文／オーストリアの大法弟子

　【明慧日本2025年8月25日】日々の忙しさの中で、私たちはしばしば、人と人との縁は単なる偶然な出会いに過ぎないと思いがちです。しかし、誠実さと善意が集まると、たった一つの心の変化が、無数の心を覚醒させることができます。この物語は、私がよく知る職場で起きました。そこには笑い声があり、不満もあり、そして静かに善念をまく人たちもいました。

　4年前、仕事の異動により、私は以前の職場を離れました。今再び戻ることになり、昔の同僚たちが温かい笑顔で迎えてくれたことに、久しぶりのぬくもりを感じました。心の中で私は分かっていました。この友情は偶然ではなく、皆が私のこれまでの仕事を評価してくれているからだと。私は常に大法の『真・善・忍』の原則に従って、人として振る舞い、仕事に勤めていました。

　慣れ親しんだ環境に戻り、私はふと考えました。今回の再会は、私の修煉にどのような意味を持つのだろうか、と。するとすぐに、その答えは日常生活の中に現れました。

　一、Beantさんの奇跡

　ある日の午後の勤務中、私は若いインド人介護職のBeantさんが、途方に暮れた様子でこう愚痴るのを聞きました。「もう本当に続けられないわ。腰や背中がひどく痛くて、夜は全く眠れないの」。同僚たちは次々に「お医者さんに診てもらったら？」、「理学療法を受けたら？」と勧めましたが、彼女は首を横に振りながら言いました。「もう無理よ。考えられる方法は全部試したんだから」

　人の波が引くのを待って、私はそっと彼女に言いました。「法輪大法を修煉してみませんか？」その後、私は大法の真相と自分自身の修煉体験を簡単に紹介しました。すると、意外にも彼女はほとんど迷うことなく答えました。「信じます。あなたは若くて元気そうに見えます。あなたが来る前に、他の人からあなたはとても良い人だと聞いていました」

　火曜日の午後、彼女は姪を連れてコミュニティの煉功点にやって来ました。動きは、ぎこちなかったものの、五式の功法を最後まで学ぶことができました。終わった後、彼女はこう言いました。「二式目の抱輪の動作をするとき、肩がとてもだるかったです」

　翌日、職場で彼女に会うと、彼女は興奮気味に私に話しました。「昨日家に帰ってから、肩や腰背部痛（ようはいぶつう）が全部なくなって、夜はぐっすり眠れました」。その日、彼女の肌は滑らかで透き通るように輝き、同僚たちは「化粧品を変えたのか」と思ったほどでした。

　話している最中、もう一人の看護師・Rimmyさんが通りかかり、Beantさんの変化に惹き付けられました。話を聞いた後、Rimmyさんは自分も腰や背中が痛いことを話し、功法を学びたいと言いました。翌週、彼女も煉功点にやって来ました。Beantさんはさらにもう一人の姪と兄も連れてきました。煉功の後、皆は「とても気持ちが良い」と話し、Rimmyさんの腰背部痛も消えていました。

　二、Ritaさんの心の揺さぶり

　ある日の午後、勤務終了間近の時間、Beantさんと数人の同僚が早番のある従業員について議論し、彼女の怠惰さやずるさを不満げに話していました。ネパール出身のRitaさんだけは静かに隅に座り、口を挟むことはありませんでした。

　皆が散った後、私はBeantさんの前に行き、尋ねました。「まだ法を学び始めていないの？」彼女は少し恥ずかしそうに認めました。「はい、最近忙しくて」。そして好奇心から聞きました。「どうして分かったの？」私は答えました。「大法の原則は『真・善・忍』です。修煉者は生活の中でこの基準に従って人や物事に接します。他人を陰で批判することは、自分にも他人にも良くありません。もしあなたが法を学べば、どう行動すべきかが自然に分かるようになります」。彼女はそれを聞くと、黙ったまま去って行きました。

　Ritaさんがその場にいたため、私は彼女を避けませんでした。Beantさんが去った後、Ritaさんは一人で私のオフィスにやって来て、小声で言いました。「少しお話ししてもいいですか？」私は笑顔で答えました。「もちろんです。私は人と交流し、分かち合うのが好きです」

　彼女は、自分が悲惨な子ども時代を過ごし、今では両親も他界していることを話してくれました。しかし、どんなに生活が困難でも、彼女は常に良い人であろうと努めてきたそうです。私は彼女に大法の真相と自分の修煉体験を紹介しました。彼女は驚いて言いました。「あなたが話すと、とても強いエネルギーを感じます。見てください、鳥肌が立ちました」。彼女が火曜日に煉功に来られないと言ったため、私はまず法の学習から始めるよう勧めました。

　三、思いがけない喜び

　私はもともと、私の注意がBeantさんに反発心を生むのではないかと心配していました。しかし、退勤前に彼女は自ら私のもとに来て「あなたはまるで子どもに厳しく接する母親のようで、関心と愛を感じました」と言ってくれました。

　週末、私はRitaさんに電話をかけ、法を学ぶときに好きな章だけ選ばないよう注意しようと思いました。彼女が「忙しい」と言ったので、私はまだ時期が成熟していないのかもしれないと考えました。しかし、月曜日に彼女に会ったとき、私は驚きました。彼女の顔色は、Beantさんが最初に変化したときとまったく同じで輝きに満ち、肌は滑らかでした。私は心の中で理解しました。彼女はきっと修煉を始めたのだと。

　案の定、彼女は興奮気味に私に話してくれました。私たちが会話した後、彼女はすぐにウェブサイトで『轉法輪』を読み始めたのだそうです。土曜日に私が電話をかけたとき、彼女は友人との集まりのためにプレゼントを買っていました。彼女によると、翌日の集まりで、友人たちも彼女の変化に気づいたとのことです。わずか数段落を読んだだけで、彼女の心は平静で穏やかになったそうです。

　私は彼女を励まし、週末に集団学法に参加するよう勧め、学法前に正念を発する際には『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』と心で唱えるよう伝えました。その日、学法を終えた後、彼女は「正念を発するとき、巨大なエネルギーを感じました。第二講を学ぶとき、天目のあたりに肉が集まるような感覚がありました」と話しました。学法後、彼女の心性は高まり、夫との関係もより円満になり、夫も彼女をとても支持するようになりました。今年、Ritaさんのビザ申請は却下されましたが、彼女は落ち着いてこう言いました。「私はすでに法を得たので、すべては自然に任せます」

　四、善念が集まり、福が四方に広がる

　RitaさんとBeantさんの変化は、ますます多くの同僚の目に映りました。次第に、同僚やその家族、友人たちも法を学び、煉功に参加するようになりました。腰や背中の痛みが治った人、高血圧や高血糖が緩和された人もいました。わずかの期間で、すでに4、50人が参加しています。最後には、職場の上司まで自ら、職場内に煉功点を設置することを提案してくれました。

　私は深く理解しています。これらすべては私個人の力によるものではなく、大法の慈悲と威力が衆生を救ってくださっているのだと。善念でまかれた種は、必ず適切な時期に根を下ろし、芽を出し、花を咲かせ、実を結ぶのです。師父のご按排と加持のもと、このすべての奇跡を目の当たりにできた私は、大法の慈悲と威厳を深く実感しました。

　この経験を振り返り、私は二つのことを深く体験しました。

　一つ目、真相の力は大法そのものに由来するということです。4年前、私は人々に真相を伝える機会を逃さず、必死に話して口が渇くほどでしたが、相手はなかなか心を動かされたり受け入れたりしませんでした。しかし今は、ただ誠心誠意で『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』と一言伝えるだけで、人々は次々に集まり、修煉を始めようとします。私は深く実感しました。真相を伝えることは、話術やテクニックにあるのではなく、その背後にある大法の威力にかかっているのだと。

　二つ目、修煉する真心こそがすべての鍵であるということです。法を先に学ぶか、煉功を先に始めるかに関わらず、真に修煉する心を持つ限り、大法の不思議の力は必ず現れます。中には、煉功を始めたばかりで動作が正確でなかったり、調和性に欠ける人もいますが、それでも彼らが恩恵を受けることを妨げることは全くありません。大法の威力は人の表面的な条件を超えており、修煉しようとする意志さえあれば、変化を得ることができるのです。