文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年8月27日】私は1999年に法輪大法の修煉を始めました。ここでは、修煉を通じて心性を高め、大法を実証しながら人々を救う過程での体験を、同修の皆さんと分かち合いたいと思います。

　トラブルの中で自分を修める

　ある日、学法グループでの学法が始まる前に、同修のAさんが綿ズボンを取り出し、「これ小さくて私には合わないから、よければお子さんにどうぞ」と言ってくれました。私は「ありがとう」と受け取りました。すると突然、Bさんが「あなた、なんて欲張りなの？　いくらかも聞かずにそのままもらうなんて」と言いました。その言葉に腹が立ち、私はすぐに「彼女はお金なんて求めていません。くれると言ったんです。私は欲しいとも言っていないし、勝手に取ったわけでもありません。執着があるのは自覚していますが、あなたの言い方は受け入れられません」と反論しました。

　その後の学法中も、気持ちは乱れたままでした。表向きには本を読んでいても、心の中では「あなたが私より偉いわけでもないのに、なぜそんなふうに言うのか」と考え続けていました。憤り、不満、争う気持ち、恨み、人を見下す心など、次々と良くない念が湧いてきて、それを抑えながら学法を終えました。

　家に帰ると少しずつ心が落ち着き、内に向かって自分を探し始めました。「Bさんはなぜあんなことを言ったのか？　私があそこまで怒ったのはなぜか？　修煉者に偶然などないはず。きっと自分に問題があったのだ」と気づき、さまざまな人心が見えてきました。利益への執着、メンツ、人を見下す心、怒り、不満、指摘を受け入れない心、争い、恨みなど、本当に多くの執着心が一度に現れたのです。

　よく思い返すと、私は以前から人から物をもらうことが多く、必要ないものでも断りきれずにもらっていました。これこそ「貪り」の心ではないでしょうか。Bさんはまさにそれを指摘してくれたのです。それなのに私は悟らず、怒って言い返し、学法グループの和やかな雰囲気さえ壊してしまいました。本当に良くありませんでした。

　これからは師父の法に従い、常に自分を律し、どんなときも無条件で内に向かって自分を探し、真に自分を修めていこうと思います。

　試練を乗り越えて

　昨年、私は人生で最も大きな試練の一つを乗り越えました。夫とは30年以上連れ添ってきましたが、夫婦関係に問題が起こるとは思ってもいませんでした。ところがここ2年ほどの間に、夫が複数の女性と頻繁に連絡を取っていることに気づいたのです。最初はこっそりと連絡していたのが、次第に堂々とやり取りするようになり、朝昼晩を問わず一日に何度も電話がかかってきて、ときには、私の前で電話に出ず、すぐに服を着て外出することもありました。

　私は最初、心を動かされないようにしていましたが、夫は次第に、ある女性から送られてきた品物、靴や料理、おかず、漬物、コチュジャンなどを家に持ち込み、それを食卓に並べるようになりました。それを見るたび、胸が締めつけられるような思いがしました。「私は修煉者だ。怒ってはいけない」と何度も自分に言い聞かせ、感情を必死に抑えていました。

　ある日、スーパーで買い物をしていたとき、偶然、夫がその女性と一緒にいるのを見かけました。夫は私に気づいても見向きもせず、まるで他人のように振る舞いました。その瞬間、心がナイフで裂かれるように痛み、「もうこの生活には耐えられない」と思いました。

　家に戻ってから、怒りを抑えながら、できる限り冷静に、誠意を込めて夫に「もしその人の方がいいのなら、私は何も言わないし、引き止めたりもしない。離婚しても構わない」と言いました。娘もその場にいて、父親を責めるように話しました。すると夫は逆に、「お前たち二人で俺を責めて追い出そうとするなら、俺は出ていく」と不満げに言いました。私は離婚に応じるならそのまま手続きしようと思っていたのですが、夫ははっきりとした態度を示さず、その話はそれきりになりました。

　当時の私は、怒り、悔しさ、嫉妬、恨みといった感情に押し潰されそうになり、情に引きずられて泣くことも多く、完全に常人の「情」の中に沈んでいました。

　そのことをある同修に話すと、彼女は法に基づいて交流してくれ、自身の体験をもとに私を励ましてくれました。そのおかげで心がだいぶ落ち着き、師父の法を思い出すことができました。

　師父はこのように語られました。「この情を断ち切らなければ、修煉することはできません。情から抜け出すことができれば、誰もあなたを動揺させることができず、常人の心があなたを動かすことは不可能となります。それに取って代わるものは慈悲の心であり、より高尚なものです」（『轉法輪』）

　私は目を覚めました。「私は大法弟子であり、この世に来たのは自分を修め、法を正す師父に手伝い、遥か昔に交わした誓約を果たすためだ。常人の『幸せな生活』や夫の思いやりに執着しても意味がない。それらこそが修煉の障害なのだ。私はそんなものは必要ない。私は師父について本当の家へ帰るのだ」と思いました。

　法理がはっきりするにつれて心が落ち着き、師父の各地での説法を真剣に学ぶようになりました。そして、以前は越えられないと思っていたこの大きな試練を本当に乗り越えることができ、心も体も軽くなったのです。

　機縁を活かして衆生を救う

　ある日、私は同修とともに、法輪大法の素晴らしさと迫害の実態を人々に伝えていました。ある店の前を通りかかると、男女が椅子に座っており、その隣にちょうど空いている椅子が2つありました。近づいてみると椅子は濡れていて、拭くものもなく困っていたところ、店の中から男性が出てきて、「そこの雑巾で拭いてから座ってください」と声をかけてくれました。私はその雑巾で椅子を拭き、2人の隣に座りました。

　私は女性に話しかけました。「最近は天災や人災が多いですよね。『三退』（共産党・共青団・少年先鋒隊からの脱退）で平安が得られるって、聞いたことはありますか？」すると彼女は「聞いたことはありません。でも、主人は昔から勉強熱心なので、言えばわかると思います」と答えました。そこで私はご夫婦に真相を伝えたところ、2人とも三退に同意してくれました。ちょうどその時、道路脇に自家用車が到着し、2人は急いで車に乗って去っていきました。本当に見事なタイミングでした。

　また、2年ほど前、市場で野菜を買っていたときのことです。突然、背後から女性に声をかけられました。「この前、私のネギを買ったとき、お金を払っていませんよね？」と言うのです。彼女は向かいの屋台でネギを売っていた店主でした。「携帯でQRコードを読み取ろうとしていましたが、決済されていなかったんです」と言ったので、私は驚いて「ネギなんて買っていませんし、スマホも使っていません。私はいつも現金払いですよ」と答えました。

　しかし、彼女は「あなたが買ったんです。お金を払っていません」と強く主張してきました。私は「いくらでしたか？」と聞くと「1元」とのこと。たいした金額ではないので、「仮に私じゃなくても払っておきましょう」と言ってお金を渡しました。すると彼女は突然怒り、「1元で困るような人間じゃないわよ！　いらない！」と言い捨てて去っていきました。

　私はこの出来事を同修に話すと、「もしかしたらその人は、あなたから大法の話を聞きたくて、そういう形で縁をつなごうとしたのかも」と言ってくれました。その言葉に、私はハッとしました。「そうだ、なぜ気づかなかったんだろう！」と。私はそのとき、ただ「人違いだ」「濡れ衣だ」と悔しがるばかりで、修煉者としての慈悲をまったく示せていなかったのです。師父が、同修の口を通して私に気づかせてくださったのだと感じました。

　その後、あのネギ売りの女性を何度も探しましたが、見つけることはできませんでした。「縁があれば、きっとまた会える」と心の中で思いました。すると2か月ほど経ったある日、別の市場で偶然彼女を見かけたのです。彼女が前を歩いていたので急いで追いかけ、「ごめんなさい、前回は私の言い方が悪かった。私が悪かったです。お金、受け取ってください」と言って1元を渡すと、彼女は喜んで受け取りました。

　私は彼女を少し離れた場所に呼び、大法の素晴らしさや迫害の実態を改めて伝えました。彼女は真剣に耳を傾け、たいへん喜んでくれました。それ以来、市場で会うと彼女はいつも笑顔で挨拶してくれるようになりました。

　この体験を通して、私は自分がまだ師父の求める基準には遠く及ばないことを痛感しました。それでも、師と法を信じる心は変わりません。限られた貴重な時間の中で、さらに努力を重ね、絶えず精進していこうと思っています。