　【明慧日本2025年8月24日】山東省泰安市の法輪功学習者・馬俊亭さんは山東科技大学の元高級エンジニアである。2019年6月に中国共産党当局（以下、中共）の裁判所により刑務所外の執行で懲役3年の判決が言い渡された。しかし、2025年、泰安市公安、検察、裁判所は既に執行完了とされていた「刑務所外の執行」を無効とした。警官は6月5日に既に自力生活が困難になった馬さんを強制的に済南女子刑務所に送った。それから、わずか2カ月後に馬さんは昏睡状態に陥り、8月7日に死亡した。享年86

　泰安市泰城雲谷小区在住の馬さんは、山東科技大学を定年退職した高級エンジニアだった。法輪功を学び続けているため、何度も洗脳班に入れられた。2020年12月24日、山東科技大学側は馬さんの退職金と年金給付を剥奪し、生活に困難を強いた。そのうえ、警官は頻繁に馬さんの自宅を訪問して嫌がらせを行い、馬さんの夫はそのショックで死亡した。

　2018年6月7日午前10時、泰安市肥城市公安局の警官4人が馬さんの自宅に押し入り、家宅捜索を行い、午後4時まで続いた。警官は馬さんの自宅にあった法輪功の関連書籍、資料などを押収し、ドアに貼り付けた法輪功の文言も外した。警官らは最後に、馬さんにいわゆる「保釈」の書類にサインを強要したが、馬さんに拒否されたため、馬さんの家族にサインを求めてから去った。

　2018年12月29日、肥城市検察院は馬さん、鹿克芹さんを含む法輪功学習者6人を起訴した。2019年6月13日、肥城市裁判所は馬さんに懲役3年、執行猶予4年、罰金4万元（約83万円）を宣告した。

　2020年11月6日と9日、馬さんは法輪功の真実が書かれたカレンダーや小冊子を配布したとして、泰安市泰山区公安支局の国内安全保衛部門と「610弁公室」の警官に家宅捜索をされた。その後、警官は馬さんの案件を泰山区検察院に渡した。泰山区検察院は2021年7月22日、馬さんを泰山区裁判所に起訴した。

　2021年8月6日午前9時、泰山区裁判所は馬さんに対する裁判を行い、9月2日に判決を下した。これにより、肥城市裁判所が2019年に馬さんに科した執行猶予を取り消し、元の懲役3年の刑期と合わせて懲役4年の刑を科し、刑務所外の執行となった。それに、3万元（約62万円）の罰金を科した。刑期は2022年6月に終了となった。

　しかし、2025年、泰安市公安、検察、裁判所は突然「刑務所外での執行」を撤回することを宣言した。馬さんが受けた刑は既に終了していたにもかかわらず、警官は何度も馬さんを強制的に刑務所に入れようとした。

　馬さんは高齢で、移動には車椅子を必要とし、尿失禁の症状のため毎日大量のオムツを交換する必要があった。自宅では手伝いさんに頼って生活しており、入院したりしていた。しかし、警官は高齢の馬さんを6月5日に強制的に済南女子刑務所に入れた。

　済南女子刑務所で、自分で身の回りのことができなかった馬さんは入浴や洗濯ができず、しゃがむことができないため、トイレに行くことが最も困難だった。刑務所側は、わずか2カ月で迫害により昏睡状態に陥った馬さんを、家族に「治療のための仮釈放」の名目で病院に搬送させ、緊急治療を受けさせた。数日後の8月7日、馬さんは無念な思いを晴らせないままこの世を去った。

　法輪功学習者（以下、学習者）は「真・善・忍」の基準に従って自分を律し、家庭や社会に有益をもたらす存在で、合法的で称賛されるべきもので、逮捕や起訴、裁判の対象となるべきではない。自立生活ができない高齢の学習者を刑務所に送り、迫害する行為は、人類として残虐な行為で、公然と殺人を行うことである。

　馬さんは泰安市公安、検察、刑務所によって虐殺された。上層部の誰かの命令で実行したにせよ、具体的な実行者は殺人犯である。馬さんの虐殺に直接関与した機関は、泰安市肥城市公安局と検察院、泰安市泰山区公安支局と検察院、裁判所、山東省済南女子刑務所である。

　泰安市の高齢の学習者・韓月華さん（84）と鹿克芹さん（78）は、2019年6月に肥城市裁判所によりそれぞれ懲役3年6カ月の判決を言い渡され、刑務所外での執行だった。しかし、刑期を終えた後、現地の公安、検察、裁判所は突然「刑務所外での執行」を無効とし、現地の警官は2025年2月に韓月華さんと鹿克芹さんの2人の高齢者を山東省女子刑務所に送ったという。