　【明慧日本2025年8月27日】私が法輪大法に出会ったのは2015年、そして真の大法修煉者となった今日まで、ちょうど十年が経った。人生を振り返ると、まるで長い夢から目覚めたようで、苦痛の深淵で生命を諦めようとしていた人間が、修煉を通じて徐々に本来の自分を取り戻すことができた。感謝の気持ちを込めて、この交流文章を記したい。

　一、「花形社員」の凋落

　両親は医学製薬業に従事していた。私は幼い頃から素直で聞き分けがよく、学業も優秀だった。両親が同僚や近所の人に私を自慢し、羨ましがられるのを見るたび、もっと頑張って勉強し、両親の面目を保とうと心に決めた。小学校、中学校と成績は常にトップクラスで、大学に進学した。

　2001年に大学を卒業し、国有の資産管理会社に就職して投融資業務に携わった。当時としては非常に人気の職業で、高収入で権限もあり、週末には食べきれないほどの山海の珍味をご馳走になり、高級な場所に出入りしていた。様々な専門資格を取得し、仕事では苦労を厭わず業務の中核となり、歌や踊り、スポーツ競技でも群を抜いて優秀で、一時は職場の「花形社員」となった。

　仕事や勉強の合間には経済動向にも注目し、当時新興だった直販業や電子商取引業界にも参入した。数年で本業も副業も非常に良い成果を上げ、外見や服装、内面の気質も含めて、標準的なキャリア女性へと変貌を遂げた。容姿端麗で向上心のある、私と同じく優秀な恋人もいた。

　すべてが順風満帆で美しい人生が展開されると思っていた矢先、運命の業力の大きな手が静かに私に向けられた。27歳のとき、人生の大きな転機が訪れた。

　母が突然病気になり、いつ倒れるかわからず、呼吸や心拍が停止して救急車で何度も病院に運ばれた。半年以上にわたって昼は仕事、夜は病院で母の看病をした。そんな時、直属の上司も突然交代となり、新しい上司の不正な要求を拒否した後、正常な昇進プロセスが中断され、嫌がらせや様々な圧力を受けた。私を妬んでいた多くの人に笑い者にされ、馬鹿だと言う人もいた。

　幼い頃から衣食に困ることはなかったが、実際には父からの関心をあまり感じたことがなかった。父は貧しく極端な男尊女卑の家庭に生まれ、女である私は生まれながらにして「よそ者」扱いされ、認められることがなかった。子どもの頃から、どんなに成績が良くても、どんな仕事上の成果を上げても、父は一言も言葉をかけず、私と話すこともなく、まるで私のすべてが彼には関係ないかのようだった。母が生死の境をさまよう中、二重の圧力の下で、私は特に結婚を渇望し、安らぎと支えを求めていた。

　しかし結婚準備中に知人から、恋人が他の女性に心を移したと告げられた。私たちは初恋同士で、7年間付き合っていた。憤怒して彼に問い詰めたが否定され、上司のセクハラに対する私の対処が円滑でなく、長年苦労して築き上げた成果を失ったと非難された。激しい言い争いの末、別れることになった。

　私と恋人の別れを知った母は突然重篤になった。救急処置で意識を取り戻した時、息も絶え絶えの母は、死ぬ前に私の結婚を見届けたいと言った。一か月後、母の催促と手配により、わずか3回しか会ったことのない、母が紹介した人と結婚した。結婚後間もなく、私はその「体面の良い」職場も辞めた。

　起業を始め、苦労しながら巨大な圧力に耐えて前進した。しかし最も辛かったのは、夫との共通点が全くないことだった。彼は仕事をせず、何をやるにも苦しい、疲れると嫌がり、生活習慣は悪く、気性も荒く、しばしば些細なことで激怒し、向上心も責任感もなかった。離婚を考えたが、母にそのことを話して理解を求めようとした時、療養中の母がそのことで再び救急車で病院に運ばれた。

　妊娠していることがわかったが、喜びは感じられず、むしろこのような家庭に生まれる子どもは幸せになれないと感じた。妊娠期間中、無職の夫は私のために一度も食事を作らず、検診に付き添うこともなかった。妊娠7か月の時でも工事現場で徹夜していた。出産当日、夫は私を病院に送ると逃げてしまった。難産で2日2晩生まれず、母も病気で、私の側には誰も付き添ってくれる人がいなかった。3日目の朝、胎児に異常があると予感し、分娩室から駆け出して医師に帝王切開を要求した。手術時間は長く、子どもは臍帯が首に2回半巻きついていた。医師は私に「子どもが生きていても脳性麻痺の可能性がある」と告げた。内心は不安と恐怖でいっぱいだった。

　子どもは生きていたが、私は大量出血した。一週間後、全く血気のない身体と脳性麻痺かもしれない子どもを抱えて家に帰った。家に戻っても出血は続き、夫は家にいたりいなかったり。私一人で新米ママの道を歩み、年配者の助けや指導もなく、虚弱な身体で子どもの世話をし、子どもの世話で忙しいと食事の支度ができないことがよくあった。食事が不規則で産後の養生も一日もできず、本来豊富だった母乳も、疲労と心の抑圧により、すぐに出なくなった。

　子どもがお腹を空かせて泣く夜、私も涙を流し、なぜ人生がこんなふうになってしまったのかと嘆き、絶望と無力感に襲われ、何度も子どもを抱いてビルから飛び降りようと思った。こんな無責任で能力のない人と軽率に結婚してしまったことを後悔した。子どもの泣き声に現実と向き合わざるを得ず、それなりの成果を上げていた事業も両立できずに諦めるしかなかった。極度に衰弱した身体と名ばかりの結婚生活を抱えながら、子育てをしつつ新しい仕事のために勉強に励み、毎日の睡眠時間は3、4時間だった。日々、年々、終わりのない生活の雑事、経済的プレッシャー、子どもの教育の重荷がすべて私一人の肩にのしかかった。

　数年の間に、私は陽光に満ちた積極的な美しい女性から、容貌の枯れ果てた中年女性へと変わった。夫は相変わらず稼がず、子どもの世話もしない。責任逃れのために故意に大声で怒鳴り、子どもを泣かせ、私にも暴力を振るい、何度か骨にひびが入るほど殴られた。身体は徐々に枯れ果て、身体もどんどん悪くなった。子どものため、家庭のため、一日一日を耐え忍んだ。

　しかしそんな忍耐も10年後のある日、ついに崩壊した。以前の知人に偶然出会い、初恋の恋人が別れた後、私の家を訪ねてきたことを知った。しかし母は当時、私を早く結婚させたい一心で、余計な波風を恐れ、私はすでに結婚していると嘘をついて彼を追い返していたのだった。この知らせを聞いた私は呆然とした。その日から私は病に倒れ、眠れず、食べられず、食べても下痢と嘔吐を繰り返し、胆汁まで吐いて、身体がこの世界と決別しようとしているかのようだった。

　一か月の間に、身長165センチの私は体重95キロから70キロ台まで痩せ、全身が枯れ木のようになり、徐々に灯火が尽きようとしていた。私は無言症になり、何事にも気力を失った。

　ある夜、自分の魂が宙に浮いているような感覚がして、もうすぐ旅立つ時が来たのかもしれないと思った。突然、夫が母に私は精神病だから精神病院に送ると言っているのが聞こえた。私は心の中で驚いた。なんと、彼らは私を精神病だと思っているのか！　私は心が苦しいだけで、精神病ではない。生きている意味が見つからないだけなのだ！

　突然娘のことを思い出した。もし精神病院に送られたら、本当の精神病になってしまう。そうしたら娘はどうなるのか？　絶対に娘を無責任な父親と体面だけを重んじる祖母の手に委ねるわけにはいかない。娘の将来は私よりもっと辛いものになってしまう。私は良くならなければ、病院に行かなければ、娘のためにしっかり生きなければならない。離婚条件として、わずかな財産をすべて夫に渡し、離婚した。

　病状は深刻なようだったが、各大病院で胃腸検査を受けても異常はなかった。しかし血小板は急激に減少し、貧血が始まり、身体に紫斑が現れ、凝血数値が異常に高くなっていつ大出血してもおかしくない状態だった。医師は入院して骨髄検査など一連の検査を受けるよう勧めた。私は恐怖を感じ、目の前で起きていることがまだ信じられなかった。相談できる人も、理解してくれる人も、助けてくれる人もいなかった。

　（続く）