文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年8月31日】私はかつての法輪大法の小さな弟子です。この呼び名を思い出すと、心がほっこりと温かくなり、とても親しみと光栄を感じます。幸運にも私は幼いころに修煉を始めました。そのころにはもう文字が読めたので、自分で『轉法輪』を読んで理解でき、大人と一緒に煉功点へ行って煉功し、共に足を組んで座禅し、学法しました。そして、良い人になり、真実を語り、人に対して忍耐することを学びました。

　1999年に迫害が始まった後、私は次第に大法から離れてしまい、師父の法を正す進展についていくことができませんでした。しかし、大法は私の心に深く刻まれており、法輪大法が素晴らしいものであることを知っていたので、「真・善・忍」に従って良い人になるべきだということも分かっていました。

　大学時代、私はただ時々師父の講法を読むだけで、修煉はしていませんでした。どの程度までできれば「良い人」と言えるのでしょうか。

　周囲の人と比べて、自分はまだ良い方だと思っていました。大法に同化せず、より高い基準で自分を要求することもなく、修煉によって自分を高める素晴らしさも理解できず、他人が大法を悪く言うのを耳にしても真相をはっきりと伝える勇気もありませんでした。今思えば、とても恥ずかしく感じます。

　結婚後、夫はずっと私を甘やかし、我慢してくれていました。それが私を増長させ、ますます傲慢で横柄になり、気に入らないことがあるとすぐ腹を立て、必ず夫に自分の考えを認めさせ、優しい言葉でなだめてもらわないと気が済まなくなっていました。自分が正しいと思えば絶対に譲らず、引くことも知らず、家庭の大小あらゆることを自分の思い通りにしようとしました。頭を下げて「ごめんなさい」と言ったことはほとんどなく、自分に非があるとは思っていなかったのです。

　振り返ればこの何年間、私は夫の譲り合いや寛大さに感謝するどころか、ますます横暴で自己中心的になり、身近な友人や家族にも強い態度で接し、言葉もきつくなっていきました。夫への要求もどんどん増え、彼ができないことがあると、ずっと不満を言い続けました。その結果、周囲との人間関係はどんどん緊張し、まるでみんなが私に反発しているように感じ、「全部相手のせいだ、みんな私に冷たい、私を裏切った」と思い込んでいました。そのころ、私はいつも不機嫌で満たされることはありませんでした。

　やがて家庭の関係が揺らぎ、それがきっかけで自分の過去の言動を振り返ることができ、譲ることを学びました。しかし、その譲り方は仕方なくやっているようなもので、「この忍耐は一時的なものだ」と感じていました。

　ついに縁が巡ってきて、私は再び法輪大法の修煉の道に戻ることができました。慈悲深く導いてくださった師父に心から感謝します。かつての小さな弟子を見捨てずにいてくださったこと、本当にありがたく思っています。大法に戻ってから、私はとても幸せです。　

　私は集団で修煉環境がありませんでしたが、師父が導いてくださり、私は一歩一歩、法を正す進展に追いついてきました。煉功と学法を始め、大部分の経文を読み、発正念することを学び、同修の文章を読みながら、内に向かって探す方法を知るようになりました。修煉を始めてもうすぐ2年になります。振り返って若いころの言動を思い出すと、恥ずかしさを感じます。それでも、大法の中で修煉できていることを心から嬉しく思っています。少しずつですが、大法が私を変えてくれました。

　修煉を始めたころ、私は「内に向けて探す」ことができず、どう探しても「悪いのは他人」だと思っていました。だから、ただひたすら我慢しようと努めました。時には涙が止まらないほど我慢して、それでも座禅して煉功していました。でも後になって、それではいけないと分かりました。怒っている時は煉功すべきではないのです。心の中が不満でいっぱいの時は、『洪吟』を書き写したり、師父の説法を読んだりしました。読んでいるうちに、心が少しずつ広がっていき、さっきまでの不満や悔しさがだんだん薄れていきました。「私は修煉者なのに、どうして常人と同じように感情に振り回されているのか？　これは私の心性を高めるための機会なんだ。もしかしたら、私は以前、他人に対してひどいことをしていたのかもしれない」と思うようになりました。そう考えているうちに、怒りは消えて、心も静かになりました。夫に慰めてもらわなくても気持ちが落ち着くなんて、以前の私には絶対にできなかったことです。怒りが湧いた時も、できるだけ感情に引きずられないように自分をコントロールするようになりました。こうして何度も心性を磨く中で、私は少しずつ心を広く持てるようになり、心性も向上していきました。

　この約2年間、家庭の中で大小さまざまな心性の試練を経験しました。師父が心を込めてそのすべてを計らってくださったことに、深く感謝しています。そのおかげで、弟子として少しずつ成長することができました。

　そんな中、父の車のローンが1年以上も滞納しているのがわかりました。すぐには返済できそうになく、このまま放っておくと利息がどんどん膨らんでしまう状況でした。そこで、まず私がローンを立て替えて完済し、その後車を売って、その売却代金を私に返してもらうという形で父と話し合いました。そうすれば父もローンの心配をせずに済み、私も損失を減らせると思ったのです。

　何度か話し合った末、父もその案に同意してくれました。ローンを返済する間、私はずっと不安で心が落ち着かず、過去のいろいろな出来事から両親を信用しきれない気持ちもあり、もしかしたらお金を他のことに使われてしまうのでは、と心配していました。ようやくローンを完済してホッとしたのも束の間、車の売却について話し合おうとしたところ、突然両親が、「売っても値がつかない」「誰も欲しがらない」などと言い出し、売るのをやめたいと言い始めました。

　私はかつて、物事の善悪は白か黒か、曖昧なグレーなど存在しないと思っていました。そのため、人との付き合いでも中途半端な態度は受け入れられませんでした。誰かが私に約束したことを守らなかったら、私は激しく怒り、「裏切られた」と感じて大きな屈辱を受けたように思い、騙されることに耐えられませんでした。もし私が修煉の道に戻っていなかったら、きっと怒りに任せて大声で問い詰めていたでしょう。「どうして約束通りにしないのか」と。そして、たとえお金のためでなくても、車を売って気を済ませようとしたはずです。「車を売らなければ、この件は終わったことにならない」とそう思っていたでしょう。

　しかし、修煉者は心性を高めなければならず、大きな忍耐の心を持つべきです。父が車を売りたくないと言い出した時、私は怒らず、ただ仕方なく黙って受け入れました。

　師父は、「神から見れば、修煉者がこの世において、正しいかそれとも間違っているのかはまったく重要ではなく、人心の執着を取り除くことこそ重要であり、修煉の中でどのように人心の執着を取り除くかが重要なのです。（拍手）　いくら不当な仕打ちを受けても、平然として対処し、心が動じることなく、自分のために言い訳をせず、多くの場合、弁解する必要もありません。なぜなら、修煉の道のりにはいかなる偶然なこともなく、話をしている中であなたを刺激したもの、トラブルの原因である利害関係は師父が作ったものかもしれません。相手の話は非常に刺激的かもしれませんが、あなたの痛いところに触れたから、刺激的だと感じたのです。本当に不当な扱いを受けたかもしれませんが、その話は必ずしもその人が言ったのではなく、私が言ったのかもしれません。（皆笑って）　そのとき、あなたがどのようにこれらのことに対処するのかを私は見ており、相手に口答えをしたら、実は私に口答えをしたことになります」（『各地での説法十』「マンハッタン説法」）と説かれました。

　師父のこの法に照らしてみると、私は平然と受け止めることができず、心の中に不満があり、表面的な善悪ばかりを気にしてしまい、「大きな忍耐の心」を修めることができていませんでした。師父の求める基準には、まだまだ遠く及びません。内に向かって探してみると、父の車のローンを肩代わりした動機は純粋なものではなく、私自身のためでした。父の信用情報が悪化することで、自分に影響が及ぶのではないかと心配し、早くこの問題を片付けたいという思いがありました。自分の損失を減らすために、父に車を売ってもらおうと考え、父の生活に不便が出るかもしれないことには目を向けず、自分の利益だけを気にしていました。

　この考え方は、明らかに利己的なものでした。話し合いの過程でも、私心や利益への執着から彼らを急いで説得しようとしており、時には強い口調で圧をかけてしまいました。ずっと父が約束を破るのではないか、私を騙すのではないかと心配し、ローンを返済した後に車を売らないのではと疑っていました。この出来事から、私は自分の中にある私心、焦り、不信、恐怖心をはっきりと見つけました。それらはすべて利益への執着から生まれたものであり、自分の利益が損なわれた時には、恨む心まで湧いてきたのです。

　振り返ってみると、両親の経済状況を知った当初、私はどうすればよいのか分からず戸惑っていました。もし私がずっとお金を渡して両親の商売を支えていたら、親情への執着によって旧勢力が仕組んだ経済的な迫害の道を歩むことになり、自分の生活が困窮して修煉にも影響が出るのではないか…そんな不安がありました。借りたものは返すのが道理です。もし本当に両親のためを思うなら、今はお金を渡すのではなく、将来親戚への借金返済に備えて取っておくべきなのかもしれない、とも考えました。その時、心の中には逃げたい気持ちもありました。「もしかしたら、こういうことは私が関わるべきではないのかもしれない」と。

　私は同修たちの交流文章を読みました。多くの同修が、家族の借金問題に対して非常に無私の姿勢で向き合っている一方で、親情を重視しすぎて過度に支援した結果、自分自身の生活が困難になってしまったケースもありました。それを見て、私は自分との違いを感じると同時に、どこまでやるのが正しいのか、その境界が分からなくなってしまいました。

　修煉は他人を基準にしてはいけません。法を師として自分を照らすべきです。私は内に向かって探し、深く考えてみました。自分の根本的な思いは、「貯金が減るのが嫌だ」「お金を他人に分けたくない」、でした。これは非常に強い利益心であり、利己的な心です。

　私はそれを「親情への執着が怖い」という言い訳で巧妙に隠そうとしていました。その姿は偽りであり、誠実さに欠けていました。実際には、そのお金を出しても私の生活に支障はありません。それなのに、私心から自分の損得ばかりを気にして、相手のことを思いやることができず、さらには不満まで抱いてしまいました。「後で代わりに返してあげる」と言いながらも、結局はお金を手放したくないだけで、少しでも長く自分の手元に置いておきたいという思いがあったのです。本当に、いろいろな理由をつけてでも、お金を手放したくないという心があったのです。

　私は修煉しています。私の身に起こるすべての出来事は偶然ではなく、すべてが良いことであり、師父が私の心性を高めるために用意してくださったものなのです。

　それなのに、私は修煉の向上よりもお金を大事にしてしまっているのではないでしょうか？　師父は「良い人の中でもさらに良い人になるように」と教えてくださっていますが、私はそれを実践できているでしょうか？私心のために、慈悲の心が生まれず、師父が求めておられる「誰に対しても慈悲を持つこと」ができていません。両親は私を育ててくれました。その恩に報いるのは当然のことです。

　その後、私はお金を両親に渡すことを選びました。両親と親戚の間の借金問題は、彼ら自身のことであり、私は干渉しないことにしました。私は完全に無私の気持ちで支援できたわけではありません。自分の生活に支障が出ない範囲で、一時的な助けとして両親を支援し、彼ら自身が働いて困難を乗り越えるよう励ます、それが理性的な選択だったのかもしれません。

　「あなたは変わったね、良くなった」と両親が言ってくれました。夫も、私が両親に対しての言動が変わったことに驚き、感心していました。彼も大法に対してだんだんと理解を深め、内に向かって自分を見つめるようになり、日常の中でも「真・善・忍」を基準に自分を律するようになっています。

　師父は、いつも夫の口を借りて私に気づきを与えてくださいます。

　例えば、時間になると「発正念する時間だよ」と声をかけてくれたり、立掌の手がまっすぐになっていないと「手をもっとまっすぐに」と直してくれます。私が怠けていると、「何日も煉功してないんじゃない？」と聞いてきます。怒りを抑えられないときには、「今ちょっと落ちてる感じがするよ」と言われます。徳を失えば業を返して苦しむことになると知っている彼は、「早く心性を高めて、苦しまないようにしよう」と励ましてくれます。私が怠けて片足だけを組んで座っていると、彼はさりげなく「片足だけだね」と言ってきます。夫はいつも、私の修煉の道を助けてくれています。師父の慈悲深いご配慮に、心から感謝しています。

　ある時、私はある出来事について何気なく意見を口にしたのですが、夫は少し不機嫌になり、「あなたの話はいつも否定的で、欠点ばかりだ」と言いました。その言葉を聞いてすぐに自分を振り返ってみると、確かにそうだと気づきました。

　物事や人に対して、私はまず欠点や悪い面を見てしまい、良いところや長所は軽く流してしまう傾向があります。心の中には、他人の欠点や嫌だった出来事のほうが強く残っており、頭の中に浮かぶのもそうした否定的なことばかりです。そうすると、負の思考に引きずられて、次々とネガティブな想像が膨らみ、心が清らかでなくなってしまいます。気づけば、旧勢力の仕掛けた否定的な思考の流れに乗って、物事を考えてしまっているのです。

　日常のちょっとしたことでも、私はつい夫に口出ししてしまいがちで、つい責めるような口調になってしまいます。例えば、「電気は使ったらすぐ消して」「靴下はちゃんと片付けて」「起きたら布団を畳んで」など、細かいことをよく注意しています。また、自分の考えを押しつけてしまうことも多く、夫のやり方が気に入らないことがよくあります。例えば、食器を洗った後の並べ方、何日おきに掃除すべきか、服のたたみ方など、すべて自分のやり方にこだわってしまうのです。

　私は自分の好みを守ろうとしていました。ちょっとしたことなら、自分で後からやれば済むのに、わがままな気持ちから、夫のためにやろうとは思えませんでした。

　自分の考えを押しつけるのは、自己への執着の表れで、「自分のやり方こそ正しい」と思い込んでいたのです。話す時も、自分を表現したい気持ちが先走ってしまい、知らず知らずのうちに語気が強くなり、優しさのない口調になっていました。相手の気持ちを思いやることを忘れていたのです。

　師父は、すべての人に慈悲の心で接するよう教えてくださっています。それなのに、私の心はまだ狭く、少しでも違うところがあると受け入れられず、外に向かって批判や不満ばかりを見てしまいます。これでは、どうやって慈悲の心を修めることができるでしょうか。

　修煉に小さなことはありません。一思一念、一言一行すべてを大法に照らして判断し、修煉の中で出会うあらゆる出来事を正念で受け止め、旧勢力によるあらゆる干渉や手配を徹底的に否定します。

　この2年間、私は多くの幸せで忘れがたい出来事を経験しました。

　初めて人に「法輪大法は素晴らしい」と口にした時、そして初めて公道で自転車に乗れるようになった時です。それは、以前の臆病だった私にはとても難しいことでした。初めて現地で神韻を鑑賞し、初めてパレードを見て、初めて同修が作ってくれた小さな蓮の花を受け取り、初めてパソコンのシステムを自分でインストールし、初めて法会に参加して修煉の体験を分かち合いました。これらすべては、師父のご加持のおかげで、一歩一歩前に進むことができたのです。勇気を与えてくれたのは大法でした。師父の慈悲深い導きに、心から感謝しています。

　時には、喜びの心や感情に流されて衝動的に行動してしまい、冷静な判断を失い、結果を急いでしまうことがあります。これからは、もっと法を学び、正念を強めて、大法を理性から理解し、大法弟子としての使命を理智をもって果たしていきたいと思います。もっと法を学び、正しく修煉の道を歩んでいきます。

　自分の理解には限りがありますので、もし法に沿っていない点があれば、どうか同修の皆さんからご指摘いただければ幸いです。