─フランスで中国人観光客に真実を伝えた小さな出来事

文／フランスの大法弟子

　【明慧日本2025年7月13日】今年のフランスは、中国本土からの観光客で賑わっています。連日、多くの人々がデパートやスーパー、観光地を訪れています。師父は中国人に真実を知る機会を与えてくださっており、大法弟子にとって、これは大切な救いのチャンスです。私たちは数人の同修と共に、中国人観光客が必ず立ち寄る場所で、法輪大法の素晴らしさと迫害の実態を伝え、「三退（共産党・共青団・少先隊からの脱退）」を呼びかけています。

　再びパリへ　母娘が自ら三退を決意

　ある日、団体客に真実を伝えた後、近くにいた数人の中国人観光客にも声をかけようと歩き出したところ、50代くらいの女性が急ぎ足で近づいてきて、私の腕をつかみました。「あなたですよね！　さっき人に話しているのを見て、すぐに思い出しました。間違いありません、全然変わっていませんね！」と嬉しそうに話しかけてきました。

　私は驚いて彼女を見ました。すると、そばにいた女の子を指さして言いました。「この子は娘です。6年前、娘とパリに来たとき、エッフェル塔近くのレストランで食事をし、写真も撮りました。あの日は小雨まじりの雪でとても寒かったのですが、あなたが私たちに三退を勧めてくれたのを覚えています」

　私は彼女の手を握り、「本当にご縁ですね。再びお会いできて嬉しいです」と返しました。すると彼女は、当時のことを語り始めました。「あなたの話を聞いて、法輪功と中共の迫害について納得できました。でも、『三退すれば平安が得られる』と言われたときは、信じられなかったんです。一緒に来ていた仲間たちは皆、仮名をもらって三退しましたが、私だけは拒みました。しかも、あなたに雪混じりの水を傘からかけてしまい、周囲から非難されました。それでもあなたは怒らず、『大丈夫ですよ、気にしないでください』と笑顔で言ってくれました。そして『帰国したら、家族や友人にも “法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい” という心からの九文字（中国語では漢字九文字）を唱えるように伝えてください。災難や疫病から守られます』と教えてくれました。私は『呪ってるの？』なんて言ってしまいましたが、あなたは『違います。これは本当にあなたのためなんです』と優しく返してくれました」

　「バスに乗ってからも、あなたたちが掲げていた黄色い横断幕の『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』の文字が頭から離れませんでした。車内で仲間たちが、つけてもらった仮名が縁起がいいと喜んでいるのを聞いて、私は『あのとき三退しておけばよかった』と後悔しました。そしてようやく、あなたの善意が理解できました。バスの中で、私はそっと心からの九文字を唱えてみたんです」

　ここで娘さんが話を引き継ぎました。「母はその後、コロナの3年間、毎日心からの九文字を唱えていました。親戚や友人にも勧めていて、私も心の中で唱えていました。あの3年間は本当に大変な時期でしたが、母は健康でした。それだけでなく、以前は家の中で母が一番強くて、誰も逆らえなかったんですが、今では性格が穏やかになり、言葉も優しくなりました。父が親戚や近所の人に『うちの母ちゃん、毎日 “法輪大法は素晴らしい” って唱えてるうちに性格まで丸くなった』って話すと、母も『本当に効くのよ、この九文字は』と認めています」

　母娘は顔を見合わせて笑い、母親が私に言いました。「私と娘にも仮名をつけてくれませんか？　二人とも共青団と少先隊に入っていたので、今日ここで三退したいんです」。私は喜んで手助けし、親子はうれしそうに手を振ってその場を後にしました。

　娘が真実を知り、母が目覚めて三退へ

　ある日、私は法輪大法の素晴らしさと迫害の実態を伝える活動中、20代くらいの若い女性に声をかけました。「こんにちは。フランスでお会いできるのはご縁ですね。今日は三退についてお伝えしたいのですが…」。すると彼女は目を輝かせながら笑顔で「あなた、法輪功の修煉者ですよね？」と尋ねました。「はい、そうです」と私が答えると、彼女はうれしそうに言いました。「私、もう三退しましたよ。大学の先生がしてくれました」

　その時、少し離れた場所にいた彼女のお母さんが近づいてきて、娘の手を引きながら「さあ、行くよ」と急かしました。娘さんは「お母さん、少しだけ話を聞いて」と頼みましたが、母親は不機嫌そうに「聞かなくていいから、早く行くよ」と言いました。

　私はにこやかに母親に話しかけました。「本当に福のある方ですね。娘さんは賢くて美しくて、お母さんによく似ていますね」。母親はあまり表情を変えず、小さな声で「そうですか」と返しました。

　娘さんは話を続けました。「私の大学の先生が法輪功を修煉しているんです。とても優しくて、よく法輪功のことを話してくれました。先生から『進化論は間違いで、存在しない。人間は猿から進化したわけではなく、神によって創られた存在だ』と聞いたとき、本当に目が覚めた気がしました。それで私も修煉したいと思い、先生から『轉法輪』を借りて家に持ち帰ったんですが、母に猛反対されて、読ませてもらえませんでした。『その本を捨てなさい』って言われました」。母親はため息まじりに言いました。「この子ったら、『その本は命そのもの、本がなければ自分もない』なんて言って…そこからずっと対立してるんです」

　私は笑顔でこう話しました。「どのお母さんも、子どもを思う気持ちは深いものです。でも、中国では共産党の独裁のもと、真実が伝えられず、法輪功に対しても長年にわたり嘘や中傷、弾圧が続いています。それが多くの人の心に恐れを植え付けてきたんです。実際、法輪功は佛家の高いレベルの修煉法です。江沢民は『共産党員が7,800万人なのに、法輪功の学習者は1億人もいる。これは許せない』と言って弾圧を始めました。でも、善い人が多いことが、なぜいけないのでしょう？　それに、中国の人々は中共の本質をだんだん見抜いています。たとえば“天安門焼身自殺事件”も、明らかな捏造です。全身火傷したとされる王進東の髪も眉毛も無傷でした。普通に考えてもおかしいですよね？　以前、中国人観光客にこの話をしたら、『あの映像、明らかに演技だってすぐに分かった。炎に包まれてるのに全然痛がらず、カメラ目線でじっと座ってるなんて不自然すぎる』って言ってました」

　母親はだんだんと真剣な表情で私の話を聞き始めました。私は続けました。「フランスの彫刻や絵画は本当に美しいですが、今残っているのはわずか3割以下なんです。多くは、パリコミューンの時代に破壊されてしまいました。マルクスはドイツのサタン信仰の影響を受けた人物と言われています。中国共産党はそのマルクスを崇拝し、彼の教えに従って破壊と闘争を繰り返してきたんです。さらに中共は無神論を掲げ、『天とも地とも戦う』という思想で、暴力によって政権を維持してきました」

　その言葉に、母親は目を見開いて驚き、「えっ、本当ですか？　マルクスってサタン信仰の人だったんですか？　パリコミューンってそんなことをしてたんですか？」と声を上げました。娘さんも、「初めて知りました。本当にショックです…」と動揺した様子でした。

　私はさらに話を続けました。「中共は、マルクスを『祖先』のように崇め、子どもたちには赤いスカーフを巻かせ、成長すると青年団、そして共産党へと進ませ、“命を党に捧げる”と誓わせています」

　その場には他にも中国人観光客が数人おり、一人の年配の男性が親指を立てて「よく言った！　本当にその通りだ。私はずっと中共は悪魔だと思ってた。法輪功が“中共は邪教だ”とはっきり言ってくれて、すごく納得できたよ」と言いました。彼もその場で三退を決意しました。

　私は母親にも問いかけました。「あなたも三退しませんか？　私たちはマルクスの子孫ではありませんし、共産主義に命を捧げる理由もありません」。すると母親は笑顔になり、「今、なぜ三退が必要なのか、やっとわかりました。私は共産党から脱退します」とはっきり答えてくれました。その瞬間、娘さんは母親を抱きしめ、涙ながらに「やっと分かってくれたのね！　本当にうれしい」と言った後、手を合わせて「師父に感謝します！」と言いました。

　先日、活動中に同修が大きな花束を抱えていたので「どうしたの？」と尋ねると、「三退を手伝った若者が、お礼に戻ってきて花束をくれたんだよ」と教えてくれました。

　その話を聞いて、私たちは心から感動しました。これは、何よりの励ましです。多くの人々が目覚めつつあります。三退して平安を得る人々は本当に幸運です。師父の慈悲と導きに、心から感謝します。