　【明慧日本2025年10月19日】（遼寧省＝明慧記者）遼寧省瀋陽市蘇家屯区在住の法輪功学習者の王威さん（68歳女性）は、2024年7月12日に蘇家屯支局の国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関）の警官により連行され、同年12月26日に瀋陽市渾南区裁判所により懲役4年の不当判決を言い渡された。

　今年4月15日には瀋陽市高等裁判所により控訴を却下され、9月16日に遼寧省女子刑務所に拘禁された。王威さんは第十二監区で残酷な迫害を受け、拘禁されてから1カ月足らずで骨と皮ばかりになるまでやせ衰えた。家族は国際社会の注目を切に願っている。

　　　　王威さん

　刑務官が再々嫌がらせ行為をし、　家族の面会権を剥奪

　王威さんが9月16日に拘禁されて以降、家族は直ちに刑務所での情報照会、法的文書の提出、面会要求を行ったが、刑務官がわざと嫌がらせをし、何度も奔走したにもかかわらず、面会できなかった。

　9月16日、家族が王威さんの所持金カード残高がゼロになっていたことから、刑務所に移送されたことを確信した。当日の午後、王威さんの娘・王暁晨さんは、遼寧省第二女子刑務所のサービスセンターで入監情報を照会したが、記録は見つからなかった。17日午前、同センターに電話したところ「当事者が入監していれば家族に通知する。遼寧省女子刑務所にも問い合わせてみて」との回答であった。暁晨さんが遼寧省女子刑務所のサービスセンターへ電話すると、女性職員は「あなたの身元を確認できないので答えられない。ただし、人が第二女子刑務所には居ないなら、ここ（遼寧省女子刑務所）に居るに違いない。なぜなら、この二つの刑務所しかないから。電話を待ちなさい」と言った。

　17日11時頃、遼寧省女子刑務所第十二監区の隊長・孟姝涵から電話があり、「あなたの母親は昨日すでに第十二監区で服役し始めた」と告げられた。通話の中で暁晨さんは「刑務所が法輪功学習者に対し行っている各種の迫害手段を知っています。家族として母の境遇をとても心配しています。母は冤罪で、いま申し立てて控訴を進めているところ、信仰の自由は保障されるべきであり、強制的な『転向』はしないでください。母たちに優しくしてください」と、家族の立場を表明した。

　これに対し、孟姝涵は「当刑務所の教育も政策も、法律に背くものは一つもない。違法なことはしない。ここは法執行の場であり、違法の場ではない。法に則り、規則に従って執行するから安心しなさい。過度なことはしない。あなたが心配するのは分かるが、政府や刑務所の管理をそのように評する必要はない」と言った。

　その後、孟姝涵は家族の法輪功に対する態度を何度も聞いた。暁晨さんは「私の理解では、母は長年の修煉で健康を取り戻し、品行と道徳も高まりました。善いことを行い、悪事はしません」と答えた。孟姝涵が「つまりあなたは、母親の法輪功修煉を支持するのか？」と追及すると、暁晨さんは「母は修煉前は病で起き上がれず、毎月薬に頼っていましたが、修煉後は快復しました。これほど良いものをどうして反対するのでしょうか」と答えた。孟姝涵はさらに、面会の際に法輪功の良さを言わない「承諾書」を書くよう求めた。暁晨さんは「承諾書など書きません。母が殴打や体罰を受けていないか、望まないことを強制されていないか、母の人身の安全が脅かされていないか知る必要があります」と言った。孟姝涵は「明日は面会日ではない」として面会を拒み、控訴状について、「我々は目を通したが刑務所に関係する内容はない。こうした資料の郵送は我々の法執行環境に対する妨害だ。今後は送るな」と言った。

　9月18日、暁晨さんは遼寧省女子刑務所サービスセンターに赴き、「王威さんの生命安全守る緊急申請書」を提出しようとしたが、当直の女性職員は受け取らず、「このような資料は受け取ったことがない。どの部署に回すか分からない。ここにいると分かっているなら、それでよいではないか。何を心配するのか？　誰が拷問などするというのか？　職を失うつもりか？　もしあなたは母親が中で脅威にさらされていると思うなら、証拠を持って検察庁に告訴し、法の手続きを行えばいい。面会できるようになったら中の様子を本人に聞けばよいではないか」と、家族が考えすぎだとも言った。

　9月19日、暁晨さんは再び遼寧省女子刑務所に行き、ホールの窓口で手続きを提出した。窓口職員は監区隊長が出てくるまで待つよう告げた。2時間後、ようやく孟姝涵ともう一人の責任者が出てきたが、書類を確認して「今日は面会日ではない。どうしても面会できない」と言った。

　暁晨さんが「母の安全は保証できますか」と聞くと、責任者は「必ず保証できる。安心しなさい」と答え、「来週の月曜日、母親と電話を繋いであげる」と言った。

　しかし、家族は9月24日(水)になっても電話が来なかったため、午後に再び刑務所を訪れ、第十二監区の責任者との面談を求めた。女性職員は「裁判所がすでに判決を出している。我々は収容を管轄するだけだ。ここで言うより、あなたの母親の控訴を裁判所で進め、判決を早く改めさせ、早く家に帰らせなさい」と言った。家族は「裁判所は関連法条を示せていないです。裁判所が判決したからといって有罪とは限りません。冤罪・誤判は数多くあります。法輪功は邪教ではなく、人に善を勧めるものであり、強制転向は違法です」と伝えた。

　同日、暁晨さんは母親と電話はつながったが、通話前に隊長の王晰月から「法輪功に関する話題は口にしないこと」と求められた。通話の声は極めて小さく、王威さんが厳重な管理と監視下に置かれ、恐れを抱いていることが明らかで、ほとんど何も言えない様子であった。また「私のことは構わないで、大丈夫だ」と言わされる一方で、「目がかすんで、物が見えない」とも話した。通話は数分で終わった。隊長が電話越しに「10日に来なさい」と言った。

　二、周到に仕組まれた邪悪な計画　王威さんは深刻な迫害に遭う

　娘の暁晨さんは幾多の困難を経て、10月10日に母親と面会できた。しかし、目の前に現れた母親の姿を見た瞬間、驚きと心が張り裂ける思いであった。

　10月10日午前9時過ぎ、手続きを終えて20分ほど待つと刑務官が面会ホールへ案内した。後から来た家族たちは次々に面会を許されたが、暁晨さんはさらに30分以上待たされ、ようやく隊長の王晰月と受刑者に両脇を抱えられて、母である王威さんを連れてきた。目の前の母親を見た瞬間、暁晨さんは愕然とした。わずか1カ月足らずの間に、母親は迫害により別人のように変わり、全身が骨と皮ばかりになり、やつれ果て、髪は真っ白、顔にはしわが刻まれ、両手や胸元の大きな関節は突き出し、肉がそげ落ち、皮一枚が張り付いているだけの状態であった。

　王威さんは腰を下ろすなり、声を上げずに涙を流した。暁晨さんが「お母さん、どうしたの。食事は足りていないの。どうしてこんなに痩せたの。もう顔が変わってしまっている……」と尋ねると、隊長の王晰月は横で「娘さんに早く言いなさい。祝日に何を食べたか。月餅も魚も果物もあって、出し物だってあったでしょう」と遮った。

　面会の間、王威さんの目には恐怖の表情が浮かんでおり、「私のことは構わないで」と言い続けた。母親の惨状を目の当たりにし、暁晨さんは面会の間ずっと涙をこらえ、胸の張り裂ける思いであった。面会は20分ほどで自動的に通話が切れた。家族は、王威さんが深刻な迫害と脅威にさらされ、面会で何を言い、何を言ってはならないかを強いられていると確信した。

　事情に詳しい関係者によると、今年の始め頃、遼寧省女子刑務所第十二監区の課長・幹事・刑務官隊長らは、王威さんに対する「転向」迫害の計画を前もって策定し、監視役の受刑者にもあらかじめ渡して準備させていたという。つまり、王威さんへの迫害手段と方式は、刑務所側が周到に計画したうえで、意図的かつ標的化して実施しているのである。

　法輪功学習者が刑務所に拘禁されると、刑務所側はまず外部から完全に隔離し、家族との面会権を剥奪する。そしてこの期間を利用し、各種の拷問や非人道的手段を強化して、集中的な強制「転向」の迫害を行うのである。遼寧省女子刑務所および遼寧省第二女子刑務所は、長年にわたりこのような手段で法輪功学習者を迫害してきた。

　（注：法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照）