【明慧日本2025年8月29日】天津市河北区の法輪功学習者・李希望さんと妻は、2010年12月21日、中国共産党（以下、中共）の警官によって連行され、不当に河西区留置場に拘禁された。李希望さんは裁判所による不当かつ秘密裏の裁判を経て、天津市津西刑務所に拘禁されて迫害を受け、その後、2011年7月18日に濱海刑務所へ移送されたが、入所からわずか10日で、極めて残忍な「地錨（じびょう）」という拷問によって命を落とした。

　一、地環・鉄桶・鉄靴――命を奪う地錨の拷問

　2011年7月28日の夜、濱海刑務所第8監区は、「真・善・忍」の信念を放棄しなかった学習者・李希望さんに対し、「地錨」拷問を加えた。

　この「地錨」拷問は極めて残虐非道であり、人の両足を地面に固定された鉄靴に入れて動けなくし、さらに両脚を鋼板製で地面に垂直に溶接された鉄桶の中にがっちりと固定し、臀部および大腿部以下の部分も鉄桶と鉄靴の中で完全に拘束する。その上で、両腕を下方に引き伸ばし、両手を地面の鉄環に手錠で固定するため、頭部は下方に垂れ、腰より上の部分は全体が折り畳まれるように引き下げられ、全身が「∧」型に厳重に拘束される。

　このような拷問を受けた人は、血液が逆流して極度の苦痛に陥り、一般人なら2時間で死亡するとされている。天津市濱海刑務所第8監区は、李希望さんを10数時間も「錨」で拘束し続け、李さんがすでに呼吸を停止していることを発見した後にようやく拷問を解いた。その際の当直警官は、何佳奇、黄鶴（すでに退職）、葛凡である。

　以前、李希望さんが濱海刑務所第5監区に不当に拘禁されていた際にも「大掛け」という拷問を受けていた。この拷問は一般人であれば6日と耐えることができないが、李希望さんは28日にわたり耐え抜き、「真・善・忍」と法輪功への正しき信念を最後まで貫き、第5監区を圧倒した。今回は刑務所当局が第8監区に李希望さんへの「拷問」を命じ、2011年7月29日未明、李希望さんは第8監区による「錨」拷問で命を落とした。

　二、「外診」と「遺体の搬出」

　中共の司法部門には、「法輪功関係者が負傷または死亡した場合、刑務所外の病院の診断書がなければならない」と取り繕う規定があるが、これは一般市民や国際社会を欺くための看板にすぎない。中共が「真・善・忍」を貫く法輪功学習者に対し残酷に迫害を加えていることは、その「偽・悪・闘」という邪悪な本質を余すところなく露呈させている。

　2010年7月21日の夜、天津市濱海刑務所第5監区の警官・劉超が複数の受刑者を指図し、法輪功学習者の朱文華さんに数時間にも及ぶ拷問と体罰を行わせた。午後9時ごろ、朱文華さんの生命が危険な状態に陥ったため、濱海刑務所側は事態の悪化を恐れ、慌てて朱文華さんを刑務所外の大港病院に搬送して救急治療を受けさせたが、朱文華さんは同病院で死亡が宣告された。

　濱海刑務所は、拷問による殺害の罪責を逃れるため、自己に不利となる証拠をすべて抹消し、朱文華さんが刑務所外の病院で診断を受けた際の全記録・書類も完全に破棄した上で、「朱文華さんは濱海刑務所内の小規模な医療施設で診療を受け、病死した」とする証拠資料を偽造した。また、朱文華さんの治療目的による搬出門衛記録を「搬出時すでに死亡」と改竄した。すなわち、「病気による外診」が「死亡した遺体の搬出」へと改められ、拷問殺人というおぞましい犯罪が、単なる病死の事故として覆い隠されたのである。

　それからわずか1年後、李希望さんもまた濱海刑務所で拷問によって命を落とした。刑務所側は朱文華さんを死に至らしめた際の「経験と教訓」を活かし、今回は慌てることなく、李希望さんの遺体を「外診」の名目で天津市刑務所局系統に属する新生病院に搬送した。もはや刑務所局外の病院に運ぶことはなかった。この「外診」の実態は「遺体の搬出」であり、「外部診断診」の名目で天津市新生病院に運ばれた後、「病気による死亡」という診断報告が捏造されたのである。天津市刑務所局と天津市濱海刑務所の各級幹部たちが巧妙に陰謀をめぐらせ、さらに天津市検察庁と大港区検察庁の2つの検察庁による「法に則った厳重厳格な検査」と称する審査を経て、濱海刑務所が拷問致死により人命を奪ったという事実は再び覆い隠された。こうして、「李希望さんが天津市新生病院で病死した」とする虚偽の資料が作成され、外部の者が真相を確認することは不可能となった。本来の規則通りに刑務所外の大港病院に搬送していれば、人々は外部診断の履歴から、拷問による損傷の痕跡や証拠を発見することも可能であったはずである。