文／台湾の大法弟子

　【明慧日本2025年8月26日】中国共産党（以下、中共）は、台湾の人々が政治的な議論に参加せず、自国の将来に対する発言権を放棄するよう公に呼びかけています。台湾における対立する二つの勢力の攻防では、一方が「反共産党・台湾防衛」を主張するのに対し、もう一方は論点を曖昧にし中共という議題に触れることを避けています。メディアの報道によれば、現在までのところ、大規模なリコール運動（訳注：選挙で選ばれた特定の議員をその任期が終わる前に投票によって解任しようとする政治活動）に関心を持って参加しているのは台湾の全人口のわずか5%に過ぎません。しかし、大規模なリコール運動はさておき、中共に関する真相を知る機会を必要としているのは少数の台湾人ではなく、台湾のすべての人々です。

　台湾では多くの人々が依然として中共に対する認識を全く持っておらず、台湾の多くの人々は非現実的な幻想を抱いています。中には自分さえ快適に暮らせればそれで良い、と考える者もいます。事実の真相はいかなるものでしょうか？　中共が中国を盗み取って以降の中国の人々の境遇と、中国の人々の真の現状を直視するならば誰もが自ずと理解できるはずです！　しかし、真相を受け入れるか否かはあくまで一人一人の選択の自由であり、真相を受け入れることを強要することはできません。人は皆、自らが選択した結果に対して責任を負うのであり、誰もあなたに代わって選択の結果責任を負ってあげることはできません。

　中国へ投資し中共の手中に落ちてひどい目に遭わされた台湾のビジネスマンたちは台湾へ戻っても自身の身に起きた体験を家族や台湾社会に語ろうとはせず、他の台湾の同胞たちが中国へ渡って同じ過ちを繰り返すのをあえて阻止しようとはしません。しかし、今こそ立ち上がって声を上げる時が来たのではないでしょうか？　個人的な痛ましい体験や進むべきではなかった失敗の経験も、もしそれが台湾全体があなたがかつて歩んだ道を再び歩むことを避けられるのであれば、あるいはまだ価値があると言えるかもしれません。結局のところ、個人が中国で生きていけなくなったとしてもまだ台湾へ退くことができます。しかし、もし台湾そのものが中共の辺鄙な一地方に成り下がってしまったら、台湾の人々の退路は一体どこにあるというのでしょうか？

　私たちが長年にわたり真相を伝えるうえで重点を置いてきたのは、一つには「真・善・忍」に従って修煉することで道徳が向上し幸福が得られるというという法輪功の素晴らしさを伝えることです。そしてもう一つは、中共のあらゆる嘘と悪行を白日の下に晒すことです。

　以前、中共の嘘と悪行について伝えた時、事態がまだ差し迫ったものではなかったため、多くの人々は中共の悪行を唾棄すべきものと見なしてはいたものの、それほど大きな心の動揺はありませんでした。今日、台湾に対する中共の脅威という議題がこれほど広範囲に、そして天を揺るがすほどの勢いで台湾社会に出現したことは、まさしく私たちが力強く真相を伝えるための絶好の機会でもあるのです！

　しかし、私たちの心態は法に則っており慈悲に満ちたものでなければなりません。

　私たちは法に則って人を救うにあたって、党派を区別してはならず両党のいずれの人々も救わなければならない、ということを知っています。ですから私たちは、親中派の人々を中共に惑わされただ一時的に道を見失っているに過ぎない一つの家族、と見なすべきです。まずは親中派の人々を問い詰めるのではなく、ただ、中共が歴史上から今日に至るまで行ってきた、人間性をことごとく抹殺するような狂気に満ちた数々の事例を大量に挙げていくべきです。例えば、以下のようなものです。

　歴史上、中共が引き起こしてきた数多くの残酷な闘争運動です。そして、中国国内における自国民に対する様々な残酷な鎮圧と迫害です。闘争の中でいかにして自らの忠実な党員の評判を貶め心身を破壊し、死に至らしめたか。いかにして目的を達すれば用済みとばかりに寝返ってきた人々を凌辱し、死に至らしめたか。そして現在、世界各地で国外へ試合や公演に向かう私たちのチームに対して行われているありとあらゆる形の圧力、等々です。また、現在の台湾社会の状況を好機ととらえ、現在台湾各地で巡回上映されているドキュメンタリー映画『国家の臓器』の情報を人々に伝え、海外の人権専門家（訳注：人権問題について高度な法律的・専門的な知識を持つ人）が「この地球上でいまだかつてない邪悪」と評した、中共による人間性を喪失した悪行を暴露することもできます。

　具体的な事例を大量に白日の下に晒し、親中派の人々に自らの目で見て、そして「もし中国共産党が本当にやって来たならば、私たち家族全員がいかに耐え難い悲惨な状況に直面する可能性があるのか？　さらに、その災いが子々孫々にまで及ぶのではないか？」と考えてもらうのです。

　重点は中共の暴露に置くべきです。中共の邪悪な本質を暴くことと法を広めることはそれぞれ異なる二つの重点です。正念は強く、提示する事実は明快で分かりやすくあるべきですが、必ずしも全てを網羅する必要はありません。親中派の人々に対しどちらが正しくどちらが善であるのかを問い、自らの選択を下すための機会をもう一度与えるのです。私たちは慈悲の心をもって人々に接し、できる限り多くの人々を救い済度し「師が法を正されるのをお手伝いし、衆生を救い済度する」という大法弟子としての使命を決して裏切ってはなりません。

　俗に「勝敗は兵家の常（訳注：戦いにおいて勝つこともあれば負けることもある。だから、一度の負けでくよくよするな）」と言われます。また、「首を斬られても、所詮は碗ほどの大きさの傷跡が残るだけのこと。20年後には、また一人の好漢として生まれ変わっているだろう」とも言われます。この世で命を落としても来世で再びこの世に輪廻転生し、好漢として生きることはできるかもしれません。しかしながら今回は、もし多くの人々が真相を知らぬまま死に至ったならば、おそらく次の世というものはもはや存在しないでしょう。ですから私たちは時機を逃さず真相を伝えなければなりません！

　どの党派に属する人々であれ、みな救われるべき人々です。法を正す時期が終わらない限り、私たちは努力を続け決して諦めてはなりません。大法弟子が真相を伝える時の精神は世の人々にも反映されるでしょう。ある人々は真相を理解した後、中共に共に憤り、決死の覚悟で最後まで戦い抜くという意志を固めるかもしれません。真相を理解した人々は中共の実態を理解した後、自分自身と自らの子孫のために正しい行動を選択するでしょう。

　私たちが中共の実態を暴露する時も、発言の中で親台湾派に注意を促す必要があります。もし親中派が以前の偏った要求を修正・調整する意思があるならば、親中派も家族として扱うべきです。親中派の変化を寛容に受け入れることで初めて双方にとって有益な状況が生まれます。その後でこそ、与野党が心を一つにして協力し、台湾をより美しくより繁栄し、より輝かしく、より偉大にするための良い法案を制定することができます。理想的な国内状況が実現すれば、世界の人々もより一層、台湾の人々と共に「民主主義」「自由」にとってかけがえのない理想的な宝である台湾を守っていきたいと思うようになるでしょう。

　以上は私個人のわずかな体験です。至らない点につきましては皆さんにご指摘いただければ幸いです。