文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年9月2日】これからお話しするのは私が法輪大法を修煉する中で実際に起こった出来事です。その出来事が起きたのは数年前、私が路線バスに乗っていた時のことでした。

　私の娘は別の都市で働いており、そこで新たに家を借りました。料理をしたいが中華鍋用のおたまがないと言うので、私は家にあった余分な中華鍋用のおたまとボウル、そしてその他の品物を娘のもとへ持っていくことにしました。

　私は両手に一つずつ大きな袋を提げるとかなりの重さでした。路線バスに乗り込むと車内は多くの人で混み合っており、座席はすべて埋まっていたので、私は後方へ進んで段差を上がりそこに立っていました。

　ある停留所でバスが停車すると、私のそばに座っていた1人の男性乗客が立ち上がって降りようとしました。私はその男性乗客のすぐ左側に立っていたので、そのまま座ることができました。その時、ドアの近くに立っていた1人の女性乗客が、私の隣の男性が立ち上がって降りようとするのを見て、前の乗客を押しのけ、その席に座ろうとしているのが見えました。その女性乗客は左右にいる人々を力ずくで押しのけていました。私はその女性乗客のなりふり構わぬ必死な様子を見て、自分が持っている荷物はとても重かったのですが「私は修煉者なのだから、やはりこの席は彼女に譲ってあげよう」と思いました。

　その女性乗客は見たところ60歳くらいで、彼女が人をかき分けてやって来ると、私は空いた座席の背もたれに手を添え「お姉さん、どうぞお座りください！」と言いました。女性乗客は何も言わずに座りましたが、手には何も持っていませんでした。その年、私は58歳でした。もし修煉する前の私であったなら、このように席を譲ることはなかったでしょう。修煉を始める前の私は決して損をしない人間で、その上、闘争心が非常に強い人間でした。しかし、私は大法を修煉するようになり、師父は法の中で、何事も他人のために考えるよう私たちに要求されています。

　バスがしばらく走ると、私の隣に座っていた少しおしゃれなセーターを着て、髪を黄色く染めた40代くらいの綺麗な女性が私に「そんなに重そうな荷物をお持ちなのに、さっきの席はどうして座らなかったのですか？　彼女に譲ってしまうなんて」と尋ねました。私は「ドアの所にいた彼女がとても急いでいて、乗客を押しのけてまっすぐこの席に向かって来たのを見て譲ってあげようと思ったのです」と答えました。女性は、「どちらの停留所で降りるのですか？」と尋ねました。私が「終点です」と答えると、女性は「それなら終点までまだ50分もありますよ。あの席はあなたが座るべきでした。そんなにたくさんの荷物、どれだけ重いことでしょうか！」と言いました。

　バスがまたある停留所に着き停車すると、女性の隣の席の乗客が降りました。女性は「どうぞ、お座りください！」と言いました。私は「ありがとうございます！」と言って、その若い女性の隣に座りました。女性は再び「そんなにたくさんの荷物、さっきの席はあなたが座るべきでしたよ」と言いました。私は「いえいえ、大したことありません」と答えました。女性は私に「あなたは何か信仰をお持ちなのでは？」と尋ねました。私は「はい、信仰を持っています」と答え、自分が法輪大法を信仰していることを話しました。

　女性は「何を信じているのですか？」と尋ねました。私が「法輪功です」と答えると、女性は途端に大声で「大馬鹿者、大馬鹿者、大馬鹿者！」と叫び始めました。女性は全身の力を振り絞って大声で叫びました。その叫び声に私は少し呆然としました。車内で小声で話をしていた人々も、女性の大声を聞くと、車内はすっかり静まり返り物音一つしなくなりました。

　車内の誰もが口をつぐんでしまいました。若い女性はさらに「政府が信じるなと言っているのにどうしてあなたはまだ信じているの？」と言いました。女性はさらに、中国共産党（以下、中共）による中傷の言葉を口にしました。私は「信仰は自由です。法輪大法は佛家の修煉であり、真・善・忍を修めるものです」と言いました。

　しかし女性は聞く耳を持たず、私の言葉を遮り、大声でわめき、理性を失った言葉を並べ、さらに大声で叫んで私に話をさせませんでした。私は「私たちはどこにいても他人のためになるように努めています」と言いました。女性は私に話をさせず、またもやマシンガンのように大声で叫び、私に口を開かせませんでした。その時、私は心の中で「彼女と口論しない。心を動かされない。正念を発し彼女の背後にある一切の邪悪を取り除こう」と思いました。

　女性が少し落ち着くのを待って、私は落ち着いて穏やかに「もしあなたが友達を作るとしたら、いつもあなたを陥れようとしたり、傷つけようとしたりする人と付き合いたいですか？　それとも、いつもあなたのことを考え、あなたのためを思ってくれる善良な人と付き合いたいですか？」と彼女に言いました。女性は何も言わず、静かにその場でしばらく考えていました。

　すると突然、また大声で叫びました。「これからは誰であろうと法輪功の悪口を言う者がいれば、この私が許さない！」と胸を叩いて言いました。女性は大きな声で「法輪功は素晴らしい！　法輪大法は素晴らしい！」と言いました。

　その時、バスはすでに停留所に着いており、女性は立ち上がって降りようとしました。バスのドアの所まで来ると、人々がドアの周りに集まっていました。ドアがまだ開かない中、女性は乗客の中から私を探し、私に向かって手を振りました。私も笑顔で女性に頷き返し、手を振りました。

　バスを降りた後も、女性は車の窓越しにまだ私を探しており、私は彼女に手を振りました。その姿はまるで遠くへ旅立つ旧友との別れを惜しんでいるかのようでした。

　私は女性のために本当に嬉しく思いました。女性が大法に対して正しい認識を持つことができたからでした。衆生が一日も早く自らの意志で積極的に真相を探し、真相を聞き、そして目覚めることを願っています。