文／海外の青年弟子

　【明慧日本2025年10月17日】

　一、これまでの修煉の道を振り返り、大法の不思議を実感

　1992年、法輪大法が世に広まったその年に、私は生まれました。私の誕生は家族に大きな喜びをもたらしましたが、体の弱かった母には多くの病を残すことになりました。1996年、母は幸運にも法輪大法の修煉を始め、それ以来、さまざまな病が薬を使わずに治りました。当時4歳だった私は、母に連れられて大法の修煉を始めることになりました。

　年齢が幼く、文字も読めなかった私は、母に付き添って学法グループに参加し、大人たちが大法の本を読むのを聞いていました。内容はよく理解できませんでしたが、「真・善・忍」に従って良い人になるということだけは、しっかりと心に刻まれました。この三文字は、種のように私の幼い心に根を下ろし、芽を出し、その後の人生のあらゆる成長段階に影響を与え続けました。

　私は他の空間を見ることはできませんし、重病が治るような奇跡を体験したこともありません。それでも、師父は私を励ますために、いくつかの不思議な体験をさせてくださいました。

　たとえば、近所の家で初めて功法を学んだとき、お腹の中で丸いものが回転しているように感じたのです。同修が「それは師父があなたに法輪を下さったのよ」と教えてくれました。あれから今日まで、私のお腹ではずっと法輪が回っており、手で触れるとその存在を感じます。特に煉功中は、その回転がより力強くなります。また、煉功や発正念の時には、体や手のひらが明らかに熱くなります。学法する中で、これはエネルギーの現れなのだと分かりました。

　また、中学時代のある夏休みに、初めて一人で『轉法輪』を読んでいて、「天目」に関する内容を読んでいたところ、額の中心に強い力を感じ、それが中に突き刺さるような感覚で、とても不快になり、何度もそこを触ったり揉んだりして和らげようとしました。その時、「これは師父が修煉への決意を強めるために、天目が実在することを知らせてくださっているのだ」と感じたのです。

　さらに、「現世応報」を思わせる経験も多くありました。中でも特に印象に残っているのは、小学生の頃のことです。たとえば、誰かを嫌いになったり、陰口を言ったり、良くないことをした時には、しばらくすると決まってトラブルや不運なこと、あるいは自分が嫌がっていた出来事が自分自身に降りかかってきました。当時は理由がわからずとても悩みましたが、後になってようやくこれは師父がいつも慈悲深く見守ってくださり、私に「悪い考えや念を持って他人を傷つけたり、徳を失ったりしてはならない」と教えてくださっていたのだと気づきました。

　1999年、中共が法輪大法への迫害を始めたことで、それまでの自由な修煉環境は一変し、極度に緊張したものになりました。修煉しない私の父は、恐怖から母の修煉に反対し、私を連れての修煉も拒み、両親はたびたび言い争いをしていました。私はその間に挟まれ、とてもつらい思いをしました。しかし、私は「大法は素晴らしいものだ」とはっきりと分かっていました。自由な環境ではなくなったとはいえ、時間があれば母が法を読んでくれ、私は静かにそれを聞いていました。時には一緒に『論語』や『洪吟』を暗唱することもありました。中学生になってすべての漢字を読めるようになってからは、自分一人で本を読めるようになりました。高校は寮生活でしたが、母が私のために新しい『轉法輪』を用意してくれ、その本は私の高校生活、大学生活、そして卒業後の社会人生活までも共に歩んでくれました。

　師父のご加護のもと、私の人生は比較的順調でした。成績も良く、アナウンスや司会の分野で多少の特技もあり、卒業後はメディア関連の職に就き、待遇も良い理想的な仕事に就くことができました。親戚や友人たちの間でも、「修煉していると福報がある」ことを証明できたと思います。

　ただ、正直に言うと、私は修煉にあまり精進していませんでした。学生の頃は学業に追われ、時間がある時に少し法を学ぶ程度で、社会人になってからは多忙を言い訳に、思い出した時にしか本を開かなくなっていました。常人社会の濁流の中で、少なからず悪い影響を受け、純粋さを失っていました。それでも師父は常に慈悲深く私を見守ってくださり、修煉の状態が非常に悪くなった時でさえ、不思議と現地の同修に出会わせてくださり、集体の環境を見つけることができました。そうして私は、つまずきながらも今日まで修煉の道を歩んでくることができたのです。

　二、法を正すことを助けたいという願いで、アメリカに留まる決意

　2024年の夏、これは私の人生と修煉における大きな転機となりました。当初、私は単に旅行気分でアメリカを訪れただけでした。しかし、到着後、かつて知り合った同修たちと交流を重ねる中で、自分の修煉について「ここに留まるべきか？　もし留まるとしたら、その根拠は何か？」と真剣に見つめ直すようになったのです。心の奥底には「ここに残る」という明確な答えがありましたが、思考の上では強い葛藤と迷いが続きました。何日も「どうするのが本当に正しいのか」を考え続けました。本来の「真の私」と執着心が、内面で何度もぶつかり合っていたのです。

　私は自分に問いかけました。「あなたは誰？」答えは「私は大法弟子」

　「あなたの使命は何？」答えは「師を助けて法を正し、衆生を救うこと」

　「ここ数年、常人社会での仕事で本当に幸せを感じていたか？　以前のように娯楽にふけり、時間を無駄にするあの悪循環に戻りたいと思うか？」答えは「もう戻りたくない」。

　「ここに留まることへの不安は？　それによって何かを失うことになるか？」。答えは「それは安定した仕事と収入、快適で平穏な生活を自ら手放すことを意味する。そして、家族とも離れ、異国ですべてをゼロから始めなければならない。おそらく大きな魔難が待ち受けているかもしれない」

　「では、残ることで何を得られるか？」答えは「これまで積み重ねてきた職業経験やスキルを、大法のメディアで法のために活かすことができる。海外では私のような若者が必要とされている。自由な環境の中で、人を堂々と救うことができる。そして最も大きいのは、海外における法を正す大きな勢いの中で、私はその進展についていけるようになり、修煉者として本来あるべき道を歩み直すことができる。自分自身を修めるとともに、多くの人々を救うこともできるだろう」でした。

　そう考えるうちに、私の思考はだんだん整理され、答えは明白になっていきました。その間、私は師父の法を繰り返し学び、正念を強く保ち続けました。

　だからこそ、私は「名・情・利」をきっぱりと手放し、自分の修煉に責任を持ち、師父を助けて法を正すという誓いを果たすべきだと自分に言い聞かせたのです。こうして私は、中国での仕事を辞め、アメリカに残ることを決意しました。私は辞職の意向をまとめた手紙を何日もかけて丁寧に書き、誠意をもって謝意を伝え、円滑な引き継ぎを行い、職場に迷惑や損失を与えないよう全力を尽くす旨を上司に伝え、理解を求めました。

　これまで自分が築いてきたものを、明確な意志で手放すのはやはり少なからず心が痛むことでした。しかし、私は修煉者として、自分の生命が本当に求めているのは大法であるとはっきり分かっていました。

　（続く）