　【明慧日本2025年9月21日】同修Aさんが私に、彼女と同修Bさんの間で心性の摩擦が生じた小さな出来事について話してくれました。AさんはBさんのためを思って、Bさんが気づいていない問題を指摘し、改めるように促しました。目的はBさんが執着心を放下し、修煉において突破し向上できるよう助けることでした。

　ところが2日後、Bさんが私に会った時、Aさんとの間にあった不愉快な出来事をいくつか話しました。BさんはAさんに対して不満を示し、感謝するどころか逆にAさんの不足や欠点を指摘したそうです。Aさんはその時あまり受け入れられず、自分を弁解する理由を探し、二人は少し口論になりました。

　私は二人の間に起きた一つ一つの一見小さな出来事の話を聞いて、互いに相手の人心の表れを強調していることに気づきました。これらは本当に私に見せていることであり、師父が彼女たちの表れを通して、私に修め取り除くべき執着心を重視するように悟らせてくださっているのだと認識ました。そこで私は心を静めて内に向けて探し、以下のちょっとした悟りを書き出し、同修と交流したいと思います。

　なぜ二人の同修がそれぞれ私に話してくれたのか？　一見小さな出来事でも心性の関を乗り越えられなくなるのはなぜか。根本を突き詰めれば、やはり私の修煉の基礎がしっかりしていないからです。長年学法してきても法を得られておらず、法に対する理解もはっきりせず、高い次元の法理を理解できないです。そのため主意識の心が狭く、包容力が小さいので、常人のように目先の「私が正しいか、あなたが間違っているか」と争ってしまいます。つまり、ただ事をこなしているだけで、真に修めておらず、まだ常人の次元、常人の観念の中をぐるぐる回っているのです。だからこそ、自分に関わることに出会うと、まず外に目を向けてしまい、相手のあれこれの不足や欠点が法に合っていないとみては、同修のことを心配し、同修が早く改めるようにと望んでしまいます。そして「彼女のためだ、指摘してあげるのは同修に責任を持っていることだ」と、もっともらしい理由を探してしまうのです。

　ところが同修は感謝するどころか不満を示し、自分に対して不公平だと感じ、心の中でバランスを失い、恨みや不服の気持ち、争う心や嫉妬心を抱えながら、私にぶちまけて来たのです。

　あぁ、やっと分かりました。私は以前同じようなことを経験したことがあります。今になって悟ったのは、その根源は自分に触れさせまいと守ろうとする私心にあり、それが人に言わせず、法の中で悟らせないのだということです。私は指摘されると、心の中で不快になり、いつまでも忘れられず、時にはずっと気にしてしまいます。何年も前のことでも、時々思い出しては、やはり相手が悪いのだと考えてしまします。表面上は穏やかに見えて「あなたも私も良い人」という感じでも、実際にはその心は残っていて、その時に執着の根を掘り出していなかったから、そういう出来事がうやむやのまま過ぎてしまいました。たとえ自分が悪かった、間違っていたと意識できても、それで終わりにしてしまい、何年もずっとそうやって過ごしてきたのです。

　師父は繰り返し弟子に「自分をよく修めること」を教え、内に向けて探すという法の宝（最も有効な手段）を授けて下さいました。けれど私はそれを上手く活用できず、つまり師父の話を聞かず、師父が用意して下さった修煉と向上の道をしっかり歩んでこなかったのです。そのため、師父が弟子の向上のために用意して下さった一つ一つ一見小さな出来事を私は大したことと思わずに過ごしてしまいました。修めるどころか、むしろその出来事を通して数々な執着心を起こしてしまったのです。

　師を信じ、法を信じるとは何を指すのか。師父の話を聞くとはどういうことか。法に合う基準とは何か。自分をしっかり修めるとはどういうことか。自分で量ってみれば、修煉の状態がどうであるかはすぐ分かります。私は以前いつも外に目を向け、ある同修が法に合っていないとか、自分の考えややり方に合わないところを見ては、口には出さなくても心の中で怨みを抱き、同修が間違っているという執着を生じ、それに執着して放さないでいました。実際には、私は師父の法を理解していなかったために、人心を取り除かず、そのような結果を招いていたのです。

　今、私は『轉法輪』の第二講「天目の問題について」を学んで、やっと少し法理を悟りました。つまり、人類社会全体において、人間のこの肉眼はあくまでも一つの道具の役割しか果たしておらず、しかも見ているのはすべて虚像であって、本当の実像ではないのです。とろが、人々は皆そうやって見ているので、それを誤って真実だと認識してしまいます。師父の法を信じて着実に修める人だけが、法理を理解した後に、目で見ているものが偽物だと分かるのです。

　この虚像は、私たち修煉者にとっては逆に真相ともなります。つまり、師父は私たちに、人間の目に映るこの虚像を利用して、逆に内に向けて探し、自分を修めるようにさせて下さっているのです。迷いの中で、悟りの中で、私たちが見ている相手の姿は、まるで自分の目の前に置かれた一枚の鏡のようなものです。それはちょうど師父が法の中で説かれている「遠隔透視功能」（『轉法輪』）のように、何度も映しては反転し、消すというふうに絶え間なく反転します。ですから私たちが相手の一つ一つの法に合わない現れを見た時、それは実は自分自身なのです。言い換えれば、私たちが目にしているのは虚像ですが、修煉においては真相と見なすことができるのです。それは自分に反転してみせているものであり、修煉者が何を修めるのが、それを一目瞭然にして下さっているのです。

　なぜなら、師父は繰り返し弟子に戒めておられます。私たち修煉の道で起こる全てのことは決して偶然ではなく、全てが師父のご苦心によって用意されたものであり、弟子が人心を取り除き、向上できるようにして下さっているのです。

　もし私が、同修が私に話してくれた人心に触れる言葉や、ある同修の欠点や不足を何の割引もせず、無条件で自分に返して探せるなら、それこそ法の中の真の向上であり、師父が授けて下さった法の宝を本当に得たことになります。それこそ修煉の道で飛躍的に進むことです。