文／アメリカの大法弟子　

　【明慧日本2025年8月11日】長い間、私には、あまり強い嫉妬心はないと思っていて、それをどう修めるかについても深く考えたことはありませんでした。ただ、東洋と西洋の観念の違いという認識にとどまっていて、だからこそ自分はもっと外向的になるべきで、他人が良いことを得たときには素直に喜んであげればいいと思っていました。そのため、この心をもっと深く掘り下げて探ろうとはしていませんでした。

　最近、法を学んでいるときに、以前よりも心が静まり、内容がより深く心に入ってくるように感じています。ですので『轉法輪』の「嫉妬心」の章を学んだとき、法が私に気づかせてくれました。「高い次元から見れば、他の空間に人の一生涯のすべてがそこに存在しているので、同じであるはずがあるでしょうか？　何でも平均化したがりますが、運命の中にそれがなければ、どういうふうに均等にするのですか？　違うものは違うのです」

　私は、他の人が良いことを得るのはその人の運命にそれがあるからであり、自分が得られないのは自分の運命にそれがないからだと理解しました。この中には、徳と業力の関係があり、因果応報や運命による配置の理由も含まれています。別の空間には、それに対応する物質もすでに存在していて、すべては神によって手配されたものなのです。この道理を理解したことで、今後、矛盾に直面したときには、必ずこのように考えるよう自分に要求し、嫉妬心から生じる古い思考パターンを変えていかなければなりません。

　ちょうど、この交流文を書いている最中に、また偶然にも良い話を耳にしました。会社の他の部署はみんなその恩恵を受けているのに、自分と自分の部署だけが対象外だったのです。その瞬間、少し落ち込んだ気持ちが湧いてきて、嫉妬心の試練がすぐにやってきました！　だから、自分で自分を律するしかない、やはりこう考えるしかない「他の人は運命にそれがあるから得られた、自分にはそれがないから得られなかった」と。この運命を受け入れるしかない。利益を前にしたときこそ、この心を手放さなければならないのです。

　さらに『轉法輪』の中ではこう述べられています「常人には認識できない理を一つ、皆さんにお話ししましょう。あなたが自分では何でもよくできると思っていても、運命の中にそれがありません。ところがある人は何をやっても駄目に見えていても、運命の中にそれがあるから、幹部になったのです」

　法は再び、運命にあるものと、ないものの道理について説いています。常人は運命を認めず、神を信じず、人生が神によって手配されているとは思っていないため、一生懸命努力して、より快適な生活環境を自分で築こうとします。しかし、修煉者はそれとは逆に考えなければなりません。運命を受け入れ、すべては神の手配であると信じるべきなのです。

　私は、羨ましいという気持ちは嫉妬心へとつながる前奏だと気づきました。常人は、愛から憎しみが生まれ、羨望が失望へ、そして嫉妬へ、さらに悪い心へと変化していきます。だからこそ、修煉者はこの心の流れをたどって、その根源を探り、源を断ち切ることで、より徹底的にこの心を取り除く必要があるのです。

　他人が高級車に乗り、立派な家に住み、物質的に恵まれているのを見ると、心の中で時々落差を感じることがあります。常人でさえ名利に淡泊であるべきだと言われますが、修煉者であればなおさらそれらを淡く見るべきです。しかし難しいのは、常人と比べないとしても、同じ修煉者の間でも比較が存在することです。誰が新しい車に買い替えたとか、大きな家を買ったとか、そういったことを同修の間でも見てしまうのです。

　この話を聞いて、私は、師父が広州での講法の中で挙げられた例を思い出しました。釈迦牟尼仏の弟子たちが托鉢用の鉢を比べ合っていたという話です――金の鉢、銀の鉢、銅の鉢を比べていたのです。現代社会で車や家を比べるのも、結局は物質的な条件の比較であり、物は違っても道理は同じなのです。

　もしかしたら将来、同修たちがみんな功能を現すようになるかもしれません。でもそのとき、功能の大小や違いを互いに比べ合う必要があるでしょうか？　もし、今この嫉妬心を取り除かなければ、将来それに振り回されて落ちてしまうことも十分にあり得るのです。

　嫉妬心の問題について論じるとき、法は学習者に物事を自然に任せ、精神のバランスを保ち、争いの欲望を取り除くことなどを求めています。学べば学ぶほど、この法の一節には実に多くの内容が含まれていて、嫉妬心をどう取り除くかという方法まで教えてくれているのだと気づきました。

　同修の間では、嫉妬心に関する交流がまだ多くあります。さらに深く掘り下げていくと、その根本には「私利私欲」などの要因もあります。これが私が最近得た認識です。少しでも同修の皆さんのお役に立てればと思います。