　【明慧日本2025年7月13日】河北省保定市在住の法輪功学習者・趙九州さん（男性、享年49歳）は、2016年、当局が法輪功を実践する母親への迫害に抗議したため不当に連行された。拘留中に注射を打たれ、その後、精神障害を負った。2024年9月、趙さんは電柱に法輪功を支持するメッセージを書いたことで再び連行され、2025年4月26日に拘禁中に亡くなった。

　法輪功（ファールンゴン）は世界の人々に親しまれる精神修養法であるが、1999年以来、中国共産党によって迫害されている。趙さんは18歳の時にてんかんと診断された。数年後、趙さんの母の崔樹美さんが法輪功を始めてから、趙さんは母が健康で幸せになっていくのを見て喜んだ。そして、母の法輪功の実践を支えた。趙さんの健康状態も改善し、発作の回数も減った。

　事件の詳細

　2024年9月23日に、趙さんは再び行方不明になった。近所の住民から、趙さんが城関派出所の警官に不当連行されたと家族に伝えられた。家族は急いで派出所へ駆けつけ、趙さんを捜索したが、派出所と蠡県（れい-けん）警察の間でたらい回しにされた。趙さんの家族は2週間の捜索の後、9月26日、ようやく趙さんが電柱に「法輪大法は素晴らしい」と書いたことで連行され、蠡県拘置所で15日間の行政拘留処分を受けたことが分かった。

　10月7日、蠡県警察は趙さんを刑事拘留し、いわゆる「カルト組織を利用して法執行を妨害した」罪で起訴した。警察は趙さんを蠡県拘置所に移送し、その後、高陽県検察庁に案件を送致した。

　2025年3月25日に、趙さんは高陽県裁判所で裁判にかけられた。関係者によると、趙さんは拘置所で発作を繰り返していたが、看守らは家族の面会を禁じ、趙さんは非常に順調に回復していると告げていたという。

　4月26日、趙さんの家族は拘置所から電話を受け、蠡県中医院で面会できると言われた。到着した時には、趙さんはすでに亡くなっていた。看護師は、趙さんが病院に搬送された際に心臓が停止したと伝えた。10人以上の警官が、病院にいる間ずっと趙さんの家族の様子をビデオ撮影していた。夕方、趙さんの親族は南関村書記の自宅に呼ばれ、県当局者らから、この件の解決のために4万元を支払うと告げられた。

　趙さんの家族が帰宅した後、地元政府当局者と警察は、趙さんの葬儀を速やかに執り行い、趙さんの死を大げさに扱わないよう促した。

　4月27日の朝、趙さんの親族は火葬場へ行った。彼らは火葬場に到着すると、すでにパトカーが1台駐車しており、趙さんの遺体が置かれた部屋の外には数人の警官が警備に当たっていた。火葬場の責任者はドアを開けることを拒否し、警察に連絡しなければならないと告げた。村の書記は、ドアを開ける前にビデオ撮影をしないよう彼らに同意を求めた。親族は警察の監視とビデオ撮影の下、趙さんに供物を捧げた。

　午後、パトカーが趙さんの母親の家の路肩に監視のために駐車した。夕方、趙さんの親族や友人は南関村書記の自宅に呼び出され、問題解決のためにいくらのお金を出すかについて話し合いを続けていた。その日の夜10時頃、趙さんの妹の趙冬雪さんとその家族は、子供の結婚式のために部屋を飾り付けていた。突然、複数の警官が家に押し入り、趙冬雪さんが公共の秩序を乱しているという理由で城関派出所に連行した。彼らは、趙冬雪さんが中医院で大声で泣き、公共の秩序を乱したと言った。これは、書記の自宅で問題を議論していた趙九洲さんの親族を脅迫するために使われた。誰かが趙さんの親族に、趙冬雪さんが連行されたことを知らせる電話を受けた。親族や友人たちは、その夜に遺体を埋葬することに同意せざるを得ず、さもなければ一銭も払わずに直接火葬されるという脅迫を受けた。

　夜11時頃、趙さんの親族たちは、多くの関係者からの圧力を受け、18万元で和解に同意せざるを得なかった。彼らは金を支払ったことを公表することを許されなかった。趙さんの母、妻、息子、娘は、趙さんが「自然死した」「責任を問われない」「控訴しない」「起訴しない」という保証書に、意に反して署名させられ、指紋を採取された。派出所の所長を名乗る人物（しかし、派出所の所長とは容姿が異なっていた）が趙さんの母の手を取り、無理やり指紋を採取した。

　4月28日午前9時頃、趙冬雪さんが帰宅を許される前に、「趙九州さんは自然死であり、責任を問われない」という保証書に署名させられ、指紋を押させられた。午前10時頃、趙さんの遺体は慌ただしく埋葬されたため、多くの親族や友人は趙さんに知らせる時間がなかった。趙さんはまだ49歳だった。親族や友人の中には、不当な扱いを受け、無力感に苛まれ、激しく泣く者もいた。埋葬の間、城関派出所の警官は録音機を持ち込み、録音と監視を行った。

　5月15日、趙さんの妻・曹紅梅さんは城関派出所を訪れ、高陽裁判所の2人の若者に面会した。彼らは責任逃れをし、趙さんは拘置所で死亡したのであり、自分たちとは何の関係もないと主張した。「尋問中の趙さんは元気でした。彼は自分の過ちを認めず、法輪大法は正しいと主張しました。裁判中も元気でした。どうして突然こんなことになってしまったのでしょうか。まだ若かったのに、残念です」

　過去に受けた迫害

　2007年、趙さんの母親である崔さんは信仰を理由に連行され、懲役3年の不当判決を宣告された。警察は趙さんも連行すると脅した。精神的プレッシャーは趙さんの健康を蝕み、発作が再発し、容態は以前よりも悪化した。

　崔さんは2016年5月22日に再び連行された。趙さんは自宅の外壁に「法輪大法は素晴らしい」と書き、大きなポスターにも書き込んで広場に掲示した。数日後、警官に連行され、半日間拘留された。

　拘束中、警察は趙さんに手錠と足かせをかけ、スタンガンでショックを与え、爪に電気針を刺し、地面に投げ倒した。さらに、特殊な棒で殴打し、内臓損傷を負わせた。さらに、太ももに正体不明の薬物を注射した。釈放された趙さんの目は赤く、口には血痕があり、人を見ると恐怖に震えていた。

　趙さんはすぐに精神障害を負い、てんかん発作も治まらなかった。趙さんは外に出ると道に迷い、一晩中外に出っぱなしになったこともあった。翌朝、家族が趙さんを見つけた時には、裸足で、ズボンは泥だらけ、寒さで震えていた。趙さんは空腹のため、食べ物を噛まずに飲み込んでしまうほどだった。

　趙さんは精神状態が悪化したため働くことができず、病状のコントロールのために毎日薬を服用していた。

　趙さんの妻である曹さんは後に、趙さんのこのような状況を引き起こした加害者に対し告訴状を提出した。曹さんと趙さんは2023年5月19日に連行され、14日間拘留された。