　【明慧日本2025年8月22日】農民の美秀さんは、若い頃は多くの不幸に見舞われ、幸せは遠ざかっているように思えました。しかし、美秀さんの人生の後半、一冊の本が宝物となり、静かに彼女の全く異なる人生を切り開きました。

　幼少期の苦難

　美秀さんは台湾雲林県の小さな田舎町で、8人兄弟の5番目として生まれました。家が貧しかったため、彼女は8歳という若さで田んぼで稲を植え、野菜を収穫して売るという仕事をしなければならず、幼い頃から人生の重荷を背負っていました。

　炎天下の忙しい農場で働く美秀さんにとって、休憩時間に静かに読書に没頭することが唯一の望みだったのです。しかし、彼女は「父は女の子はあまり本を読まなくていいと言っていました。読書は好きでしたが、小学校は6年生までしか通えませんでした」と言います。現実は美秀さんに運命を選ばせなかったのです。彼女は悲しそうに「私はずっと農業をしてきたので、肌が黒くて、両親は、私の結婚相手は農家の人しかダメだと言いました」と冗談を言いました。

　そこで彼女は両親の計らいに従い、農民と結婚しました。読書好きで勤勉で苦難にも耐える力を持っていた一方、夫は読み書きができず、しばしば賭博に耽っていました。夫からの愛情も世話も受けられなかったにもかかわらず、彼女は20年間、家族の日々の生活を静かに支え続けました。

　21歳の時、舅の屋根の防水工事を手伝っていた美秀さんは、はしごから落ちて腰と背中を負傷しました。世話をしてくれる人もおらず、病院に行くお金もない中、美秀さんは一人で痛みに耐えながら、畑仕事と家事を続けなければなりませんでした。数年後、美秀さんは全身がむくみ、動くのも困難になりました。診察した医師は「あなたの腎臓が片方損傷しています」と告げました。

　幼少期の苦難、結婚の失望、そして今、病を抱えながら生きる苦悩、人生の困難が次々と訪れても、彼女は運命の不公平さを嘆くことはなく、むしろ人生の苦悩を日々の労働に変えて、心身ともに疲れ果てながらも働き続けました。

農場で働く美秀さん

　転換点

　彼女は50歳になって初めて、人生を変えるような本を読んだことで、波乱に満ちた人生に静かに新たな章が開かれました。

　美秀さんは家計を支えるため、農場で働きながら、介護士の訓練を受け、ハーブティーの販売も行っていました。ある日、ある雇い主の家の書棚に金色の『轉法輪』が置いてあるのを見つけました。彼女はそれを借り、熱心に読み始めました。数ページ読んだだけで、次第に魅了され、手放せなくなってしまいました。

　当初、彼女は腎臓に問題を抱えており、歩行にも困難を抱えていましたが、この本を読んだ後、すべての症状が消えました。

　その後、彼女は認定看護助手になりました。患者に細やかなケアを提供するだけでなく、常に『轉法輪』を携帯し、毎日読み聞かせていました。

　病院での奇跡

　ある年配の男性が交通事故で重傷を負い、長期間昏睡状態に陥りました。美秀さんは彼を介護し、毎日法を読み聞かせました。ある日、年配の男性は突然目を開け、話し始めました。彼の息子は驚きました。美秀さんは「あなたのお父さんは意識は朦朧としていましたが、毎日私が読んでいる『轉法輪』を聞いていました。これが大法の力です」と言いました。

　末期の乳がんを患い、全身に腫れ物ができていた小学校の先生・葉さん（仮名）がいました。医師は余命2カ月と宣告しました。美秀さんは毎日葉さんに法を読み聞かせました。すると2カ月後、葉さんは奇跡的に回復し、退院しました。美秀さんは「私は楽しく読み、葉さんも楽しく聞きました。この貴重な本は本当に不思議です」と語りました。

　病院で患者たちに本を読み聞かせ続けた数年間で、美秀さんはこの本が自分の運命を変えるだけでなく、他の人々の人生をも照らすことができることを深く実感しました。

　キャベツは法の勉強の場を生み出す
　
　2004年以来、嘉義市民雄の地元図書館の館長は、法輪大法の学習者たちが夜間に集い法を学ぶための部屋を提供してきました。彼はこれを7年間途切れることなく続けてきました。しかし、2011年に館長を退職した後、新しい館長晴れ賃貸契約を更新しなかったため、学習者たちは集まって法を学ぶことができなくなりました。

　美秀さんは事件を知り、胸に空虚感を覚え、「どうしてこんなに素晴らしい法を学ぶ場所がないのでしょう。安定して法を学ぶ場所があればいいのに」と彼女は思いました。

　美秀さんの願いはすぐに叶いました。その冬、彼女と夫は1エーカーのスイカを植え、続いてキャベツを植えました。長引く大雨のため、ほとんどの農地は植え付けの準備ができませんでした。しかし、彼女の家の土地は高台にあり、土壌も固かったため、二期作が可能で、合わせて200ニュー台湾ドル（約9,844,054.00 円）という豊かな収入を得ることができました。これは、生涯貧困の中で暮らしてきた農家にとって、思いがけない幸運でした。

　美秀さんはすぐにその資金を使い、25坪（約82.5㎡、約50畳の広さ）の学習堂を建設しました。2013年以来、この学習堂は法を学ぶための信頼できる場所となっています。10年以上にわたり、毎日昼と夕方に途切れることなく学法が行われています。

美秀さん（中）と他の同修たちが共に法を学んでいる

　より多くの命が新たに

　あるトラック運転手が肺がんと診断されました。片方の肺は摘出され、もう片方の肺は腫瘍に覆われていました。医師は診察のたびに首を横に振り、「化学療法を受ける準備をしてください」と言いました。美秀さんは、たとえ座って聞くだけでもと、昼の法の学習会に参加するよう彼を励ましました。

　そこで彼は、午前中に功を煉り、正午に法を学ぶようになりました。3カ月後、再診のため再び診察をした医師は、残った肺の斑点がすべて消えているのを見て驚きました。困惑した医師は彼に「どんな薬を服用しましたか？」と尋ねると、彼は微笑んで、「薬は飲んでいません。法輪大法を修煉しているだけです」と答えました。

　また、立ち上がれなくなるほどの病気の治療後に合併症が出た女性がいました。彼女は美秀さんに電話をかけ、法輪大法を学びたいと申し出ました。

　美秀さんは、雨の日も晴れの日も毎日彼女を練習場に連れて行きました。6カ月後、彼女は自立できるようになり、電動スクーターを購入して煉功の場所まで運転できるようになりました。

　心身の高揚

　美秀さんが大法の修煉を始めた頃、まるで体が浄化されるかのように、温かい気の流れが頭からつま先まで全身を駆け巡るのを何度も感じました。後になって、これが灌頂（かんじょう）（『轉法輪』「第四講」）（訳注：身体浄化の一種）であることを知りました。

　修煉を重ねるにつれ、彼女は静寂を得るのがより容易になったことに気づきました。また、瞑想中にまるで卵の殻の中にいるような感覚を覚えるようになりました。「座って修煉していると、まるで自分の足や手が消え去ったように感じ、ただ一つの思考だけが残り、空間全体が明るく静かになります」と彼女は言います。

　年月が経つにつれ、美秀さんの修煉は単なる肉体の向上を超え、心の奥底にまで大きな変化をもたらしました。かつては、理不尽な夫や近寄りがたい義理の両親に直面するたびに、彼女は常に心の痛みを抑え、耐え忍んでいました。

　修煉を経て、美秀さんは何も偶然に起こるものではなく、多くの葛藤が心性の向上に役立ったことを理解しました。「私は法を学ぶことが本当に好きで、読むたびに心の苦しみや心のもつれが溶けていくのです」と彼女は言いました。

　美秀さんは4年間、脳卒中を患った舅の介護をしました。寝たきりで頑固な舅は、日々の介護を彼女に頼っていました。美秀さんは「私は修煉者らしく親切に接し、毎日法を読み聞かせ、何事も口論しませんでした」と語ります。彼女の献身と忍耐のおかげで、舅は寝たきりの状態から回復し、歩いたり自転車に乗ったりできるようになりました。

　最初、美秀さんの夫は、彼女が法輪大法を修めることに常に強く反対していました。彼女が法輪大法について人々に伝えたり、活動に参加したりするために外出するたびに、夫は彼女を罵倒し、癇癪を起こし、止めようとしました。彼女は、このようなことがあっても動揺しないことを学びました。夫が罵倒しても、彼女は冷静さを保ち、動揺しませんでした。美秀さんはこう言いました。「法輪大法を修める者は、真・善・忍を修めなければなりません。私は夫を恨んでいません」

　美秀さんの夫は徐々に変わり、妻を支えるようになりました。「時には私が頼まなくても、率先して準備を手伝ってくれたり、早く帰るように言ってくれたり、妻は法輪大法を修煉し始めてから何年も怒っていないと周りの人に話してくれたりもします」と彼女は言います。

　美秀さんは人生を振り返り、心からこう言いました。「師父には本当に感謝しています。時々思い出すと、今でも涙がこぼれます。だからこそ、しっかり修煉して、師父と共に故郷に帰らなければなりません」

　美秀さんの運命は、『轉法輪』を開き、修煉を決意した瞬間から一変し、真の自己への回帰の道を歩み始めました。この道は、大法を信じ、善行を目指すすべての人にとって、慈悲深く明るい道です。