文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年8月14日】時が経つのは早いもので、私が大法を修煉し始めてから、もう26年が経ちました。私は生まれつき臆病で、性格も内向的なため、知らない人とはほとんど話さず、相手から話しかけられてはじめて応じるような人間でした。ところが1999年7月、中国共産党が突如として法輪功への迫害を始め、「1400例」や「天安門焼身自殺」などのデマをねつ造し、多くの中国人が真相を知らないまま毒害されてしまいました。真相を伝え、迫害に立ち向かい、衆生を救うことは、法を正す時期における大法弟子の歴史的使命であり、逃れることのできない責任でもあるのです。

　私が初めて行動を起こしたのは、真相のステッカーを貼ったときでした。その内容は「法輪大法は素晴らしい！　真・善・忍は素晴らしい！」というものでした。そのときは、心が動揺し、不安と恐怖で胸が破裂しそうなほどでした。このような強烈な恐怖心があってはならない、これは修煉の道を妨げるものであり、必ず取り除かなければならない、と私ははっきりと認識しました。恐怖を克服してこそ、次元を上げることができるのです。

　当時私はすでに退職しており、午前中は煉功と学法、午後には外に出て資料を配り、真相を伝えるという日々を送っていました。資料を配る数も少しずつ増えていきました。私の地域には資料点がなかったので、自分で外に出て印刷し、身の安全のために印刷場所をたびたび変えながら活動していました。状況に応じて、昼に配ることもあれば、夜に出かけることもありました。その間、慈悲深い師父はずっと私を守ってくださっていました。ある日の晩、少し離れた住宅地へ資料を配りに行ったときのことです。入口で方角を確認しなかったため、資料を配り終えた後、出口が分からなくなってしまいました。そのとき私は心の中で師父に語りかけました。「師父、私は出口が分かりません。どうかお導きください」と。そう念じてから歩き出すと、30歩ほど進んだところで目の前に門が現れ、そのすぐ先にはバス停が見えました。

　また別の晩にも、ある住宅地へ資料を配りに行きました。その場所は街灯が少なく、非常に暗いエリアでした。ある集合住宅の2階に上がって、資料をドアノブに掛けようとしたとき、足元に何かあるのに気づき、よく見るとそこには大きな犬が横たわっていました。しかしその犬は一言も吠えず、私は平常心を保って資料を置き、静かにその場を離れました。家に帰ってから少し恐怖を感じましたが、それでも無事だったのは、偉大なる師父のご加護があったからこそです。もし師父が守ってくださらなければ、どうなっていたか分かりません。

　時には昼間に資料を配ることもありました。よくあるのは、資料を配り終えて1階に降りたタイミングで住人と鉢合わせになることです。ある日、私は一気に十数棟の6階建ての建物に上がって資料を配りましたが、まったく疲れを感じませんでした。すでに私は60代を超えていましたが、大法を修煉していなければ、とてもこんなことはできなかったでしょう。また、信号待ちをしている車や、ガソリンスタンドで給油待ちをしている車を見かけると、すかさず近づいて真相資料を配ります。皆、受け取ってくれて、待ち時間のあいだに資料を読み始めるのです。

　師父は『洪吟』の「高き処寒さに堪えず」という詩の中で、人間の事に、気遣い盡し　天上の苦に、心を労す　言有りて、誰に訴るのか　更に寒しは、高処に在り」と説かれました。この詩を読むたびに、私は深く心を打たれます。師父は衆生を救うために、言葉では言い表せないほどの難難辛苦を味わってこられました。弟子である私たちが、自らをしっかり修め、師父が法を正すことを手伝い、衆生を救うことは、当然果たすべき責任であり、逃れることのできない使命なのです。私は資料を配りに出かけるたびに、強い正念を発します。「私が行く先々のすべての黒い手、腐敗した霊体、共産邪霊、旧勢力の邪悪な要素を完全に清め、何一つ残さず徹底的に排除します。そして、師父のご加持をお願いします！」そのため、たとえ危険が迫るような場面があっても、無事に帰宅できることが多く、常に平穏でした。

　私は自分の「話すのが苦手」という性格を克服しようと努力し、自ら積極的に人に話しかけるようになりました。ときには自転車に乗りながら真相を伝えたり、道端の新聞掲示板の前で縁のある人を待ったりします。ある日、70歳を過ぎた学者風の年配の人が新聞を読みにやってきました。私は、自分から話しかけると、彼はある薬科大学の教授だと分かりました。彼はいくつかの質問をしてきたので、私はこう説明しました。「法輪功は、真・善・忍に従って人としての道徳を高めることを教える高徳な功法です。わずか7年で1億人が修煉するようになりました。1998年には、元全国人民代表大会常務委員長の喬石氏が組織した調査で、法輪功修煉者の病気治癒率が98％に達するとの結果が出ました。結論は『法輪功は国家と国民に百利あって一害なし』というものでした。修煉者は身体が健康になるだけでなく、道徳も大きく向上します。江沢民は嫉妬と恐怖から、法輪功を中傷し、佛家の弟子を迫害しました。今、天は中国共産邪党を滅ぼそうとしています。あなたも三退して、身の安全を守ってください」

　話を聞いたその人は、私の両腕を掴んで激しく揺らしながら、「素晴らしい！　本当に素晴らしい！　中国共産邪党がならず者だというのは知っていました。私は共産党員ですが、自分の意思ではなく、かつて集団で加入させられたのです。仕方なかったのです」と言いました。私は「正義」という仮名で彼を三退させると伝えると、彼は喜んで承諾し、「自分には多くの学生がいる。この話を彼らにも伝えて、真相を知ってもらおう」と言いました。衆生の、真相を理解した一面は救いを切望しているのです。この出来事はもう十数年前のことですが、今でも鮮明に覚えています。

　何度も資料を配ったり真相を語ったりするうちに、恐怖心は次第に小さくなっていきました。しかし、その反面、さまざまな人心も次々と露わになってきました。あるとき、資料を配っている最中にふと「早く配らなきゃいけない」という考えがよぎりました。私はすぐにこの念を見つめ直し、「これは何の心だろう」と自問しました。すると、それは「任務としてこなす」という受動的な態度であり、恐怖や私心からくるものだと気づきました。私はすぐに発正念し、それらを清め、徹底的に取り除きました。なぜなら、それらは他の空間では生きた存在だからです。私の空間場に存在させてはならず、根本から引き抜いて絶やさなければなりません。またある時、真相を語って3人を一度に三退させたときは、とても嬉しくなりました。その瞬間、自分の中で歓喜心が膨らんでいるのをはっきりと感じました。私はすぐに「この歓喜心の魔が、私の喜びを通じて呼び寄せられたのだ」と気づき、ただちに発正念でこれを打ち消しました。そして師父に、私の正念をご加持していただくようお願いし、「必ずこの心を根絶します！　二度と居場所を与えません！」と誓いました。最終的に、その心は消えてなくなりました。

　真相を伝えて衆生を救うことは、単に他人を救う過程であるだけでなく、同時に自分の執着を取り除き、人の状態から抜け出し、自らを救い、自らを高めていく過程でもあります。

　より多くの人を救いたいという思いから、私は親戚や友人を訪ねるときも、外出する用事があるときも、ほとんど常に真相資料を携帯しており、いつでも配れるようにしています。農村部のある住宅地など、夜になると真っ暗で何も見えないような場所へも、1人で足を運びましたが、不思議と恐怖は感じませんでした。私は、師父がいつも護ってくださっていることを感じていたのです。一時期、娘の家で孫の世話をしていた頃も、時間を見つけては外出し、真相資料を配っていました。知らない地域だったため、資料を配り終えて帰ろうとした際、道に迷ってしまいました。結局、近くの市場までタクシーで戻り、慌てて買い物をして帰宅し、夕食の準備をしました。

　私はまた、多めに真相資料を印刷して、公安、検察、裁判所や関連機関にも送っています。より多くの人に真相を理解してもらうためです。また、真相のお手紙も多数印刷して配布してきました。今でも印象に残っている出来事があります。ある程度の数の真相のお手紙を発送し終えたとき、住所を探すのが難しいため、これで終わりにしようと思っていました。そんなある晩、夢を見ました。夢の中、1本の道に多くの人たちがいて、皆、腰をかがめて道を作るための作業をしており、私はその脇を歩いていました。すると、1本のつるはしを持った男性が、私の方へ向かってきたのです。その瞬間、私は目を覚ましました。私はすぐに悟りました――これは師父が私に対して示してくださったもので、「修煉の道には先例がなく、困難を見て逃げるのではなく、立ち向かって開拓していくのだ」と教えてくださっていたのです。この啓示を受けて、私は再び「開拓の道」を歩み始めました。

　大法がこの世に洪伝されてから、すでに33年が経ちました。法を正す時期における大法弟子は、極めて重大な歴史的使命を背負っています。私たちがなすべきは、しっかりと腰を据えて法を学び、心の中に常に法を保ち、あらゆる出来事を法をもって量って対処していくことだけです。そうしてこそ、法を実証する道を正しく歩むことができるのです。弟子としては、ただひたすらに、さらに一層の精進を重ね、かつての大願を果たし、圓満成就して師父と共に天へ返るのみです。