文／重慶の大法弟子　

　【明慧日本2025年10月5日】二十数年前、私は同修と協力して法輪大法を伝え、毎朝7時に出発し、10時過ぎに帰宅していました。毎日出かける時、私たち2人はやる気に満ち、全身に尽きることのないエネルギーがみなぎっていました。伝えることはどれも道理にかなっており、人々が法輪大法のことを理解するにつれ、三退する人数は日増しに増え、私たち2人は救うべき人を増やす自信をさらに強めました。

　ある日、同修が私に「お姉さん、どうしてだろう？　毎日出かける時は全身に尽きることのない力がみなぎっているのに、帰ると全身がだるくて足に力が入らず、歩けなくなってしまうの」と言いました。私は「私も同じだわ。私たちはただ大法の真実を伝えることに専念しすぎて、法を学ぶ時間が足りず、法を正す進展についていけなくなったからこうなったと思う」と話しました。同修が「じゃ、どうすればいいの？」と聞くので、私は「もっと法を学ぼう」と答えました。同修は「そうね」と言い、私は「法を読みながら暗唱して、法を心に刻み込めたら素晴らしいね！」と言いました。同修は「そうね、暗唱を終わらせる期限を決めましょう」と言いました。私が「1年で十分でしょう」と提案すると、同修は「1年で決まりね」と同意しました。

　一、初めて法を暗誦する

　私たちは家に帰ると、それぞれ自分の約束を果たしました。夜、用事を済ませた後、私は法を学び始めました。一講を学び終えると、すぐに暗誦を試みました。第一講から、一文一文読み込んで、また一文一文暗唱して覚えました。第一段落は全部で十一文ありました。2時間かけて暗唱し、すっかり覚えました。12時になり正念を発する時間になりました。正念を発し終えて、法も暗唱したし、3時20分の全世界の同時煉功に遅れないよう、早く寝なければと考えました。

　翌日、私たちはいつも通り、人々に法輪大法を伝えるために出かけました。夜、法を暗唱しようとして、私は呆然としました。昨夜、完璧に覚えていた法を一字たりとも思い出せないのです。どんなに思い出そうとも頭の中は真っ白でした。しかし、本を開けば一文一文の法が目の前にありました。本を閉じると、また一言も思い出せなくなりました。このようなことが何度も繰り返されました。「この段落が長すぎるのかもしれない」と思い、今度は最初の6句だけを選び、繰り返し暗唱しました。非常に非常に熟知するまで読み込みました。これで忘れることはないだろうと思いました。

　3日目の夜、私が『轉法輪』を手にしたとき、前日のように一字も思い出せなかったのです。「この法はなぜこんなに覚えにくいのだろう？」と思わず口にしました。本当に、法は覚え難く、法を覚えるのは難しいと感じました。再び『轉法輪』を手にし、師父の写真をじっと見つめ、師父に助けてほしいと思いました。しかし、ふと「師父がこんなに貴重な大法を私に授けてくださったのだ。大切にしなければならない。私はなんて幸運なんだろう！　世に難しいことはない、ただ心がけ次第だ。今日こそ第一段落を必ず暗記できるようにする。主元神、副元神、身体の全ての細胞を総動員し、この段落を覚えるまで寝ないと考えました。

　4日目の夜、私は『轉法輪』を手に持ち、スムーズに第一段落を暗誦し終えました。暗誦の第一関門を突破したのです。何事も初めが難しいのです。私は怠らず読み進めましたが、困難はさらに増しました。「こんなに難しいなら、もう覚えるのをやめようか」と思いました。しかしすぐに「だめだ。師父はこんなに貴重な宇宙大法を授けてくださった。他人が望んでも得られないものを、私は得た。大切にしなければならない。こんな小さな困難を、私が恐れるわけがない」と考え直しました。そして暗誦をし続け、一文読むごとに一文覚え、一節を覚えたら次の節へ進むことにしました。

　ある日、娘が「うちの会社は不景気で、リストラがあるらしい。今回は私の番なのかな」と言いました。以前なら、この言葉を聞いたらすぐに怒り出したのに、なぜか私はただ静かに娘を見つめ、頭の中が真っ白で、一言も言葉が出なかったのです。その時、脳裏に浮かんだ文字は、「法の暗唱」でした。「あっ」と声を漏らし、私は法を暗唱すべき時なのだと思いました。私は平穏な声で「会社には会社の事情がある。自然に任せよう」と言いました。この最も苛立ちやすい私の心は、法を暗唱しているうちに次第に落ち着いていました。その後、私はより自信を持って法を暗唱するようになりました。

　私は大法の真実を伝え、大法のプロジェクトを行い、家事をこなす以外に、少し時間があれば法を暗唱していました。40日かけて、私は第一講を全て暗唱することができました。続く段落はますます深遠で、内包する意味も広大になり、暗記はより困難になりました。私は一語一語丁寧に読み込み、表面の文字が持つ意味を理解し、それから通して読み、暗唱できるまで繰り返しました。

　法を学び、法を暗記する中で、知らず知らずのうちに多くの頑な執着や焦りが消えました。嫉妬心と怨恨心は双子の兄弟のようなもので、片方だけ手放そうとしてもだめで、がっちりと掴んで離さないのです。「嫉妬心」の一節を暗唱する時、私は繰り返し読んで暗唱し、法の内包を理解しました。師父は嫉妬心の根源、それが人に与える害、そして嫉妬心を解体する法も説かれました。

　1年が経ち、私は同修に「法はどこまで覚えましたか？」と尋ねると、同修は「ああ、法を覚えるのは本当に難しい。しばらく暗唱していませんが、一節も覚えられなくて、もうやめてしまいました」と言いました。私は「どうして途中で諦めるの？　困難はあるけれど、諦めてはいけないよ」と話しました。同修は「用事が多くて覚えられないから、もうやめた」と言いました。数日後、同修は孫の世話で地方へ行ってしまいました。私もまた、消耗品の購入、資料作成、DVDの制作（当時は需要が非常に多かった）、資料配布、資料発送などに追われる日々で、学法と法の暗記することが疎かになってしまいました。

　二、再び法を学び、法を暗誦する

　あっという間に20年が過ぎ、2023年に『明慧週刊』で同修たちが法を暗誦する記事が相次いで掲載され、私に大きな啓発を与えてくれました。私は大法の本を手に取って暗誦しようとしましたが、一言も思い出せなかったので、とても焦りました。この大法は元々暗誦できたのに、実は自分を甘やかしていたのです。古くから言うように「3日歌わぬと口が鈍り、3日働かないと手が鈍る」。私は長年、法を暗誦せず、他人が暗誦しなければ自分も暗誦せず、人を真似て法を学ばず、毎日ただ法を文字通り読み上げるだけでした。二講の法を読み終わらせれば任務を果たした気分で、大法のプロジェクトに忙殺されていました。大法資料を作成し、資料を送り、資料を配布することでした。しかし根本を忘れていました。

　自分は確かに常人が大法の仕事をしているに過ぎず、大法による保障がなければ、執着心はなかなか消えず、心性は高まらず、身体の変化も大きくなく、ましてや次元も上がらないのです。率直に言えば、表面上は大法弟子と名乗っていますが、真に修煉しておらず、大法の看板を掲げているだけでした。要するに修煉の仕方を知らないのです。私は冷や汗をかきました。師父に「私は間違っていました。恩師の苦心惨憺たる救いを裏切りました。これからは修煉の姿勢を一新し、大法の中でただ流されるようなことはしません」と申し上げました。

　私は18年間続けてきたプロジェクトを一時中断し、全身全霊で修煉に打ち込み、法を学び、法を暗誦しました。私は丁寧に大法の本を手にし、両目で本の一字一句、一行一行、一段落一段落をじっと見つめながら、口では誠実に唱え、頭では覚え、心では意味を理解しようとしました。今回の暗誦は以前よりずっと容易でした。師父は私が法を暗誦する決意を見られ、私に知恵を開かせてくださいました。

　数年前、街で数人の同修に会いました。その中の1人が三退リストを手に持ち、キョロキョロと協調人を探していました。私は小声で（安全に気をつけて）「リストを私に渡して、私が協調人に渡す」と言いましたが、同修は怒り、声は大きくないが真剣な口調で「このリストがどれほど重要か分かっているの？　私があなたに渡して、ちゃんと保管できるの？　時間通りに発表できるの？」と彼女はますます怒りを募らせ、私の面目を潰し、辱めようとしました。他の同修たちは私を軽蔑の眼差しで見つめました。私の心は五つの味の瓶を開けたように複雑で胸が苦しく、羞恥を感じました。翌日、協調人が集めた三退リストを全て私に渡しました。私が正確に確認した後、「退党センター」に全て送信し、また多くの衆生が救われました。救われた人々を祝福し、彼らのために心から喜びました。

　つい先日、突然悟りました。師父は私の心性を高め、最も頑固な面子を気にする心、顕示心、私心、独善的な心を取り除くために、心を尽くし、周到に按排し、同修の口を借りて私を悟らせ、私の執着や悪い心を取り除いてくださったのです。そうして私は急速に向上することができたのです。師父の救い済度に感謝し、同修の助けに感謝します。

　三、絶えず法を学び、修煉する

　師父の大法は広大で深遠であり、表面の文字は平易で理解しやすいのですが、その内包は深遠で測り知れないのです。

　一昨日、私が数人に法輪大法の真相を話していた時、その中の１人が私に「あなたは誰と一緒に住んでいるの？　これくらい（五本の指を揃え）でしょうか？」と聞きました。私は「1人暮らしです。83歳です」と答えました。彼らは驚き、私をじろじろ見回し、信じられない様子でした。実は、私が大法を修煉したからこそ、師父が私の十数種類の病気を取り除き、体を浄化し、健康な体を与えてくださったのです。これは師父からのご褒美であり励ましです！

　法を学び、法を暗誦する中で、師父は私の気づきにくい頑固な執着を取り除いてくださいました。私は大法から計り知れない恩恵を受けています。これは法を学び、法を暗誦する中で得たものです。この数カ月で『轉法輪』を十三回暗唱しました。

　私がこの記事を書く目的は、大法弟子として、特に私と同年代の年配の同修たちに伝えたいのです。この末劫の最終期において、年齢が何歳であろうと、迷いの中にある天命を知らない子供に過ぎないのです。骨の髄まで染みついた名、利、情を手放し、どうか修煉を怠らず、難関を断固突破し、あらゆる妨害を排除し、不断に法を学び、法を暗唱し続けてこそ、大法の玄妙で殊勝なる真髄が分かるのです。師父は必ず助けてくださいます。あなたが注ぐ努力の分だけ、計り知れない恩恵が返ってきます。大法の中でこそ恩恵を得られるのです。

　私は何も見えませんが、師父が常にそばにいて、一歩一歩神への道へ進む私を見守ってくださっているのを感じます。

　結び

　修煉の中で、私は恩師の慈悲深い保護と周到な按排を受け、苦海の最も深い迷宮から救い出され、最も貴重で、他人が望んでも得られない神聖な大法を授かりました。私はこの上なく幸運です。法を学び、法を暗誦する中で感じたことはまだ多くありますが、紙面の都合上、これ以上詳しく述べることは控えさせていただきます。心から師父に感謝申し上げます。