文／遼寧省の大法弟子

　【明慧日本2025年10月15日】私は1997年に法輪大法の修煉を始めました。20年以上の修煉を通じて、大法は家庭、近所付き合い、職場での人間関係など、あらゆる場面で私の指針となってきました。ここで、修煉を通じて体験したいくつかの小さなエピソードを皆さんと分かち合いたいと思います。

「うちほど仲の良い家はない」

　若い頃、父の収入が少なく、母は町工場で働いていましたが、後に工場が潰れ、年金もなくなりました。私は経済的にたびたび援助しました。冷蔵庫が出始めた頃に買ってあげたり、炊飯器が壊れたと聞けば新しいものを届けたり、鍋や食器、生活用品も揃えてあげました。現金を渡すこともありました。

　両親の家は平屋だったので、中庭に業者を呼んで二部屋を増築しました。登記は末の妹が行いました。その後、再開発で住宅面積が大きく増え、両親はとても喜んでくれました。

　父が退職後は、夫が手続きの手伝いをして年金を増やしてあげました。母の死後、父は十数万元を貯金し、私に付き添ってもらい銀行へ預けました。満期になるたび一緒に更新に行きました。1年ほど娘の手伝いで地方に行っていた間は、妹が父のお金を管理し、戻ってきたときに「6万元を妹に渡した」と父に聞きましたが、私は何も言いませんでした。

　ある日、父が私に3万元を渡そうとしましたが、私は「他にも兄弟姉妹がいるから受け取れない」と断りました。妹が代わりに預かると言ったので、「私はいらないから、好きにして」と伝えました。

　別の日に、父がまた2万元を渡そうとしました。私が断ると、やはり妹が預かりました。父は「お前が一番この家のために尽くした」と言い、母もそう言っていたと話し、遺産を多めに残したいと遺言を書いて渡しました。私は「そんなことをすれば家族が壊れる」と言い、その遺言を破棄しました。父は書き直してまた渡そうとしましたが、それも後に捨てました。

　兄は他県にいて、時々帰っては父の様子を見てまた戻っていきました。父が90歳近くになると、私たち三姉妹が交代で世話をするようになりました。妹夫婦は父と同居し、私と次妹は日中通って介護や食事の準備をしました。父はとても嬉しそうでした。

　兄が帰省すると妹が家に戻ることになり、平屋の妹宅は冬は寒く、暖房も不便で戻りたくないため、父に電話させて「帰らなくていい」と言わせていました。兄は家を妹に取られるのではと心配して帰ってきました。兄は父の預金を確認し、「こんなに少ないはずがない」と怒りました。その後は兄が父と暮らし、年金も管理するようになりました。

　ある日、次妹が「父のお金、妹が全部取ったのでは？」と私に聞いてきました。私は「妹夫婦は2年間よく面倒を見てくれた。もらうべきならもらえばいい。父が喜んでいるならそれでいい。妹も生活が大変だし」と伝えると、次妹も納得してくれました。

　その後、父は体調を崩し、兄が「家と年金は自分が引き受け、父が亡くなったら姉妹に数万元ずつ渡す。その代わり交代で介護する」と提案し、契約を交わしました。

　2022年末、コロナの制限が解除された頃、兄夫婦と妹たちが全員感染しました。私は唯一感染せず、1カ月間ずっと父と兄夫婦の介護をしました。兄は「お前がいなかったら、うちは全滅だった」と言い、義姉も「本当にすごい。まるで毒に無縁ね」と感心しました。間もなく年末だったので、私は年越しの準備も手伝いました。

　父はその後3年間寝たきりで、紙おむつを替え、食事を一口ずつ食べさせ、夜中に何度も起こされましたが、床ずれもなく、部屋に臭いもありませんでした。兄弟姉妹は皆、力を尽くしました。兄は誇らしげに「うちほど仲の良い家はない」と言いました。

　父が安らかに旅立った後、兄は約束通り、契約に従ってきちんと分配してくれました。

　マンションでの出来事

　2022年末、私の住むマンションで商売をしている近所の方から「車庫を1カ月だけ倉庫として使いたい」と頼まれ、500元を受け取りました。使い終わった後、彼女は壁を白く塗ってくれました。私は「お金は返すよ、塗装にも費用がかかるのに、二重に取れない」と言って返しました。彼女は「少し塗っただけ」と遠慮しましたが、私は「私は修煉者だから、そういうことはできない」と言って何度も返しました。それ以来、彼女や家族はとても親切にしてくれるようになりました。

　私たちの団地は築20年以上で管理会社もなく、地下室にドアもありませんでした。最初は問題なかったのですが、棟のドアが壊れてからは中で用を足す人も出て、夏には悪臭がひどくなりました。誰も動こうとしなかったので、二階の住人に相談し「お金は出すのでドアを付けてほしい」とお願いしました。彼は快く引き受け、私は400元を渡しました。「足りなければ追加で」と伝えると、「大丈夫」と言って設置してくれました。その後は環境も改善しました。

　また、棟の廊下の照明の電気代は私が各戸から集めて支払っています。私はこの棟で最年長で、もうすぐ70歳です。若い人たちに頼みましたが「時間がない」と断られ、自分で続けることにしました。2年に一度のペースで集金していますが、賃貸や空き家が多く、集めにくいこともあります。不足分の10元、20元は私が補っています。

　4階には、農村出身で孫の進学のために都市に出てきた女性が賃貸で住んでいます。彼女は電気代を払った後、「家の前の照明がつかない。誰か修理してくれないか」と言ってきました。私は「管理会社がないので、自分でなんとかするしかない」と伝えました。数日後、「息子が直そうとしたが、配線が悪いのでは」と言われましたが、「同じ配線でも、うちは点いてるから問題ないと思う」と答えました。すると彼女は「息子が電気代を払ってるなら、修理もしてほしいと言っている」と言いました。私は「払ってるのは電気代で、修理費ではない」とだけ伝えて帰りました。

　その後、「集金をしていると余計なことに巻き込まれる」と少し嫌な気持ちになりましたが、すぐに「修煉者に偶然はない」と思い直しました。彼女は田舎から来て、孫の進学のために頑張っており、都会の生活はお金もかかり、不安も多いはず。ただ照明の仕組みを知らなかっただけかもしれない」と思い至りました。

　家にあったセンサー付きの電球を持って行き、「もしソケットが壊れていたら、普通のソケットにしてこれをつけて。そうでなければ普通の電球で点くはず。節電型は相性が悪くて点かないこともある」と説明しました。これは電器店の人に教わったことでした。彼女は「知らなかった」ととても喜び、何度もお礼を言ってくれました。

　「大法を修める者はやはり違う」

　私の勤務先は1997年に立て替えのため取り壊され、職員全員が失業しました。建物が完成すると、上層部から「お金を払えば売店のブースを購入することができる」との案内があり、私は二つのブースを購入しました。

　分配の日、書記と経理の二人の幹部が「職員に先に選ばせて、余ったものを私たちが買う」と言いました。その言葉に私は感動し、「立派な態度だ」と思いました。常人でさえそう言うのだから、修煉者である私はなおさら先に選ぶべきではないと考え、皆が選び終えてから残った二つを受け取りました。

　しかし後で分かったのは、その二人はすでに入口近くの最も良いブースを二つずつ手に入れていたのです。私が受け取ったブースは場所が悪く、賃料もあまり取れませんでした。二つ分のブースを貸しても、他人の一つ分にも及ばない状況でした。

　私のブースを借りていた人は10年以上商売を続けていましたが、やめることになり、隣のブースの人がそれを買い取りました。その頃は他のブースの賃料が次々と上がっており、私も賃料を1000元上げたいと思いましたが、借り主が強く反対したため、そのまま据え置きにしました。年末にその方がビールと飲料水を1箱ずつ持ってきて、「お世話になりました」と言ってくれました。私は「受け取れません」と断りましたが、「これは旦那さんへのものだから」と言って置いていきました。

　十数年の間、ブースの賃料は一度も上げも下げもせずに続いていました。ある日、借り主から電話があり、「契約更新の機会に賃料を下げてほしい」と言われました。「この数年、コロナやネット通販の影響で、実店舗はどこも厳しい」とのことでした。私は「うちの賃料は建物で一番安いし、昨年からは娘に渡していて、娘にも子どもが二人いて大変。たった1年で値下げは難しい。少し考えさせて」と伝えました。

　電話の後、私は他のブースのオーナーに連絡し、賃料を尋ねました。「うちは1ブースで年間1万元以上で、何年もそのまま」と言われ、自分の二つのブースが他人の一つ分と同じ賃料だと知って驚きました。「それなのにまだ値下げを求めるのか」と一瞬思いましたが、冷静に考えると「なぜ自分にそういう要求が来るのか？　もしかして、まだお金への執着があるのでは？」とも思いました。「損して得取れ」とも言うし、人の立場にも立たなければならず、「彼女にも言い出すには相当な事情があったのかもしれない」と考え直しました。

　その結果、1000元だけ値下げすることに決め、二つのブースで年間1万4000元から1万3000元にすると伝えました。彼女はとても喜び、何度もお礼を言って「明日、賃料を受け取りに来てください」と言いました。

　翌日訪ねると、彼女は「息子にも子どもが二人いて、家を新築したばかりで、取引先に未回収の債務もある」と話してくれました。別れ際、彼女は「大法を修めている人って、やっぱり他の人とは違うわね」と言いました。