文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年7月17日】以下の文章は身近な若い同修のAさん（男性）が交流の中で話したことです。自分はよく「思想業」に干渉されていると感じているそうです。特に男女の情や、幸せな結婚に対する強い憧れがなかなか断ち切れず、つい男女間の優しくて情にあふれるような関係に心が向いてしまう、と言っていました。そうした思いや、温かくて思いやりのある関係への憧れが、無意識のうちに湧き上がってくるそうです。

　法理の上では、「情」は常人のものであり、本来は放下すべきものだと理解していても、現実の中では、自分の理想に合う異性に出会うと、どうしても心が動いてしまい、様々な妄想が頭に浮かんでしまうそうです。こうした思想業に対して、Aさんは発正念を行い、取り除こうとしたこともありましたが、しばらくするとまた同じように心が落ち着かなくなってしまう、とのことでした。

　そんなある日、彼が法を学んでいた時、師父の以下の言葉が目が留まりました。「後になってわたしの講義の内容がだんだん分かってきて、放下したので、身体が浄化される人もいます。他の人はとっくに身体が軽くなったのに、彼らの病気除去はようやくこれから始まり、ようやく今になって苦しく感じるようになります」（『轉法輪』）。ここでAさんは突然気づかされたと言います。自分がなぜ「情」を手放せないのか？　それは、この理を本当の意味で理解していなかったからだ、つまり、「男女の情」や「幸せな結婚」というものの本質が、まだ見抜けていなかったということだったのです。

　師父は『米国法会での説法』の中でこう説かれています。「それはどのように結ばれたのでしょうか？　次のような場合が多いのです。前世で、ある人から恩恵を受けましたが、その人に恩返しする方法がなく、前世の時地位が低かったのかもしれません。或いはとても貧しかったのかもしれません。受けた恩恵がとても大きかったので、心の中で恩返しをしようと思っています。そのため夫婦の縁が結ばれるかもしれません。また、前世である人に憧れていて、或いは二人は互いに憧れていましたが、縁がなく一緒になれなかったので、来世で夫婦の縁を結ぶことがあります」（『米国法会での説法』「ニューヨーク法会での説法」）

　結婚というのは、本質的には「縁」あるいは「業」の関係にすぎません。この縁や業の関係が解消されたとき、二人の間には一切のつながりはなくなります。そして男女間の好意や、いわゆる情にあふれた関係というのは、根本的には「情」に動かされて生じるものであり、言ってしまえば、これは三界にいる生命を迷いの中に縛りつけておくために用意された仕組みです。そこから抜け出すには、修煉するしかありません。修煉によってはじめて、その枠の外に出られるのです。また「欲」というものは、完全に「獣性」の現れであり、これらはすべて修煉者が取り除かなければならないものです。

　師父は「修煉によって出来上がった部分はすでに隔離されたからです」（『二〇〇三年カナダバンクーバー法会での説法』）と説いておられます。隔離の目的は、修煉によって良くなった部分が再び汚されないようにするためのものです。しかし、私たちが正念を十分に保っているときは、修煉によってすでに良くなった面を働かせて、法を正すことができるのです。けれども、情や欲といった三界内の物質、そして旧勢力が法の中に割り込んで生じさせた巨大な隔たりこそが、大法弟子が表面で大法に同化することや、正念をもって神通を働かせることを妨げる障害なのです。もし、このことを法の上でしっかりと理解せず、三界の幻に迷わされ、情や欲に引きずられて、あたかも「美しい感覚」の中に浸っているならば、私たちは永遠に真の「神」になることはできず、旧勢力が仕掛けた迷いの中から抜け出すこともできないのです。

　私個人の体得として、ある頑固な観念の背後には、旧勢力による遠い昔からの計画があると感じています。私たちは生まれ変わりを繰り返す中で、彼らの計画に従って無数の役割を与えられ、それに応じて様々な執着が形成されました。そして、法を正す修煉の時期にそれらの執着をどう取り除くかについても、彼らは一つの体系的な手配をしていました。しかし、それらはすべて過去の修煉の理と旧宇宙の「滅」の時期の基準に基づいており、新しい宇宙の大法修煉の基準には永遠に達することができないのです。

　Aさんは、法を正す理に基づいて、自分の変異した思想や観念を正したところ、情に依存するような感覚が次第に薄れていき、頭の中で激しく渦巻くような思想業の反応も消えました。たまに念頭に浮かぶことがあっても、すぐに気づいて制御でき、すぐに法の中で正すことができ、坐禅のときには、これまでに感じたことのない「心が軽く、体が透き通るような」感覚があり、かつてないほどの神聖さを感じ、自分の神の面が強くなっているように感じられ、あの悪い思想など本当に取るに足らないものだと思えたそうです。

　これは私個人の理解であり、至らぬ点があれば、どうか同修の皆さん、慈悲をもってご指摘ください。