文／海外の大法弟子

　【明慧日本2025年8月23日】私はモンゴル出身です。今から20年以上前（2002～2003年）、モンゴルにいた頃、中国人の叔母から法輪功のことを聞きましたが、そのときは特に気に留めませんでした。

　2005年の春に大学を卒業し、その年の秋に中国へ留学しました。中国に到着すると、叔母が温かく迎えてくれ、中国語学院への入学手続きを手伝ってくれました。

　私はほとんど毎週末、叔母の家を訪ねていました。訪れるたびに叔母は、自分の信仰について語ってくれましたが、当時の私はやはり深く受け止めることができませんでした。2006年1月、冬休みに入った頃、私は特にやることもなく過ごしていました。そんなとき、叔母が「『轉法輪』をモンゴル語に翻訳してみない？」と提案してくれました。私は迷うことなく引き受け、そこから一緒に翻訳作業が始まりました。

　しかし、その作業は私にとって非常に困難でした。頭の中は真っ白で、「神」や「宗教」、「気功」、「修煉」、「宇宙」……さらには「科学」といった概念すら、まったく理解できませんでした。こうした知識の欠如は、私が学校に興味を持てず、本を読むことも嫌いで、常に勉強を避けてきたことに起因しています。私はもともと読書が好きではなく、正直なところ、基礎的な知識以外はほとんど何も知りませんでした。ただ一つ、語学だけは好きでした。ロシア語、英語、トルコ語、ドイツ語——これらの教科では成績もよく、自信もありましたが、それ以外の分野にはまったく関心がありませんでした。

　翻訳の過程で、叔母は一つ一つ丁寧に説明してくれました。少しずつ私は内容を理解し始め、次第に意味が分かるようになっていきました。

　最終的に、私たちは『轉法輪』と『大圓滿法』、『轉法輪（巻二）』の三冊をモンゴル語に翻訳することができました。

　その後、2008年の年末に中国を離れ、私は結婚しました。たしかに『轉法輪』を翻訳したとはいえ、当時の私はまだ、その本質的な意味を深く理解できていたわけではありません。私の理解は、「良い人になる」という基本的な理念にとどまっていました。

　叔母がモンゴルに来るたびに、私は法輪大法のことを思い出しましたが、彼女が帰ると、また忘れてしまうという繰り返しでした。

　2019年、私の心の奥底には、言葉にできない「何かを求める想い」が満ちていました。それが何なのか、自分でもよく分かりませんでした。私は幸せな家庭を持ち、いわゆる普通の人が望むようなものはすべて手にしていたはずです。それでも、何かが足りないと感じていたのです。心の空虚を埋める「何か」が必要でした。

　ある日突然、『轉法輪』をどうしても読みたいという強い衝動に駆られ、読み始めました。読み進めるうちに、私の心は言葉では言い表せないほどの喜びに包まれました。そしてそのとき、「修煉しよう」と心に決めたのです。

　最初は、どのように修煉を始めればよいのか分かりませんでしたが、その時点で、すでに私の中には「法を広めたい」という強い願いが芽生えていました。そこで私は、ウランバートルに50平方メートルのオフィスを借り、フェイスブックで定期的に投稿を始めました。ほぼ毎月更新を重ねる中で、多くの人々が法輪大法に関心を持つようになりました。多くの人はしばらく修煉してやめてしまいましたが、法理を真に理解した人たちは残り、今も修煉を続けています。

　私自身、修煉の道を歩み始めたものの、心身ともに多くの試練に直面しました。当初は、なぜこれほどまでに困難が起こるのか理解できませんでしたが、時が経つにつれて、それらがすべて自分自身の業力――つまり、過去の行為の結果であることに気づきました。それでも私は修煉を続けました。困難を乗り越えるうえで支えとなったのは、やはり「学法」でした。それが、困難に立ち向かうための判断力と力を私に与えてくれたのです。少しずつ、私はこれらの試練を乗り越えられるようになっていきました。この過程で、私は困難の背後にある深い意味を理解し、それでもなおこの道を歩み続けることの大切さに気づくことができました。たとえそれが、どれほど恐ろしく思えたとしても。

　2020年9月から、私は明慧ネットの記事の翻訳を始め、モンゴルの学習者たちと共有するようになりました。このプロセスを通じて、私は修煉の本質を真に理解し、どのように心性を向上させていけばよいのかを学び始めたのです。明慧ネットの記事を読み進めるうちに、自分自身がどんどん成熟していくのを感じ、理解がより深まっていきました。法への理解が深まるほど、自分が法とより一致しているように感じられました。その理解は、まるで絶え間なく広がっていくようであり、師父が想像を超える方法で私の智慧を開いてくださっているのを感じました。私は試練を以前よりも軽やかに乗り越えられるようになり、心の中は喜びと感謝に満たされていきました。

　しかし、時が経つにつれ、初期の経験は単なる「修煉への準備段階」にすぎなかったことに気づきました。本当の試練はそこから始まったのです。最初は、それにどう対処すればよいのか分からず、戸惑うばかりでした。それでも私は努力して心を制御し、穏やかな心を保ち、法を使って問題に対処しようとしました。ありがたいことに、同修や家族との間で生じたトラブルの中でも、師父は常にそばにいて導き、守ってくださいました。そうした体験を通じて、私は「どうすればよりよく自分を修めることができるか」を学んでいきました。私は精進して確実に修煉すること、内に向かって探すこと、そしてさらに深く探ることの大切さを理解するようになりました。

　同時に、私は「真・善・忍」の原則をもとに、自分の思考を量るようになりました。もちろん、私にはまだまだ乗り越えるべき課題が多くありますが、修煉を進めるうちに、理解がどんどん深まっていくのを感じています。

　私には、今もなお数多くの強い執着心があります。顕示心、怨恨心、嫉妬心、人を見下す心など、数えきれないほどの執着が見つかりました。しかし、修煉を始めた当初と比べると、それらの心はタマネギの皮を一枚ずつ剥がしていくように、少しずつ取り除かれていると感じています。この変化は、法の導きがあってこそ実現できたのです。

　たとえば私は、「恨み」の心を克服するために多くの努力を重ねてきました。なぜなら、それは私のあらゆる言動に現れ、人との関係や接し方にまで影響していたからです。しかし、時間をかけて修煉を続ける中で、その恨みの心は大きく薄れていきました。今では、以前よりもはるかに少なくなり、仮にそれが現れたとしても、よりはっきりと自覚できるようになり、冷静に対処できるようになったのです。

　師父が『轉法輪』の中で、韓信が屈辱に耐えた物語について、このように語られました。

　「これは韓信が絶大な忍の心をもっていることを物語っており、普通の常人とは違っていたからこそ、こんな大きなことができたわけです。意地を張る、というのは常人のいう言葉で、この意地で生きていくというのは、皆さん考えてごらんなさい、実に大変ではありませんか？　辛いことではありませんか？　そうする価値がありますか？　韓信はなんといっても常人であるのに対して、われわれは修煉者で、われわれは彼よりもずっと上です。われわれの目標は、常人を超える次元に達し、さらに高い次元に向かって邁進することです」（『轉法輪』）

　韓信には、面子にこだわる心も、頑固さも、勝ち気な性格もなく、尊敬に値する多くの素養が備わっていました。まさに、こうした特質こそが彼に大きなことを成し遂げさせたのです。私たち修煉者には、大法という確固たる指針があり、「真・善・忍」の原則に則って歩んでいけば、自らの修煉の使命を円満に成し遂げることができるのです。そうすれば、師父にさらなるご負担をおかけすることもありません。法を正すことは、最終的には必ず完成されることですが、私たち自身の執着や不精進が、その進展を逆に妨げてしまっているのです。

　師父、ありがとうございます！

　同修の皆さん、ありがとうございます！

　（2025年米国サンフランシスコ法輪大法修煉心得交流会発表原稿）