　【明慧日本2025年10月18日】米国の神韻芸術団が初めてフランスを訪れてから今日に至るまで、私はずっと神韻フランス巡回公演に同行してきました。大変幸運であり、また光栄に思います。

　ある種のプロジェクトに参加して自らの使命を果たす時、これらのプロジェクトはまるで生命を持っているかのようで、活力に満ちた生命体だと感じます。私は決して孤独ではありません。なぜなら、いつも精神的な次元で神と交流しており、師父がすぐそばにいらっしゃることを感じ取れるからです。

　今年の公演シーズンでは、12都市で88公演を行い、多くの試練を経験しました。うまく乗り越えたものもあれば、うまく乗り越えられなかったものもありました。内心では喜びが満ちる一方で、師父と正神から刻一刻といただいたご加持、そして神韻アーティストへの無量の感謝でいっぱいでした。師父と神佛は神韻を通して幾万もの衆生を救い済度してこられました。その一端にあずかれるとはなんという栄誉でしょうか。

　私の修煉体験の発表があまり雑然としたものにならず、皆さんにとって実際に役立つものとなるよう、一つか二つのテーマに絞って、自らの修煉体験をお話ししたいと思います。

　まず取り上げたいのは、巡回公演期間中に受けた中国共産党（以下、中共）による妨害と、私自身の修煉の向上との関係です。

　巡回公演の期間中は、毎日が息つく暇もないほど忙しいものでした。なぜなら、私たちは常に先を見越して準備を怠らず、事前の計画をしっかりと立て、現場で起こる突発的な出来事に対処する必要があるからです。そこへ人々の心理を巧みに操る中共の心理戦や様々な脅しが加わると、まさに深刻な影響をもたらし、私たちを妨害します。各都市ごとに、中共の妨害がもたらす負の結果の影響を最小化するために最大限の努力が必要でした。これらの経験は骨身にしみるもので、もし対処を誤れば、中共の破壊が公演中止などの災難へと転じかねませんでした。

　結果として、すべての公演は無事に上演され、神韻は衆生を救い済度する使命を人知を超えたレベルで成し遂げました。困難を乗り越え成功に至るまでの過程で、師父と多くの神々による普通では考えられないような数々の奇跡的な出来事を目の当たりにし、私自身も向上し、間違った考えを修正しました。

　今年の巡回公演で訪れた全ての都市が、中共からの脅しや妨害にさらされました。幸い、法輪大法学会が事前に全劇場の担当者へ真相を明確に伝えていました。

　A市の初回公演の数日前、主催側の連絡ツールに爆弾の脅しに関するメッセージが届きました。この脅迫メッセージは劇場側に直接送られたものではありませんでした。中共によるテロの脅威に対し、私は警察に通報しました。私たちは爆破予告があったという情報を公にせず、皆で正念を発して支えるようにお願いしました。その後、私はフランス領土監護局（訳注：対スパイ活動、対テロリズムの役割を担うフランスの情報機関）から事情聴取の呼び出しを受けました。担当者は非常に強圧的で表情も厳しいものでした。驚いたのは、通報者は私なのに、最初の質問がまるで私を責めているかのようだったことです。「あなたと法輪功修煉者の関係は？」「法輪大法でどんな役職に就いているのか？　なぜ？　どうやって？」などなどでした。

　フランス領土監護局の担当者たちが、私が事件を引き起こした原因であるかのように私を扱っていると感じたので、私は厳しい口調でこう尋ねました。「あなたたちのフランス領土監護局としての勤務番号は何番ですか？　冗談を言っているのですか。私は通報しに来たのです。私の通報後、どんな手掛かりが見つかりましたか。今、フランスで合法的に公演を開催しているこの協会を、中共政権がフランス領土で行う暴挙と脅迫から守るため、どのような措置を取るつもりなのか教えてください」

　すると、向かい側にいた2人は瞬時に声色と態度を変え「私の側に立つ」ような様子になりました。実際には、フランス領土監護局の担当者たちはすべてを把握しており、生体臓器収奪の詳細や、中共が採る手段に至るまで知っていました。担当者たちは、私が知らなかった中共の手口についてまで話してくれました。しかし担当者たちの話の最中、私は心の中で「また演技をしている、彼らの本当の顔が見えない」と思いました。

　そして、はっと気づき自問しました。「自分は何をしにここへ来たのか？」と。担当者たちは救い済度を待つ衆生なのです。

　私は心を込めて説明を始めました。「あなたがたは中共政権を理解しているはずです。私たちはみな知っています。彼らは中国人の命をも惜しまず、誰の命も大切にしません。今私たちが経験しているこの歴史の一幕は、中共を終わらせるためというより、善と悪の間で選択する機会を与えるためのものかもしれません。今この瞬間だけは、『フランス領土監護局の職員』という仕事上の役割や立場は一旦忘れてください。私たちがここにいるのは、内心の奥底にある何かが、善念と良知にもとづいて重大な選択をせよと促しているからです」

　「その選択は実は単純です。一方には信仰を迫害する恐怖政権があり、もう一方には真・善・忍を堅く信じる人々がいる。想像を超える話に聞こえるでしょう？　しかし本当にそれだけのことです。ですから、どうか最も誠実な心で自分に問いかけてください。何が正しいのかを。もしかすると、すべては私たちが良知と本性を取り戻すために存在しているのではないでしょうか。そして皆が目覚めた時、この邪悪は存続する理由を失うのではありませんか」

　そう語った時、向かいの男性警官の目には涙が浮かび、若い女性職員も深く感動していました。担当者たちの心が動いたのは数秒のことでした。担当者たちは私に礼を述べ、連絡を取り合いたいと求めました。去り際、私は、まさに担当者たちの心を動かした言葉を口にした瞬間に、彼らが自らの立場を正しく置き直したのだと感じました。それ以前は、彼らはすべての情報を把握していながら、法輪功を支持して具体的な行動を起こしたわけではなかったのです。

　B市では、観客の入場直前に劇場へ爆弾の脅しが届きました。劇場の責任者は爆弾の脅しが届いた状況で選択の余地はなく、爆発物処理班による検査を行わざるを得ませんでした。しかし劇場職員は極めて沈着で、私たちを劇場外へ誘導し、劇場の外に並ぶ観客と共に待機させました。

　危機的状況の全体を把握した時、私は劇場内の爆発物処理の作業を加速させなければならないと考えました。外へ出た同修たちはすぐに一斉に正念を発し始めました。

　私は劇場の敷地を囲む金網でできたフェンスのそばに立ち、内心の最も深いところから爆破予告による妨害を否定し、この按排を否定しました。これほどまでに強大な正念を発したのは初めてで、涙が頬を伝って止まりませんでしたが、他の人たちは私の後ろにいたので、私の顔は見えませんでした。

　私は師父、正神、さらには先祖代々の加持を求めました。そして、空を仰いで「歴史上、私と同じ姓を持つすべての人々よ。もし今日、あなたがたにできることがあるなら、どうか加わってください！」と言いました。他の空間で正邪の大戦が起きているのを感じました。　爆破予告事件による妨害を直ちに止め、衆生を救い済度できるように、皆が善のために戦い、善と共に歩む選択をしていました。

　ある瞬間、ふと「この妨害を止めるためなら、私は何でも差し出せる」という考えがよぎりました。一見、非常に自己犠牲的で崇高な決意のように見えますが、実は正しくありませんでした。というのも、すぐに「よろしい、では何を差し出すつもりなのか」という声が聞こえたからです。私は直ちに自らを是正し、「滅」の念で背後にある邪悪のエネルギーを清めました。するとすぐに、自分が劇場の中にいるのが見え、私の体は限りなく大きく、頭は天井に届き、発する声は劇場全体に響き渡りました。

　心の中でこう言いました。「私は李洪志師父の弟子である。お前たちは速度を上げよ。いかなる時間や空間場の制約も受けるな。私たちはこの妨害を受け入れない」。あらゆるものが強力でエネルギーに満ちて前へ前へと推し進むのを感じました。強力なエネルギーの流れは押し寄せる大波のようでした。私の体の内外は長い間、聖なる空間の強大なエネルギー場に浸り、全身の細胞の一つ一つに極めて高い密度で凝縮しながらも独自の意識と力を持つ「神聖な生命体」へと変容したかのようでした。

　しばらくして（その時、感覚はすでに失われていた）、劇場職員が観客の入場を開始し、公演は45分遅れで順調に開演しました。劇場側は「通常、爆発物処理にはかなり時間がかかり、規定も煩雑なので、公演は中止になると思っていました」と言いました。

　私たち修煉者には分かっていました。他の空間での戦いはすでに勝利していたのです。その瞬間、学習者たちが発した強大で、堅固で、心を一つにした正念が局面を転じさせました。師父の次のお言葉を思い起こしました。「弟子正念足りれば　師は回天の力有り」（『洪吟二』「師徒の恩」）

　この体験を通じて、師父が『二〇〇三年元宵節での説法』で説かれた「大法弟子は一つの全体として、法を実証する中で協調することができれば、法力が非常に大きくなります」ということを悟りました。

　また、自分には英雄的な自己犠牲の精神があることにも気づきました。すなわち「大法のためなら何でも差し出せる、命だって捧げられる」としばしば考えていたことです。ずっと正しいと思っていましたが、今は分かります。別の次元から見れば、自己犠牲の思考は旧勢力に利用され得る漏れとなり、彼らが私を攻撃したり、私の修煉の道を操ったりする口実になりかねません。自己犠牲の考えは私の自尊心や強固な意志と結びついていると悟りました。今後は衝動を抑え、より冷静に、そして冷静さ・粘り強さ・智慧でもって物事に臨むべきだと思います。

　私たちの正念が足りていれば、中共のあらゆる妨害は最終的により多くの人々へ真相を伝える契機となり、人々が自らの立場をより明確かつ誠実に定められるようになります。

　さらに、この機に、神韻順延公演に関わる各省・各市の警察当局と関係者すべてに真相を伝え、中国の政権によるテロ行為を知ってもらうことができました。多くの人が私の話に衝撃を受け、毎回、地元の警察や憲兵隊の支持を得ました。

　劇場担当者の中には、もはや脅しのメッセージには取り合わず、即座にごみ箱に捨ててしまう人もいました。ある女性の劇場支配人は公演の数日前、中共の領事館の人物に直接会った時、「神韻をこの劇場で上演させてはならない」と要求されました。劇場支配人は「ここはフランスです。神韻の上演を認めないというのは、いわば販売拒否に当たります（つまり、フランスでは違法行為）」と答えました。そして同じ日に、私たちに来年の公演の契約書を急いで送ってくれ、支配人自身の署名が入っているかを重ねて確認してきました。

　私はまだ多くの執着を完全には取り除けていませんが、これからも努力を続け、精進する修煉者の基準に達したいと思います。はっきりと分かっているのは「師を信じる」とは、師父が宇宙と宇宙万物を創造されたことを受け入れる、という表層的なことだけではないということです。なぜなら、その程度のことは魔ですら知っているからです。

　「師を信じる」とは、いついかなる時も、師父が私のために按排された修煉の道を受け入れ、その道を歩むことを意味します。

　大法は私と家族との関係を変えた

　私は10人兄弟の家庭に生まれました。当時、働いていたのは父親だけで、父親は工員でした。父親は勇敢で、信仰と自らの良心に基づく揺るぎない行動基準を持つ人でした。姉妹たちの話では、私が生まれた時、母親はひどく泣いたそうです。私が母親にとって7人目の娘であり、ずっと息子を望んでいたからでした。さらに「7人目の娘は不運の象徴で家庭に不幸をもたらす」という迷信もありました。父親は母親を慰めて「これは天の御意志だ。真の救いがどのような形でもたらされるかは我々人間には到底予測できない」と言いました。私が生まれた日から、家で起きる悪いことはすべて私のせいにされ、私は家庭で大いに冷遇されました。

　その後、私が法学を学び始めると、父親は私に関心を向けるようになりました。私は父親からの「承認」への喜びを感じ、法学の専攻もとても好きで成績も良かったのです。その頃、父親だけが唯一、私に愛情と関心を注ぎ、私を一人の人間として尊重してくれるかけがえのない存在でした。父親が亡くなった時、姉妹たちは私を父親の葬儀に参列させてくれず、私と最も親しかったもう一人の姉妹のどちらか一人が家に残らなければならない、と言いました。私は「もし私が参列すれば、この親しい姉妹が参列できなくなり、彼女はひどく苦しむだろう。その苦しみを見るくらいなら、私が代わりにその苦しみを引き受けよう」と思い、私が残ることを選びました。当時、私は、姉妹たちの残酷な仕打ちに対して怒りや憎しみを向けることはしませんでした。しかし、なぜ肉親がここまで非情になれるのか、その心理が全く理解できませんでした。

　21歳の時、私は母親の家を出ました。恐れはありませんでした。外でどんなことが起きようとも、これ以上悪くなることはないと知っていたからです。不思議なことに、その頃の私は他人の目には、人生に情熱を持ち友人を助けるのが好きな人と映っていました。人々は、私がとても結束が固く温もりと愛情に満ちた家庭の出だと思っていました。実際には、父親の死後、私は家出し、家族とかかわりを持ちたくないと思っていました。

　2002年から2023年にかけて、私は修煉を始め、因果応報と人と人との縁を理解するようになり、自由を得てとても幸運だと感じました。家族と再び連絡を取り、家出について謝罪しました。法輪大法を修煉しているから戻ってきたのだと、大法は家族を善く扱うよう求めているのだと伝えました。

　私が法輪大法の修煉を始めた後、7人の兄弟とその子どもたち全員、そして母親も、何度も神韻を観に来ました。彼らは皆、大法が私の性格を良い方向に変えたのを目の当たりにしていました。今では家庭の状況は大きく変わり、家族全体が私を信頼し、法輪大法を支持しています。

　私はできる限りのことを行い、最大限の善意で母親に対する介護や世話を行い、正念正行を保ちました。家族は私の姿から大法弟子の姿を見ていました。その時以来、家族は皆「大法は本当に素晴らしい」と言い、煉功を始めたいとまで言うようになりました。しかしそれでもなお、私の心の中には恨みが残っていると感じ、自分が行っていることは「慈悲」からではなく「義務感」から来ているだけだ、と感じることがありました。

　私はよく師父の次のお言葉を思い出します。「ですから、良いことに遭っても、悪いことに遭っても、大法さえ修めていれば、すべては良いことです。これは揺るぎのないことです」（『二〇〇五年サンフランシスコ法会での説法』）

　私は、比較的困難な環境で生活してきたため、人と交わる時、時に冷淡あるいは杓子定規に見えることがあると気づきました。今年の巡回公演を通じて、効率や自信、強固な意志が重要であるのと同じく、神韻芸術団の第7団が示してくれた「優しさ」も力であることを次第に理解しました。この気づきは、自分の脆さを受け入れ、他人に自分の脆さを見られることを恐れないことの大切さを悟らせてくれました。これは私にとって成長であり、長年背負ってきた重荷を放下する助けになりました。

　今日はついに、心の奥底から自らの脆さと正面から向き合えるようになり、脆さがあるからといって自分の中の力強さを失うわけではないと分かりました。まさにありのままの自分の脆さを正視したことで新たな扉が開き、未知の自分に出会うことができました。公演を観終えた後、自分が重い義務感に駆られ感情を殺して戦う孤独な「戦士」ではなく、ようやく鎧を脱いで、心からの愛と善意で物事に取り組めるようになりました。

　感情のコントロールという点ではいまだいくつかの難しさがあり、特に怒りの感情の制御が課題です。表面的には以前よりいくぶんうまく抑えられるようになりましたが、それでも時に理性を失わせることがあると感じます。まだ取り除き修め直すべきところが多く残っていると分かっています。

　トラブルや衝突に直面した時は、いつも自分に極めて重要な二つのことを忘れないように言い聞かせます。

　第一は「真・善・忍に同化する、真・善・忍に同化する、真・善・忍に同化する」と繰り返し自らに言い聞かせることです。第二は、自分には敵などおらず、修煉者はみな師父の弟子であると心に刻むことです。常人に向き合う時は、ここに来るには並外れた勇気が要り目の前に立っているこの人はすでに無数の魔難を経てきたのだと、自分に言い聞かせます。

　師父に感謝申し上げます。同修のみなさんに感謝いたします。以上は修煉の過程で得たいくつかの修煉体験にすぎません。もし不適切な点があれば、慈悲深いご指摘をお願いします。