文／フランス人の大法弟子　

　【明慧日本2025年8月16日】私は明慧ネットで、オーストリアの同修が書いた交流文章を読みました。その中で彼女が、「私たちはもう、問題をどう解決するかで悩み続けている時間はない。人間としてのものを手放すことで自分自身を徹底的に変えるべきだ」と語っており、その一節を読んだとき、私は涙がこぼれました。

　そこで私はこう自問しました。「『人間的な』やり方から最大限に脱するにはどうすればよいのか？」

　師父は『轉法輪』の中でこのように説かれています。「もちろん、言うのは易しいのですが、そこまで修煉するのはかなり緩やかな過程です」

　学法

　師父は繰り返し、次元を向上させる基礎は毎日しっかり学法することだと教えられています。

　この1カ月間、私は学法をさらに集中させ、独りで声に出して読み、気が散るとその一文を読み直すようにしてきました。毎回同じ椅子に座り、『轉法輪』を傍らの机に置いています。すると驚いたことに、最近の私は読書を強く望むようになり、そこがまるで安らぎが得られ、プライバシーも守られる避難港のように感じられたのです。

　また、どんなに集中して読んでいても、どこかせっかちな気持ちが残り、まるで何かの任務を効率よくこなさなければならないかのようでした。つまり、私は常人の考え方でこの法を見ていたのです。こうした観念を取り除くと、読むときはずっと気楽で自由な感覚になりました。

　真相を伝える

　配達員や修理工など、誰かが私の家に来ると、時間が許す限り、私は彼らに中共の迫害について話し、チラシを渡したり、蓮の花を贈ったりして、それが本当のお守りだと伝えています。時には「困難な時にこの言葉（心からの九文字）を唱えると、運命が変わるかもしれませんよ」と一言添えることもあります。その後、私は何も話さず、ただ相手がそれを活用し、効果を実感できることを願うだけです。しかし、心の中で何かが足りないと感じ、少し不安が残ります。

　私は、自身の「相手が本当にそれを活用し、本当に効果があってほしい」という期待の中には、結果へのこだわり、何かを証明したいという心が隠れていることに気づきました。

　私は、この言葉を唱える行為そのものへの信念を、「効果があってほしい」という欲望で置き換えてしまったことに気づきました。また、自分の心に「相手はこれが宗教的だ、幼稚すぎる、奇妙だ、新世紀のものだと思うかもしれない」という潜在的な考えがあることにも気付きました。しかし、「宗教的だ、幼稚だ、荒唐無稽だ、新世紀のものだ」などは自分の観念であり、自身が使っているものだと分かったので、今からそれらを取り除いていきます。

　私は「正見ネット」というサイトで、人体の遺伝子に関する動画を見たことがあります。そこでは、私たちの思考の質がいかに私たちのDNA、つまり全ての細胞に影響を与えるかが科学の視点から解説されています。これから、私はこの常人にも受け入れやすい科学の視点を使って話すことができることが分かりました。心からの九文字の力を、より重みのある言葉で説明できれば、相手への影響も良くなるでしょう。

　そのため、私は真相を伝える際に、この言葉（心からの九文字）をより確信をもって活用できるようになりました。

　内に向けて探す

　師父は『轉法輪（巻二）』の「佛性」の中でこのようにおっしゃっています。「ある種の観念が形成されると、人の一生を支配し、その人の考え、ないしその人の喜怒哀楽を左右します」

　私たちの真我、つまり創造されたときにいた次元は、真・善・忍の最も微細なレベルにあります。起源が高いほど、私たちを構成する粒子は微細であり、それらはその次元における真・善・忍の現れです。従って、本質的には私たちはその次元で真・善・忍によって造られ、修煉によって本来の次元に戻ることができます。

　師父が明らかにされ、私が深く啓発を受けたのは、業力の粒子は真我の次元には届かないという点です。それらはそれを覆い隠すことができても、触れることはできないのです。

　師父は『轉法輪（巻二）』の「佛性」の中でこのようにおっしゃっています。「業力はそれほどミクロ的な物質を持っていないからです。業力は常人の中で造られ、常人の中のもので、それほどミクロにはなりません。しかし人間の生命を造るとき、それはとてもミクロ的な物質でした。ですから、入り込むことはできず、ただ人の本性が埋没されます」

　だからこそ、私たちは業力を一層一層と取り除く過程で、徐々に真我に戻っていくことができるのです。これらの業力は今生や前世で形成された観念で構成され、私たちの純粋で善良な本性を完全に覆い隠しています。

　学法に没入する中、21時の発正念の5分前に、私は自分に「私にはどんな観念があるのか？」と問いかけました。答えは「自分が存在しないという恐れ」でした。思い返せば、修煉を始める前の私はときどき不安や負の感情にさいなまれ、そんなとき、「私は存在しない」という一念がよぎることがよくありました。その後、この考えに気付いたものの、「気付く」にとどまっていました。

　今回、私はこの考えを「自分を顕示したい・目立ちたい・注目されたい」という執着と結び付けて考えたとき、それが自分の「存在感」を増したいという執着だと分かりました。

　2019年に大法を修煉し始めてまもなく、顕示心がすぐに目立つようになり、私は気付くや否や取り除き始めました。振り返ると、この顕示心は18歳頃から第二の自分のように存在していたのです。

　修煉を続けるうちに、顕示心が私の生活全体を支配していたことをより深く認識しました。服装、住む場所、配偶者の選択、車、趣向、仕事、友人、精神的な憧れなど、誇張した話し方までもこの顕示心に関わっていました。それがずっと昔から根深く私の中に入り込み、無意識に作用していたのです。

　さらに掘り下げていくと、この「存在感」を高めたい、見せたいという執着は、「自分が存在しない」という恐れから来ていることが分かりました。常人としての私の生活は、自我を失うのを恐れる基盤の上に築かれ、全力で「私」を守ろうとしてきました。それが底なしの穴のようでした。この「私」というタコが私に絡みつき、あらゆる隙間に入り込み、そのうえ、私はそれにエネルギーを供給しなければならなかったのです。私はこれまで、自分が本当に何を成し遂げたか、自分の本質的な価値や真の趣向が何かに注意を払ったことがなく、いつも出来事の結果の見かけ上の成功、不成功で自分を量っていたのです。

　別の同修が根本的な執着について書いた文章を読んだ後、私の理解はより深まりました。よく観察すると、すべての執着はこの「存在感」に由来しているようです。嫉妬、怒り、強い感情、自満、効率の追求、忍耐の不足、軽蔑、崇拝、他人を批判するなど、私のあらゆる恐れが「存在感」から来ており、最も根本的な恐れは「存在感を失うこと」でした。つまり、私の最も根本的な執着は「存在感」なのです。この執着を取り除いて初めて、法が私を通して現れるのです。

　このことを悟ってから、私は自分の言動や反応をさらに注意深く観察し、それらをこの根本的な執着と容易に結び付けられるようになりました。私のすべての執着は「存在したい」という執着に関わっており、すべての恐れは「存在しないことへの恐れ」に関わっているのです。

　十分に深い交流が書けないことへの恐れさえも、この「存在感」を確固たるものにしようとする試みなのです。これが私の根本的な執着なのかどうかを疑う心さえ、この「私」を正当化し、残そうとする口実です。もしすべてが「私」を中心に回っているなら、どうして他人のことを思いやれるでしょうか？　私の行動全体が「私」を基盤にしており、このままではどうやって真・善・忍に同化できるのでしょうか？

　この根本的な執着を見つけて以来、私はまるである機制を始動させたかのようで、毎回、どこがその根本的な執着に触れたかが見えるのです。それが現れると、すぐに根絶してしまうのです。また、もう後戻りできないことを悟り、自分がより謙虚になったと思います。

　結び

　師父の説法と明慧ネットでの同修の交流に感謝します。そのおかげで、私はこの修煉の道を着実に歩んでいます。

　以上は私が現段階で理解したことであり、法に符合しない点があればご指摘ください。

　私を済度するために師父が無限の慈悲を与えて下さり、絶えず導き、法を正す時期に衆生を救い済度することに参加できるようにして下さったことに感謝いたします。

　（編集責任者：文謙）