文／青年大法弟子

　【明慧日本2025年7月14日】私は大法の修煉を始めて27年になる青年弟子です。気づけば、今の職場で働いてちょうど10年が経ちました。この10年間、私は仕事に真面目に取り組み、慎重で勤勉に働き、利益を争わず、同僚とも仲良く付き合ってきました。周りの人たちは皆、私の態度が穏やかで、忍耐強く優しいと言います。非常に正しい環境を築き上げたと言えるでしょう。同修たちからも、私がこのような環境に恵まれているのは容易いことではなく、とても貴重なことだと言われています。

　仕事は気楽で順調ではあるものの、休暇が少なく、さらに繰り返しのパターンに飽きてきたことで、次第に職場環境に対して倦怠感を抱くようになりました。ですから、何年も前から仕事を変えようと計画してきましたが、思うようにはいきませんでした。もちろん、すべては師父のご按排であると分かっています。転職がうまくいかなかったのは、変えるべきではなかったからだと理解しています。

　それに、大法弟子はどのような環境においても、しっかりとやり遂げなければならないということもよく分かっています。仕事に飽きても、出勤する以上はきちんと勤め上げる必要があります。表面上はこれまでと同様、真面目に取り組み、周囲の同僚にも善意をもって接していましたが、心の奥底ではずっと、別の職場環境に変わることを密かに願い続けていました。

　およそ3年前のことです。私は自分に、もう少し頑張ろう、まずは8年間働いてから転職しよう、それまでは目の前の一日一日をしっかり歩んでいこうと言い聞かせて励ましました。そうして何も考えず、地に足をつけてその日その日をしっかりと過ごし、毎日の基本である学法・煉功・発正念をきちんとやり続けました。

　そうしているうちに、あっという間に1年が過ぎました。私は環境に執着しすぎてはいけない。私たちのすべては師父のご按排によるものであり、自己中心的になってはいけない。時間がどれほど長くても、しっかりやっていき、倦怠や焦りを取り除き、もう少し頑張ってみよう、来年は勤続9年だから、きっと新しい環境に変えられるに違いないと考えました。

　仕事が9年目に入った頃、私は師父に仕事を変え自分を励まさせてくださいとお願いしました。そして、他所の職を一つ見つけ、面接の準備まで整えましたが、結局は何の結果も得られませんでした。そのとき、やはりまだ辞めるべきではなく、執着してはいけない、すべては自然の流れに任せるべきだ、と分かりました。私たちがどんな仕事をするのか、どれくらいの期間続けるのかは、すべて師父のご按排によるものであり、人間社会の表面的な形式に執着してはいけません。

　それから私はまたここまで9年間やってきたのだから、あと1年くらい何でもない、ちょうど来年でまる10年で、10年満了で区切りをつけて仕事を辞めよう、大法弟子はどんな環境でも正しく行うことができ、今のこの環境でもきっとよくやっていけるはずで、年数に執着せず、ただ真面目に責任を持って働き、周囲の衆生に善を尽くし、自分が苦労して築き上げてきた正法の環境を大切にしようと考えました。

　気がつけば、今年の4月になり、私は今の職場で働き始めてちょうど10周年の節目を迎えました。すると、私の執着と不足が再び露わになり、まるで引き金に触れたかのように一気に噴き出してきました。まるで一日たりとも職場にいられないような感覚で、毎日早く環境を変えたいと思い続け、心もまったく静まらず、師父に向かって「どうかこの人心の漏れを早く取り除くことができるようにしてください」とずっと願っていました。具体的な出来事に心を取られすぎてはいけない、芝居に入り込みすぎてはいけないと自分に言い聞かせていました。

　私の状態は本当に安定せず、良くなったり悪くなったりを繰り返し、焦りと苛立ちに振り回されて１カ月以上悩み続けました。毎日のようにどうやって上司に退職を切り出そうか、どのように業務を引き継ごうか、新しい仕事の準備はどうするか、どうやって賃貸物件の情報を調べるかなど考えて、たくさんの時間と精力を無駄にしてしまいました。

　悩ましかったのは、今の職場環境がどうしても辞めなければならないという状況ではなかったことです。同修も言っていました。新しい環境に移れば、すべてを一から開拓し直さなければならない、それは本当に必要なのか？　それだけの価値があるのか？　もし新しい仕事が、今のように気楽で自由に働けるものでなかったら、自分に余計な苦労を背負わせることにならないのか？　さらに大事なのは、もしその新しい環境において担うべき使命がないのであれば、無理に変わろうとすることは、かえって自分に不必要な損失をもたらすことになるのではないか？　周囲の人は「よく考えた方がいいよ。後で後悔しないように」と助言してくれました。

　そこで、私は自分自身を反省し始めました。なぜ、そんなに環境を変えたいと思うのか、その目的は何なのかと。正直に言えば、信じられないかもしれませんが、実は、今の仕事環境があまりにも安逸なのです。安逸すぎて、向上できないように感じてしまったのです。毎日パソコンの前での技術職で座りっぱなし、気づけば体型も横に伸びて、入社した頃よりも体重が10キロ以上増えていました。同時に、倦怠感や焦燥感を抱いていました。

　さらに父も、ずっと私に結婚のことで「もうすぐ30歳になるぞ、早く相手を見つけろ」と急かしてきます。。夜、仕事が終わった後は祖母（同修）の家に行って法を学び、それから家に帰る日々です。朝は早く起きて、父を起こさないようにと洗顔も音を立てないように気を使い、時間が長くなると違和感を感じるようになっていました。だから私は同修たちに、「外地で働けば、もっと向上できる気がする。帰宅後の時間もより有効に使えるし、今よりもっと精進できると思う」と話していました。

　私は深く考えました。正法と衆生救度の観点から見れば、新しい仕事ではより多くの衆生に接することができ、個人修煉の面から見れば、休暇も今より多く取れて、もっと余裕を持って学法や煉功ができるはずです。それなのに、なぜ環境を変えられないのでしょうか？　同修たちは私にこう諭してくれました。新しい環境に移るというのは、師父がどれほどの準備をし、どれだけ心を砕かなければならないか、私たちには見えない深いレベルでの複雑な要素が関わっているんだよ。今日ここまで歩んで来られたこと自体がすでに容易ではなかった。だからこそ、地に足をつけて、一歩一歩を有始有終でしっかりと歩むべきだ。もうあれこれ執着するのはやめようと。確かに、道理としては頭ではよく分かっているのです。でも、どうしても心が浮き沈みしてしまうのです。

　そこで私は師父に「弟子は毎日このように葛藤し、心を下ろせずにいます。どうしたら正しい道を歩み、よりよく衆生を救うことができるのでしょうか」とお願いしました。そのとき、ふと思い出したのが、師父の法の中のこの一節でした。「それらの思うことと欲しいことが、宇宙で法を正すことへの妨害を引き起こしました」（『二〇〇三年ワシントンＤＣ法会での説法』）。私ははっと目が覚めました。旧宇宙の神たちは、皆自分が正しい、自分は師父を助けている、と思っています。けれど、そのいわゆる正しさがまさに正法の本当の障害になっているのです。彼らは自分たちの次元でしか物事を見ておらず、それより高い神々の、もっと高くてもっと良い按排に思い至っていないのです。はっきり言えば、私は自分の観念を使って正法を量っていたのです。私が執着していたのは、正法にとって本当に必要ではなく、自分の需要だったのです。私はいつも自分で自分の環境を思い通りに整えたいと思っていて、自分はこんなにも大変で、こんなにも苦労していると感じ、私はこうあるべきだ、あああるべきだ、と思ってしまいました。そうした独りよがりから現れる飽きることや苛立ちの感情は、最終的には私心によるものであり、それこそが旧宇宙の根本なのです。

　この悟りに至ったとき、私は心の中が一気に軽くなり、清々しく晴れやかな気持ちになりました。もう、あの焦りや抑圧、葛藤に心を乱されることはなくなり、本当にそこから抜け出せたのです。仕事というのは、あくまで私たちが人間社会で師父を助けて法を正すための表面的な形式に過ぎず、そこに深く入り込みすぎてはならないのです。仕事の年数に執着し、もう長くやったから飽きた、などと思うのは人間の観念にすぎません。人間的なものを手放してこそ、神のものを得ることができます。

　ですから、今回のこの人心を取り除く過程は、ただ単に職場環境への執着を表面的に手放すだけでなく、自分を放下し、無私無我になってこそ、大法を本当に圓容する道なのだと、深く体得する過程でした。

　以上は、私個人の認識です。不適切な点がありましたら、どうか同修の皆さんの慈悲なるご叱正をお願いいたします。