文／日本の大法弟子

　【明慧ネット2025年8月3日】私は日本の明慧メディアチームの編集を担当しています。私の役割は主にラジオのナレーターが録音した修煉体験に、オープニングやエンディング、休憩の音楽をつけて、適切なボリューム調整をして完成させることです。テーマに合った曲を選んでラジオ本編（ほんぺん：作品の主要な部分や本筋をさす言葉）を引き立たせ、同時に大法弟子が作った豊富な音楽を紹介しています。音楽はラジオの内容やナレーションのトーンを考慮して毎回選定しています。私は、法輪図形の地色がさまざまな色に変化するように、音楽を使って変化をつけています。またボリューム調整がうまくできなければ、どれだけ良い素材であっても台無しになってしまいます。

　1、明慧メディアチームにナレーターとして参加する

　数年前　日本の明慧ネットがラジオコラムを始めるのでナレーションをしてほしいと誘っていただき、チームに入りました。文章を読んで録音するだけなのでそんなに難しくないと甘くみていましたが、自分が録音したものを聴いてみると滑舌やリズム、音程、間の取り方などが悪くて聞くに耐えないものでした。機材も寄せ集めの質の悪いものを使っていたので音質も悪く、自分の録音したものを人に聞いかせるのがすごく嫌でした。どうやって向上させるのかもわからず、そこまで積極的に取り組んでいませんでした。

　チーム全体も一時はナレーションの数が少なくて、ラジオチームの存続が危ぶまれる時期もありましたが、なんとか低空飛行で存続していました。

　1年くらい経った時に、それまでラジオを編集していた同修が自国に帰ることになり、編集者の需要が急上昇しました。私はあいかわらず自分のナレーションに自信がなかったので、編集でチームに貢献しながら、同修のナレーションを研究できると考えました。

　2、編集者に転向して自分の道を切り開く

　私は一旦ナレーションからは身を引き、編集ソフトをダウンロードして指示書通りにラジオ番組の制作をしてみました。その時のことを思い出してみると、当時、重視していたのはいかに早くやるかのことばかりで、前の担当者と作業時間の速さを競う心もありました。テンプレートをいくつか作って、効率的に進めることに重点を置いていました。また、ボリューム調整は感覚でやっていたので適切なボリュームの基準がいつまでもわかりませんでした。

　私は編集を始めた当初から、ラジオで使う音楽の種類をもっと豊富にしたいという考えがありました。なぜなら、オープニングやエンディング、休憩に入れる音楽は年中同じものを使っていたからです。中にはノイズが入っている曲もありました。私はそれまで使っていた曲を封印して、他に用意されていた曲が何曲かあったので、その中から合いそうな曲を選んで使っていきました。

　曲が変わればナレーションが入るタイミング、音量調整もそれぞれ変えなければなりません。そのためテンプレートは短期で使えなくなり、1つのラジオ番組にかかる編集時間も増えましたが、だんだんと作業の速さよりも質を高めることに重点を置き始めていました。

　しかし、用意されていた曲だけではすぐに足りなくなりました。協調人に確認したら明慧ラジオで使用してよい曲は、明慧と天音に掲載されたものだけだということがわかりました。天音のホームページに行くとそこはまるで音楽の中央市場のようで、広々とした空間に曲が豊富にありました。私はまず汎用性（はんようせい：ひとつのものを幅広く適用）が高いピアノの伴奏曲に絞って曲をダウンロードしました。

　曲の選択肢が増えて、曲を入れ替えるペースも1カ月に1回、2週間に1回と短くなっていきました。

　数カ月経った頃、交流の中で1カ月分のラジオ番組を1本にまとめて欲しいという要望があり、このことがきっかけで自分の不足を見つけることができました。

　1カ月分のラジオ番組を、編集ソフトに並べてみて私はショックを受けました。ナレーションによって音量が大きかったり小さかったり、音楽も自分ではよく入れ替えていると思っていましたが、2週間分のラジオ番組を連続して聴くと、ずっと同じ曲の繰り返しでした。明慧ラジオにはさまざまなテーマがあり、輝かしい修煉体験、同衆に危険を知らせる内容、師父の講習会の思い出、子供弟子の体験、伝統文化などとても豊富です。

　それまでの選曲は自分が好きな曲を選んでいて、テーマに合わせるという考えはありませんでした。このまとめ作業を通して私は次のような考えが浮かびました。「1つのラジオ番組に対して毎回内容にあった曲をオープニング、エンディング、休憩と一曲一曲選曲するのが最も良いのではないか？」、「でもそんなことをして、編集作業が間に合うのかどうか？　保有している曲がたりなくなってすぐに同じ曲の繰り返しになってしまうのではないか？」とも考えました。

　世界のどこの明慧ラジオを見渡してみても同じ曲を繰り返して使っているので自分の考えが正しいのかどうかをしばらく悩みましたが、学法の中から答えが見つかりました。

　師父は『音楽創作会での説法』で「現代音楽にしても、古代音楽にしても、他でもなく大法弟子の認識で自分の道を切り開くことです」と説かれました。

　私は天音に掲載されている1000曲以上ある楽曲を全部聴くことを決めました。

　3、2つの周天を悟る

　長期的に少しづつ曲を聴いてダウンロードしていきました。ピアノ、笛、弦楽器、金管楽器など楽器ごとに分ける他、子供弟子のラジオ番組や休憩に使う音楽、師父の講習会の思い出、天国楽団、伝統文化など後から使いやすいようにカテゴリー分けして音楽の倉庫を1年くらいかけて完成させました。

　私の中で日々のラジオの編集をすることと、曲の倉庫を作ること、この2つは同じようで異なる需要な柱となりました。

　天音の曲を1曲、また1曲と聴いているうちに、ある時、私は天音サイト全体が一つの佛の体のように思えてきました。1つの曲、一つの音はその佛の体を構成している大小の粒子です。太陽の周りを地球が回るように、私は曲を聴く過程を通して佛の体を巡回しているようでした。そして私は『轉法輪』に書かれているもう一つの周天形式を思い出しました。

　師父は『轉法輪』の中で「百会穴から始まってもよく（会陰穴から出てもよいが）、突き通してから陰陽両面の境目を走り、耳の縁から下りて、それから肩を通って下ります。手の指の隙間を一本ずつ走ります。それから身体の側面を走り、足の裏を通り、股下の片側から上がって来ます。それからもう一方の片側から下りて、また足の裏を通って、身体の側面から上がって来ます。手の指の隙間を一本ずつ走り、一周して頭のてっぺんに到着する。これが卯酉周天です」と説かれました。

　1000曲は、千手佛の手のようで、同時に、進めるラジオ番組で使う選択肢がどんどん広くなっていきました。

　当初、私は1つのラジオごとに選曲するなんて本当にできるのかと思っていましたが、今はどのようなテーマでも対応できるようになり、時間もそれほどかからなくなりました。ボリューム調整もある日、急に良い方法が閃きました。ステレオとモノラルを使い分けることによって、安定するようになったのです。

　師父は轉法輪の周天の中で次のように説かれました。「人の身体の百脈が次第に広がり、エネルギーがますます強くなり、ますます明るくなるようにしなければなりません。最後には万に上る脈を一面につないで、身体全体が一つにつながるような、脈も無くツボも無い境地に達する、これが脈を通すことのめざす最終的な目標です」

　4、人を育てることの難しさと素晴らしさ

　ある時、協調人が編集要員として連れてきた同修に編集のやり方を教えていました。自分が積み上げたすべてを提供しましたが、言葉で伝えることの難しい部分が多くありました。最初から同じようにできないのは当たり前ですが、私は変なラジオが公開されたら自分のメンツが傷がつくことを恐れました。少しずつこの心を取り除きながら、あまり世話を焼きすぎず、重要なことだけを指摘して、相手が困ったときは丁寧に対応するように心がけました。

　逆に教えられることも多くあります。自分が慣れてきて大雑把になっていた部分を再度認識できます。また、作業者が増えたことで編集の基準もより明確になりました。先日、私の家族に不幸があった時、彼女がメッセージでラジオの作成頑張ります、安心してくださいと言ってくれてとても頼もしかったのです。

　5、全ては師父の導きである

　師父は『轉法輪』で「しかし、それはもともとあなたの頭に太極があったわけではなく、師が初めから一式のものを植えつけてくれて、その中に太極が含まれていたのです」と説かれています。

　明慧ラジオの編集作業は、明慧という宇宙、天音という二つの宇宙を組み合わせて太極を描いているかのようです。使っている素材は将来神になる可能性が高い人物が経験した偉大な修煉体験と音楽です。また、途中の過程の中では同修の努力が幾重にも重なっていて、翻訳と校正、掲載した文章を再び利用して造っています。常人社会にこれより価値の高いものは見つからないと思います。

　およそ20年前、私はアメリカへ旅行に行ったことがきっかけで修煉を始めました。旅行に行く前、旅行中に聞く音楽を探しにCDショップに行きました。当時はヒップホップが好きでしたが、CDショップではなぜか大きな太極図が描かれた中国音楽のCDが目に入り、旅行中ずっと聴いていて、アメリカ旅行をしながらなぜか、中国の広大な雰囲気や文化に憧れを抱いていました。

　そして私は帰りの飛行機の中で法輪大法のチラシと出会いました。このことを思い出すとあの時からすでにこの全てを師父が段取りしてくださっていたのだとわかりました。しかし、このような私は、師父の勿体無いほどの御恩に全く答えられておらず、ラジオ番組の作業中に悔しくてよく涙を流したこともあります。

　最近は動画編集の依頼が増えてきており、自分には、まだまだ技術的に向上の余地があり、心性を高めて自分を向上させる必要性を感じています。ナレーションも諦めたわけではなく、練習を続けて同修に追いつきたいのです。

　昨年からラジオ番組の掲載数は右肩上がりに増えてきました。その中で自分にも役割があることを誇りに思っています。私の願いは明慧ラジオを通して同修が正しく悟り、それによってより多くの衆生が済度されることです。

　私の限られた認識での交流ですので、不足や間違いがありましたら慈悲なるご指摘をお願いいたします。

　師父に感謝いたします。

　天音に音楽を提供しているすべての同修に感謝いたします。