　【明慧日本2025年7月11日】（明慧記者・沈容）今年74歳の郭曼娜さんは、「人生は自分でコントロールできるものだ。努力さえすれば幸せを手に入れられる」と思っていました。しかし、夫が突然脳卒中で倒れ、彼女は奈落の底へと突き落とされました。その最もつらい時期に彼女は法輪大法を修煉し始め、心の平穏を取り戻し、人生の方向性を見出すことができました。

　曼娜さんは公立学校の教師でした。幼い頃から品行も学問も優れている彼女は順調に学業を終え、師範学校を卒業してから教職の道へと進み、26歳で結婚し、一男一女をもうけました。穏やかで教養がある夫は彼女に優しく包容力もあり、親友からも理想的な夫婦だと見られていました。彼らは定年退職後に手を携えて世界を旅する計画を立てており、将来に大きな期待と憧れを抱いていました。曼娜さんは、この幸せで充実した人生がずっと続いていくと思っていました。

　運命の急変で人生が書き変えられた

　曼娜さんは、夫が45歳になった年に運命が突然ひっくり返るとは想像もしませんでした。

　当時を振り返り、彼女はこう言いました。「その日、夫は取引先を訪問して家に帰ると、少し体の調子が悪いと言って横になりました。目が覚めて話そうとしたとき、言葉がうまく出ず、はっきりしないので、私は異変に気づき、急いで夫を病院に連れて行きました」

　集中治療室に運ばれた夫は、1カ月間意識不明の状態でした。やがて目を覚ましたものの、体の半分は動かず、話すことも困難だったため、日常生活のすべてが曼娜さんに頼るようになりました。一夜にして、一家の生活は一変しました。

　あの頃のことを、曼娜さんは「焦り、混乱、慌てる」の三つの言葉で表現しました。「どうしてもこの事実を受け入れることができず、焦りが募って混乱し、慌てました。とにかく医者の言うとおりにして、回復する日を願うしかありませんでした」

　当時、曼娜さんは小学校の教師で、教育現場の激務に加え、日々学校と病院、自宅を行き来しなければなりませんでした。夫が経営していた小さな貿易会社は事実上の休業状態になり、彼女にはそれを引き受ける余裕がなかったため、会社の廃業を見送ることしかできませんでした。また、思春期に差し掛かった2人の子供についても、曼娜さんは彼らの感情や学業に構う余裕がなく、成長の課題に直面しながら自立して学ぶよう任せていました。

　夫の退院後、曼娜さんは病院のリハビリ、漢方の鍼治療、気功など、あらゆる方法を試しました。夫を回復させるために、彼女は200〜300万元もの貯金を費やし、毎日のリハビリに付き添い、ほんのわずかな希望に縋って奔走し続けました。しかし、4年経っても夫の回復はほとんど見られず、曼娜さんは涙をこらえながら、この変わらない現実を受け入れるしかありませんでした。

　長期間にわたる精神的な重圧と悲しみにより、曼娜さん自身も心身の限界に達していて、いつも落ち着かず、記憶力が衰え、夜には理由もなく涙がこぼれる日が多くなりました。やがて彼女は心を閉ざし、学校の活動にも一切参加しなくなりました。明るく理性的で前向きだった彼女は、魂が抜けたような状態になり、体重も40キロ台まで激減しました。

　4度目の機縁で、修煉を始める

　2002年、学校の同僚で曼娜さんのことを気にかけていた王さんは、痩せ衰えた彼女の姿を見て声をかけました。「法輪功を学んでみない？　すごくいい功法なので、きっとあなたの助けになると思う」

　「法輪功」の3文字を耳にした瞬間、曼娜さんはハッとしました。実はそれまでに三度も法輪功と接する機会があったのです。最初はポストに法輪功のチラシが入っていました。2回目はバスの中で法輪功の宣伝資料を見かけました。3回目は、近所の人からの誘いでした。その都度「やってみようかな」と思いながらも、忙しさに流されて機縁を逃していました。

　今回、王先生は言葉だけでなく、実際に曼娜さんの自宅を訪れて法輪功の功法を丁寧に教え、『轉法輪』という本を手渡しながら「動作を行うほか、もっと重要なのは法輪功の法理を学ぶことだ」と何度も念を押しました。

　曼娜さんが『轉法輪』を開いて夫と一緒に師父の写真を見た瞬間、2人は思わず涙を流しました。「理由は分かりませんが、すごく懐かしくて、感動を覚えました。私も夫も、師父の写真を見た瞬間から泣いて泣いて泣き続けました」

法を深く学び、迷いの霧から抜け出す

　最初、曼娜さんは『轉法輪』を読もうとするとすぐに眠くなってしまい、なかなか集中できませんでした。そこで、彼女は「必ず最後まで読み通そう」と自分に言い聞かせました。3カ月かけて1回目を読み終え、2回目を読むとき、曼娜さんは「この本は実に素晴らしい！」と感じたと言いました。

『轉法輪』を読んでいる曼娜さん

　「以前、私は『良い人でいる』とは、『仁・義・礼・智・信』といった伝統的な倫理道徳の実践だと理解していました。しかし、『轉法輪』から、私はもっと深い内包を読み取れました。『良い人でいる』ことの根本的な理由が、初めてはっきりと分かりました」。3回目を読み終えたとき、曼娜さんは突然悟って、「これは天書です！　私たちにどう修煉すべきかを教えてくれる本なんです！」と賛嘆しました。

　突如やってきた激変に、曼娜さんは困惑と無力感を覚えたと率直に言いました。「当時、私はこう思っていました。『私は責任を果たす教師で優しい妻であり、夫は寛大で、楽観的で、自制心があり、騙されても一々言い正さない人で、なぜ私たちがこんな打撃を受けることになるのか？』」

　しかし『轉法輪』を読み終えた後、彼女は因果応報が生生世世の按配を超えており、目の前の一生における善悪だけに着目するのではなく、長い生命の歴史の中で捉えるべきだと分かりました。「宇宙の真理を知ったとき、もはや『受け入れる、受け入れない』の問題ではなく、それはすべての生命が従うべき普遍的な法則であることに気づきました」

　この気づきはまるで朝の光が霧を突き破ったように、長期の疲れと迷いから彼女を目覚めさせました。「以前の私は『人生は自分の努力次第で整う』と考えていました。でも今、ようやく分かりました。人生の真の目的は『修煉』なのです。修煉して、初めて執着と人心を真に放下することができ、生命の意義と苦難の根源を理解し、その過程で心性を高め、返本帰真できるのです」

　心身の変化と若返り

　夫が脳卒中で倒れた後、曼娜さんは家庭のあらゆる仕事を引き受けました。しかし、心身ともに疲れ果てた彼女の健康状態も次第に悪化していきました。重症筋無力症、甲状腺機能亢進症、むくみ、まぶたの下垂、乳房の嚢胞など、さまざまな病気が次々と現れました。

　ところが、学法と煉功を続けていくうちに、ぼんやりしていた頭が次第に明晰になり、病気も徐々に消え、まぶたの垂れ下がりが止まって、足取りも軽やかで、身体は若い頃よりさらに軽く丈夫になりました。74歳になった今、彼女は姿勢がしゃんとしていて、顔色も明るく健康そのものです。多くの人が、彼女を50代前半だと思うほどです。

第5式の「神通加持法」を煉っている曼娜さん

　順風満帆だった日々から突然の運命の激変まで、そして信念の崩壊から心身に大きな変化を遂げるまで、自らの人生を振り返る中、曼娜さんは運命が方向転換したその瞬間から、自分は全く違う「修煉の道」に踏み出したことを知りました。彼女は感謝の気持ちを込めてこう語りました。「法輪大法を伝えてくださった師父に心から感謝しています。大法の法理によって、私は人生の苦境から抜け出すことができ、修煉こそが人として生きる真の目的だと分かりました。そして修煉を通して、初めて人がこの世に生まれてきた意義を知ることができます。それこそが命が戻るべき真の道なのです」