　【明慧日本2025年9月1日】（前文に続く）

　二、善行を促す法輪功は「邪教・邪教組織」ではない

　ある宗教が正教なのか邪教なのかを認定することは、今日の世界において、どの国の政府機関、立法機構、司法部門も判断できることではない。率直に言えば、これは信仰領域の話題であり、世俗の権力機構が権限を持ち、干渉する資格がある分野ではない。邪教は根本的に法律用語ではない。

　法輪功について言えば、人に善を教え、いつでも他人のことを考える理念は「邪教」とは全く無縁のものだ。法輪功には根本的にいかなる組織形態もなく、法輪功学習者は修心・向善を目的として世界各地に散らばる緩やかな集団にすぎず、「邪教組織」とは全く関係がない。むしろ法輪功は修煉者に真・善・忍を準則として教え導いており、民族、国家、社会に百利あって一害もない。そのため法輪大法は世界100カ国以上に広まり、香港、台湾地区も含まれ、法輪功とその創始者が受けた各種の褒賞は数千に及ぶ。

　国がすでに法輪功を「邪教」と定めた、あるいは国がすでに法輪功を定性したと考える人もいるかもしれない。実際には国は根本的に法輪功を邪教と定めていない。「邪教」説は江沢民（故人）が1999年10月26日にフランス紙『フィガロ』記者のインタビューで初めて持ち出したものだ。翌日、『人民日報』が追従して評論員記事を発表し、江沢民の中傷の言葉を繰り返した。しかし、個人の発言とメディア報道は法律ではない。中国『憲法』第80条、第81条は国家主席の職権について規定している。国家主席は職権範囲内の活動では国家を代表するが、職権範囲外の活動は国家を代表せず、個人行為だ。江沢民は国家主席としてこのような認定をする権力はなく、国家を代表するものではなく、法輪功に対する公然たる誹謗中傷にほかならない。

　中国大陸のネットプラットフォーム上にも法輪功は「邪教組織」だという言論が溢れているが、いずれも誹謗中傷の言葉であり、いかなる合法的根拠もなく、国家公式の赤いヘッダー文書による認定でもない。ネット上の言論は是非を判断する基準ではなく、まして捜索、判決の根拠でもない。

　『刑法』第3条は法に明文規定がなければ罪とならないという原則を規定している。政府に邪教組織を認定する権限があるかどうかは別として、今日まで唯一の公式な邪教組織認定文書は2000年、公安部が発布した『公安部による邪教組織の認定と取締りに関する若干問題の通知』（公通字【2000】39号）文書だ。この文書は中央弁公庁、国務院弁公庁が認定した邪教組織7種類、公安部が認定した邪教組織7種類、合計14種類の邪教組織を明確にしたが、この14種類の邪教の中に法輪功は含まれていない。

（中央弁公庁、国務院弁公庁文書が明確にした邪教組織は7種類：1）呼喊派、2）門徒会、3）全範囲会、4）霊霊教、5）新約教会、6）観音法門、7）主神教。

　公安部が認定した邪教組織は1）被立王、2）統一教、3）三班僕人派、4）霊仙真佛宗、5）天父的女児、6）達米宣教会、7）世界以利亞福音宣教会）。「公通字【2000】39号」文書を検索すれば関連内容を調べることができる。

　さらに注目すべきは、法輪功迫害15年後の2014年6月、『法制晩報』が公安部のこの通知を公然と再確認し、すでに認定された14種類の邪教を再確認したことだ。これは疑いなく中国当局が再び法輪功は邪教組織ではないことを明確にしたことに等しい。

　三、最高裁・最高検が『刑法』第300条に対して行った司法解釈は『憲法』『立法法』に違反するため無効であり、判決の根拠とすることはできない

　1、最高裁・最高検の司法解釈は『憲法』の国民の宗教信仰の自由と『立法法』の規定に違反するため、審理の根拠とすることはできない。

　『憲法』は国民の宗教信仰自由を規定している。『立法法』は下位法が上位法に抵触してはならないと規定している。最高裁・最高検の司法解釈は下位法にも該当せず、『憲法』『立法法』に違反して、国民の信仰の自由を剥奪または制限する規定を作る権力はない。

　2、最高裁・最高検の司法解釈は司法解釈の名の下に、立法と立法解釈の実を行っており、違憲・違法・越権のため無効となっている。

　『憲法』に基づけば、立法権は全国人大とその常務委員会が行使する。『立法法』に基づけば、「犯罪と刑罰」について、「国民の政治的権利の剥奪制限、人身自由の強制措置と処罰」については、法律のみを制定でき、いかなる国家機関と組織もこの権力を持たない。最高裁・最高検は司法機関であり立法機関ではなく、立法権を持たない。どのような行為が犯罪行為なのか、どのような行為に刑罰を科すのかを規定する権限はない。

　しかし最高裁・最高検は『刑法』第300条の司法解釈において一部の行為表現を列挙し、列挙した行為について『刑法』第300条に基づいて定罪処罰できると規定した。これは最高裁・最高検が『憲法』『立法法』に違反して立法権を行使した表れである。最高裁・最高検が列挙したすべての行為は『刑法』300条が規定したものではなく、最高裁・最高検が自ら創設した犯罪行為、自ら規定した刑罰尺度だからだ。したがって「最高裁・最高検」によるいわゆる邪教問題の解釈は、刑法の範囲を拡大し、国民の政治的権利の剥奪と人身自由の制限に関わり、司法解釈の名で立法または立法解釈の実を行っており、明らかに越権している。よって最高裁・最高検の司法解釈は実際には違憲・違法・越権の無効な解釈となっている。

　『刑法』第300条第1項が設定した罪名は「……法律実施破壊」であり、最高裁・最高検の解釈は疑いなくこの罪名の構成条件と必ず具備すべき事実について解釈すべきだ。つまり、どのような条件を満たせば、例えば主観的に故意のみなのか、客観的に必ずどのような行為を具備し、どのような危害結果を招いたときに、本罪を構成するのか説明すべきだ。

　具体的にどのような行為により、どの法律、そのうちのどの条項の実施を破壊する可能性があるのか？　例えば、ある人が他人の宗教信仰の自由を制限すれば、『憲法』第36条の実施を破壊したことになる。ある人が裁判所や検察庁の法に基づく独立審判や独立した検察権行使に干渉すれば、『憲法』第131条または第136条の実施を破壊したことになるなど。しかし、最高裁・最高検の解釈は本罪の構成を離れて他のことを言い、「どれだけの邪教チラシ、写真、スローガン、新聞を制作、伝播したか、あるいは何冊の書籍を」などが「法律実施破壊」だと言っている。「邪教宣伝品の制作、伝播」と「法律実施破壊」は根本的に同一概念ではない。

　四、法輪功書籍及び関連資料は個人の合法財産

　法輪功書籍は人に善を教える経典的書籍であり、法輪功出版物を所有することにいかなる違法性もない。より重要なことは、現行の法律文書によっても、法輪功学習者が法輪功書籍と資料を持つことは完全に合法ということだ。

　2010年12月29日、国務院新聞出版総署第2回署務会議は『第50号文件』を通過させ、この文件は2011年3月1日に発行され、公布日から効力を生じた。国務院はこの国家新聞出版総署令を公告し、『国務院公報』2011年第28期に掲載した。この文件は161の規範性文件を廃止し、そのうち第99番目の廃止文件は1999年7月22日に発布された『法輪功出版物処理意見の再確認に関する通知』、第100番目の廃止文件は1999年8月5日に発布された『法輪功類違法出版物の調査取締り、出版物印刷管理のさらなる強化に関する通知』だった。

　『第50号文件』は法輪功書籍がすでに解禁され、合法出版物に属することを説明している。法輪功書籍が合法なら、法輪功の紹介、法輪功について真相を語る関連資料も当然合法となる。

　以上をまとめると、法輪功学習者の信仰と真相を明らかにする行為は国家『憲法』と法律によって保護される合法行為であり、法輪功学習者への迫害行為こそが真の犯罪行為である。