文／アメリカの大法弟子　　

　【明慧日本2025年7月19日】海外において、私たちの身の回りにこのような例は少なくありません。たとえば、中国人観光客が参加するクルーズ型のレジャー企画では、人数が多ければ多いほど、ビュッフェの食事がすぐに空になってしまうことがよくあります。アメリカでは、無料の食べ物が配られる場所には、決まって大勢の中国人が列を作っています。ある人は大量の無料の食品をもらい、親戚に配ったり、結局多すぎて食べきれずに腐らせてしまったりしています。今回のアメリカのある市の市長選では、極端な政治的立場を持つ候補が前市長を破りましたが、中国系の人々の多くが彼に投票しました。理由は、彼が「無料バス」などの福祉政策を打ち出したからにすぎません。

　中国系の人々は得をすることを好みます。すべての中国系の人々がそうだというわけではありませんが、海外ではよく話題にされ、ときには中国系は得をしたがる人たちだという一種の固有観念を持たれています。こうした中国系の人々の行動の背後には、前の世代から中国の人々が長年、社会の混乱や物資が不足した環境の中で育ったことによる心理があるのでしょうか。たとえ修煉を始めたとしても、着実に修めることを重んじず、文化的素養を高めなければ、やはり常人の状態にとどまってしまいます。

　最近、私たちのグループ学法交流の中で、ある学習者がつい先ごろ彼らの地域で起きた出来事について話しました。あるメディアプロジェクトの一日会議の際、参加者の便宜を図るため、プロジェクトチームがレストランの弁当をいくつか注文しました。会議終了後、かなりの量の料理が残っていました。それを見たある親切な学習者が、独身の学習者のためにその料理を弁当箱に詰めて持って帰らせようとしました。夕飯を作る手間を省けるようにと思ったのです。ところがそのとき、数人の学習者が素早く何箱もの弁当を持ち帰ってしまい、あっという間に冷蔵庫が空になってしまいました。そのあまりの素早さに、その場にいた人々は皆驚きを隠せませんでした。

　実は、このような現象は今回が初めてではありません。この地域での神韻公演期間中にも、同様のことが起きたことがあります。スタッフがまだ食事をしていないうちに、何人かの学習者が早々と何箱かの弁当を詰めて持ち帰ってしまい、結果としてスタッフの食事が足りなくなったのです。もちろん、大法弟子のグループにおいて、こうしたことはごく一部のケースにすぎません。ほとんどの地域の学習者は他人への思いやりにあふれており、食事の際には、その地のボランティアスタッフが進んで質素な家庭料理を選び、高価な牛肉や海鮮などの料理には手をつけず、それらをより体力を必要とする出演者のために残すことを心がけています。

　とはいえ、これがごく一部の現象であるにせよ、やはり大法弟子の中でこのようなことは本来あってはならないことだと皆感じています。特に、周囲の目には、「積極的」で「古い学習者」と映っている人が、そうした行動をとることもあります。食べ物を前にしたとき、私たちは果たして、他の人の立場に立って考えているでしょうか？　他人がより必要としているのではないか、まだ食べていない人がいるのではないか、満足に食べられていない人がいるのではないか、と考えているでしょうか？

　中国系の人々の間で見られる買い占めや小さな利益への執着といった現象の背後には、経済的に余裕のある家庭であっても、「貰えるものなら貰っておこう」といった姿勢で、アメリカのフードスタンプやメディケイド（アメリカ合衆国連邦政府が州政府と共同で行っている医療扶助事業）などの福祉を利用するケースがあります。こうした心理の背景には、中国での物資不足による安定感の欠如だけでなく、幼い頃から文化大革命の破壊や略奪を目にし、中国共産党が社会で「弱肉強食」の価値観を繰り返し宣伝してきたこともあり、それによって共産主義的な思考や、非常に非文明的な習慣が身についてしまったという要素もあるでしょう。

　実際、個人としての修養が高い中国系の人々は、このような行為を軽蔑し、距離を置いています。修煉者にとっては、さらに深く内に向かって見つめる必要があります。それは、自分の中にある私欲や利益への執着が本当に取り除かれているのかという点です。実はこの問題は、社会的な公徳心や慈悲・善念の欠如をも表しているのです。

　「7.20」の活動がまもなく始まります。暑さの厳しい中での屋外活動は大変なため、多くの地域の同修が、参加者のために食事を用意し、公の場で配膳・飲食を行うことになるでしょう。願わくは、取り合いをする、列に並ばない、品物を乱雑に置く、他人を顧みず大声で話すといった現象が起きないことを望みます。これらはすべて、公共の衛生や秩序に対する尊重を欠いた行為にあたります。列に並ぶ際は、人と人との間にある程度の礼節な距離を保ち、押し合いへし合いになったり、ぴったり密着したりしないようにしましょう。それ以上のことについては、本文の範囲を超えるのでここでは触れません。

　法を正す最後の時期にあって、師に手伝い法を正し衆生を救うという重大な使命を担う大法弟子として、私たちは自分に対してより厳しく要求しなければなりません。「大志を抱き、小事にこだわる」。なぜなら、どんなに小さな善の欠如や執着であっても、邪悪に利用される可能性があり、それが私たちの円満への道のりを妨げる端緒となるかもしれないからです。