——法輪大法との出会いがもたらした本当の力

　【明慧日本2025年7月22日】（明慧記者・瀋容インタビューレポート）現在35歳の台湾人男性、張嘉升さんは、かつて教師たちから“問題児”と呼ばれていました。幼少期に無視されたり、いじめられたりした経験から、攻撃的で偏った性格になり、復讐や暴力を通して自分の価値を証明しようとしていました。しかし、成長の過程で何度も挫折を経験し、次第に自信を失っていきました。

　そんな彼の人生を大きく変えたのが、法輪大法との出会いでした。張さんは、真の強さとは他人に勝つことではなく、善意を持ち、自分を律し、感情をコントロールできることだと気づきました。そして、心の平穏を感じられるようになったのです。

　問題児からの脱皮

　張嘉升さんは台湾中部の大家族に生まれ、3人兄弟の次男として育ちました。「母は何かあると私にばかり頼み、良いことは兄に回る。それが不公平に思えて、よく泣いたり怒ったりしていました」と彼は当時を振り返ります。

　幼稚園では同級生に水路に突き落とされるという衝撃的ないじめを受けました。この経験から「二度といじめられたくない」という強い防衛意識が芽生え、次第に攻撃的な行動が目立つようになりました。小学1年の初日には遊び中に友達と大喧嘩。さらに、小遣いを騙し取られたことをきっかけに、その相手を脅したり、盗みを働いたりするようになり、やがて仲間を集めて小さなグループを作るようにもなりました。

　行動は次第にエスカレートし、感情のコントロールが効かなくなっていきました。自暴自棄になり、負の連鎖に陥っていた張さんに、教師たちは次第に見放し始め、「手に負えない問題児」と見なされていました。しかし、担任の先生だけは、彼の行動の裏にある優しさに気づいていたのです。

　小学校卒業前日、先生が教具棚の掃除を呼びかけた際、誰も手を挙げない中、張さんは進んで棚をきれいに掃除しました。「もうすぐ卒業だし、最後に何か良いことをしたい」と思ったそうです。その姿を見た先生は、張さんを全クラスの前で称賛し、表彰もしてくれました。

　その瞬間、張さんは「自分は本当は悪い子ではない」と初めて実感しました。先生からの賞賛と表彰は、彼にとって初めての誇りと温かさをもたらし、心に深く刻まれました。それ以来、彼は少しずつ暴力をやめ、感情を抑える努力をするようになりました。

　中学では心身を鍛えるためにテコンドーとボクシングに打ち込み、努力の末、テコンドーで黒帯二段、ボクシングでは全国大会・総統杯で3位という成績を収めました。

　高校進学後は外向的な性格へと変わり、自分をアピールしたいという思いが強くなりました。「問題児ではないと証明したかったし、学校中の人に知ってほしかったんです」と語ります。彼はさまざまな部活動やイベント、コンテストに積極的に参加し、自分を表現する機会を逃しませんでした。

　高校3年になると、その熱意をすべて勉強に注ぎ、1年間の猛勉強の末、志望大学に合格しました。しかし、入学後は、これまで積み上げてこなかった基礎学力の不足に直面し、成績不振に苦しむようになりました。何度も単位を落とし、大きな挫折感と迷いに襲われました。

　その後、心理学の講座やマルチ商法に関心を持ち、講演会に参加したり人脈づくりに励んだりしましたが、保険やネットワークビジネスに挑戦しても収入は得られず、逆に借金を抱えてしまいました。不安はさらに膨らみました。

　張嘉升さんはこう語ります。「努力しても結果が出ないと、すぐにあきらめて別のことに目を向けてしまいます。新しいことを始めると、前に進んでいる気がして、自分が強くなったように思えても、結果が見えないと、また気持ちが折れてしまうんです」

　『轉法輪』に出会う

　迷いの中にいた2009年、張嘉升さんはある講演会に参加し、その中で講師が『轉法輪』という本を紹介しているのを耳にしました。その言葉に心を動かされ、期待を込めて本を購入し、家に帰るなり夢中で読み始めました。

張嘉升さんは『轉法輪』を「人生を変える一冊」と語った

　本に書かれた法理は非常に奥深く、張さんの心を大きく揺さぶりました。「この本こそ、自分の人生を変えてくれると感じました」と振り返ります。

　最初は「もっと強くなりたい」という思いで読み進め、自分の運命を変える力を本から得ようとしていました。しかし、読み進めるうちに少しずつ意識が変わり、真の変化は心性を高めることであり、外面の強さを求めたり他人に証明しようとしたりすることは、終わりのない苦しみに繋がると気づきました。

　張さんは次のように語ります。「以前の私は、無意識に困難から逃げていました。でも修煉を始めてからは、自分の弱さに向き合い、やるべきことを引き受けるようになりました。感情に流されず、それが修煉者として正しいかどうかを基準に判断するようになりました」

　次第に、人生の本当の目的は心性を修め、本来の自分を取り戻すことであり、名声や利益を追い、人と競い合うことではないと分かってきました。心が落ち着くにつれ、かつてない穏やかさを感じるようになりました。さらに、煉功中には体内でエネルギーが巡り、法輪が身体の中で回転しているのをはっきりと感じたといいます。「これはただの気功ではなく、修煉です。人生の軌道を本当に変えられる大法だと確信しています」と語ります。

　まもなく、長年悩まされていた脊椎側弯や坐骨神経痛が、いつの間にか完全に消えていたことに気づきました。「腰の痛みも脚のしびれも、気がついたらなくなっていました。特に治そうと思っていたわけではなかったのですが」と、驚きをもって語ります。

　身体の回復だけでなく、考え方にも変化が表れました。かつては試験勉強の際、「難しすぎる」「きっと無理だ」といったマイナス的な思考に支配されていましたが、修煉を通じてそうした思考を意識し、排除するように努めました。ある試験では、最も不安だった科目に集中力を発揮して合格し、大法がもたらす智慧と落ち着きを実感したといいます。

　「真・善・忍」を修煉し続ける

張嘉升さんは、ショベルカー整備技師として多くの顧客から信頼されている

　張嘉升さんは成長期を通して、常に「他人に認められる場」を求め、強い顕示心を抱いていました。しかし、修煉を始めてからは、「真・善・忍」の原則を思考と行動の軸とし、自分のことだけでなく、他人を思いやる心を持つようになりました。

　たとえば大学時代、実家を離れて暮らしていた頃は、家に帰ることも少なく、早く独立したいという気持ちばかりが強かったといいます。しかし修煉を始めてからは、自ら進んで実家に帰り、家族と過ごす時間を大切にし、家事や家庭の責任も積極的に担うようになりました。その際も、「なぜ自分ばかりが」といった不満を抱くことはなくなったそうです。

　家庭の外でも、張さんは修煉者としての姿勢を保ち続けています。現在は貿易会社で物流管理士として働き、フォークリフトや大型トラックの運転をこなす一方、ショベルカー整備技師としても活躍しています。

　整備の仕事は見習いから始まり、初めのうちは怒鳴られたり、からかわれたりすることも多かったといいます。それでも「自分は修煉者である」という意識を持ち続け、「自分にどんな間違いがあったのか？　どんな執着があったのか？　次はどう改善できるか？」と内に向けて探しながら、仕事に取り組んできました。

　その誠実で実直な働きぶりは、すぐに職場の信頼を得ることにつながり、今では重機の操作や整備をスムーズにこなせる技術を身につけています。

　職場では、「部品代を水増しして請求する」といった不正も少なくありませんが、張さんはそうした行為には一切関わらず、正直ではっきりした見積もりを提示しています。時には「安すぎる」と言われ、どうしても多めに支払う顧客もいますが、次回はその分多めにサービスして返すようにしていたそうです。

　その誠実さと優しさは職場でも高く評価され、多くの顧客から安心して仕事を任される存在となっています。

　かつては不満と怒りに満ちていた青年が、法輪大法の修煉を通じて、過ちの中から内に向けて探し、失敗の中から再出発することができました。張嘉升さんは感謝の気持ちを込めてこのように語ります。「師父がずっと私を見放さず導いてくださり、本当に感謝しています。修煉の道のりでは、何度もつまずき、まだまだ至らないところも多いですが、これからも修煉を続け、『真・善・忍』を実践しながら、一歩一歩しっかりと歩んでいきます」