【明慧日本2025年8月9日】黒竜江省ジャムス地区富錦市の法輪功学習者は、長年にわたって経済的迫害を受けてきた。強制的に職を奪われただけでなく、定年を迎えても年金の手続きさえ認められていない。

　趙亜賢さん（86歳女性）は、富錦市水利局の元職員である。趙さんは若い頃は心臓病や胃病などの難治性疾患に苦しみ、長らく治癒しなかった。しかし、1994年に法輪功を学び始めてから間もなくして、身体は奇跡的に回復した。1999年7月、中国共産党（以下、中共）による法輪功への残虐な迫害が始まって以降、趙さんは長年にわたり年金の支給を差し止められ、想像しがたい経済的苦難に耐えてきた。食事や住居、移動のすべてを他者の援助に頼らざるを得ず、それが大きな精神的負担となっている。その後、趙さんは、年金の剥奪は生存権の剥奪に他ならないと認識するに至った。彼女は20年以上にわたって各級の行政機関へ訴え続け、当然受け取るべきだった年金の返還を求めている。しかし、富錦市政府と水利局は対応を先延ばしし続け、さらには趙さんの子供たちに対し、「法輪功を学んでいることを悔い、誤りを認めなければ年金は支給しない」と脅迫している。

　田海涛さん（63歳男性）は、富錦市農業銀行の職員である。2000年に強制的に解雇された。それ以来現在に至るまで、田さんと会社との間で契約解除について合意に至っていない。田さんは2023年に定年を迎え、4月25日に給与振込用のキャッシュカードの更新手続き（第二世代IDカードへのアップグレードに伴うもの）を手続きするため職場に赴いた際、事務室主任の趙天一が一部始終後ろで監視していた。手続きの途中、田さんは張瑞峰（銀行頭取）に呼び出され、小部屋で「あなたは解雇された（いかなる公式文書も提示されていないままの宣告）、不服なら紀律検査委員会に訴えればよい」と一蹴された。田さんが強く主張した結果、なんとかキャッシュカードのアップグレードだけは済ませたが、カード内の重要情報および給与残高が消去され、さらに戸籍情報までも「無職」に改ざんされていた。2024年7月22日、田さんは再度定年退職手続きを申し出たが、頭取や他の幹部は不在で、警察官も4～5人待機しており、守衛や職員、窓口担当者、監査担当の誰も取次ぎをせず、処理を先延ばしされた。理由としては「食事に行かないとならない。70歳になるまで申請手続きは待ってほしい」というものであった。2024年末、富錦市のコミュニティ担当者が田さんの親戚に電話をかけ、「警察に言われてあなたに電話しています。田海涛さんがどこにいるか聞くために指示されています」と伝えた。また、田さんが取得したパスポートも押収された。

　高連生さん、孫成波さん、王玉峰さんなど、その他の富錦市の法輪功学習者も、2000年以降ずっと経済的迫害に晒されている。彼らも現在、定年を迎えているが、いまだに年金手続きを認められていない。