文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年8月11日】少し前のこと、同修を通じて同修Aさんの三退リストが回ってきました。そのリストには毎日平均して15人ほどが三退しており、しかも仮名ではなく実名でした。名前を見る限り、男女の比率もほぼ同じで、性別に偏りがありません。多くの同修は異性に対して三退を勧めるのをためらいがちで、私自身も異性に真相を伝えることは少ないほうでした。それだけに、Aさんの全力で衆生を救おうとする姿勢に、私は心を打たれました。

　ある日、また別の三退リストを同修が持ってきて、私は、「Aさんは本当に素晴らしいですね。毎日これだけの人に三退を勧めているし、実名ばかりで、しかも多くが共産党員です」と言いました。その同修は「実は最近聞いた話ですが、Aさんは毎日、自分の年金を使って缶詰などの食べ物を買い、店を一軒一軒回ってそれらを配りながら真相を伝えて三退を勧めているそうです。月の年金は2千元ほどありますが、それを全部この活動に使っているとか」と話してくれました。そして、「私はすでにAさんに『このやり方は法に則っていない』と伝えたのですが、Aさんは『こうでもしなければ、ほとんど誰とも話せない』と言って、今でも続けているんです」と言いました。

　思い返せば、私たちが真相を伝え始めた初期のころ、真相資料と一緒に1元札を同封して配る同修がいました。しかし、ある人はお金だけ取り出して資料は見ずに捨ててしまうことがありました。また、真相を聞いてあげたからといって同修にお金を要求する人まで現れたのです。このような行為は、同修の間でも「正しくない」と認識されていました。

　真相を伝えて三退を勧めることは、決して取引ではありません。自分の給料を惜しみなく使って衆生を救おうとする精神は立派ですが、それが「法に則っていない」なら、本質的に問題があります。三退する人は、もしかしたらそれらの品物が欲しくて三退しているのではないでしょうか？　利益のために三退しているのではないでしょうか？　もし何もあげなければ、三退しないのでしょうか？　そこには「情」が混じっていないでしょうか？　単なる「義理」で三退しているのではないでしょうか？　三退は本来、とても厳粛で神聖な行いであるはずです。それが、こんな方法で行われてしまうと、常人の「小さな得」を求める心を助長し、三退の純粋な目的が損なわれ、効果にも大きなマイナスを与えるのではないでしょうか？

　師父は何度も、三退の意義とその重大さを私たちに教えてくださいました。師父は新経文の「肝心な時に人の心を見極めている」の中で、「ですから、どんな状況においても修煉者の要求を基準にし、法をもってすべてを量るべきです」と説かれました。三退とは、生命が生きるか死ぬか、残るか消えるかの選択であり、生命を救う行為であって、何かを「お願いする」ことではありません。とても厳粛なものです。同修のこのやり方は、法に則っておらず、神聖な使命を無意識に取引のようにしてしまってはいないでしょうか？これで本当に人を救えるのでしょうか？

　Aさんはよく、地域の関係者から嫌がらせを受けたり、監視されたり、尾行されたりしていますが、それはこのような法に則っていない真相の伝え方と関係があるのではないでしょうか？　態度が厳粛でなく、どこかに漏れがあるのではないでしょうか？　ある日、Aさんが別の同修と待ち合わせた際には、手で合図をしながら「今、後ろに尾行者がいる」と伝えたそうです。その同修は帰宅後、長い時間をかけて発正念し、邪悪な妨害を取り除きました。

　同修の皆さんには、真相を伝えることに対して、もっと厳粛な姿勢を持ってほしいと思います。外に責任を求めるのではなく、内に目を向け、自分の中の人心、人間の念、人間の情で問題を見ないようにしてください。法に基づいて修煉することでこそ、本当に師父の法を正す道を歩み、旧勢力の按排を否定し、真に人を救うことができるのです。