　【明慧日本2025年10月9日】黒竜江省大慶市の法輪功学習者・張鳳霞さん（以下、学習者）は、今年8月11日、大慶市公安局会戦支局の警官に自宅から連行され、留置場に収容された。連行から7日後の8月17日、張鳳霞さんは留置場で突然死亡した。享年52歳

　いわゆる事件担当部署である会戦支局は、張さんの死亡当日になって、保釈手続きを行い、それによって責任逃れを図ろうとした。

張鳳霞さん

張鳳霞さん

　張鳳霞さんが亡くなった経緯

　張さんは大慶市に住んでいた。今年8月11日の午後2時過ぎ、張さん夫婦は親戚との集まりを終えて帰宅したばかりだった。その時、突然家が停電した（後にこれは誘い出すための罠だったと判明）。2人は特に気にも留めなかった。

　しばらくして、張さんの夫に電話がかかってきた。「あなたの車が私の車に擦られた。降りてきて見てくれないか」という内容だった。夫がドアを開けると、会戦支局刑警三隊の隊長・薛某（携帯：13339500087）が、他の警官2人を引き連れて強引に室内に押し入った。彼らは張さんを自宅から強制的に連行した。

　同日夜8時頃、張鳳霞さんは「法律実施を破壊した」との容疑で、大慶第二留置場に不当に収容された。

　8月17日、不当な拘束から7日目の午後2時頃、家族は留置場長・侯某（携帯：13339599300）から突然電話を受けた。「大病院にすぐ来るように。張鳳霞の容体が危ない」という内容だった。「早く来てくれ。救急外来だ。遅れると会えなくなるぞ！」

　家族や親族が大病院の神経二科救急外来に駆けつけた時、張さんは全身に管を挿され、酸素マスクを着けていた。医師によると、脳血管腫が破裂し、頭蓋内出血量が200CC以上に達しており、開頭手術は不可能で、生還の望みはないとのことだった。

　家族は、やむなく彼女をICU集中治療室に移し、人工呼吸器を装着した。これは、遠方の親族が到着するのを待ってから、生命維持装置を外して葬儀を行うためだった。

　家族が病院に到着した時、公安局と留置場の関係者20人以上がすでに集まっていた。張さんが集中治療室に入った後、事件担当者は張さんの家族に「保釈」の書類に署名するよう求めたが、家族は拒否した。

　留置場長・侯某は再三懇願した。「我々もこんなに大勢来ている。署名してもらえないと、皆帰れないんだが…」家族は人の良さから押し切られ、ついに署名した。

　続けて警官は「釈放」の証明書にも署名するよう求めた。家族は怒りを抑えきれず言った。「これを何が釈放だ！　人をICUに釈放したっていうのか！」

　「釈放」証明書への署名を拒否された後、警官らはすぐに病院を後にした。救急、蘇生措置、ICU、葬儀の準備など、すべての費用は家族が自己負担した。3日後の8月20日、張さんの遺体は火葬された。張さんは不当な仕打ちを受けたまま、わずか52歳でこの世を去った。

　家族は、公安機関に法的責任を取らせ、妥当な経済的・精神的賠償を要求するため、事件担当者や責任機関に対して何度も説明を求めたが、冷たく拒否された。

　彼らの主張は「張鳳霞さんは突発的な疾病で死亡した」というものだった。これは、事件担当部署や留置場には何の責任もないという意味である。

　隊長・薛某は、次のように述べている。「巡視組の要求で、法輪功の過去3年間の事案は全て結案しなければならないことになっている。上層部が逮捕を命じたのであって、我々は逮捕するだけ。他は関知しない」

　第二留置場所長は「我々は人を監禁する責任を負っているだけで、ここに連れてこられた人には、髪の毛一本すら触れていない。事件処理とは我々は関係ない」と述べた。

　所長はまた、張鳳霞さんが収容時に留置場で健康診断を受け、採血やCT検査を行い「健康診断は合格だった」と主張した。

　家族が「CT検査をしたなら、なぜ脳の問題を調べられなかったのか？」と尋ねると、所長は「胸部CTを行った」と答えた。

　第二留置場は、家族に対して監視カメラの映像を見せた。しかし、留置場内でしか見ることができず、多忙な家族は全編を見る時間がなかったため、死亡当日の映像を選択して見た。映像は終始音声がなかった。

　8月17日正午の監視映像には、張鳳霞さんが仰向けで昼寝をし、両手を腹部で組んでいる様子が映っていた。正午過ぎ、突然両手両足を同時に持ち上げ、そのまま空中で硬直して動かなくなった。手は組んだままの状態だった。すぐに監視室の当番者が駆けつけ、人中（鼻と上唇の間）を押さえた。数分後、刑務官や医師が次々と到着し、医師が胸部を圧迫して心肺蘇生（CPR）を行った。20分後、救急車が到着し、彼女は病院へ搬送された。

　心肺蘇生が必要となるのは、呼吸が停止した状態である。この映像は、張鳳霞さんが留置場にいた時点ですでに呼吸が停止していたことを示している。集中治療室（ICU）に入った時点で、事実上死亡が宣告されたに等しい。

　張鳳霞さんの人生における2度目の「保釈」は、集中治療室に移されてから手続きが行われた。家族は今なお「人が死んだのに、保釈や釈放に何の意味があるのか？」、「保釈や釈放は一体誰の必要性のためだったのか？」と理解に苦しんでいる。

　張鳳霞さんが連行・収容された理由

　では、張鳳霞さんは一体何をしたのか、なぜ会戦支局は彼女を連行し収容する必要があったのか。

　今回の連行は、実は2022年の張鳳霞さん連行事件の継続だった。

　2022年7月12日早朝、張鳳霞さんが自宅のドアを開けて仕事に出ようとしたところ、大慶会戦支局の李志財（携帯：1339500300）ら7、8人の私服警官が突然押し入り、張鳳霞さんと夫を会戦公安支局に連行した。そして、家宅捜索を行い、数10冊の法輪功の書籍、師の写真、パソコンの本体などの私物を押収した。

　警官は、張鳳霞さんが利民苑のある建物の廊下に「真相の小冊子」を置いたことが監視カメラの映像に記録されていると述べ、さらに「（廊下で）上から下まで全部配っただろう、どの階にもあった。4月から君を捕まえようと思っていたんだ…」と言った。

　この日、大慶地区の多くの学習者が連行された。当局は人目を欺くため、各公安支局は管轄区域外で事件処理を行うを実施した。張鳳霞さんの住む団地は鉄人支局の管轄内だが、彼女を逮捕したのは会戦支局だった。

　警官は張鳳霞さんを不当に尋問し「保証書」などを書くよう強要した。しかし、同日午後、コロナウイルスの影響でPCR検査ができず、留置場が収容を拒否したため、警官は張鳳霞さんに「保釈」の手続きを行い、自宅に帰した。

　張鳳霞さんは定職を持たず、アルバイトで生計を立てていた。連行前は、大慶東風中学の食堂の売店で働いていたが、この連行によって職場を解雇された。彼女は仕方なく別の仕事を探し、幼稚園の保育士の仕事を見つけた。

　しかし、その1年後、警官・李志財が幼稚園に現れ、張鳳霞さんを訪ねた。「保釈期間が満了した」と言って「監視居住」の書類を取り出し、署名するよう強要した。署名するまで帰らないという態度だった。さらに、自ら検察庁に行って調査を受けるよう要求した。

　張鳳霞さんはきっぱりと拒絶した。「私は検察庁には行かない。私は犯罪など犯していない。私は真・善・忍を修煉し良い人間になろうとしているし、気功で病気を治し健康になっている。罪があるというのか？　私が真相の小冊子を配るのは、人々に真実を理解させ、疫病を避けさせ、平安を守らせるためだ。人を救おうとしている。私に何の罪があるというのか？」

　これ以降、李志財は張鳳霞さんに何度も電話で嫌がらせをした。再び連行されるのを避けるため、張さんは一時的に家を離れて身を隠した。警官は彼女の自宅や夫の職場に行き、夫に嫌がらせをしたり尾行したりしたため、一家は正常な生活を失い、常に怯え、多大な精神的圧力を受けていた。

　その一年後、警官・李志財による嫌がらせは少なくなった。代わりに、コミュニティの担当警官が、時折、家族に張さんが他所にいる時の写真を提出するよう求めた。

　その後、担当警官は家族に言った。「帰ってきて普通の生活をしていい。もう大丈夫だろう。証拠が不十分で、判決には至らないだろう」。こうして張鳳霞さんは自宅に戻り、一家はついに安堵のため息をついた。

　ところが、その半年後、張鳳霞さんは再び突然連行された。今回、逮捕・事件処理を担当したのは、刑警三隊隊長・薛某ら3人だった。逮捕の理由は、なんと「逃亡」というものだった。担当警官に何事かと尋ねても、彼は「私にも分からない」と答えるばかりだった。

　張鳳霞さんが亡くなった後、事件に関わったすべての警官は自分には責任がないと主張し、皆が自身の関与を完全に否定している。では、誰に罪があるのか？

　もし張鳳霞さんが長期にわたる嫌がらせを受けず、逮捕や監禁もされず、普通の生活を送り、これほどの巨大な精神的圧力がなければ、このように急死しただろうか？