文／サンフランシスコの大法弟子

　【明慧日本2025年8月30日】

　師父、こんにちは！

　同修の皆さん、こんにちは！

　私は1994年にアメリカに移民しました。1997年、大学在学中に、家族と共に師父のサンフランシスコでの説法を聴きに行きました。その際、師父が説かれた宇宙の空間と時間の法理に深く感銘を受け、その場で法輪大法を修煉する決意をしました。当時の私は修煉について何も知りませんでしたし、幼少期から現代科学の「目に見えて初めて信じる」教育を受けてきました。しかし、師父の法理は疑いなく信じました。修煉を始めた最初の2年間は、私にとって最も幸せな日々でした。他の同修が共有する修煉中の不思議な物語を聞くのは、非常に興味深く、安定した「比して学び、比して修す」（『洪吟』「着実に修める」）という環境も、本当に素晴らしいものでした。しかし、この修煉の環境は、中国共産党が法輪大法を弾圧することにより急速に変化しました。

　1999年、中国共産党は法輪大法に対する全面的な弾圧を開始しました。その年は、私が大学を卒業し社会に踏み出す始まりでもありました。海外にいたにもかかわらず、大きなプレッシャーを感じました。さらに、西洋社会への理解が不足し、物質的な基盤もなかったため、社会の新人として迷いを感じました。どのように修煉を続けるか、本当に参考になるものがありませんでした。

　法を深く学ばず、法輪大法を伝え、法輪功迫害に抗議する活動が多かったため、当時の私は常人の仕事を一時的なものだと考えていました。修煉がすぐに終わるだろうと思い、適当な仕事に就けば良いと考えていました。この態度はその後の様々な大法のプロジェクトにも持ち込まれ、皆一時的な取り組みで、長期的な計画や専門的な素養もありませんでした。当時の私は、この一時的な思考パターンが党文化の毒害であることに気づいていませんでした。むしろ、プロジェクトに多くの時間とエネルギーを注ぐことが精進であると考えていました。今振り返ると、その不足に気づきます。

　20年以上にわたり、私は常人社会での仕事と修煉を両立させてきました。学法をよくすることと法を正す進程の推進に伴い、自分自身の修煉の道について異なる認識を持つようになりました。以下は、最近、私が悟ったことについてです。

　一、複雑な環境で修煉する

　常人社会では、名利の争いが日常茶飯事です。西洋社会では、利益の追求は当然のこととされています。会社で昇給や昇進について話さないと、上司はあなたが仕事に熱意がないと考えるでしょう。以前の私は、修煉者は常人と同じように名利を争うべきではなく、仕事をこなせば良い。残りは上司に任せるべきだと考えていました。そのため、仕事能力は認められても、私はずっと無名でした。この思考パターンが、私の常人社会での仕事を長年支配していました。

　私は生物製薬の研究開発に従事しています。4年前、新しい会社に入社し、新たな分野と役割の要求が、私に新たな視点をもたらしました。

　私の部署には8人います。私の上司は部署の責任者です。私と同僚・Aさんはそれぞれ2人の部下を率いて2つのチームを構成し、異なるプロジェクトを担当していました。Aさんは私より年上で、学歴も高く、この会社で数年働いており、私の上司の下で働いてきました。しかし、なぜか昇進せず、私の職位より数階級下でした。私は入社後、謙虚で友好的な態度を保ち、一方では一生懸命働き、他方では同僚たちと良好な関係を築きました。Aさんは当初、熱心に会社の状況やこの分野の業務知識を教えてくれました。私から見れば、Aさんは正直な人でした。私も彼女の昇進が遅いことに不満を感じ、できる限りの支援をしました。1年後、私とAさんはそれぞれ昇進しました。上司たちは私の能力を評価し、重要なプロジェクトを私たちのチームに任せてくれました。私は検討した結果、リーダーに提案し、そのうちの一つのプロジェクトをAさんに割り当てることにしました。第一に、私の手元の業務が多く、同時に進めることが難しく、進捗に影響を与えるためです。第二に、Aさんが重要なプロジェクトを獲得すれば、昇進に役立つと考えました。私は直接Aさんと話し、このプロジェクトがあなたにとって有益だと伝えました。Aさんは快く同意しました。これで、私は自分が利益に対して無頓着だと思いました。

　Aさんがプロジェクトを手に入れた後、最初は積極的に取り組んでいました。しかし、突然別人のように変わってしまいました。自分のプロジェクトを放置し、私のプロジェクトに手を伸ばすようになりました。私の仕事に口出しをしたり、プロジェクトを奪おうとしたり、私が関与するプロジェクトには必ず参加しようとしたりしました。上司も私に「彼女の行動は間違っている」と言って、指摘しました。私は表面上は平静を装い、彼女と対立しませんでした。しかし心の中では波乱が渦巻き、怒りが収まりませんでした。心の中で「私は利益を譲ったのに、あなたはさらに要求をエスカレートさせている」と思いました。私は上司に直接不満を言いませんでしたが、部下2人に、Aさん対して「反面教師」として、Aさんの欠点を言いました。

　部下が心配そうに「彼女は私たちのプロジェクトも奪ってしまうのではないでしょうか？」と尋ねてきました。人心はあっても、私は自信を持って部下に「自分の本業に専念し、スキルを磨いて、邪な道に心を向けるな」と言いました。私は修煉者の智慧と福徳を深く信じており、常人には及ばないものだと知っているからです。

　私は、自分の心性を高める必要があると自覚していますが、試練を乗り越えるには、心の奥底に触れないと効果がありません。半年近く、私は神の念と常人の念の戦いに巻き込まれていました。

　幸いなことに、私はまだ修煉の願望を持っています。試練は続いていますが、ただ口先で不満を漏らすだけでした。善の念が私を常に自制させていました。個人の間の怨恨が部署や会社の運営に影響を与えるべきではないと考えました。昨年、Aさんは部下を1人失いました。私は自分の部下1人を彼女に貸し出し、プロジェクトの進捗を支援しました。

　今年3月、会社は突然予告なしに2度目の大規模な人員削減を実施しました。全社の60%の従業員が解雇されました。私の上司は半年前に既に退職しており、Aさんとその部下も解雇対象に含まれていました。私と2人の部下は残りました。驚愕の余り、自身の修煉について反省しました。人の運命は既に決まっているものですが、修煉することのみ、既定の軌道を変えることができます。Aさんの運命は既に脚本に書かれていました。Aさんはこの過程で私の修煉を助けてくれました。心から感謝しています。Aさんが去る時は非常に穏やかでした。私たちは抱き合い、名残惜しく別れました。現在も連絡を取り合っています。私たちの関係は、私が会社に入社した当時の状態に戻りました。

　私が手放したプロジェクトは、一巡して再び私の手に戻ってきました。

　2カ月後のある日、新しい上司が真剣な表情で私を呼び出しました。私は「解雇」かと思いましたが、上司は「経営陣は私が会社の成否に重要な役割を果たしていると判断し、追加の留任手当を支給する。ただし、条件としては、会社に1年以上勤務することだ」と告げました。実は私も転職をしようと考えていました。上司はさらに「私たちの部署全体で、この待遇を受けるのはあなただけだ。断らないでください」と付け加えました。

　確かに、生化学会社の中間職がこのような報酬を受けるのは珍しいことです。

　その日、家に帰った私は、師父の写真の前で心から感謝し、法輪大法の導きがもたらした福報に感謝しました。

　（続く）