「いっそ早く死んでくれたほうが楽かもしれない」と思っていました。だから、姉から「私が死んだ」と聞かされたときも、特に悲しまず「私の帰りを待たなくていい、そのまま埋めてしまいなさい」と言ったそうです。

　姉がそのことを祖母に伝えると、祖母は私を外に埋めようとしましたが、その日は雨が激しく、外に出ることもできませんでした。そこで祖母は「家にまだサツマイモのつるがあるから、少し絞って水を出してみよう。あとで彼女の歯をこじ開けるから、お前がその水を数滴たらしてみて、飲み込むかどうか確かめて」と言いました。すると、私は何度か水を飲み込みました。それを見て祖母は「まだ生きているようだ。じゃあ、明日まで様子を見よう」と言いました。こうして、数滴のサツマイモのつるの水で私は助かり、再び生き延びることができました。

　父はまだ労働改革から戻っておらず、母は「地主」と「反革命分子の家族」というレッテルを一人で背負っていました。私が6歳のとき、母は生活の苦しさと精神的な重圧に耐えきれず、私たちの元を去りました。家には未成年の子ども4人が残されました。私たちがあまりにも可哀そうだったので、母の弟（叔父）が気の毒に思い、私たちを引き取って育てられる善意の家庭に預けてくれました。こうして、兄妹4人は他の村のその家庭で住むことになりました。その後、父が戻ってきて、私たちを何とか探し出しましたが、子どもたちの将来に悪影響を与えないかと心配し、よく考えた末に、最終的には私だけを引き取ることにしました。当時の私は幼く、事情もよく分かっていませんでした。父はまだ「反革命」の汚名を着せられたままで、毎日批判され、昼も夜も墓を掘るよう命じられていました。（ちょうど文化大革命の時代で、中共が「四旧打破」の一環として、祖先の墓まで壊す運動をしていた時期です）父は夜になると私を背負って墓を掘りに行きました。私は怖くて、背中にしがみついたまま目を開けることができませんでした。

　学校に通う年齢になったものの、家には学費を払うお金がなく、私は毎日父のために薪を拾い、火を焚き、食事を作り、石臼で粉をひいて過ごしていました。当時、私たちの家は共産党に接収されて学校として使われており、私は学校に通う子どもたちを見て、どうしても授業を受けたいという気持ちになりました。そこで、毎日その学校の周りをうろついて、落ちている木の枝や落ち葉を拾い集めては家に持ち帰っていました。私の主な目的は、そこで人の授業を聞くことでした。人が覚えられなかったことを、私は覚えてしまい、どの学年の授業かも気にせずに聞いていました。長い時間が経つうちに、いくつかの文章は暗記できるようになりました。それでも私は一文字も読めなかったのです。私は何度も泣きながら父に「学校へ行かせてほしい」と頼みました。父は私の必死な姿を見て、本当に見ていられなかったのか「学校なんて行っても意味がないよ」と私を慰めてくれました。『お父さんも学校に行ったけど、結局こんな目に遭ったんだ』」と。父はかつて国民党の官僚の秘書を務めていたため、反革命分子とされ、10数年にわたって労働改革を受けました。

　大きくなってから、私は「成分が悪い」とされていました。（当時、地主・富農・反革命・悪分子・右派などは共産党によって「成分が悪い」と分類され、日常的に批判の対象とされていました）。そのため、兄は結婚相手が見つからず、私が「交換婚」の形で兄の代わりに嫁ぐことになりました。つまり、兄嫁の兄と結婚したのです。彼は私より6歳年上でした。結婚後、姑の家族は私のことを背が低くて小柄だと見下し、まったく相手にしてくれませんでした。家の中の重労働や面倒な仕事はすべて私の役目で、それでも良くは扱われませんでした。身体的にも精神的にも大きな苦痛を受けた結果、私の体は次第に壊れていき、さまざまな病気を抱えるようになりました。

　その頃、私は毎日のように「早く死んでしまいたい、こんな生活はもう耐えられない」と考えていました。でも、すでに子どもが生まれていて、その小さな子どもたちを見ていると、どうしても置いていくことはできませんでした。私自身も、幼い頃に母を無くし、苦しみを味わってきたので、子どもたちには同じ思いをさせたくなかったのです。だから私は「子どもたちがもう少し大きくなったら死のう」と考え、どうやって死ぬかまで心の中で決めていたのです」

　二、幸運にも大法に救われ、1カ月で『轉法輪』を読めるようになった。

　1998年、私は近所のおじさんの家に行きました。部屋に入ると、おじさんは分厚い本を読んでいて、私が来たのに、眼鏡の下からチラッと見ただけで、また本に目を戻し、何も言いませんでした。今日はなんだか様子が変だなと思って「おじさん、何の本を読んでるの？　私が来たのに無視するなんて」と聞きました。するとおじさんは「いい本を読んでるんだ。君も読むかい？」と言いました。私は「あなたがくれても私は読めないよ。本は私を知ってるけど、私は本を知らないから」と答えました。するとおじさんは「じゃあ、読んであげよう」と言ってくれて、私は「うん、お願い」と答えました。

　その日のうちに、おじさんは私に一講読んでくれました。私は聞いていて「なんて素晴らしいんだろう！」と思いました。なぜか分からないけれど、本に書かれていることが本当に良いと心から思えたのです。そのとき、まるで目の前の扉が次々と開いていくような感覚がありました。おじさんと「明日の夜も続きを読んでくれる」と約束して、私は家に帰りました。帰り道、私はもう嬉しくてたまらなくて、全身の細胞が喜んでいるように感じました。嬉しさのあまり、跳ねるようにして家に帰りました。心の中で叫びました――「私は真理を見つけた！　私は光を見つけた！」と。あまりの感動で、私は三日三晩眠れませんでした。その喜びは、本当に言葉では言い表せないほどでした。

　学法を始めてわずか3日後、ひどかった鼻炎（鼻の中に小さな穴ができてただれていた）、長年続いた下痢の腸炎、排尿時に激しい痛みを伴う腎炎、心臓病、乳腺増生（当時は、自転車を速くこぐこともできませんでした。胸が揺れて痛くなったからです）。頸椎症などの全身の病気がすっかり治ってしまいました。

　こうして、私は毎日おじさんの家に通って、おじさんが法を読むのを聞いていました。何度も何度も読んでもらっても、飽きることはありませんでした。当時は家の農作業が多く、1年間、私はほぼ毎日朝4時か5時には畑に出て働き、夜は家のことをすべて片づけてから10時になって、また隣の家に行って法を聞きました。家に帰るのはいつも12時過ぎで、だからその頃は、夜12時前に寝たことがありませんでした。一日に3〜4時間しか寝ず、昼寝も一切しませんでした。でもその後、私も自分で『轉法輪』を読もうと思うようになって、本を手に取って読み始めました。読めない字があっても、とにかく本を開いて読みました。昼間は時間がないので、夜に読んだり、時間を見つけては読んだりして、こうして1カ月かけて『轉法輪』を読めるようになりました。読めない字があると、辞書を引いて調べました。その頃、私が辞書を引いて字を調べたと言うと、夫は信じてくれませんでした。だから私はその字をメモしておいて、子どもが学校から帰ってきたら聞いてみると、子どもが「合ってるよ」と言うのです。すると夫は感心して「この大法は本当にすごいな！　字も読めなかった人が辞書を引いて字を覚えるようになるなんて！」と言いました。実は、辞書の引き方を覚えたのも、子どもが宿題をしているときに、私はそばで家事をしながら、なんとなく一緒に覚えたのです。

　昼間は仕事で読む時間がなかったので、私は食事の時間を使って本を読みました。当時は「師を敬い、法を敬う」ということもよく分かっていなくて、ただ法が素晴らしいと感じていたので、ご飯を食べながら本を読んでいました。だいたい1年間くらい、私はほとんど箸を使ったことがなく、毎日ご飯を片手に、本をもう片方の手で持って読んでいたのです。子どもたちは、私が野菜を食べないのを見て「お母さん、なんでおかずを食べないの？　野菜を食べないと栄養不足になるよ」と言いました。私は「私は真・善・忍を学んでるの。真・善・忍こそが栄養で、何よりも大事。お母さんは何も足りてないものなんてないよ」と答えました。そんなふうに、私は飢えるように、夢中で、昼夜を問わず本を読み続け、1年と経たないうちに『轉法輪』を50回も読みました。