文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年8月22日】ある日、私は同修Aさんと、真相を伝えている最中に知り合いました。私は現在62歳、Aさんは70歳です。普段はいつも1人で街に出て真相を伝えていましたが、恐怖心が強く、なかなか良い効果が出ませんでした。それでも毎日外に出るようにしていたところ、師父が私の「人を救いたい」という心を見て、Aさんを引き合わせてくださったのだと思います。

　Aさんと出会ったとき、私は心から嬉しく思いました。しばらく一緒に行動するうちに、Aさんがしっかりと修めており、何事においても法を師として厳しく自分を律している姿に感銘を受けました。

　私たちは基本的に、毎朝7時半に家を出て、9時半過ぎには帰りのバスに乗ります。天気が良い午後には、土曜や日曜に広場やスーパー、服飾市場などへも真相を伝えに行きます。風の日も雨の日も休むことはありません。基本的にはAさんが話をして、私は記録を取る役ですが、人が多い時には私も積極的に話すようにしています。

　この過程で、私は多くの人心や執著を取り除くことができました。たとえば、知り合いに出くわした時、最初は真相を話すと一応聞いてはくれるものの、次に会うと避けられるような態度を取られ、それがとても気になっていました。毎日同じ場所を回っている自分の姿を、常人がどう見ているのかという意識が芽生え、変な目で見られている気がして、心が揺れ動きました。ある日、夫の友人とよく顔を合わせる場所があり、彼に後をつけられたこともありました。そのとき私は、「これは自分の人心が引き寄せたのだ」と思いました。また、ある比較的親しい知人は、毎日孫の送り迎えをしていて、私が毎日バスに乗る姿を見かけては「あなた、毎日どこに行ってるの？」とよく尋ねてきました。私は曖昧に答えてやり過ごしていましたが、それも常人の心から出た対応だったと気づきました。「違う、これはおかしい。私は宇宙で最も正しいことをしているのに、なぜ隠す必要があるのか？」と思いました。師父はこのように説かれました。「真相を伝え、衆生を救い、これはすなわちあなたが行うべきことです。これ以外に、あなたが行うべきことはなく、この世界であなたが行うべきことはありません」（『各地での説法十三』「二〇一五年ニューヨーク法会での説法」より）この法を学んだとき、心の中が一気に晴れ渡りました。「もう何も怖くない！」と。そこで私は発正念の回数を増やし、自分の真相伝えを妨害するすべての邪悪な生命、黒い手、腐敗した霊体、共産邪霊を徹底的に解体し、完全に消滅させるよう念を送りました。「滅！滅！滅！」と。その後、知人と会っても自然に振舞えるようになりました。そして最近、バスの中で師父のご加護のもと、ついに衆生の生命を救うことができました。恩師に心から感謝いたします！

　私はAさんとの間で、心性を高める過程で何度も試練を乗り越えてきました。というのも、Aさんは現在も迫害を受けている立場にあり、私が彼女と接触を始めた当初、ある同修たちから、「Aさんとは関わらない方がいい。彼女は目立つ存在で、非常にリスクが高くて危険よ」と言われていました。中には、私が学法グループに行くことさえ止めようとする人もいて、「巻き込まれたら困る」と言うのです。家庭内でも問題が起きました。娘は泣きながら父親に電話をかけて、「お母さんが毎日どこかに出歩いてるけど、何かあったらどうするの？　孫の進学にも影響する」と心配していました。夫も帰宅してから私と口論になったり、さまざまなプレッシャーがまるで山のように私の肩にのしかかってきたのです。そこで私は、自分をもう一度見つめ直し、内に向かって探しました。そしてついに気づきました。これはすべて恐怖心、自分を守りたいという心、傷つくことへの恐れだったのです。私は何を怖がっていたのでしょう？　Aさんは毎日、私心なく衆生のために外に出て真相を伝えているのです。これこそが師父が望まれていることではないでしょうか。ならば、私に何を恐れる理由があるのでしょう？　そう考えてからは、私は発正念の回数を増やし、自分の空間場を清め、旧勢力による妨害、真相を伝え衆生を救うことを妨げるすべての邪悪な生命と要素を一掃するようにしました。師父と神々にご加持をお願いし、「一層一層滅し尽くし、徹底的に解体する」と強く念を送りました。するとしばらくして、状況は徐々に落ち着いていきました。

　Aさんと一緒に真相を伝える中でも、師父はさまざまな機会を通じて私の人心を露わにしてくださいました。ある日、資料を作っている同修Bさんが「プリンターが壊れたから新しいのを買って家に置いておいてほしい」と言ってきました。事前に鍵を預かっていたので、私が1人でプリンターを運ぶことになりました。Aさんから聞いた話で「同修Cさんの家とBさんの家は隣同士」と勘違いした私は、そのまま機械を抱えてCさんの家の向かいのドアを開けようとしました。すると中から知らない人が出てきて、「何をしているんですか？」と問われ、「すみません、部屋を間違えました」と謝りました。その建物は7階建てのエレベーターのないマンションで、私は「最上階かも」と思いながらまた機械を抱えて階段を上がりました。ところが、そこでも違っていて、さらに階段を下りてCさんの家を訪ねて、やっと場所を教えてもらいました。「向かいの建物の最上階ですよ」と言われ、私は再び別の棟に移動して階段を上がり、やっとプリンターを設置できました。その時点で私は汗だくでした。「どうして最初からちゃんと教えてくれなかったの？　　人をこんなに苦労させて、無責任すぎる！」と怒りが込み上げてきました。下に降りたとき、私の顔を見て同修たちが「どうしたの？」と聞いてきました。私は我慢できず、「あなた、本当に無責任だよ！　ちゃんと言ってくれればいいのに、隣同士ってだけで、私は大変だったんだから！」と次々に不満をぶつけてしまいました。心の中は恨み、不満、理不尽さでいっぱいでした。「ああ、私は一体何をしているのだろう。これはまさに怨恨心、不平不満の心ではないか。こんな状態で私は修煉者と言えるのか？」と、内に向けて自分を探しました。この関はまたもや乗り越えられなかったのです。

　その後、私はAさんと話し合い、「これからはどちらかに人心が現れたら、見た方が必ず指摘し合い、互いに法をもって師とし、一緒に向上していこう」と約束を交わしました。

　真相を伝える過程でも、多くの印象深い出来事がありました。ある日、Aさんと数人の同修たちが午後に広場で真相を伝えていた時のことです。その日は人出が多く、Aさんは前に立って真相を話し、後ろにいた同修が突然、「警察が来た！」と叫びました。すぐにAさんの両側にそれぞれ1人ずつ警官がやって来て、1人が「子どもに何を話していたんだ？」と尋ねました。Aさんはまったく恐れる様子もなく、「彼は私の友人の子で、安全に気をつけるように話していただけです」と落ち着いて答えました。警官はAさんに「財布を開けて」と言いましたが、中には何も見つからず、「すぐに帰りなさい」と言われて無事に解放されました。実は、そのバッグには広告紙で包んだUSBメモリや師父の新経文が入っていたのですが、師父のご加護のおかげで無事でした。

　また別の日、悪意ある者がAさんの証拠を押さえようとし、突然電話で「今から行く」と知らせてきました。Aさんは急いで家に戻り、師父の写真や大法の資料をすべて片付けました。しかし、うっかりして毎日使っているリュックをベッドの横に置いたままでした。そこにはUSBメモリや新経文も入っていたのです。やがて警察官が4、5人来て、「大法の物が見つかればすぐに拘留する」と言って家中をくまなく調べましたが、どういうわけか、リュックには一切手を触れず、まるで見えなかったかのようでした。警官たちが去ったあと、Aさんは師父に深々と頭を下げて感謝の意を捧げました。

　ある日の朝、私がバスに乗るために外出したときのことです。バス停に2人の女性が立っているのを見かけたので、歩きながら発正念しました。そこへタクシーが1台やって来て、私は心の中で「この車に乗らないで」と念を送りました。するとそのタクシーは2人の前で停まりましたが、料金が1人5元と聞いた1人が「乗らない」と答えたようで、そのままタクシーは去っていきました。どうやらその2人は親子のようです。そのとき、私は彼女たちの前まで歩いて行き、2人に向かってにこやかに「バスを待っているの？」と声をかけました。ところが、娘のほうは無反応で、私は一瞬「無視された……今、真相を話すべきだろうか？」とためらいました。しかし、「師父がご縁のある人を私の前に導いてくださったのに、なぜ話さないのか」と思い直し、師父に「お母さんが近づいて来てもらえますように」と願いました。すると本当に母親が私の方に近づいてきました。私はすぐに母親に真相を話し、続いて娘さんにも伝えました。最終的に、親子ともに邪党組織からの脱退に同意してくれました。私は「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい。この言葉を覚えていれば、大難の時にも命が守られますよ」と伝えると、2人ともうなずいて同意してくれました。ちょうどそのとき、またタクシーが1台来て、またしても1人5元の料金でしたが、彼女たちはそれに乗って去って行きました。そして直後に私の乗るバスもやってきました。すべては師父の巧妙なご配慮によってなされたのだと私は深く実感しました。「修は己にありて、功は師にあり」（『轉法輪』より）。師父のご恩に心から感謝いたします！

　結び

　これまでの修煉の年月を平穏に歩んでこられたのは、師父の慈悲深いご加護があったからに他なりません。残された時間は多くありませんが、私は同修たちと共に一層精進し、「三つのこと」をしっかり行い、圓満成就して師父とともに天に返りたいと思います。