文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年10月19日】1999年4.25、大法弟子が北京で歴史的な平和的正義の訴えを行ってから27年が経ちました。私は警察官の制服を着て、他の1万人の法輪功学習者（以下、学習者）と共にこの平和的な抗議活動に参加しました。これは私とって、一生にも忘れ難い思い出です。

　私は、中央政府庁舎の中南海で何が起こったのかを目の当たりにしましたが、それは中国共産党（以下、中共）が法輪功を中傷するために描いたプロパガンダとは全く異なるものでした。

　私は1994年、地元の司法機関で働いていた時に法輪大法の修煉を始めました。大法を学んだ後、私は熱心に職務を遂行し、長年にわたり地域システムで職務成績1位を維持しました。師父は私たちにできる限り多くのことを学ぶよう求めておられるので、私は2つの夜間の大学に入学し、授業を受けました。

　私は大法の真・善・忍の規範を常に守り、誰からも賄賂を受け取りませんでした。私はできる限り人々を助け、機会があれば大法を広めました。同僚の10数人が大法の書籍を読んでいました。警察署長にも大法を広めました。仕事の後には、他の政府機関の職員にもよく大法について話しました。

　1999年4月24日の朝、私はある学習者から、天津の雑誌に法輪功を中傷する記事が掲載されたと聞きました。天津の学習者が出版社に事情を説明すると、天津市公安局は数100人の警察官（一部は武装警察）を派遣し、大法弟子45人を殴打し、不当に連行しました。

　近年、そのような事件が何度か発生しており、私たち自身も煉功場での妨害や干渉に絶えず対処していたため、このニュースを聞いても驚きませんでした。

　1996年、政府は法輪大法の書籍の出版を禁止しました。その後、『光明日報』が大法を誹謗する記事を掲載しました。その後、警察が密かに捜査していると聞きました。さらに、北京ラジオテレビが大法を誹謗する番組を放送しました。その後から北京は弾圧を強め、天津の学習者を公然と連行しました。

　私たちは交流を重ね、悪意ある人々が密かにこの功法を阻害しようと騒動を起こしているという結論に至りました。そうでなければ、人々が健康を取り戻し、道徳観念を高め、家庭円満をもたらし、社会の安定と医療費の節約につながるこの素晴らしい功法を、政府がどうして禁じることができるでしょうか。

　私たちは、法輪大法についての私たちの理解を政府の最高レベルに伝えることを決意しました。国の指導者たちが真実を知れば、私たちを支持してくれると信じ、北京へ行くことを決意しました。

　その夜、私たちは北京行きの列車に乗りました。私たちが様々な階層から来たことを示すために、私は真新しい警察官の制服を着ました。その夜、列車は非常に混雑していましたが、とても静かでした。全国から多くの大法弟子がこの列車に乗っているのだと思いました。

　翌朝、私たちは北京駅で降り、中央政府庁舎のある中南海行きのバスに乗りました。バスの乗客のほぼ全員が私たちと同じ停留所で降りました。彼らもまた、全国から嘆願に来た学習者たちでした。中南海に向かう途中、人は多かったものの、静かでした。

　私たちが到着すると、中南海の赤い壁の向かい側の歩道に皆が立っているのが見えました。皆、人が通れるように歩道に約3メートルのスペースを丁寧に空けていました。私たちが立つ場所を探していると、警察や軍服を着た同修が何人かいることに気づきました。私たちは挨拶を交わし、互いに会釈しました。

　しばらくして、私たちは立つ場所を見つけました。すでに夜が明け、地元の人々が通り過ぎていきました。ある人が「この人たちは法輪功のために嘆願しているんです」と言っているのが聞こえました。制服を着ている学習者を見て、別の人が「なぜ警察官や兵士、裁判官がいるのですか？」と言いました。また別の人は「こんなにたくさんの人が法輪功を修めているのだから、当然いろいろな仕事に就いている」と言いました。

　全国各地から学習者が続々と集まり、青い空、白い雲、緑の木々、そして朝日に照らされた赤い壁を背景に、数1000人の大法弟子が静かに陳情する光景は壮観でした。

　午前10時頃、遠くから突然拍手が沸き起こりました。当時の国務院総理・朱鎔基氏が私たちのところにやって来ました。数分後、2人の女性法曹関係者が心配そうに近づいてきて「誰かこの法律に詳しい人はいませんか？」と尋ねました。国務院総理が数人の代表者に国家書簡局の幹部と面会するよう指示したからです。私は警察官の制服を着ていたので、そちらにも行ってほしいとのことでした。

　私はためらいました。私は一介の警察官であり、中南海で国家指導者と面会することは、私にとっては大きな精神的挑戦でした。この重責を任されたことで、本当に大きなプレッシャーを感じました。しかも、刑法しか知らず、他の法律についてはよく分かっていませんでした。

　請願書を台無しにしてしまうのではないかと心配になり、同意する勇気がありませんでした。そこで、私の後ろに控えていた別の弁護士、裁判官を推薦しました。この裁判官は経済契約紛争の専門家でしたが、民権法についてはよく分からず、やはり断られました。

　時間は刻々と過ぎ、北京の2人の学習者はひどく不安になっていました。すると突然、関係法を熟知した学習者が他の数人の学習者と共にすでに中南海に入っているという電話がかかってきました。

　しばらくすると、たくさんのパトカーが到着しました。多くの警察官が降りてきて、散開し、私たちの前に立ちました。私たちはプラカードを掲げたり、シュプレヒコールを上げたりせず、ただ静かに立っていただけだったので、警察官たちは3人か5人ずつで立ち話をしていました。彼らは私たちに対して悪意を持っていたわけでもなく、最初の緊張した雰囲気はすぐに消え去りました。

　この時、私たちは時折、黒や白のバンがゆっくりと通り過ぎていくのに気づきました。同修たちは、バンの中から私たちを撮影するビデオカメラが設置されていることを発見しました。

　政府が何をするかは誰にも分かりませんでしたが、天安門広場で抗議活動中の大学生を殺害するような犯罪を犯す力があることは分かっていました。私たちが不安に駆られていた時、近くにいた学習者が「警察は私たちを録画していますが、天は私たちの姿を録画しています」と言いました。彼がそう言うと、皆の正念がたちまち湧き上がり、最前列の学習者は皆、胸を張って立ち尽くしました。

　しばらくして、警察は私たちに立ち去るようにという命令を受けました。立ち去らなければ、その結果は私たちが負うことになる、と。しかし、私たちの代表は国務院請願事務室で指導者たちと話をしていたので、立ち去ることはできませんでした。警察に指示されたにもかかわらず、誰も動きませんでした。後になって聞いたのですが、国請願局が北京法輪大法研究会の学習者数人を話し合いに招待したそうです。結果を待つために留まる理由は他にもありました。

　あたりは暗くなりつつあったのですが、何の連絡もなかったのです。私はこの問題が解決できるのか、どれくらい待たなければならないのか、全く分からなかったです。私は少し気が重くなりました。

　この頃には、学習者が国家局に嘆願に行ったというニュースが北京中に広まり、心優しい北京市民が私たちに立ち去るよう促しました。「共産党は非常に残酷ですよ。理性で話し合えるはずがないです。日が暮れたら、あなたたちを弾圧し始るかもしれないです。1989年6月4日（天安門事件）がまさにそうだったですよ」と彼らは言いました。

　彼らがそう言った時、私の心は沈み、かすかな恐怖が湧き上がりました。私の警察組織には、6月4日の天安門事件に直接関与した幹部が数人いました。彼らは「中共は必要な時には恐ろしい存在になる」と言っていました。しかし、私が顔を上げると、他の学習者たちがまだしっかりと立っているのが見えました。私はこの正義の場に身を委ねると、恐怖は消え去りました。私は心を落ち着かせました。ここに来たのだから、もう心配は無用です。すべてを天の御心に委ねようと。

　私は、電車に乗った時は夜通し寝ずに、一日中立ちっぱなしで疲れ果てていました。私は空いている席を見つけて座ると、いつの間にか寝てしまっていました。午後9時頃、同修たちが私を起こし、会議は終わったと告げました。国家指導者たちは天津警察に学習者を釈放するよう通告しました。しかし、私たちの他の要求については更なる協議が必要だと告げられ、直ちに中南海から立ち去るように言われました。平和的な交渉は終わり、私たちは一夜にして故郷へと帰りました。

　帰宅後、私は警察に呼び出されました。私が北京に行ったことをどうやって知ったのか、全く分かりませんでした。警察のリーダーたちは「法輪功のために嘆願するために警察の制服を着て北京に行ったのは政治的な配慮に欠ける」と私を批判しました。しかし、懲戒処分は一切受けませんでした。

　大法が攻撃を受けた時、私は大法弟子として、必ずそれを守らなければなりません。これは真の大法弟子として逃れることのできない責任です。警察の一員として、師父と大法が不当な扱いを受けた時、私は彼らの声を届ける責任と義務を負っています。