　【明慧日本2025年10月9日】（吉林省／明慧記者）長春市の法輪功学習者（以下、学習者）・于英傑さんは、二道区藍色港湾団地にある母親の家で、寝たきりの母親の世話をしていた。9月15日夕方6時ごろ、重慶路派出所の若い警官3人が、召喚状と捜索令状を持って母親宅のドアを叩くと家に入り、于さんを連行した。母親は病床に伏しており、他に看護する者がいなかったため、警官は于さんに弟へ連絡させ、急いで来て母親を看るよう告げた。弟と于さんの夫が現地に到着した後、警官は于さんの携帯電話、タブレット、法輪功関連資料などを押収し、于さんを連れ去った。

　翌日、于さんの夫は弁護士に依頼し、省庁から市局まで関係者を探し回ったが、「今回の案件は部門全体で管轄しており、弁護士はいかなる段階においても介入できない」との返答を受けた。本件に関与した警官は功績があったとして表彰されたという。

　同日、連行された学習者が数人いるとの情報があるが、詳細は不明である。于さんたちは、屋外で法輪功の資料を貼付していた際、警官に尾行されビデオ撮影されていたのが連行の理由だといわれている。

　于さんは法輪功を学んで20数年になる。元は小児科病院の看護師を務め、同僚からも良い人として知られていた。結婚後、グラフィックデザインの事務所を開業し、その誠実な人柄から誰とでも友好的に付き合い、経営も順調であった。

　2012年11月7日、于さんは親戚宅で「市公安局」を名乗る2人組に連行された。その前に、于さんの夫が彩宇大街派出所に呼び出され、事情聴取を受けたことがあったため、それ以来おそらく警察の監視対象となっていたもよう。11月9日には家宅捜索もされ、長年経営してきたグラフィックデザイン事務所も閉鎖せざるを得なくなった。

　于さんの母親は、娘への迫害の衝撃に耐えきれず、一日中、涙に暮れ、数日間ろくに食事もできなかった。于さんの小学生の子供も、世話をしてくれる者がおらず、食事もまともに摂れない日々だった。

　連行事件後、家族は于さんのため弁護士を雇ったが、警察側は「于英傑の事実関係は明確であり、弁護の余地はない」としてこれを認めなかった。于さんは長春市第三拘置所に拘禁され、家族が面会しようとしても度々許可されなかった。

　2013年10月17日朝6時30分、于さんたち4人の学習者は長春市朝陽区裁判所に連行され、家族への傍聴通知や弁護士への出廷通知もなく、裁判が行われた。裁判は開廷から十数分で終了した。于さんは弁護士の出廷を求めたが、裁判長の陳暁静に阻止された。そこで于さんは陳暁静の解任を求めたが、却下され、裁判は続行された。于さんが裁判所に抗議すると、裁判所の入口にいた男が「これ以上何か言ったら絞め殺す」と叫んだ。

　同年11月末、裁判長・陳暁静は学習者・楊恵麗さんと于さんの家族に電話で「判決を下した。控訴しなさい」と伝えると、その直後から連絡が取れなくなった。家族が尋ねた結果、裁判所は秘密裏に楊さんに懲役3年6カ月、于さんに懲役3年2カ月の判決を下していたことが判明した。于さんと楊さんは2014年5月5日に第三拘置所から女子刑務所へと移送された。