　【明慧日本 2025年8月11日】最近、英国の議員たちは、ロシア・モスクワのある一つの裁判所が7月23日、法輪功の活動を組織したなどの理由で一人のロシア人法輪功学習者に懲役4年の判決を下したとの知らせを受け、深い懸念を表明した。同時に、政府に対し、法輪功への迫害を非難し、その立場を明確にするよう求めている。8月4日、駐ロシア欧州連合（EU）代表もまた、ロシアで起きた信仰への迫害事件に対し懸念を表明した。

　国会議員「政府に迫害への強い批判を求める」

マーティン・ローズ下院議員（Martin Rhodes）

　マーティン・ローズ下院議員は7月31日、デイビッド・ラミー外相宛ての書簡で次のように述べた。「私に連絡を取った複数の有権者を代表して書簡をお送りする。2025年7月23日にロシア人法輪功学習者・ナタリア・ミニェンコワ女史が懲役4年の刑罰を言い渡された件である。私の知る限り、これはロシアにおける法輪功学習者（以下、学習者）への最も厳しい判決だ。この事件は、2024年3月以降少なくとも8人の学習者が拘束されるなど、エスカレートする弾圧傾向の継続を示している」

　同議員は最後に要求した。「英国が人権と信仰の自由の擁護に一貫して取り組んでいることに鑑み、この件に関する政府の立場を明確にしていただきたい。特に、英国がこの件についてロシア当局と交渉する予定があるか、または学習者への迫害を非難する公式声明を発表する予定があるかを知りたい」

　下院議員「より大規模な弾圧は中共の越境弾圧の影響」

イアン・ラバリー下院議員

　イアン・ラバリー下院議員は強調した。「これらの事件が及ぼす可能性のある影響についても同様に懸念している。この件を関係大臣の注意を喚起する。この件を私に通報いただき、また一貫した支援活動に再度感謝する」

　英国国会議員「中国で宗教・信仰を理由に迫害される人々に深い懸念」

ルパ・フク英国国会議員

　英国の国会議員であるルパ・ハク氏は返信で次のように表明した。「中国で宗教や信仰を理由に迫害される人々に常に深い懸念を抱いている。また、中国での臓器収奪疑惑が長年にわたって報道され続けており、これらの疑惑は極めて衝撃的であることも承知している。法輪功学習者を含む少数民族・宗教団体が特定の標的にされている可能性があることも承知している」

　また、同議員は2018年にロンドンで行われた「中国民衆法廷」の臓器収奪に関する結論に言及した。「実際、中国民衆法廷は、中国が長年にわたって大規模な強制臓器摘出を行っており、法輪功学習者とウイグル人が主要な被害者であるとの結論に達した」

　最後に次のように述べた。「英国政府が最高レベルで人権問題への懸念を表明し続けていることを承知している。政府は中国の宗教的少数派の状況に特に注目している。すべての人のための宗教・信仰の自由を擁護する政府の取り組みを引き続き支持し、この取り組みが推進されるよう確保していく」

　スコットランド議員「宗教・民族に基づく迫害を断固非難」

パトリック・ハービー・スコットランド議員

　パトリック・ハービー・スコットランド議員の事務所は、次のように回答した。「スコットランド緑の党は、宗教や民族に基づく人への迫害を断固として非難する」

　駐ロシア欧州連合（EU）代表が懸念を表明

　明慧ネットの記者によると、8月4日、駐ロシア欧州連合（EU）代表団で政治・報道・情報を担当するジョスラン・ギットン氏は、ロシアで起きた信仰への迫害事件に対し「深い懸念」を表明した。ギットン氏はベルギーの法輪功の世話人に宛てた公式な返信書簡の中で次のように述べた。

　「欧州連合（EU）は、宗教や信仰を理由とした抑圧と迫害がロシア、中国、そしてそれらの国境を越えて増加していることに対し深い懸念を表明します。EUは、宗教や信仰を理由としたあらゆる差別、敵意、暴力行為を断固として非難するとともに、思想、良心、宗教、信仰の自由という権利が尊重され、保護され、そして実現されるよう引き続き強く求めていきます」。

　ギットン氏はさらに次のように述べた。「私たちは、最近のナタリア・ミニェンコワ女史への判決を含め、ご指摘の事態の進展を注視しており、状況を緊密に監視しています。法律を用いて人々を沈黙させたり、宗教や信仰の自由という権利を行使した人々を罪に定めたりすることは憂慮すべき事態であり、国際人権法と相容れません。欧州連合（EU）は、今後もロシア当局に対し、これらの問題を提起し続けます」。

　国境なき人権がロシアによる法輪功への迫害を暴く記事を発表

　明慧ネットの記者によると、「国境なき人権」（訳注：ベルギーのブリュッセルに本部を置く国際的な人権NGO）という名の欧州連合（EU）の人権団体が、法輪功インフォメーションセンターからの公式情報に基づいた記事を掲載した。

　「ロシア：法輪功学習者ナタリア・ミニェンコワさん、懲役4年の判決」と題したこの記事では、ロシアが2011年に『轉法輪』を発禁処分にしたことから始まり、2025年に学習者であるミニェンコワさんに懲役4年の実刑判決を下すに至るまでの一連の出来事を詳述している。

　資料によると、ロシア当局は早くも2000年前後から中共に追随し始めていた。そして、ロシアに長期滞在し長年にわたり法輪功を学んできた中国人学習者たちを次々と国外へ追放した。その中には、孟昭武氏、孫楽之氏、劉明廷氏らが含まれていた。当局がこうした措置をとる中でも、ロシアの人々は『轉法輪』を愛読し「真・善・忍」の修煉を続けている。