文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年8月26日】私は中国の法輪功修煉者であり、台湾の大規模リコール（訳注：選挙で選ばれた特定の議員をその任期が終わる前に投票によって解任しようとする政治活動）に関する具体的な状況について詳しい知識はありません。インターネット上で大規模リコールに関する同修の交流文章を拝見し、私も台湾の同修の皆さんへ、自身のちょっとした考えを述べたいと思います。

　台湾は小さな土地でありながら中国共産党（以下、中共）による公然たる謀略と陰険なたくらみの双方に直面し、各方面において実はすでに中共の浸透が極めて深刻な状態にあります。台湾が今日まで安穏としていられるのは実に師父の慈悲深いご加護のおかげであり、感謝すべきなのです。

　師父は「台湾が中共邪党に統一されるかどうか、皆さんはこのことに最も関心があるでしょう？　皆さんに教えますが、この福を中共邪党に与えませんでした」（『各地での説法十五』「二〇一九年ニューヨーク法会での説法」）と説かれました。

　しかし、神のご加護があるからといって台湾の人々は安心して枕を高くして眠れるのでしょうか？　私はそうではないと考えます。一人の人間と同じように天がみなさんを守り福を与えてくださる前提として、みなさんは善良な人間、そして是非を明確にわきまえる人間でなければなりません。今回の大規模リコールに現れているのは政党間の争いではなく、人心です。神は台湾の人々に対し、中共にどう向き合うか、という選択肢を与えられました。それはまた、台湾の人々自身の立ち位置を定め自らの未来を選択する機会でもあるのです。例を挙げましょう。ある立法委員（訳注：国会議員に相当）は自分の選挙区で地域住民にいくらかの利益をもたらし当選したとします。しかし同時に、立法院（訳註：国会に相当）では台湾を中共に売り渡すようなことをしている。その時、地域の住民はどう選択するのでしょうか？　目先の利益を重視してその人物を支持するのか？　それとも大義を選んでその人物をリコールするのか？　これこそが台湾の人心に対する試練なのです。

　一部の中共の意向を受けた立法委員に対し、私たちはもちろん慈悲の心を抱くべきです。しかし、中共の意向を受けた立法委員が籍を置く立法院の権力は非常に重要であり、台湾の安危に影響を及ぼします。大法弟子が一人の普通の有権者として中共の意向を受けた立法委員のリコールに同意することは慈悲の心がないということにはなりませんし、彼らがリコールによって立法委員ではなくなったとしても、救い済度されることに影響はありません。むしろ反対に、もし中共の意向を受けた立法委員がなおもその地位に留まり、台湾を中共に明け渡すようなことをしでかせば、その時こそ、彼らの行く末は悲惨なものとなるのです。

　師父は『目覚めなさい』の中で「比較的に深刻な問題は、一部の人はいつも政府要人に対して個人攻撃しています。我々は衆生を救い済度しに来たのであって、敵を作るために来たのではありません。いくら悪い人（死亡した中共の魔の首魁・江を除いて）に対しても個人攻撃をしてはならず、アメリカの共和党と民主党の要人に対して特に攻撃してはいけません。人間は皆、法のためにやって来ており、救われ済度されるのを待っています。個人へ攻撃すれば、憎しみが生じかねません。敵になってしまえば、なかなか解消できず、それならどのように人を救うのですか？　しかも報復を招きかねないのです。この方面の教訓はまだ少ないというのですか？」と説かれました。

　ですから、台湾の大法弟子として政党間の争いに陥ってはならず、個人攻撃を行ってもなりません。私たちがリコールすべきは中共の意向を受けた立法委員であり、特定の政党や個人を標的にしているのではない、ということを明確に理解する必要があります。あなたが今日、中共に接近し台湾の安危を損なうことをしたのなら、私はあなたのリコールに同意します。しかし、あなたが将来態度を改めるなら、私はまたあなたに投票するかもしれません。リコール対象として名前が挙がった立法委員に対し、私たちが運営するメディアはただ客観的に事実を陳述するだけです。事実を前にすれば、その人物が中共の意向を受けた立法委員であるかどうかは人々が自ら判断するでしょう。もし大法弟子の名において個人を直接非難すれば、それは容易に憎しみを引き起こし、人々を大法と対立する側へと追いやることになりかねません。

　今回の出来事を通して、台湾の大法弟子もまた台湾において真相を伝え中共の邪悪さを暴露することの重要性を認識すべきです。もし台湾の人々が皆、中共の邪悪さをはっきりと認識し、中共の邪悪さが台湾に対していかに深刻な浸透と脅威をもたらしているかを理解すれば、中共の意向を受けた複数の立法委員は自ずと人々からの支持を失うでしょう。ですから根本的に言えば、大法弟子こそが真の主役なのです。台湾において世間の人々に中共の本質を急いで理解してもらうということに対して責任感を欠いている同修は、法を正す時期の大法弟子がしっかり行うべきである中共を暴露し真相を伝えるという点においてなおざりにしてはいないでしょうか？　一方で、大規模リコールに執着しすぎている同修もまた、自分は常人社会の表面的な損得に依存しすぎてはいないか、と探してみるすべきです。私たちが考えるべきは、いかにして大法弟子が三つのことをしっかり行い衆生を救い済度するということに心を集中させるか、そして、法の要求に則り人を救うという使命に恥じないように自分が中心的な立場であることを自覚できるか、ということなのです。

　7月の大規模リコールが失敗に終わったことで、私は民主主義と自由には限界があるのだと認識しました。末法の時期においてはすべてが退廃しており、もし否定的なものが優勢になれば、権力を握る人間はたとえ民主的な選挙で選ばれたとしても、必ずしも正しく善良であるとは限りません。そして道徳的な善悪の基準を失った「絶対的な自由」はかえって社会を破壊する有害な邪悪の蔓延を許してしまいます。台湾が真に拠って立つべき根本は中華民族の伝統的な道徳観、価値観を回復することであり、中共の党文化がより多くの台湾の人々を引きずり下ろすのをなすがままにさせておくことではないのです。

　私も台湾の安危を案じたことがあります。しかし、もし師父が最後の終わりの時間を繰り返し先延ばしにし、大法弟子と世人に繰り返し機会をお与えくださらなかったなら、台湾は言うまでもなく、世界全体が今どうなっていたか分かりません。米国が伝統的価値観に立ち返ることは、中共を解体し邪悪を抑止するところにあります。世界の業力はこれほど大きく、天災や人災はますます増える可能性があり、道徳が退廃した生命は相応の報いを受けるでしょう。天は人を選んでいます。大法弟子は人間社会の平和や繁栄を追い求めるのではなく、この期間を十分に活用して自分をしっかり修め真相をしっかり伝えるべきです。そうしてこそ、師父が私たちと衆生のために払ってくださった計り知れないご尽力に報いることができます。

　以上は私個人の考えです。もし妥当でないところがありましたら、慈悲深いご指摘をお願いします。