　【明慧日本2025年9月2日】湖北省襄陽市の法輪功学習者学習者の陝富栄さんは、4年半にわたる不当な拘禁による迫害を受け、沙洋范家台刑務所で両目を失明した。

　今年7月5日に拘禁期間が満了する予定だったが、地元の政法委員会（治安・司法などを統括する機関）によって沙洋范家台刑務所から直接、蘇家河老人ホームへ強制的に送られた。これは形を変えた監視であり、陝さんは引き続き自宅へ帰ることが許されない。家族は何度も釈放を要求したが、複数の関係部署は責任を押し付け合い、釈放を拒否し、陝さんは現在も老人ホームから出ることができない。

　陝さんは男性で、現在62歳。襄陽市老河口市に住み、湖北省江山機械工場の元警備員で、陝さんは法輪功の基本理念である「真・善・忍」に沿うという信念を堅持したと言う理由で、中国共産党に迫害され、家庭は崩壊し、家族は離散した。これまでに何度も連行され、留置場、洗脳班、労働教養所、刑務所に10年以上も拘禁された。その間、残酷な拷問を受け、命が危機な状況に直面した。

　この残酷な迫害の中で、彼は妻と強制的に離婚させられた。家に唯一人残っていた86歳の母親は、陝さんが再び連行されたことで心配した末、2022年末にこの世を去った。臨終の際も息子に会うことはできなかった。

　以下は、陝さんが長年にわたり中共から受けた迫害の事実である。

　1999年10月末、陝さんは北京の最高検察庁へ法輪功迫害は冤罪によるものだということを訴えに出向いたところを拘束された。陝さんはは老河口在北京事務所（訳注：湖北省老河口市政府が北京に設置している出先機関）に勾留され、次いで襄樊在北京事務所に拘留された。その後、老河口市へ連行され、老河口第一留置場に拘禁された。解放されたのは2000年の旧正月前のことだった。この不当に拘禁中、拷問による自白強要を受けた。

　2000年6月28日には、陝さんは列車で北京へ陳情に向かったが、河南省新郷で途中で降ろされ、身柄を拘束された。その後、老河口市へ送還され、老河口市第一留置場に40日以上にわたり不当に拘禁され、5500元（約11万円）の罰金を科された。

　2001年の旧正月前、陝さんは北京へ陳情に行ったため、勤務先の当直室に10日余り不当に監禁され、その間、拷問による自白強要を受けた。

　2001年4月13日、陝さんはまた連行され、老河口第一留置場に不当に監禁された。3カ月後、襄樊労働教養所に送致された。襄樊労働教養所では、人員らは陝さんに法輪功への信仰を放棄させるため、強制的な洗脳や体罰を行った。法輪功を中傷するビデオを強制的に見せ、信仰を放棄する旨の保証書を書かせ、両手を足の爪先に触れさせながら足をまっすぐにして立たせる体罰を与えた。悪辣な者らは陝さんを殴打し、樹脂製のパイプで殴打し、革靴のかかとで頭を蹴った。また、コンクリートブロックを運んだり、建物の基礎を掘ったりするなどの土木工事の労働を強制した。2002年10月22日に労働教養が終了するまで、陝さんは、1年3カ月の間、不当に労働教養を強いられた。

　2015年12月7日、陝さんは法輪功を迫害する元凶である江沢民を告発したとして報復を受け、江山機械工場での勤務中に老河口市国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関）の警官らに拘束された。自宅のパソコン、プリンターなどの私物は全て強奪され、2万元（約40万円）の現金は江山機械工場公安処（訳注：国営企業の内部に設置された警察組織）に奪われた。江山機械工場公安処の周建偉は職務の実績を上げるため、上申書を提出し、陝さんに実刑判決を下すよう強く要求した。李明と劉波は陝さんの罪をでっちあげ検察庁に告発した。

　2016年9月、陝さんは秘密裏に不当に4年の刑を宣告され、その後、湖北省荊門市沙洋県范家台刑務所に送致され迫害された。范家台刑務所第4監区の刑務官の陳珍明は、陝さんに「転向」を強要するため、他の受刑者たちに陝さんを苦しめるよう指示した。罰則として立たせたり、3日3晩眠らせなかったり、身体的な拷問によって陝さんに屈服を迫った。陳珍明は、受刑者の柯尊桐と陳俊を唆し、陝さんを殴打するよう指図した。

　2017年10月27日、陝さんは激しい暴行を受けた後、さらに15日間独房に監禁された。

　2017年11月10日、今度は集中訓練隊（訳注：思想転向を目的とした拷問や洗脳を行う特別管理チーム）に移され、3カ月間拘留され迫害された。

　2018年2月、陝さんは第4監区に戻されたが、陳珍明は彼への迫害を止めなかった。

　陝さんは2019年に出所したが、江山機械工場から不当に解雇された。

　2021年1月5日、陝さんは襄陽市谷城県で法輪功迫害の実態を伝えたため、再び拘束され、谷城県拘置所に不当に拘禁された。それ以降、陝さんに関する一切の情報が途絶えた。

　2023年7月になってようやく、陝さんが秘密裏に4年の刑を宣告され、湖北省荊門市沙洋県范家台刑務所に不当に拘禁されていること、さらに拷問により両目を失明していたことが判明した。